試験にココが出る! 消防設備士4類[甲種・乙種]教科書+実践問題
最重要項目直前チェック
関係法令
1自動火災報知設備を設置する防火対象物
項 | 防火対象物の種類 | 延べ面積 | 地階・無窓階 | 3階以上 | 11階以上の階 | 道路用途 | 駐車場のある階 | 通信機器室 | 特定1階段等 防火对禦物 | 指定可燃物 | |
(1) | イ | 劇場・映画館・演芸場または観覧場 | 300m2以上 | 床面積 300m2以上 |
床面積300m2以上 | すべて | 道路の用途に供される部分で、その部分の床面積が屋上の場合は600m2以上,それ以外の階の場合は400m2以上 | 地階または2階以上に床面積200m2以上の駐車場がある階に設置 | 床面積500m2以上の通信機器室 | 特定用途部分が避難階以外にあり、そこから避難階に直通する屋内の階段が1つしかないもの | 指定数量の500倍以上の指定可燃物を貯蔵・取り扱う建築物 |
ロ | 公会堂または集会場 | ||||||||||
(2) | イ | キャバレー・カフェー・ナイトクラブ | 100m2以上 | ||||||||
ロ | 遊技場またはダンスホール | ||||||||||
ハ | 風俗店 | ||||||||||
ニ | カラオケボックス・漫画喫茶等 | すべて | |||||||||
(3) | イ | 待合・料理店等 | 300m2以上 | 100m2以上 | |||||||
ロ | 飲食店 | ||||||||||
(4) | 百貨店・マーケット・物販販売店舗または 展示場 | 300m2以上 | |||||||||
(5) | イ | 旅館・ホテル・宿泊所 | すべて | ||||||||
ロ | 寄宿舎・下宿または共同住宅 | 500m2以上 | 300m2以上 | ||||||||
(6) | イ | 病院・診療所・助産所 入院施設あり | すべて | ||||||||
入院施設なし | 300m2以上 | 300m2以上 | |||||||||
ロ | 自力避難困難者入所施設 | すべて | |||||||||
ハ | (6)項ロ以外の社会福祉施設等 宿泊あり | ||||||||||
宿泊なし | 300m2以上 | 300m2以上 | |||||||||
ニ | 幼稚園・特別支援学校 | ||||||||||
(7) | 小・中・高等学校・大学・専修学校等 | 500m2以上 | |||||||||
(8) | 図書館・博物館・美術館等 | ||||||||||
(9) | イ | 熱気浴場、熱気浴場等 | 200m2以上 | ||||||||
ロ | その他の公衆浴場 | 500m2以上 | 300m2以上 | ||||||||
(10) | 停車場・船舶・航空機の発着場 | ||||||||||
(11) | 神社・寺院・教会等 | 1000m2以上 | |||||||||
(12) | イ | 工場・作業場 | 500m2以上 | ||||||||
ロ | 映画スタジオ・テレビスタジオ | ||||||||||
(13) | イ | 自動車車庫・駐車場 | |||||||||
ロ | 飛行機等の格納庫 | すべて | |||||||||
(14) | 倉庫 | 500m2以上 | 300m2以上 | ||||||||
(15) | その他の事業場(会社などの事務所) | 1000m2以上 | |||||||||
(16) | イ | 特定用途を含む複合用途防火対象物 | 300m2以上 | 300m2以上 ※4 |
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ロ | (16)項イ以外の複合用途防火対象物 | ※1 | 300m2以上 | ||||||||
(16) | 地下街 | 300m2以上 ※2 |
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(16) | 準地下街 | 500m2以上 ※3 |
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(17) | 重要文化財・史跡 | すべて |
※1各用途部分の床面積の合計に応じて設置
※2(2)項二、(5)項イ、(6)項イ(入院施設あり)、(6)項口の用途部分には延べ面積にかかわらず設置する
※3特定用途部分が300mの場合
