中国語検定 HSK 公式過去問集 6級 2018年度版
目次
-Contents –
■HSK6級 試験概要
HSK6級について
試験当日の流れ
試験の流れ
問題形式の確認
聴力試験のスクリプト
解答用紙
■過去問題
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
■解答・解説
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
HSK概要
HSKとは??
HSKは中国語能力検定試験(Hanyu Shuining Kaoshi) のピンインの頭文字をとった略称です。HSKは、中国政府教育部(日本の文部科学省に相当)が認定する世界共通の中国語の語学検定試験で、母語が中国語ではない人の中国語ではない人の中国語の能力を測るために作られたものです。現在、中国国内だけでなく、世界各地で実施されています。
新HSKの導入と試験内容
HSKは、1990年に中国国内で初めて実施され、翌1991年から、世界各国で実施されるようになりました。
2010年から導入された新HSKでは、これまで以上にあらゆるレベルの学習者に対応できるよう、試験難易度の幅を広げ、各段階での学習者のニーズを満たすことを目指しました。また、HSKは、中国語によるコミュニケーション能力の測定を第一の目的とした実用的な試験です。そのため、実際のコミュニケーションで使用する会話形式の問題や、リスニング、スピーキング能力の測定に重点をおいた試験となっています。
HSK 受験のメリット
HSKは、中国政府の認定試験であるため、中国において中国語能力の公的な証明として通用し、HSK証書は中国の留学基準や就職の際にも活用されています。
また、2010年のリニューアルでは、ヨーロッパにおいて外国語学習者の能力評価時に共通の基準となるCEF※1と合致するよう設計されたため、欧米各国の外国語テストとの互換性から難易度の比較がしやすく、世界のどの地域でも適切な評価を受けることが可能となりました。
中国語能力の測定基準
自分の中国語能力を測定することで、学習の効果を確認するとともに、学習の目標として設定することでモチベーション向上につながります。
企業への中国語能力のアピール
企業採用選考時の自己アピールとして中国語能力を世界レベルで証明できるだけで
なく、入社後の実務においても中国語のコミュニケーション能力をアピールする手段になり、現地 (中国) 勤務や昇進等の機会を得ることにつながります。
中国の大学への留学や中国での就職
HSKは大学への本科留学の際に必要な条件となっています。また、中国国内での就職を考える際にも、中国語能力を証明するために必要な資格であると言えます。
日本国内の大学入試優遇
大学入試の際にHSKの資格保有者に対し優遇措置をとる大学が増えてきています。
(詳細はHSK事務局HP:http://www.hskj.jp)
※1
CEFヨーロッパ言語共通参照枠組み:Common European Framework of Reference for Languag teaching, assessment)は、ヨーロッパにおいて、外国語教育のシラバス、カリキュラム、教科書、試験の作成時および学習者の能力評価時に共通の基準となるもので、欧州評議会によって制定されたもの。学習者個人の生涯にわたる言語学習を、ヨーロッパのどこに住んでいても断続的に測定することができるよう、言語運用能力を段階的に明記している。
HSK各級のレベル
新HSKでは、1級から6級までに級が分けられ、合否およびスコアによって評価されます。
級 | 試験の程度 | 語彙量 | CEF | |
6級 | 中国語の情報をスムーズに読んだり聞いたりすることができ、会話や文章により、自分の見解を 流暢に表現することができる。 | 5,000語以上の常用中国語単語 | C2 | 熟達した言語使用者 |
5級 | 中国語の新聞・雑誌を読んだり、中国語のテレビや映画を鑑賞したりでき、中国語を用いて比較的整ったスピーチを行うことができる。 | 2,500語程度の常用 中国語単語 | C1 | |
4級 | 中国語を用いて、広範囲の話題について会話ができ、中国語を母国語とする相手と比較的流暢にコミュニケーションをとることができる。 | 1,200 語程度の常用中国語単語 | B2 | 自立した言語使用者 |
