日商プログラミング検定試験(STANDARDレベル・ Java)のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)




日商プログラミング検定試験の公式テキスト

公式ホームページから購入が可能です。
日商プログラミング検定公式HP
また、公式ホームページではサンプル問題を見ることができます。

目次 – 日商プログラミング検定STANDARD Java公式ガイドブック

はじめに

AI、IoTなどIT利活用の高度化・多様化により第4次産業革命が進行するなか、小学校からの必修化や大学入学共通テストにおける導入をはじめ、プログラミング教育が大きな注目を集めております。企業活動においては、IT需要の増大によりIT企業の人材不足が深刻化しており、ユーザー企業においてもITスキルを持つ人材がいないことが大きな経営課題となっております。
こうした状況を踏まえ、日本商工会議所では、情報技術の基盤となるプログラミングスキルの習得を促進・支援するとともに、企業のIT化支援およびITリテラシー強化に資することを目的として「日商プログラミング検定試験」を創設いたしました。

同検定は、基本的なプログラミングスキルの習得を支援するもので、年齢、職業等を問わず幅広く多くの方々に学習・受験いただける試験としており、学習の進捗度に応じて初学者から段階的に受験できるよう4つのレベルを設定しております。このうちSTANDARDレベルは、プログラミングに関する基本知識・スキルを問う内容となっており、実践的な試験とするよう言語別に、プログラミングに関する知識を問う「知識科目」に加え、設定された課題をプログラミングする「実技科目」で構成されております。

本書は同検定「STANDARD」の受験に際し、身につけていただきたい知識・スキルを提示・解説し、効率的に学習を進めていただく一助となるよう作成した公式ガイドブックです。

本書を検定試験合格への「道標」としてご活用いただくとともに、習得した知識やスキルを活かして、実社会においてますますご活躍されることを願ってやみません。

2019年5月 日本商工会議所

日本商工会議所プログラミング検定研究会 (著)
出版社: TAC出版 (2019/5/24)、出典:出版社HP

日商プログラミング検定について

日商プログラミング検定とは、日本商工会議所・各地商工会議所が主催するプログラミングは明る検定で、IT人材の育成に資するため、プログラミングに関する基本知識・スキルを体系的に習得する機会や学習支援の仕組みを提供するとともに、習得レベルを測定・認定する、新たな検定試験・認定制度です。試験概要、各レベルの試験内容は次のとおりです。

試験概要

受験資格 制限なし
試驗方式 インターネットを介して試験の実施、採点、合否判定を行うネット試験
試験日 試験会場で随時受験が可能(試験会場が日時を指定)
申込方法 受験を希望するネット試験会場へ直接申し込み https://links.kentei.ne.jp/organization/
受験料(税別) ENTRY 3,000円BASIC 4,000円 STANDARD 5,000円

試験内容

ENTRY(エントリー) BASIC(ベーシック) STANDARD(スタンダード)
出題形式
試験時間
択一知識問題 30分 択一知識問題 40分 択一知識問題 30分
プログラミング実技30分
合格基準 70点以上 70点以上 知識科目 70点以上
実技科目 3問完答
言語 Scratch
(Scratch3.0 に対応)
言語によらない Java、C言語、VBA

STANDARDの試験範囲・学習項目
STANDARD試験は、言語ごと(Java、C言語、VBA)に実施され、択一知識問題とプログラミング実技問題(全3問)で構成されます。それぞれの試験範囲・学習項目は次のとおりです。

STANDARDの試験範囲・学習項目

Java C言語 VBA
1.値とリテラル
2. 変数とデータ型
3. Java API
4.分岐
5. 繰返し
6. 一次元配列
1. 値とリテラル
2. 変数とデータ型
3. 分岐
4. 繰返し
6.文字列
5. 一次元配列
7. ポインタ
8. いろいろな関数
1. 値とリテラル
2. 変数とデータ型
3. 分岐
4. 繰返し
5. 一次元配列
6. シート
7. 主な Excel 関数と VBA 関数

本書の使い方

本書は、日商プログラミング検定STANDARD(Java)の対策教材です。本書では、Javaに関する一定の知識をもった方向けに、どのような論点が出題範囲になっているのか、ご紹介していきます。

論点解説や例題を通じて、出題範囲について解説しています。太字の部分はキーワードであり、択一知識問題でも問われるところです。きちんとおさえておくようにしましょう。

例題
実際にプログラムを入力し、[実行結果]のとおりになるかどうか、確認してみましょう。

練習問題
章末には、練習問題がついています。実際にプログラムを作成してみましょう。巻末には略解がついていますので、参考にしてください。

★読者サポート
日商プログラミング検定では、下記の公式ページにおいて、サンプル問題や、受験方法(試験会場の検索)など、試験全般に役立つ情報を掲載しておりますので、ぜひ、参考にしてください。
https://www.kentei.ne.jp/pg

また、本書につきまして、随時、必要な追加情報は下記ページに掲載していきますので、試験前に確認しておきましょう。
https://bookstore.tac-school.co.jp/pages/download_service/

日本商工会議所プログラミング検定研究会 (著)
出版社: TAC出版 (2019/5/24)、出典:出版社HP

目次
Contents

はじめに
日商プログラミング検定について
本書の使い方
目次

第0章 はじめに

第1章 Javaプログラミングの開始
プログラミング
コンパイル
実行
Javaプログラムの外観
値とリテラル
例題1-1 いろいろなリテラル
例題1-2 漢字の表示
練習問題

