建設業経理事務士3級のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)




スッキリわかる 建設業経理事務士3級 (スッキリわかるシリーズ)

はしがき

建設業経理ってどんなもの?
建設業経理とは、資材や機材を買ったり、建物を売ったりという建設業界で日常行われている取引や、社内のお金のやりとりを記録するための手段をいいます。そこにはさまざまなルールがあるわけですが、その知識を問うものが「建設業経理事務士検定試験」となります。

試験の範囲や内容には、日商簿記検定試験と重なるところも多く、そのうえで建設業特有の経理知識も問われます。この本では、簿記の初歩から建設業独特のルールまでがスッキリと理解でき、3級合格を確実に狙える構成となっています。

本書の特徴1「読みやすいテキスト」にこだわりました
本書は簿記・建設業経理初心者の方が最後までスラスラ読めるよう、やさしい、一般的なことばを用いて、読み物のように読んでいただけるように工夫しました。

また、実際の場面を身近にイメージしていただけるよう、ゴエモンというキャラクターを登場させ、みなさんがゴエモンといっしょに場面ごとに簿記・建設業経理を学んでいくというスタイルにしています。

本書の特徴2 「本書1冊で3級」を目指せるテキストに!!
簿記知識ゼロでも無理なく学習を進めていただけるよう、読みやすいテキストにこだわるとともに、つまずきポイントをあますところなく網羅したWEB講義を約6時間分ご視聴いただけます。また、論点別の問題や模擬問題など、出題の想定される問題をできるだけ多く収載しておりますので、何度もくりかえし解くことによって、インプットした知識を本試験で確実にアウトプットする力を養成できます。

このように、本書では「テキスト+WEB講義+論点別問題+模擬問題」という学習上必要なアイテムをすべて盛り込んでおり、3級合格を強力サポートしています。

本書の特徴3 充実の6時間WEB講義
簿記の学習ではその初期段階において、借方、貸方といった、イメージのつかみづらい用語や、日常生活ではなじみのない取引などにつまづきがちです。

本書では、これらのつまずきを限りなくゼロに近づけ、楽に学習を進めていただくために、簿記特有の考え方や、イメージを的確にお伝えできるWEB講義、約6時間分(模擬問題の解説も含む)が無料でついています。読みやすいテキストにさらにわかりやすい講義がついて、ストレスフリーな環境で楽しく学習を進めてください。

本書を活用し、建設業経理事務士3級試験に合格され、みなさんがビジネスにおいてご活躍されることを心よりお祈りいたします。

2015年6月

滝澤 ななみ (著) , TAC出版開発グループ (著)
出版社: TAC出版 (2015/7/22)、出典:出版社HP

建設業経理事務士3級の学習方法と合格まで

1. テキストを読み、WEB講義を視聴する
まずは、テキストを読みます。

テキストは自宅でも電車内でも、どこでも手軽に読んでいただけるように作成していますが、机に向かって学習する際には、鉛筆と紙を用意し、取引例や新しい用語がでてきたら、実際に紙に書いてみましょう。

また、本書はみなさんが考えながら読み進めることができるように構成していますので、ぜひ答えを考えながら読んでみてください。

加えて、WEB講義を併用することで、さらに理解を深めることができます。WEB講義へのアクセス方法は巻末の袋とじをご参照ください。

2. テキストを読んだら問題を解く! –
簿記は問題を解くことによって、知識が定着します。本書のテキストには、問題編に対応する問題番号を付していますので、それにしたがって、問題を解きましょう。

また、まちがえた問題には付箋などを貼っておき、あとでもう一度、解きなおすようにしてください。

3. もう一度、すべての問題を解く!
上記1、2を繰り返し、テキストの内容理解に自信がもてたら、テキストを見ないで問題編の問題をもう一度最初から全部解いてみましょう。

4. そして模擬問題を解き、WEB講義を視聴する!
本書には、本試験レベルの問題も収載しています。本試験の出題形式に慣れるためにぜひ解いてみてください。解き終わったら模擬問題の解説WEB講義も確認し、時間内に効率的に合格点をとるコツを体得してください。

建設業経理事務士3級はどんな試験?

