日商プログラミング検定試験(BASICレベル)のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)




日商プログラミング検定試験の公式テキスト

公式ホームページから購入が可能です。
日商プログラミング検定公式HP
また、公式ホームページではサンプル問題を見ることができます。

目次 – 日商プログラミング検定BASIC公式ガイドブック

はじめに(BASIC)

AI、IoTなどIT利活用の高度化・多様化により第4次産業革命が進行するなか、小学校からの必修化や大学入学共通テストにおける導入をはじめ、プログラミング教育が大きな注目を集めております。企業活動においては、IT需要の増大によりIT企業の人材不足が深刻化しており、ユーザー企業においてもITスキルを持つ人材がいないことが大きな経営課題となっております。
こうした状況を踏まえ、日本商工会議所では、情報技術の基盤となるプログラミングスキルの習得を促進・支援するとともに、企業のIT化支援およびITリテラシー強化に資することを目的として「日商プログラミング検定試験」を創設いたしました。
同検定は、基本的なプログラミングスキルの習得を支援するもので、年齢、職業等を問わず幅広く多くの方々に学習・受験いただける試験としており、学習の進捗度に応じて初学者から段階的に受験できるよう4つのレベルを設定しております。このうちBASICレベルは、プログラミングに関するITの基本知識や簡単なアルゴリズムに関する知識を問う内容となっております。
本書は同検定「BASIC」の受験に際し、身につけていただきたい知識・スキルを提示・解説し、効率的に学習を進めていただく一助となるよう作成した公式ガイドブックです。本書を検定試験合格への「道標」としてご活用いただくとともに、習得した知識やスキルを活かして、実社会においてますますご活躍されることを願ってやみません。
2019年10月
日本商工会議所

日本商工会議所プログラミング検定研究会 (著)
出版社: TAC出版 (2019/10/25)、出典:出版社HP

日商プログラミング検定について

日商プログラミング検定とは、日本商工会議所・各地商工会議所が主催するプログラミングに関する検定で、IT人材の育成に資するため、プログラミングに関する基本知識・スキルを体系的に習得する機会や学習支援の仕組みを提供するとともに、習得レベルを測定・認定する、新たな検定試験・認定制度です。
試験概要、各レベルの試験内容は次のとおりです。

試験概要
受験資格 制限なし
試験方式 インターネットを介して試験の実施、採点、合否判定を行うネット試験
試験日 試験会場で随時受験が可能(試験会場が日時を指定)
申込方法 受験を希望するネット試験会場へ直接申し込み
https://links.kentei.ne.jp/organization/
受験料(税別) ENTRY3,000円 BASIC4,000円 STANDARD5,000円 EXPERT6,000円

試驗內容 ENTRY(エントリー) BASIC(ベーシック) STANDARD(スタンダード) EXPERT(エキスパート)
出題形式 試驗時間 択一知識問題30分 択一知識問題40分 択一知識問題30分    プログラミング実技30分 択一知識問題40分    プログラミング実技40分
合格基準 70点以上 70点以上 知識科目70点以上     実技科目3問完答 知識科目70点以上    実技科目3問完答
言語 Scratch (Scratch3.0に対応) 言語によらない Java,C言語,VBA,Python(予定) Java,C言語,VBA,Python(予定)

BASICの試験範囲・学習項目
BASIC試験は、いずれも択一問題で、第1問:知識問題(25問)、第2問:穴埋め問題(2問)、第3問:読解問題(1問)で構成されます。試験範囲・学習項目は以下の通りです。

BASIC
1.コンピュータの仕組み 6. 流れ図
2. ハードウェアとアーキテクチャ 7. データ構造
3.ソフトウェア 8. オペレーティングシステム
4.2進法、8進法、16進法 9. 情報セキュリティ
5. 情報表現 10. アルゴリズム

本書の使い方

本書は、日商プログラミング検定BASICの対策教材です。日商プログラミング検定BASICで問われる、プログラミングに関するITの基本知識、簡単なアルゴリズムについて、解説しています。

項目ごとに、図解を交えながら、丁寧に解説しています。太字部分はキーワードであり、択一知識問題でも問われるところです。きちんとおさえておくようにしましょう。

練習問題
章末には、「練習問題」がついています。学んだ内容がきちんと定着しているか、確認してみましょう。
第8章には、試行試験で問われた問題を掲載しています。学習の総仕上げに解いてみましょう。

★読者サポート
日商プログラミング検定では、下記の公式ページにおいて、サンプル問題や、受験方法(試験会場の検索)など、試験全般に役立つ情報を掲載しておりますので、ぜひ、参考にしてください。https://www.kentei.ne.jp/pg

日本商工会議所プログラミング検定研究会 (著)
出版社: TAC出版 (2019/10/25)、出典:出版社HP

目次
Contents

はじめに
日商プログラミング検定について
本書の使い方
目次

第0章 はじめに
コンピュータとは
ハードウェアとソフトウェア
ハードウェアの構成
プログラムの動作
本書の構成
練習問題

第1章 情報の表現
数と表現
基数変換
2進法における四則演算
補数と負数表現
浮動小数点数
情報量の単位
文字の表現
画像の表現
アナログ・デジタル変換
練習問題