※4(2)項、(3)項の用途部分を含む地用・転窓際にあっては、床面積100m2以上
2防火管理者が必要な防火対象物
1自力避難困難者入所施設 | 収容人員10人以上 |
2特定防火対象物 | 収容人員30人以上 |
3非特定防火対象物 | 収容人員50人以上 |
4新築工事中の建物・建造中の旅客船 | 収容人員50人以上 |
3統括防火管理者が必要な防火対象物
1高層建築物(高さ31メートル超) | すべて |
2自力避難困難者入所施設 | 3階以上・収容人員10人以上 |
3特定防火対象物 | 3階以上・収容人員30人以上 |
4非特定複合用途防火対象物 | 5階以上・収容人員50人以上 |
5地下街 | 消防庁または消防署長が指定する場合 |
6準地下街 | すべて |
4防火対象物点検が必要な防火対象物
1自力避難困難者入所施設が避難階以外にある特定1階段等防火対象物 | 収容人員 10人以上 |
2特定1階段等防火対象物 | 収容人員30人以上 |
3特定防火対象物 | 収容人員 300人以上 |
5消防用設備等の設置届と検査が必要な防火対象物
・カラオケボックス、ネットカフェ等 ・旅館・ホテル・宿泊所 ・病院・診療所・助産所(入院施設のあるもの) ・自力避難困難者入所施設 ・その他の社会福祉施設等(宿泊施設のあるもの) ・上記用途部分を含む複合用途防火対象物・地下街・準地下街 |
すべて |
特定1階段等防火対象物 | すべて |
特定防火対象物 | 延べ面積300m2以上 |
非特定防火対象物(消防長または消防署長の指定を受けたもの) | 延べ面積300m2以上 |
目次
受験ガイド
重要項目事前チェック
第1章 消防関係法令
第2章 電気に関する基礎知識
第3章 自動火災報知設備の構造と機能
第4章 自動火災報知設備の工事・設備
第5章 自動火災報知設備の点検
第6章 鑑別等問題
第7章 製図問題
模擬テスト
索引
防火対象物
「学習ポイント」
・防火対象物と消防対象物との違いは?
・特定防火対象物に分類される防火対象物は?
防火対象物と消防対象物の違い
まず最初の重要な用語として、防火対象物という言葉を覚えてください。防火対象物とは、火災予防の必要上、規制の対象となる建築物のことで、消防法には次のように定義されています。
覚える防火対象物
「山林または舟車、船きょもしくはふ頭に繋留された船舶、建築物その他の工作物。もしくはこれらに属する物」
防火対象物とまぎらわしいものに、消防対象物があります。こちらは次のように定義されています。
「山林または舟車、船きょもしくはふ頭に繋留された船舶、建築物その他の工作物、または物件」
消防対象物には、消火活動の対象となるものが幅広く含まれるので、建築物以外の「物件」(家具、植木など)も含まれます。
消防法施行令別表第1を覚えよう
防火対象物は、用途によって表のように分類されます。この表は、消防法施行令という政令の別表第1(略して「令別表第1」)と呼ばれるもので、この後も繰り返し出てきます。表のなかでは(6)項の分類がとくにややこしいので、少しくわしく説明しておきましょう。
1(6)項イ病院・診療所・助産所
「病院」と「診療所」は医療法という法律で区別されますが、令別表第1では次の4つに分類されています。これらは、大きく入院施設があるもの(1~4)と入院施設がないもの(2)の2種類に分けて考えます。
項 | 用途 |
(1) | イ劇場、映画館、演芸場または観覧場 |
口公会堂または集会場) | |
(2) | イ キャバレー、カフェー、ナイトクラブ等 |
日 遊技場またはダンスホール | |
ハ性風俗関連特殊営業を営む店舗等 | |
ニカラオケボックス・ネットカフェ・漫画喫茶等 | |
(3) | イ 待合、料理店等 |
口 飲食店 | |
(4) | 百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗または展示場 |
(5) | イ 旅館、ホテル、宿泊所等 |
口 寄宿舎、下宿または共同住宅 | |
(6) | イ 病院・診療所・助産所 |
口自力避難困難者入所施設。 | |
ハその他の社会福祉施設等 | |
二幼稚園または特別支援学校 | |
(7) | 小学校、中学校、高等学校、大学、専修学校等 |
(8) | 図書館、博物館、美術館等 |
(9) | イ 蒸気浴場、熱気浴場等 |
ロイ以外の公衆浴場 | |
