ERE(経済学検定試験)問題集〈2019年12月受験用〉




発行にあたって

現在、わが国では、経済の再生に向けて、各分野においてはさまざまな改革が進められているところであり、そこではプロのエコノミストの活躍が必要不可欠とされ、ひいては人材の育成がますます重要なものとなっています。

経済学はきわめて専門性の高い学問であり、現実の経済政策にも活用されています。しかし、経済学を学ぶ者にとって学習した成果を測る目安がなく、従来より、その習得度を客観的に評価してほしいという各方面からの強い要望も数多くありました。

「ERE」は、主として各大学の経済学部その他社会科学系学部の学生を対象に、経済学の数理的理論的な基礎知識の習得程度と実体経済での初歩的な応用能力のレベルを全国規模で判定する経済学検定試験であり、「学習した理解度を客観的に評価してほしい」との声に呼応して日本経済学教育協会が2002年3月から実施しているものです。以来、大学の学部を問わず、また、官民を問わず、大学生や社会人に広く活用されております。

本書は、2017年12月~2019年7月に出題された過去4回分の「ERE」の試験問題とその解答を収録したものです。

2019年5月より、「EREミクロ・マクロ」試験は、CBT(パソコン受験)方式による試験を実施しています。それに伴い、マークシート方式による経済学検定試験(ERE/EREミクロ・マクロ)試験は、第37回試験(2019年12月1日実施)をもちまして終了となります。また、本書もこの2019年12月受験用をもって、発刊を終えることとなります。

本書の有効活用、CBT試験の有効活用によって、経済学の知識をより一層深められることを願ってやみません。

2019年8月
経済法令研究会

Contents

発行にあたって
ERE(経済学検定試験)のあらまし
受験者の声

2017年12月《第33回〉

ミクロ経済学
需要の価格弾力性
課税による厚生損失
均衡の安定性
財の消費と所得
消費の双対性
ギッフェン財の性質
労働と余暇の合理的選択
顕示選好の弱公準
長期の供給
産関数の形状
費用関数
完全競争市場での利潤最大化
パレート最適
独占
複数市場
ラーナーの独占度
シュタッケルベルク均衡
価格競争
展開型ゲーム
市場の失敗
公共財
外部不経済
外部経済
情報の非対称性
不確実性

マクロ経済学
国内総生産国民所得の概念
国内総生産名目と実質
財政政策の効果
消費と貯蓄の理論ライフサイクル仮説
消費と貯蓄の理論恒常所得仮説
消費と貯蓄の理論最適消費水準決定の2期モデル
投資理論投資の限界効率
投資理論 トービンの理論
マクロ投資理論
IS-LM モデルにおける経済政策の有効性
経済政策の有効性ケインズ的総需要管理政策への批判
財政金融政策の有効性
消費関数
貨幣の機能
貨幣乗数
ボーモル=トービン・モデル
AD-AS モデル
インフレーションの形態
インフレのコスト
労働需要関数
失業と求人
ソロー成長モデル
成長会計
ラムゼーモデル

財政学
予算制度
財政運営
課税の効率性
課税の公平性
公共財
社会保障
地方財政
公共選択
課税の効率性
地方財政

金融論
銀行の機能
最適な資産選択
金利の期間構造
企業の 資金調
コーポレートガバナンス
金融危機
日本の資金循環の特徴
金融マクロ理論
中央銀行の資産と負債
外国為替相場

国際経済
購買力平価
カバーなし金利平価
最近の為替レートの動向
国際通貨
比較優位
余剰分析:関税の効果
独占市場の輸入規制
ASEAN経済共同体(AEC)
ヘクシャー=オリーンの貿易モデル
マンデル=フレミングモデル

統計学
2項分布
確率
平均分散
正規分布
カイ二乗十分布
推定
相関係数
最小二乗法
内生変数・外生変数・先決変数

2018年7月《第34回》

ミクロ経済学
需要曲線、供給曲線のシフト
くもの巣理論の安定性
消費者の効用最大化
完全代替財
無差別曲線と最適消費
需要の所得弾力性
交差弾力性
レオンチェフ型効用関数における支出額
費用関数80平均費用曲線
長期費用曲線
長期の企業数
エッジワースボックス
効用フロンティア
パレート最適性
独占
不完全競争市場
外部経済
外部不経済
ナッシュ均衡
展開型ゲーム
情報の非対称性
割引現在価値
異時点間の消費
コースの定理

マクロ経済学
国内総生産と国民総所得
トービンのq
ケインズ型消費関数
物価の変動と債務負担
資本の使用者費用
GDP デフレーター
年率換算
マクロ統計
投資について
産業連関表
消費性向
投資の調整費用
財政政策
期間モデルとマクロの貯蓄率
45度線モデル
IS-LM モデルと経済政策の効果
IS-LM モデルの計算問題
流動性の罠108実質利子率と名目利子率
流動性の罠の下での経済政策
テイラールール
フィリップス曲線
ソロー経済成長モデルの基礎
ソロー 経済成長モデルの応用
ラムゼーモデル