1.試験概要

主催団体 一般財団法人建設業振興基金
受験資格 特に制限なし
試験日 毎年度 3月(1級・2級は9月・3月)
試驗級 1級・2級(建設業経理士)
3級・4級(建設業経理事務士)
申込手続き インターネット・郵送
申込期間 おおむね試験日の3カ月前より1カ月間
※主催団体の発表をご確認ください。
受験料
(8%税込)
5,250円(3級の場合)
※別途申込書代金、もしくは決済手数料として310円が必要となります。
問合せ 一般財団法人建設業振興基金 建設業経理検定試験センター
URL: http://www.keiri-kentei.jp/

2.受験データ(3級)

回数 第31回 第32回 第33回 第34回 第35回
受験者数 1,933人 1,707人 1,877人 1,939人 2,228人
合格者数 1,225人 1,064人 1,120人 1,210人 1,497人
合格率 63.4% 62.3% 59.7% 62.4% 67.2%

建設業経理事務士3級の出題傾向と対策

1.配点
試験ごとに多少異なりますが、通常、次のような配点で出題されます。

第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 合計
20点 12点 30点 10点 28点 100点

なお、試験時間は2時間、合格基準は100点満点中70点以上となります。

2. 出題傾向と対策
第1問から第5問の出題傾向と対策は次のとおりです。

出題傾向 対策

1

1問は仕訳問題が5題出題されます。 簿記や建設業経理の基本となる仕訳が問われます。勘定科目が示されますので、その中から選択しましょう。

2

2問は原価計算に関連した問題が出題されます。 与えられた、工事原価計算表などをもとに工事に関連する原価を計算させる問題がでます。どの数字を集計すべきか、慎重に計算しましょう。

3

3問は、試算表の作成問題が出題されます。 試算表には、合計試算表・残高試算表・合計残高試算表の3種類があります。どの試算表が問われているか注意して解答する必要があります。

4

4問は、おもに理論問題が出題されます。 指定された用語群から選択する穴埋め問題が出題されます。日常の学習からさまざまな論点にふれ、対応できるようになっておきましょう。

5

5問は、精算表の作成問題が出題されます。 数字が記入された残高試算表と5項目程度の決算整理事項が問題・解答用紙に与えられ、それにもとづいて損益計算書と貸借対照表を埋めていきます。

※建設業経理事務士3級の試験は、毎年度3月に行われています。試験の詳細につきましては、検定試験ホームページ(http://www.kensetsu-kikin.or.jp )でご確認ください。

滝澤 ななみ (著) , TAC出版開発グループ (著)
出版社: TAC出版 (2015/7/22)、出典:出版社HP

CONTENTS

はしがき
建設業経理事務士3級の学習方法と合格まで
建設業経理事務士3級はどんな試験?
建設業経理事務士3級の出題傾向と対策
建設業経理事務士3級に合格したあとは

簿記の基礎編
第1章 簿記の基礎

CASE1 簿記ってなんだろう?
CASE2 仕訳の基本
CASE3 仕訳帳と総勘定元帳
CASE4 財務諸表の基本

仕訳編
第2章 現金と当座預金

CASE5 現金の範囲
CASE6 現金の帳簿残高と実際有高が異なるときの仕訳
CASE7 現金過不足の原因が判明したときの仕訳
CASE8 現金過不足の原因が決算日まで判明しなかったときの仕訳
CASE9 当座預金口座に預け入れたときの仕訳
CASE10 小切手を振り出したときの仕訳
CASE11 当座預金の残高を超えて引き出したときの仕訳
CASE12 当座預金口座へ預け入れたときの仕訳(当座借越がある場合)

第3章 小口現金

CASE13 小口現金を前渡ししたときの仕訳
CASE14 小口現金係が小口現金で支払ったときの仕訳
CASE15 会計係が小口現金係から支払報告を受けたときの仕訳
CASE16 会計係が小口現金を補給したときの仕訳
CASE17 小口現金出納帳への記入

第4章 建設業における債権・債務

CASE18 材料の注文時に内金を支払ったときの仕訳
CASE19 内金を支払って材料を仕入れたときの仕訳
CASE20 工事の受注時に内金を受け取ったときの仕訳
CASE21 工事が完成し引き渡したときの仕訳
CASE22 材料の返品があったときの仕訳
CASE23 値引きがあったときの仕訳
CASE24割戻しを受けたときの仕訳
CASE25 工事未払金台帳への記入
CASE26 得意先元帳への記入