3級 | 生活・学習・仕事などの場面で基本的なコミュニケーションをとることができ、中国旅行の際にも大部分のことに対応できる。 | 600語程度の基礎常用中国語単語及びそれに相応する文法知識 | B1 | |
2級 | 中国語を用いた簡単な日常会話を行うことができ、初級中国語優秀レベルに到達している。大学の第二外国語における第一年度履修程度。 | 300語程度の基礎常用中国語単語及びそれに相応する文法知識 | A2 | 基礎段階の言語使用者 |
1級 | 中国語の非常に簡単な単語とフレーズを理解、使用することができる。大学の第二外国語における第一年度前期履修程度。 | 150語程度の基礎常用中国語単語及びそれに相応する文法知識 | A1 |
HSK6級 試験概要
※2018年12月試験時点
HSK6級について
HSK筆記6級は、受験生の日常中国語の応用能力を判定するテストで、「中国語の音声情報や文字情報を不自由なく理解することができ、自分の意見や見解を流暢な中国語で口頭または書面にて表現することができる」レベルが求められます。主に5,000語かそれ以上の常用単語を習得している者を対象としています。
試験内容
聴力(聞き取り):約35分・放送回数1回 | ||
パート | 形式 | 問題数 |
第1部分 | 放送される短文の内容に一致する選択肢を選ぶ | 15題 |
第2部分 | 放送される短文の内容に関する問いに答える | 15題 |
第3部分 | 放送される長い会話の内容に関する問いに答える | 20題 |
読解:50分 | ||
パート | 形式 | 問題数 |
第1部分 | 間違っている文を選ぶ | 10題 |
第2部分 | 短文の空所に文脈に合う適切な語句を補う | 10題 |
第3部分 | 長文の空所に文脈に合う適切な文を補う | 10題 |
第4部分 | 長文の内容に関する問いに答える | 20題 |
書写:問題黙読10分・作文35分 | ||
パート | 形式 | 問題数 |
作文 | 与えられた文章を読み、400字程度で要約する | 1題 |
〇試験開始の前に、解答用紙に個人情報を記入する時間が与えられます。
〇聴力試験終了後に、解答用紙に記入する時間が予備として5分間与えられます。
成績および有効期間
〇聴力、読解、書写の配点はそれぞれ100点、合計300点で評価されます。
〇HSK6級の成績報告には、聴力、読解、書写のそれぞれの得点および総得点が明記されます。
〇成績報告は受験者全員 (試験無効者を除く)に送付され、発送には試験後約60日を要します。
〇試験の約1か月後から、HSK公式ホームページ (http://www.hskj.jp) にて成績照会を
行うことが可能(准考証号と姓名の入力が必要)です。
〇HSKの成績は、外国人留学生が中国の大学に入学するための中国語能力証明とする場合、その有効期間は受験日から起算して2年間とされています。
試験当日の流れ
ここでは、試験当日の注意事項や、試験の概要を紹介します。
持ち物
試験当日の持ち物を確認しておきましょう。
□受験票(顔写真を貼りつけたもの)
□身分証明書(顔写真付きのもの)
□鉛筆 (2B以上の濃いもの)
□消しゴム
□時計(携帯電話等は不可)
集合時間
受験票に記載されている集合時間を確認しておきましょう。
試験開始時刻の20分前に受付が開始されます。
試験開始時刻から試験の事前説明が始まり、これ以降は入室できなくなりますので注意 しましょう。
試験の流れ
試験開始から終了までは次のような流れで進行します。
1. 試験開始・注意事項の説明
2. 必要事項の記入
3. 問題用紙の配布
4. 聴力試験
5. 読解試験
6. 書写試験
7. 試験終了
次ページ以降では、試験の流れを詳しく見ていきます。
※6級の試験では、試験開始以降の指示はすべて中国語で行われます(事前説明および試験JINの指示は日本語)。質問することも可能ですが、その場合も中国語で応対をします。指示内容は12~15ページ、聴力試験の放送内容は19ページで紹介していますので、事前に確認しておきましょう。
試験の流れ
1. 試験開始・注意事項の説明
試験開始時刻になると、事前説明が始まります。
試験中の注意事項および試験の内容に関して、説明が行われます。
この説明開始以降は、原則として試験終了まで入退室できませんので注意しましょう。
2 必要事項の記入
試験開始時間になったら、試験官の指示に従い、受験票に記載されている番号などを参 考にして必要事項の記入を行いましょう。