第2章 変数とデータ型
名前付け
データ型
変数宣言
演算子
算術演算子
単項演算子
関係演算子と論理演算子
条件演算子
ビット演算子とシフト演算子
式と文とブロック
型の変換と昇格
例題2-1 フルーツの購入
例題2-2 速度と所要時間
例題2-3 ジュースの運搬・練習問題

第3章 Java API
staticメソッド
インスタンスメソッド
例題3-1 BMIと標準体重の計算
例題3-2 返事の表示
練習問題

第4章 条件分岐
if文
if-else
switch文
流れ図
例題4-1 絶対値
例題4-2 最大値と最小値
例題4-3 標準体重
例題4-4 2次方程式の解
練習問題

第5章 繰返し文と無条件分岐文
繰返し文(while文とdo-while文)
前判定と後判定
繰返し文(for文と無条件分岐)
無条件分岐文
アルゴリズム
例題5-1 1からNまでの和
例題5-2 標準体重の表
例題5-3 フィボナッチ数列
例題5-4 紙の2つ折り
例題5-5 標準体重の表(2)
練習問題

第6章 一次元配列
配列を格納する変数の宣言
配列の生成、初期化、要素の参照
配列のサイズ
例題6-1 平均気温
例題6-2 フィボナッチ数列(2)
例題6-3 成績処理(偏差値)
練習問題

第7章 応用問題
例題7-1 元の計算(モンテカルロ法)
例題7-2 ニュートン法
例題7-3 並び替え(バブルソート)
例題7-4 逆ポーランド記法

練習問題略解
索引

日本商工会議所プログラミング検定研究会 (著)
出版社: TAC出版 (2019/5/24)、出典:出版社HP

第0章 はじめに

現在の情報社会では、コンピュータがいたるところで用いられています。デスクトップPCやノートPCはもちろんのこと、タブレットPCやスマートフォンもコンピュータの一種であることはよく知られています。さらに言えば、自動車や飛行機を含む多くの乗り物や、冷蔵庫や炊飯器のような家電製品の中でも、コンピュータが用いられています。

コンピュータは、人間が作り出した初めての「目的をもたない機械」だといわれています。コンピュータを購入して、電源を投入しても何かしてくれるわけではありません。コンピュータを有用に動作させるためには、プログラム(program)という命令の並びを与えなければなりません。プログラムは、目的をもたない機械を、ときにはゲーム機にし、ときにはワープロにします。

別の言い方をすれば、コンピュータとは、どのようなものにもなれる万能の機械です。コンピュータに、ゲームやワープロのような特定の仕事をさせるプログラムをアプリケーションプログラム(application program)といいます。単にアプリケーションということもありますが、最近では、より短くアプリといわれることも多いようです。

アプリケーションもプログラムなので、コンピュータの命令の並びとして記述されなければなりません。しかしながら、命令を直接記述していく作業は、非常に煩雑で、現在利用されている規模のアプリケーションを記述するのは困難です。そこで、現在のアプリケーションは、人間の言葉に近いプログラミング言語(programming language)で記述されることがほとんどです。

プログラミング言語は、コンピュータの命令を記述する機械語とは異なるので、プログラミング言語で記述したプログラムを動作させるために、この相違を埋める処理が必要になります。

プログラミング言語で書かれたプログラムを処理するのもプログラムです。このプログラムを、プログラミング言語処理系、あるいは単に言語処理系といいます。言語処理系は、コンパイラ(compiler)とインタプリタ(interpreter)に大別できます。プログラムを、機械語や他のプログラミング言語で書かれたプログラムに変換することをコンパイル(compile)といい、変換するシステムをコンパイラといいます。

他のプログラミング言語で書かれたプログラムに変換するものをトランスレータ(translator)といい区別する場合もあります。コンパイルされた機械語のプログラムは、直接命令を記述したものと同じなので、コンピュータ本来のスピードで実行することができます。以下、コンパイラが処理するプログラミング言語で書いたプログラムをソースコード(source code)といい、コンパイラが生成する機械語プログラムを目的コード(target code)あるいは機械コード(machine code)ということにします。

一方、プログラム中の1つの命令が、どのような振舞いに対応するかを実行中に解析して、即座に実行するシステムをインタプリタといいます。

インタプリタは、実行中に対応する振舞いを解析する必要があるので、コンパイルしたコードと比べて、実行効率で劣る傾向がありますが、インタプリタが備わっている環境であれば、どこでも同じプログラムが動作するという利点があります。

本書で紹介するJavaプログラミング言語(以下、Javaという)は、コンパイル実行とインタプリタ実行の優れた点を兼ね備えた実行環境を提供します。一般に、アプリケーションは、オペレーティングシステムとハードウェアの組合わせを意味するプラットホームごとに用意する必要があります。

Javaは、このたくさんあるプラットホーム上に、Java API(Java application program interface)と仮想機械(virtual machine)からなる共通のJavaプラットホームを提供します。Javaプログラムは、バイトコード(byte code)という仮想機械用の機械コードにコンパイルしてから、仮想機械上で実行します。仮想機械は、一種のインタプリタですが、命令が単純なので解析コストが少なくて済みます。また、Java APIをとおして、有用な作り付けのソフトウェアコンポーネントを利用できるので、プログラムを作成するコストを減らすことができます。


このように、Javaのプログラムは、いったんバイトコードにコンパイルすることによって、どのような環境においても実行効率を大きく損なうことなく、Javaプラットホーム上で実行することができます。

本書では、高等教育の基礎学習として学ぶべき内容を中心に、Javaの基本を解説していきます。

日本商工会議所プログラミング検定研究会 (著)
出版社: TAC出版 (2019/5/24)、出典:出版社HP