第5章 手形

CASE27 約束手形を振り出したときの仕訳
CASE28 約束手形を受け取ったときの仕訳
CASE29 自己振出手形を回収したときの仕訳
CASE30 為替手形を振り出したときの仕訳
CASE31 為替手形を受け取ったときの仕訳
CASE32 為替手形を引き受けたときの仕訳
CASE33 約束手形を裏書きして渡したときの仕訳
CASE34 約束手形を割り引いたときの仕訳
CASE35 受取手形記入帳と支払手形記入帳への記入
CASE36 お金を貸し付け、手形を受け取ったときの仕訳
CASE37 お金を借り入れ、手形を渡したときの仕訳

第6章 その他の債権・債務

CASE38 お金を貸し付けたときの仕訳
CASE39 貸付金を返してもらったときの仕訳
CASE40 お金を借り入れたときの仕訳
CASE41 借入金を返したときの仕訳
CASE42 工事に係るもの以外を後払いで買ったときの仕訳
CASE43 工事に係るもの以外を売って代金はあとで受け取るときの仕訳
CASE44 従業員が支払うべき金額をお店が立て替えたときの仕訳
CASE45 従業員に給料を支払ったときの仕訳
CASE46 従業員に給料を支払ったときの仕訳
CASE47 預り金を支払ったときの仕訳
CASE48 旅費の概算額を前渡ししたときの仕訳
CASE49 仮払金の内容と金額が確定したときの仕訳
CASE50 内容不明の入金があったときの仕訳
CASE51 仮受金の内容が明らかになったときの仕訳

第7章 有価証券

CASE52 有価証券の分類と表示
CASE53 有価証券を購入したときの仕訳
CASE54 配当金や利息を受け取ったときの仕訳
CASE55 有価証券を売却したときの仕訳
CASE56 有価証券の決算時の仕訳

第8章 固定資産

CASE57 有形固定資産を取得したときの仕訳
CASE58 固定資産の減価償却(定額法)の仕訳
CASE59 固定資産を売却したときの仕訳
CASE60期中に固定資産を売却したときの仕訳 116
CASE 61 固定資産を改良、修繕したときの仕訳

第9章 租税公課と資本金

CASE62 固定資産税などを支払ったときの仕訳
CASE63 資本を元入れしたときの仕訳
CASE64 店主がお店の現金を私用で使ったときの仕訳
CASE65 店主が引き出した現金を返したときの仕訳
CASE66 資本の追加出資をしたときの仕訳
CASE67 事業主貸(借)勘定の決算日の処理

第10章 引当金

CASE68当期に発生した完成工事未収入金が貸し倒れたとき
CASE69 完成工事未収入金や受取手形の決算日における仕訳
CASE70 前期以前に発生した完成工事未収入金が貸し倒れたときの仕訳
CASE71 貸倒引当金の期末残高がある場合の決算日における仕訳
CASE72 前期に貸倒処理した完成工事未収入金を当期に回収したときの仕訳

第11章 費用・収益の繰延べと見越し

CASE73 家賃を支払った(費用を前払いした)ときの仕訳
CASE74 決算日の処理(費用の繰延べ)
CASE75翌期首の仕訳(費用の繰延べ)
CASE76 お金を借り入れた(利息を後払いとした)ときの仕訳
CASE77 決算日の処理(費用の見越し)
CASE78 地代を受け取った(収益を前受けした)ときの仕訳
CASE 79 決算日の処理(収益の繰延べ)
CASE80 お金を貸し付けた(利息をあとで受け取る)ときの仕訳
CASE 81 決算日の処理(収益の見越し)

建設業会計編
第12章 原価計算の基礎

CASE 82 建設業会計とは?
CASE 83 原価とは?
CASE 84 原価の具体的な分類
CASE 85 原価計算の基本的な流れ

第13章 材料費、

CASE 86 材料費の分類
CASE 87 材料を購入したときの処理
CASE 88材料を消費したときの処理
CASE 89 材料費の計算

第14章 労務費・外注費

CASE 90 労務費の分類
CASE 91 賃金を支払ったときの処理
CASE92 賃金の消費額の計算
CASE 93 労務費の処理
CASE 94 外注費の処理