1 (名前)
2 (中国語の名前:記入不要)
3 (受験番号)
4 (受験地番号)
5 (国籍:番号)
6 (年齢)
7 (性別)
※3~6は左側の空欄に数字を記入したうえで、その横に並んでいる番号のうち、該当するものをそれぞれマークしてください。
3. 問題用紙の配布
必要事項の記入が始まると、問題用紙が配布されます。問題用紙は試験官から指示があるまで開封できません。
問題用紙に記載してある注意事項について、試験官から次のような説明があります。
① HSK6級の試験は3つの部分に分かれています。
1. 聴力(聞き取り)試験 (50題、約35分間)
2. 読解試験 (50題、50分間)
3. 書写試験 (1題、45分間)
②解答は直接解答用紙に記入してください。聴力試験の後、解答用紙に記入するための予備時間が5分間与えられます。
③ 試験時間は全部で約150分間です。(事前説明および個人情報を書き込む時間を含む)
※説明の後、会場ごとに聴力試験、読解試験、書写試験の開始時間および終了時間が記入・掲示されますので、終了時間は会場ごとに異なる場合があります。
4. 聴力試験
説明の後、試験官より聴力試験開始の合図があります。
「問題用紙の1ページ目を開いて下さい。」
「今から、聞き取り試験を開始します。解答用紙に直接解答をして下さい。」
その後、放送が開始します。聴力試験の試験時間は約35分間です。
※聴力試験の放送内容は19ページで紹介しています。
放送終了後、試験官より次のような指示があります。
「ただいまより5分間、時間を提供します。解答を書き終えていない方は引き続き解答を記入してください。書き終わっている方は、そのままお待ち下さい。」
その後5分間が与えられますので、解答を書ききれなかった場合は、この時間で解答の記入を行います。
5.読解試験
解答用紙の記入時間が終了すると、次の指示があり、読解試験が開始します。読解試験の試験時間は50分間です。
「解答をやめてください。引き続き、読解試験を開始します。問題用紙を開き、解答を始めて下さい。解答用紙に直接解答して下さい。読解試験は50分間です。」
読解試験終了の5分前に、次のアナウンスがあります。
「読解試験の残り時間はあと5分です。」
6. 書写試験
読解試験終了時間になると、次の指示があり、書写試験に関する説明が行われます。すべて中国語の指示です。以下には指示文の日本語訳を載せますが、本番では日本語は読まれませんので注意してください。
「解答をやめてください。以上で読解試験を終了します。」
「次は書写試験となります。問題用紙を閉じて、解答用紙の上に重ねて下さい。」
「問題用紙を回収いたします。解答用紙は回収しません。」
問題用紙が回収されます。
「続いて、書写試験となります。」
「問題文の内容を400字程度の短い文章にして下さい。試験は、自分の意見を入れるのではなく、内容を要約する試験です。時間は35分間です。題名は、自由です。解答は、鉛筆で直接、 短い文章を解答用紙に記入して下さい。」
「これから、書与試験の問題文を配布します。開始の合図が出されてから、読み始めて下さい。先に問題文を受け取った受験生は、読み始めてはいけません。」
その後、試験官から問題文が配布されます。問題文は試験官から指示があるまで読み始めることはできません。
問題文が配布されると、次の指示があり、問題文を読む時間となります。 問題文を読むのに与えられる時間は10分間です。
「それでは、問題文を読み始めてください。読む時間は10分間です。読んでいる時に書き写したりメモをとってはいけません。」
問題文を読む時間の終了5分前に、次のアナウンスがあります。
「読む時間は残りあと5分です。」
次に、試験官の指示に従い、問題文が回収されます。
この間、解答の記入はできません。
「読む時間終了です。読むのをやめてください。問題文を裏返してください。これから問題文を回収します。解答をしてはいけません。静かにお待ちください。」
問題文の回収が終わると、次の指示があり、解答用紙の記入の時間となります。解答を行うのに与えられる時間は35分間です。
「解答を始めて下さい。時間は35分間です。」
書写試験終了の5分前に、次のアナウンスがあります。
「試験の残り時間はあと5分です。」
7. 試験終了
試験終了時間になると、試験官が解答用紙を回収します。
これで試験は終了です。試験官の指示に従って退出しましょう。
