建設業経理士2級のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)
スッキリわかる 建設業経理士2級 第2版 (スッキリわかるシリーズ)
はしがき
建設業経理ってどんなもの?
建設業経理とは、資材や機材を買ったり、建物を売ったりという建設業界で日常行われている取引や、社内のお金のやりとりを記録するための手段をいいます。そこにはさまざまなルールがあるわけですが、その知識を問うものが「建設業経理士検定試験」となります。
この試験は4級から1級までありますが(1級が最上級)、2級に合格することは、建設業界で働くうえで非常に大きな意味があるのです。なぜなら、建設会社などに2級保有者がいることで「公共工事の入札に関わる経営事項審査」の評価対象となり、会社の評価を高めるのに役立つことになるからです。
もちろん、建設業経理の知識に通じた人物として日常の勤務においても重宝されることでしょう。「試験の範囲や内容には、日商簿記検定試験と重なるところも多く、そのうえで建設業特有の経理知識も問われます。この本では、簿記の初歩から建設業独特のルールまでがスッキリと理解でき、2級合格も確実に狙える構成となっています。
本書の特徴1「読みやすいテキスト」にこだわりました
本書は簿記・建設業経理初心者の方が最後までスラスラ読めるよう、やさしい、一般的なことばを用いて、読み物のように読んでいただけるように工夫しました。
また、実際の場面を身近にイメージしていただけるよう、ゴエモンというキャラクターを登場させ、みなさんがゴエモンといっしょに場面ごとに簿記・建設業経理を学んでいくというスタイルにしています。
本書の特徴2「いきなり2級」を目指せるテキストに!
上にもあるように、建設業経理士資格を学習するのなら、ぜひとも2級に合格しておきたいもの。とはいえ、「4級から始まっている資格なのに、2級なんて大丈夫かな」と不安に感じる人もいるかもしれません。この本では簿記の初歩から理解できる構成としつつ、いきなりの2級合格を目指せるようにしています。
本書ならびに姉妹編である『スッキリとける問題集建設業経理士2級』を活用し、建設業経理士2級試験に合格され、みなさんがビジネスにおいてご活躍されることを心よりお祈りいたします。
2019年5月
第2版刊行にあたって
本書は、『スッキリわかる建設業経理士2級」につき、主に「材料費の計算」を加筆修正して刊行いたしました。
建設業経理士2級の学習方法と合格まで
1. テキスト『スッキリわかる』を読む
まずは、テキストを読みます。
テストは自宅でも電車内でも、どこでも手軽に読んでいただけるように作成していますが、机に向かって学習する際には、鉛筆と紙を用意し、取引例や新しい用語がでてきたら、実際に紙に書いてみましょう。
また、本書はみなさんが考えながら読み進めることができるように構成していますので、ぜひ答えを考えながら読んでみてください。
2. テキストを読んだら問題を解く!
簿記は問題を解くことによって、知識が定着します。本書のテキスト内には、姉妹編『スッキリとける問題集 建設業経理士2級』内で対応する問題番号を付しています(問題集)ので、それにしたがって、問題を解きましょう。
また、まちがえた問題には付箋などを貼っておき、あとでもう一度、解きなおすようにしてください。
3. もう一度、すべての問題を解く!
上記1、2を繰り返し、本書の内容理解に自信がもてたら、本書を見ないで「スッキリとける問題集』の問題をもう一度最初から全部解いてみましょう。
4. そして過去問題を解く!
『スッキリとける問題集』には、本試験レベルの問題も収載していますが、本試験の出題形式に慣れ、時間内に効率的に合格点をとるために同書の別冊内にある3回分の過去問題を解くことをおすすめします。なお、別売の過去問題集”では過去12回分まで解くことができます。
* TAC出版刊行の過去問題集・「合格するための過去問題集 建設業経理士2級」
建設業経理士2級はどんな試験?