(10) | 車両の停車場または船舶もしくは航空機の発着場 |
(11) | 神社、寺院、教会等 |
(12) | イ 工場または作業場 |
ロ 映画スタジオまたはテレビスタジオ | |
(13) | イ 自動車車庫または駐車場 |
口 飛行機または回転翼航空機の格納庫 | |
(14) | 倉庫 |
(15) | 前各項に該当しない事業場(会社などの一般的な事務所) |
(16) | イ 複合用途防火対象物のうち、その一部が特定防火対象物の用途に供されているもの |
ロイ以外の複合用途防火対象物 | |
(16の2) | 地下街 |
(16の3) | 準地下街 |
(17) | 重要文化財、史跡等に指定された建造物。 |
(18 ) | 延長 50 メートル以上のアーケード |
(19) | 市町村長の指定する山林 |
(20 ) | 総務省令で定める舟車 |
2(6)項口自力避難困難者入所施設
老人ホームなどの社会福祉施設のうち、主に自力で避難するのが困難な人が入所・入居している施設が、(6)項ロに入ります。具体的には次のような施設が該当します(細かく覚える必要はありません)。
1老人短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、介護老人保健施設、老人短期入所事業を行う施設、小規模多機能型居宅介護施設、認知症対応型老人共同生活援助施設など
2救護施設
3乳児院
4障害児入所施設
5障害者支援施設、障害者短期入所等施設
3(6)項ハその他の社会福祉施設等
(6)項ロに含まれない社会福祉施設等が、(6)項ハに入ります。具体的には次のような施設が該当します(こちらも細かく覚える必要はありません)。消防設備士試験では、これらの施設を、大きく。宿泊施設のあるものとないものに分けて考えます。
1老人デイサービスセンター、軽費老人ホーム、老人福祉センター、老人介護支援センター、有料老人ホーム、老人デイサービス事業を行う施設、小規模1多機能型居宅介護事業を行う施設など
2更生施設
3助産施設、保育所、認定こども園、児童養護施設、児童自立支援施設、児童「家庭支援センター、一時預かり・家庭的保育事業を行う施設など
4児童発達支援センター、情緒障害児短期治療施設、児童発達支援・放課後等デイサービス施設
5身体障害者福祉センター、障害者支援施設、地域活動支援センター、福祉ホームなど
特定防火対象物
防火対象物のうち、不特定多数の人が出入りする施設や、利用者の避難が難しい施設については、特定防火対象物としてより厳しい規制をかけています。
特定防火対象物かどうかまぎらわしいものもいくつかあるので注意しましょう。たとえば、デパート(百貨店)やホテルは特定防火対象物ですが、マンションなどの共同住宅は非特定防火対象物になります。また、幼稚園や保育所は特定防火対象物ですが、小学校以上の学校や図書館、博物館、美術館などは非特定防火対象物です。
複合用途防火対象物
1つの建物を、複数の用途(令別表第1(1)~(15)項の用途)で使っている場合を複合用途防火対象物といいます。店舗とレストランと映画館が併設された複合商業施設や、いわゆる「雑居ビル」などが該当します。複合用途防火対象物の用途の1つに、特定用途が含まれている場合には、その建物全体が特定防火対象物(令別表第1(16)項イ)となります。
病院に食堂や売店が付属している場合など、複数の用途部分があっても、複合用途防火対象物とみなされない場合もあります。
地下街、準地下街とは
地下街は、公共の地下通路に面して、店舗などが設けられている施設です。また、建物の地階部分を公共の地下通路でつなぎ、地下街を構成している場合を準地下街といいます。地下街も準地下街も、用途にかかわらず特定防火対象物となります。ちなみに、全国に地下街は64か所、準地下街は7か所あります。
理解度チェック
正しい記述は○、誤っている記述は×で答えなさい。
1防火対象物とは、山林または舟車、船きょもしくはふ頭に繋留された船舶、建築物その他の工作物または物件をいう。
2複合用途防火対象物とは、防火対象物で政令で定める2以上の用途に供されるものをいう。
3消防法令上、幼稚園は特定防火対象物である。
4消防法令上、マンションは特定防火対象物である。
解答
1×「または物件」は消防対象物です。
2○正しい。
3○正しい。18ページの表の(6)項二参照。
4×マンション(共同住宅)は非特定防火対象物です。