第2章 コンピュータの仕組み
コンピュータの基本要素
中央処理装置(CPU)
主記憶装置
周辺装置
コンピュータの処理
プログラム内蔵方式
命令サイクル
クロック
論理ゲート
演算器
機械語とアセンブリコード
プログラミング言語
練習問題

第3章 プログラミングに関する基礎知識
プログラム
プログラミング言語
言語処理系
ライブラリ
マークアップ言語
アルゴリズム
流れ図(フローチャート)
制御構造
順次
分岐
繰返し
手続き呼出し
ジャンプ
プログラムの分割
実践的なプログラミング言語と実行
練習問題

第4章 データ構造
変数とは
配列
連想配列
スタックとキュー
グラフ
隣接リストと隣接行列
ハッシュテーブル
練習問題
第5章オペレーティングシステム
OSの3つの目的
OSの中核機能割込み
メモリ管理
プロセス管理
同期処理
入出力管理
カーネルとシェル
APIとABI
その他の機能
練習問題

第6章 情報セキュリティ
情報資産と情報セキュリティの重要性
情報セキュリティの定義
情報の分類
情報資産の管理
脅威とぜい弱性
情報社会の法
その他の権利
練習問題

第7章 アルゴリズム
アルゴリズムの形式的な定義
アルゴリズムの表現と「順次」
アルゴリズムの検討と「分岐」
アルゴリズムの有効性と「繰返し」
バブルソート
アルゴリズムの効率性
アルゴリズムの正当性練習問題

第8章 応用問題
第1問 選択問題
第2問 読解問題
2-1 素因数分解
第3問 穴埋め問題
3-1 LEDの制御
3-2 フィギュアスケート国際競技の採点

練習問題略解
索引

日本商工会議所プログラミング検定研究会 (著)
出版社: TAC出版 (2019/10/25)、出典:出版社HP

第0章 はじめに

現在では、コンピュータは社会の中で至るところに存在し、単に「計算」に用いられるだけでなく、さまざまな場面で活用されています。
デスクトップコンピュータ、ノートパソコン、タブレットパソコンといったいわゆるコンピュータの形をしたものだけではなく、テレビ、炊飯器、電話といった家電製品、車やICカードといった通常コンピュータの形をしていないものにまでコンピュータが組込まれています。さらに、色々な場面で活用されているロボットの頭脳の代わりをするのもコンピュータです。

コンピュータとは

コンピュータは人間が作り出した、はじめての「目的をもたない機械」だといわれています。コンピュータの電源を入れただけでは何もしてくれません。コンピュータを活用するためには、「プログラム」によってコンピュータに命令を出す必要があります。プログラムは、コンピュータという目的をもたない機械を、人間の目的に応じてワープロや表計算など事務処理をする機械にし、さらに、ゲーム機、テレビ、電話、ロボットといった役割を与えることができます。
別の言い方をすれば、プログラムの力を借りてどのようなものにもなれる万能の機械です。

ハードウェアとソフトウェア

次に、コンピュータを簡単に示すと以下のようなイメージです。コンピュータはハードウェアとソフトウェアで構成され、ソフトウェアはさらに基本ソフトウェア(OSなど)とアプリケーションソフトウェアで構成されます。
コンピュータ分野でソフトウェアという語は、ハードウェアの対比語として用いられる語です。ソフトウェアという語は、プログラムだけでなく関連する文書も指すことがあります。

ハードウェア 目に見える筐体や、構成する装置などの総称で「金物」という意味。
ソフトウェア プログラムというハードウェアへの命令の集まり。
基本ソフトウェア オペレーティングシステム(OS)などコンピュータに必要な管理・ 制御などを行う基本的な機能のプログラムの総称。
アプリケーションソフトウェア 応用ソフトウェアという意味で、ゲームや事務処理のような特定の 仕事をさせるプログラムの総称。

基本ソフトウェアの例として、パソコンのマウス(ハードウェア)を物理的に動かしたとき、画面にその動きが反映されるプログラムなどがあげられます。また、アプリケーションソフトウェアは、最近ではアプリといわれます。

このようにコンピュータに仕事をさせるためには、プログラムを作成し、アプリとしてコンピュータへ逐一命令を送る必要がありますが、プログラムを作成することをプログラミングといい、プログラムに従って、コンピュータに仕事をさせることを実行といいます。

ハードウェアの構成

コンピュータは、「プログラムの力を借りてどのようなものにもなれる万能の機械」であることは既に述べましたが、「万能になるために」ハードウェア構成も非常に柔軟に変えることができます。