問題形式の確認
ここでは、HSK6級の各パートの問題形式を確認しておきましょう。
パート | 問題数 | 時間 | 配点 | |
昕力 (聴力) |
第1部分 | 15題 | 約35分間 | 100点 |
第2部分 | 15題 | |||
第3部分 | 20題 | |||
阅读 (読解) |
第1部分 | 10題 | 50分間 | 100点 |
第2部分 | 10題 | |||
第3部分 | 10題 | |||
第4部分 | 20題 | |||
书写 (作文) |
作文 | 1題 | 45分間 | 100点 |
1昕力
第1部分 音声の内容と一致するものを選びなさい。
第1部分は、文の内容に関する問題です。
まとまった長さの文がそれぞれ1回だけ読み上げられます。その内容と一致するものを、与えられた4つの選択肢から選びましょう。あらかじめ4つの選択肢に目を通しておきましょう。
第2部分 正しい答えを選びなさい。
第2部分は会話の内容に関する問題です。
2人の会話が読み上げられ、その後、その内容に関する問いがそれぞれ1回だけ読み上げられます。問いに対する答えとして正しいものを、与えられた4つの選択肢から選びましょう。1つの問題文に対して問いは5問ずつあるので注意しましょう。問題文は3つあり、問いは全部で15問(3×5問) あります。あらかじめ4つの選択肢に目を通しておきましょう。
第3部分 正しい答えを選びなさい。
第3部分は長文の内容に関する問題です。
長文が1回読み上げられ、その後、その内容に関する問いがそれぞれ1回だけ読み上げられます。問いに対する答えとして正しいものを、与えられた4つの選択肢から選びましょう。1つの問題文に対して、問いは複数問あるので注意しましょう。問題文は6つ程度あり、問いは全部で20問あります。あらかじめ4つの選択肢 に目を通しておきましょう。
2 阅读
第1部分 語句や文法上の誤った文を選びなさい。
第1部分は、間違っている文を選択する問題です。4つの文をそれぞれよく読み、使われている語句の意味や用法、文全体の意味や文法などに誤りがある文を選びましょう。
第2部分 語句を選んで空所を埋めなさい。
第2部分は、空所補充問題です。短文の空所部分に適切な語句を補い、意味の通る文を作りましょう。1つの短文に対し、空所が複数あるので、すべての語句が正しい選択肢を選びましょう。空所に当てはまらない語句がある選択肢を除いていくとスムーズに解答できます。
第3部分 文を選んで空所を埋めなさい。
第3部分は、長文の空所補充問題です。
長文の空所部分に適切な文を補い、意味の通る文章を作りましょう。1つの長文に対して空所は5つあり、与えられている文の選択肢も5つありますので、すべての文が1回ずつ選ばれます。前後の文脈をよく確認し、分かりやすい文から当てはめていきましょう。
第4部分 正しい答えを選びなさい。
第4部分は、長文読解問題です。
問題文とその内容に関する問いが与えられています。問題文の内容をよく読み、問いに対する答えとして正しいものを与えられた4つの選択肢から選びましょう。
長文の内容をしっかり理解できているかを問う問題になっています。
3 要約しなさい。
書写の問題は、長文を要約する問題です。まず問題用紙が配られ、問題文を読む時間が10分間与えられます。(この時間はメチや銀次の記入はできません。)その後、問題用紙が回収され、35分間で問題文の内容を400字前後で要約しましょう。
作文の内容は自分の意見などを含める必要はありませんので、読み取った内容を間潔にまとめましょう。解答は直接解答用紙に記入しましょう。
聴力試験のスクリプト
ここでは、聴力試験の放送内容を紹介しています。問題のスクリプトは解答・解説を参照してください。実際の試験で日本語は読み上げられません。
「みなさん、こんにちは。HSK6級の試験にようこそ。」
(3回読み上げられます。)
「HSK6級の聴力試験は3つの部分に分かれており、全部で50題です。それでは、今から聴力試験を始めますので、注意して聴いてください。」
その後、問題説明文が読み上げられ、
「それでは、第○題から始めます。」
というアナウンスの後、すぐに問題が始まります。
複数の問題が続いている場合には、
「第○題~第○題は次の話(インタビュー)から出題します。」
という指示があります。
すべての問題が終わると、
「これで聴力試験は終わります。」
とアナウンスがあり、試験官の指示が続きます。