財政学
財政の3機能
公共財
課税に伴う超過負担
財政政策の効果
公債の経済効果
財政運営
予算制度
地方財政
公的年金制度
政府の失敗

金融論
金融機関の機能
モディリアーニーミラー定理
情報の非 対称性と銀行貸出
為替予約
貨幣乗数
株式のファンダメンタルズ価格
期待効用とリスクプレミアム
自己資本比率規制
マンデル=フレミングモデル
総需要・総供給(AD-AS) モデルにおける金融政策

国際経済
購買力平価
金利平価
国際収支表
アウトソーシング
国際金融のトリレンマ
FTA
小国の関税政策
国際マクロ経済
リカードモデル
IS バランスと経常収支

統計学
標準偏差
確率
正規分布
平均
仮説検定
F分布
最小二乗法
ダミー変数
構造方程式と誘導形

2018年12月《第35回》

ミクロ経済学
均衡の安定性
エンゲル曲線
代替財、補完財
無差別曲線
需要の価格弾力性
補助金による厚生損失
需要供給曲線の集計
間接効用関数
完全競争市場
完全競争市場での利潤最大化
長期費用関数
損益分岐点
価格規制
独占
屈折需要曲線
複占
効用可能性フロンティア
契約曲線
情報の経済学
条件付き財の無差別曲線
ナッシュ均衡
汚染の排出権市場
相対的危険回避度一定の効用関数と絶対的危険回避度一定の効用関数
生産の外部経済

マクロ経済学
国内総生産
フローとストック
物価指数
失業率
ケインズ型消費関数
ライフサイクル仮説
投資理論
マクロ生産関数
財政政策の政策ラグ
実質利子率と名目利子率
IS-LM モデル
AD-AS モデル
貨幣需要
貨幣供給
IS-LM モデルにおける貨幣
失業178179フィリップス曲線
インフレーション
金融マクロ理論
マンデル=フレミングモデル
新古典派経済成長理論
経済成長理論
資本蓄積の黄金律

財政学
予算制度
財政政策の効果
財政運営
公債
課税の効率性
課税の公平性
公共財
社会保障
地方財政
公共選択

金融論
市場型間接金融
銀行の情報生産機能
家計の貯蓄行動
株式の収益率
資産選択
インフレーションとデフ レーション
過剰債務問題
日本の資金循環の特徴
金利の期間構造
金融技術

国際経済
国際収支表
交易条件
小国の輸入関税
先渡し為替レート
購買力平価
比較優位の理論
最適関税率
国内独占と輸入中間財への関税
マーシャル=ラーナ 一条件
海外直接投資

統計学
確率
確率変数
不偏推定値
帰無仮説
F分布
最小二乗法

2019年7月《第36回》

ミクロ経済学
供給の価格弾力性
非弾力的供給と租税
無差別曲線
上級財と下級財
補償変分
労働供給
顕示選 好の理論
完全競争市場での短期の企業行動
生産関数
費用関数
費用最小化
産業の長期均衡
エッ ジワースボックス
純粋交換経済
独占
屈折需要曲線
外部経済
クールノー均衡
情報の非対称性
公共財
不確実性の経済学
展開型ゲーム
同時手番ゲーム
割引現在価値
異時点間の消費

マクロ経済学
分配面からみたGDP
GDPの範囲
GDPとGDPデ フレーター
消費者物価指数の計算
ケインズ型消費関数
恒常所得仮説
長期モデルの均衡
消費と余暇の最適化問題
度線分析
株価の決定理論
投資の調整費用
ソロー経済成長モデルの性質
リカードの等価 命題
IS-LM モデルにおける線の傾き
フィッシャー方程式
LM曲線
新古典派生産関数
貨幣の保有動機
金融政策の効果
流動性のわな
物価版フィリップス曲線
新古典派成長モデル
ボーモルトービンモデル
成長会計
IS-LM モデル

財政学
公共財
課税による超過負担
課税の公平性
財政運営
国債の種類価格
財政運営
予算制度
最近の地方財政の動向
日本の公的年金制度
投票のパラドックス

金融論
日本の金融市場
直接金融と間接金融
モディリアーニー=ミラー定理
資本資産価格モデル
自己資本比率規制
貨幣乗数
貨幣供給
日本の金融政策
マンデ ル=フレミングモデル
伸縮価格マネタリーアプローチ

国際経済
購買力平価
金利平価
世界の貿易摩擦
国際収支表
オープンマクロの乗数効果
比較優位
関税撤廃の厚生分析
貿易戦略
輸出入と契約通貨
為替介入

統計学
確率
分散
仮説検定
平均の信頼区間の推定
カイ二乗分布
相関係数
最小二乗法
誤差分散
内生変数・外生変数先決変数
確率分布

Economics Record Examination ERE(経済学検定試験)のあらまし

●「ERE」とは、
「ERE」は、主として各大学の経済学部その他社会科学系学部の学生を対象に、経済学の数理的・理論的な基礎知識の習得程度と実体経済での初歩的な応用能力のレベルを全国規模で判定する試験です。大学生にとっては、経済学を学ぶうえでの具体的な学習目標となり、将来のビジネス社会において必要とされる経済学の基本知識・応用能力を養成でき、公務員試験へ向けての模擬試験としても活用できます。