中央処理装置
(Central Processing Unit、CPU)
コンピュータの中心に位置し「計算」を司ります。演算装置、制御 装置から成ります。
主記憶装置 主メモリともいい、情報を蓄える装置です。
バス 人間に例えると背骨にあたり、重要な情報をコンピュータ全体に伝 達する役目があります。中央処理装置と主記憶装置はバスで繋がれ、 装置間で非常に高速に情報をやりとりすることができます。
周辺装置
(Device、デバイス)
入出力インタフェース(Input / Output Interface)を通してバス に繋がれています。

中央処理装置と主記憶装置以外の装置はバスから離れた位置にあり、情報の流れを制御するために、装置ごとに異なった入出力インタフェースが必要になります。

例えば、入力装置であるキーボートは、人間から入力された文字情報を電気信号に比べると非常に遅い速度で主記憶装置や中央処理装置へ伝達する必要があるため、伝達を制御する必要があります。また、バスからは遠い位置にあるために、情報を増幅することも必要です。以上の制御をするのがキーボードの入出力インタフェースとしての機能になります。

また、コンピュータに仕事をさせる際には、必要な装置を好きなだけ接続し、必要のない装置は外すことができます。これをバスに接続するか、外すかで決めることができます。例えば、「計算」を司る中央処理装置も複数接続することができ、これをマルチプロセッサシステムといいます。

通常は、1つの中央処理装置で構成されるため、シングルプロセッサシステムといいます。

日本商工会議所プログラミング検定研究会 (著)
出版社: TAC出版 (2019/10/25)、出典:出版社HP

プログラムの動作

ここでは、ソフトウェアの中でも、身近なものであるアプリが、どのようにコンピュータを動作させているか説明します。
まず、プログラムは、主記憶装置に格納され、各命令を順番に中央処理装置に送ることによって実行することができます。命令は、おおよそ、オペコード、オペランド、結果の格納場所から構成されています。
下の図は、加算を行う加算命令の例を示しており、下記の命令が中央処理装置に順に送られ、解釈され実行されます。

オペコード 実行する計算の種類を示しています。コンピュータは、オペコード の指示によって、対応する計算装置(以下、演算器という)を選択 します。加算命令では、加算を実行する演算器として、加算器を選 択します。
オペランド 計算を実行するためには、計算対象の数値(データ)が必要です。 この数値をオペランドといいます。加算は2項演算子なので加算命 令はオペランド1とオペランド2の2つのオペランドをもちます。
格納場所 格納場所とは主記憶装置か、CPU に用意されているレジスタという、 小さな記憶領域を示します。オペランドは、オペコードによって選 択した演算器に送られ、演算器は結果を返します。計算結果は命令 が指定する格納場所に格納されます。

例えば、「1+2」という計算式の場合、「+」がオペコード(演算子)で、「1」と「2」がオペランドです。このようにオペランドを2つもつ演算子を2項演算子といいます。

本書の構成

第0章では、別々に論じられることの多いコンピュータとプログラムを、それらの関係に着目し、一連の流れとして説明しました。
コンピュータは、1と0の並びである機械語を解釈して実行しますが、人間がその命令を逐一指定して記述して修正していくのには大変な困難がともないます。そのため、現在では、コンピュータに仕事をさせるための命令を、人間が扱い易い「高水準プログラミング言語」(第3章)により記述して、プログラミングするのが一般的です。
本書では、プログラミングに必要な知識として、コンピュータとプログラムに関する一通りの知識を下記の順で解説していきます。

学習内容
第1章 情報の表現 我々が扱うさまざまな情報をコンピュータ上ではどのように表 現するか。
第2章 コンピュータの仕組み 主にハードウェアの説明として、コンピュータの仕組みについ て。
第3章 プログラミング言語の基礎知識 第0章で説明したコンピュータとプログラム、プログラミング 言語についてさらに詳細に説明する。
第4章 データ構造 一般のプログラムを記述する上で必要なデータ構造について。
第5章 オペレーティングシステム 基本ソフトウェアの一つであるオペレーティングシステムにつ 「いて、プログラムを実行するという観点から説明する。
第6章 情報セキュリティ 情報を扱う際のセキュリティについて。
第7章 アルゴリズム プログラムの設計図に当たるアルゴリズムについて。
第8章 応用問題 日商プログラミング検定 BASIC試行試験の問題を解説する。

練習問題

0-1
コンピュータは、人間が作りだしたどのような機械だといわれているか。次の中から最も適切なものを選びなさい。
① 言語を用いて会話する機械
② 賢い機械
③ 目的をもたない機械
④ 人間らしい機械

0-2
コンピュータの各装置を繋ぎ、高速に情報を交換することができる通信線を何というか。次の中から最も適切なものを選びなさい。
① 入出力インタフェース
② 主記憶装置
③ CPU
④ バス

0-3
「アプリケーションソフトウェア」のことを別に何というか。次の中から当てはまらないものを選びなさい。
① アプリケーション
② 基本ソフトウェア
③ アプリ
④ 応用ソフトウェア

日本商工会議所プログラミング検定研究会 (著)
出版社: TAC出版 (2019/10/25)、出典:出版社HP