1. 試験概要
主催団体 | 一般財団法人建設業振興基金 |
受験資格 | 特に制限なし |
試験日 | 毎年度 9月・3月 |
試驗時間 | 財務諸表 9:30~11:00 財務分析 12:00~13:30 原価計算 14:40~16:10 |
申込手続き | インターネット・郵送 |
申込期間 | おおむね試験日の3ヵ月前より1カ月間 ※主催団体の発表をご確認ください。 |
受験料 (8%税込) |
1科目:7,410円 2科目同日受験:10,600円 3科目同日受験:13,680円 ※別途申込書代金、もしくは決済手数料として310円が必要となります。 |
問合せ | 一般財団法人建設業振興基金 建設業経理検定試験センター URL : http://www.kensetsu-kikin.or.jp/gyom2/ |
2.配点
試験ごとに多少異なりますが、通常、次のような配点で出題されます。
第1問 | 第2問 | 第3問 | 第4問 | 第5問 | 合計 |
20点 | 15点 | 20点 | 15点 | 30点 | 100点 |
なお、試験時間は2時間、合格基準は100点満点中70点以上となります。
3. 受験データ(2級)
回数 | 第21回 | 第22回 | 第23回 | 第24回 | 第25回 |
受験者数 | 8196人 | 8616人 | 8709人 | 7884人 | 8623人 |
合格者数 | 2781人 | 3206人 | 3895人 | 2655人 | 2655人 |
合格率 | 33.90% | 37.20% | 44.70% | 33.70% | 30.80% |
CONTENTS
はしがき
建設業経理士2級の学習方法と合格まで
建設業経理士2級はどんな試験?
簿記の基礎編
第1章 簿記の基礎
CASE 1 簿記ってなんだろう?
CASE 2 仕訳の基本
CASE 3 仕訳帳と総勘定元帳
CASE 4 財務諸表の基本
仕訳編
第2章 現金と当座預金
CASE 5 現金の範囲
CASE 6 現金の帳簿残高と実際有高が異なるときの仕訳
CASE 7 現金過不足の原因が判明したときの仕訳
CASE 8 現金過不足の原因が決算日まで判明しなかったときの仕訳
CASE 9 当座預金口座に預け入れたときの仕訳
CASE 10 小切手を振り出したときの仕訳
CASE 11 当座預金の残高を超えて引き出したときの仕訳
CASE 12 当座預金口座へ預け入れたときの仕訳(当座借越がある場合)
CASE 13 預金残高が一致しないときの処理①
CASE 14 預金残高が一致しないときの処理②
CASE 15 預金残高が一致しないときの処理③
CASE 16 預金残高が一致しないときの処理④
CASE 17 預金残高が一致しないときの処理⑤
CASE 18 預金残高が一致しないときの処理⑥
第3章 建設業における債権・債務
CASE 19 材料の注文時に内金を支払ったときの仕訳
CASE 20 內金を支払って材料を仕入れたときの仕訳
CASE 21 工事の受注時に内金を受け取ったときの仕訳
CASE 22 工事が完成し引き渡したときの仕訳
CASE 23 材料の返品があったときの仕訳
CASE 24 値引きがあったときの仕訳
CASE 25 割戻しを受けたときの仕訳
CASE 26 割引きを受けたときの仕訳
第4章 手形
CASE 27 約束手形を振り出したときの仕訳
CASE 28 約束手形を受け取ったときの仕訳
CASE 29 自己振出手形を回収したときの仕訳
CASE 30 主たる営業活動以外から生じた手形
CASE 31 為替手形を振り出したときの仕訳
CASE 32 為替手形を受け取ったときの仕訳
CASE 33 為替手形を引き受けたときの仕訳
CASE 34 約束手形を裏書きして渡したときの仕訳
CASE 35 約束手形を割り引いたときの仕訳
CASE 36 裏書きした手形が不渡りとなったときの仕訳
CASE 37 お金を貸し付け、手形を受け取ったときの仕訳
CASE 38 お金を借り入れ、手形を渡したときの仕訳
第5章その他の債権・債務
CASE 39 お金を貸し付けたときの仕訳
CASE 40 貸付金を返してもらったときの仕訳
CASE 41 お金を借り入れたときの仕訳
CASE 42 借入金を返したときの仕訳
CASE 43 工事に係るもの以外を後払いで買ったときの仕訳
CASE 44 工事に係るもの以外を売って代金はあとで受け取るときの仕訳
CASE 45 従業員が支払うべき金額を会社が立て替えたときの仕訳
CASE 46 従業員に賃金を支払ったときの仕訳①
CASE 47 従業員に賃金を支払ったときの仕訳②
CASE 48 預り金を支払ったときの仕訳
CASE 49 旅費の概算額を前渡ししたときの仕訳
CASE 50 仮払金の内容と金額が確定したときの仕訳