第15章経費

CASE 95 経費とは?
CASE 96 経費を消費したときの処理

第16章完成時の処理

CASE 97 建物が完成したときの処理
CASE 98 完成・引渡時の処理

決算、帳簿編
第17章 決算と財務諸表

CASE 99 決算手続とは?
CASE100 試算表の作成
CASE101 決算整理① 現金過不足の処理
CASE102 決算整理② 有価証券の評価替え
CASE103 決算整理③ 貸倒引当金の設定
CASE104 決算整理④ 固定資産の減価償却
CASE105 決算整理⑤ 費用・収益の繰延べと見越し
CASE106 決算整理⑥ 完成工事原価の算定
CASE107 当期純利益または当期純損失の計上
CASE108 財務諸表の作成

第18章 帳簿の締め切り

CASE109帳簿を締め切る、とは?
CASE110 収益・費用の各勘定残高の損益勘定への振り替え
CASE111 当期純利益または当期純損失の資本金勘定への振り替え
CASE112 各勘定の締め切り
CASE113 繰越試算表の作成

第19章 伝票制度

CASE114 三伝票制
CASE115 入金伝票の起票
CASE116出金伝票の起票
CASE117振替伝票の起票
CASE118 一部現金取引の起票

問題編
論点別問題編 問題
解答・解説
模擬問題編 解答・解説
さくいん

別冊
論点別問題編 解答用紙
模擬問題編 問題・解答用紙

※解答用紙については、問題で解答用紙あり、となっている問題のみ用意しております。なお、仕訳の解答用紙が必要な方は、論点別問題編の解答用紙内にある「仕訳シート」をコピーしてご利用ください。

※論点別問題編、模擬問題編とも解答用紙はダウンロードしてご利用いただけます。TAC出版籍販売サイト・サイバーブックストアにアクセスしてください。 https://bookstore.tac-school.co.jp/

滝澤 ななみ (著) , TAC出版開発グループ (著)
出版社: TAC出版 (2015/7/22)、出典:出版社HP

建設業経理事務士3級に合格したあとは

1. 経営事項審査制度ってなに?
建設業界には、「経営事項審査制度」という制度があるのをご存知でしょうか。

適正な公共工事の施工を確保するためには、工事の規模やそれに必要な技術水準等に見合う能力のある建設業者に工事を発注する必要があります。このため公共工事発注機関は入札の参加に必要な資格及び条件を定め、入札に参加しようとする建設業者がその資格や条件を有するかどうかについての審査を行います。この審査のことを「経営事項審査」といいます。

これは、公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者が必ず受けなければならない審査です。そして、建設業経理士2級は、「経営事項審査」の評価対象となるのです。

2. 建設業経理士2級ってどんな試験?
さて、そのような建設業経理士2級はどのような試験なのでしょうか。

① 個人商店から株式会社へ
まず、商業簿記分野では、これまで個人商店(工務店)が対象だった簿記から会社会計が加わるとともに、より多くの取引を処理できるようになります。

② 間接費が加わってより複雑な原価計算も可能に
従業員の給料など、これはどの製品の原価にすべきなの?といった、「間接費」計算が加わり、より実践的な原価計算が行えるようになります。

③ 試験が年2回ある!
3級では試験は年1回3月のみでしたが、2級では、3月と9月の年2回も試験チャンスがあります。これにより、もし万が一失敗してしまったとしてもまた半年後に受験できるため、非常に受けやすい試験となっています。

ぜひ、建設業経理士2級まで取得し、会社の評価を高めるのに役に立ちませんか?

TAC出版では、独学と通学のいいとこどりを実現させた「建設業経理士独学道場」開講しています。是非、建設業経理士2級の合格を勝ち取りましょう。

<建設業経理士独学道場 URL>
https://bookstore.tac-school.co.jp/dokugaku/kensetsu/
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滝澤 ななみ (著) , TAC出版開発グループ (著)
出版社: TAC出版 (2015/7/22)、出典:出版社HP