CASE 51 内容不明の入金があったときの仕訳
CASE 52 仮受金の内容が明らかになったときの仕訳
第6章 費用・収益の繰延べと見越し
CASE 53 家賃を支払った(費用を前払いした)ときの仕訳
CASE 54 決算日の処理(費用の繰延べ)
CASE 55 翌期首の仕訳(費用の繰延べ)
CASE 56 お金を借り入れた(利息を後払いとした)ときの仕訳
CASE 57 決算日の処理(費用の見越し)
CASE 58 地代を受け取った(収益を前受けした)ときの仕訳
CASE 59 決算日の処理(収益の繰延べ)
CASE 60 お金を貸し付けた(利息をあとで受け取る)ときの仕訳
CASE 61 決算日の処理(収益の見越し)
第7章 有価証券
CASE 62 有価証券の分類と表示
CASE 63 有価証券を購入したときの仕訳
CASE 64 配当金や利息を受け取ったときの仕訳
CASE 65 有価証券を売却したときの仕訳
CASE 66 有価証券の決算時の仕訳①
CASE 67 有価証券の決算時の仕訳②
CASE 68 利払日以外の日に公社債を売却したときの仕訳
CASE 69 利払日以外の日に公社債を購入したときの仕訳
CASE 70 時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券の評価
CASE 71 強制評価減と実価法
第8章 固定資産
CASE 72 有形固定資産を取得したときの仕訳
CASE 73 固定資産の減価償却(定額法)の仕訳
CASE 74 固定資産の減価償却(定率法)の仕訳
CASE 75 固定資産の減価償却(生産高比例法)の仕訳
CASE 76 総合償却を行ったときの処理
CASE 77 期中に固定資産を売却したときの仕訳
CASE 78 固定資産を買い換えたときの仕訳
CASE 79 固定資産を除却したときの仕訳
CASE 80 固定資産を廃棄したときの仕訳
CASE 81 建設中の固定資産について代金を支払ったときの仕訳
CASE 82 固定資産が完成し、引き渡しを受けたときの仕訳
CASE 83 固定資産を改良、修繕したときの仕訳
CASE 84 固定資産が火災で滅失したときの仕訳
CASE 85 保険金額が確定したときの仕訳
第9章 合併、無形固定資産と繰延資産
CASE 86 合併したときの仕訳
CASE 87 無形固定資産を取得したときの仕訳
CASE 88 無形固定資産の決算時の仕訳
CASE 89 株式交付費(繰延資産)を支出したときの仕訳
CASE 90 繰延資産の決算時の仕訳
第10章引当金
CASE 91 当期に発生した完成工事未収入金が貸し倒れたとき
CASE 92 完成工事未収入金や受取手形の決算日における仕訳
CASE 93 前期以前に発生した完成工事未収入金が貸し倒れたときの仕訳
CASE 94 貸倒引当金の期末残高がある場合の決算日における仕訳
CASE 95 前期に貸倒処理した完成工事未収入金を当期に回収したときの仕訳
CASE 96 決算時に完成工事補償引当金を設定したときの仕訳
CASE 97 完成工事補償引当金を取り崩したときの仕訳
CASE 98 決算時に退職給付引当金を設定したときの仕訳
CASE 99 退職金を支払ったときの仕訳
CASE 100 決算時に修繕引当金を設定したときの仕訳
CASE 101 修繕費を支払ったときの仕訳
第11章社債
CASE 102 社債を発行したときの仕訳
CASE 103 社債の利息を支払ったときの仕訳
CASE 104 社債の決算時の仕訳①
CASE 105 社債の決算時の仕訳②
CASE 106 社債の決算時の仕訳③
CASE 107 社債を満期日に償還したときの仕訳
CASE 108 社債を買入償還したときの仕訳
第12章株式の発行、剰余金の配当と処分
CASE109 株式会社とは
CASE 110 会社を設立して株式を発行したときの仕訳
CASE 111 増資をしたときの仕訳① 申込証拠金の受取時の仕訳
CASE 112 増資をしたときの仕訳② 払込期日の仕訳
CASE 113 当期純利益を計上したときの仕訳
CASE 114 剰余金を配当、処分したときの仕訳
CASE 115 利益準備金の積立額の計算
CASE 116 株主資本の計数変動
CASE 117 減資したときの仕訳
CASE 118 純資産のまとめ
第13章 税金
CASE 119 固定資産税などを支払ったときの仕訳
CASE 120 法人税等を中間申告、納付したときの仕訳
CASE 121 法人税等が確定したとき(決算時)の仕訳
CASE 122消費税を支払ったときの仕訳
CASE 123 消費税を受け取ったときの仕訳
CASE 124 消費税の決算時の仕訳
建設業会計編
第14章 原価計算の基礎
CASE 125 建設業会計とは?
CASE 126 原価とは?
CASE 127 原価の具体的な分類
CASE 128 原価計算の基本的な流れ
第15章 材料費
CASE 129 材料費の分類
CASE 130 材料を購入したときの処理
CASE 131 材料を消費したときの処理
CASE 132 材料費の計算
CASE 133 棚卸減耗、評価損が生じたときの処理
第16章 労務費・外注費
CASE 134 労務費の分類
CASE 135 賃金を支払ったときの処理
CASE 136 賃金の消費額の計算
CASE 137 労務費の処理
CASE 138 予定賃率を用いる場合1 賃金を消費したときの処理
CASE 139 予定賃率を用いる場合2月末の処理
CASE 140 予定賃率を用いる場合3会計年度末の処理
CASE 141 外注費の処理
第17章 経費
CASE 142 経費とは?
CASE 143 経費を消費したときの処理
第18章 工事間接費
CASE 144 工事直接費の賦課
CASE 145 工事間接費の配賦
CASE 146 建物が完成したときの処理
CASE 147 予定配賦率を用いる場合① 予定配賦率の決定と予定配賦
CASE 148 予定配賦率を用いる場合② 月末の処理
CASE 149予 定配賦率を用いる場合③ 会計年度末の処理
第19章 部門別計算
CASE 150 工事間接費を正確に配賦するには?
CASE 151 部門個別費と部門共通費の集計
CASE 152 補助部門費の施工部門への配賦① 直接配賦法
CASE 153 補助部門費の施工部門への配賦② 相互配賦法
CASE 154 補助部門費の施工部門への配賦③ 階梯式配賦法
CASE 155 施工部門費の各工事台帳への配賦
CASE 156 施工部門費の予定配賦① 部門別予定配賦率の決定と予定配賦
CASE 157 施工部門費の予定配賦② 月末の処理
第20章 工事収益の計上
CASE 158 収益の認識基準
CASE 159 収益の認識基準
CASE 160 完成・引渡時の処理
決算、帳簿、本支店会計編
第21章 決算と財務諸表
CASE 161 決算手続とは?
CASE 162 決算整理① 現金過不足の処理
CASE 163 決算整理② 有価証券の評価替え
CASE 164 決算整理③ 貸倒引当金の設定
CASE 165 決算整理④ 固定資産の減価償却
CASE 166 決算整理⑤ 費用・収益の繰延べと見越し
CASE 167 決算整理⑥ 完成工事原価の算定
CASE 168 当期純利益または当期純損失の計上
CASE 169 財務諸表の作成
第22章 帳簿の締め切り
CASE 170 帳簿を締め切る、とは?
CASE 171 収益・費用の各勘定残高の損益勘定への振り替え
CASE 172 各勘定の締め切り
CASE 173 繰越試算表の作成
第23章 本支店会計
CASE 174 本店から支店に現金を送付したときの仕訳
CASE 175 本店の工事未払金を支店が支払ったときの仕訳
CASE 176 本店が支店に材料を送付したときの仕訳
CASE 177 本支店合併財務諸表の作成(全体像)
CASE 178 未達取引の整理
CASE 179 決算整理
CASE 180 内部利益の控除
さくいん