●2019年7月(第36回)「ERE」・「EREミクロ・マクロ」成績結果
2019年7月、第36回EREが全国の各試験会場にて同時に実施されました。各科目の平均点は下掲のとおりです。
[ERE]
図表1.ERE平均点

科目 全体 ミクロ経済学 マクロ経済学 財政学 金融論 国際経済 統計学
配点 900点 250点 250点 100点 100点 100点 100点
平均点 406.4点 116.8点 108.9点 56.8点 44.6点 44.3点 35.0点

[EREミクロ・マクロ]
図表2.EREミクロ・マクロ平均点

科目 全体 ミクロ経済学 マクロ経済学
配点 500点 250点 250点
平均点 181.8点 92.8点 89.0点

第37回「ERE」・「EREミクロ・マクロ」実施要項

2019年(第37回)「ERE」・「EREミクロ・マクロ」の実施および内容等の概要は、次のとおりです。詳しくは日本経済学教育協会(TEL: 03(3267)4819)に、また、試験実施・運営に関することは検定試験運営センター(TEL:03(3267)4821) にお問合せください。なお、巻末に受験願書を掲載しておりますので、切り取ってご利用ください。

※第37回試験(2019年12月1日実施)をもちまして、マークシート方式による「ERE」「EREミクロ・マクロ」試験は、終了となりますが、2019年5月より、「EREミクロ・マクロ」は、CBT(パソコン受験)方式により実施されています。
詳しくは、ホームページをご覧ください。

■ホームページ 【http://www.ere.or.jp/】/■e-mail 【info@ere.or.jp】

●実施要項
図表3.実施要項

試験科目 [ERE] [EREミクロ・マクロ]
試験日 2019年12月1日(日)
試験時間 13:00~16:00(180分) 13:00~14:40(100分)
受験願書
受付期間
2019年10月1日(火)~2019年10月22日(火)
消印有効
受験料  5,000円+消費税 4,000円+消費税
出題形式・
出題数
4答択一式 90問
(1問10点、900点満点)
4答択一式 50問
(1問10点、500点満点)
出題科目 ミクロ経済学/マクロ経済学/財政学/金融論/国際経済/統計学 ミクロ経済学/マクロ経済学(「ERE」のミクロ経済学・マクロ経済学と同一問題を出題
持込品 受験票、筆記用具(HB程度の鉛筆またはシャープペンシル(ボールペンは不可)、消しゴム)、電卓持込可(ただし、金融計算電卓、関数・メモ機能
付は不可)、顔写真付本人確認書類(学生証・運転免許証・パスポート等)
正解発表 試験実施3日後(原則として、17:00以降)に上記ホームページに掲載予定
成績通知 2020年1月中旬に願書記載の住所宛に送付

※正解・ランク (偏差値によりS~Dランクまでの7段階で判定)について、日本経済学教育協会および検定試験運営センターへの電話でのお問合せはいっさいお断りしていますので、ご了承ください。

●「ERE」の出題科目と範囲(「EREミクロ・マクロ」は、ミクロ経済学・マクロ経済学のみの出題となります)
ミクロ経済学(250点)
市場と需要・供給、消費者と需要、企業と生産期 ミクロ経済学用関数、市場の長期供給曲線、完全競争市場、完全競争市場、市場の失敗、不確実性と情熱、ゲーム理論、異時点間の資源配分

マクロ経済学 (250点)
国内総生産、消費と貯蓄の理論、投資理論、貨幣需要と貨幣供給、乗数理論とIS-LM分析、経済政策の有効性、インフレーション、失業の理論、経済成長理論

財政学 (100点)
予算制度、財政政策の効果、財政運営、公債、課和の 率性、課税の公平性、公共財、社会保障、地方財政、公共選択

金融論 (100点)
日本の資金循環の特徴、間接金融・直接金融、市場刑期 接金融、証券市場、金融機関の役割、金融技術、金融政策、為替の決定理論、金融ミクロ理論、金融マクロ理論

国際経済 (100点)
国際収支、比較優位の理論、ヘクシャー・オリーンの定理、直接投資、貿易政策、外国為替市場、購買力平価説、国際資本移動、国際金融、累積債務問題

統計学(100点)
確率、平均・分散、正規分布、t分布・x2分布・F分布、仮説検定、相関係数、最小2乗法、内生変数、外生変数・先決変数、因果性テスト、構造形・誘導形、データ解析

●偏差値によるランク判定
偏差値によるランク判定は、「S・A+・A・B+・B・C・D」の7 段階により評価します。各ランクの偏差値と範囲は、次のとおりです。

なお、範囲は、正規分布のもとでのものであり、おおよその目安です。

図表4.ランク判定
(注)偏差値は、小数点以下第1位を四捨五入。

ランク 偏差値 範囲
S 73以上 上位1%以上
A+ 66以上〜73未満 1.1〜5.0%
A+ 60以上66未満 5,1〜15.0%
B+ 55以上60未満 15.1〜30.0%
B+ 47以上〜55未満 30.1〜60.0%
C 37以上〜47未満 60.1〜90.0%
D 37未満 90.1〜100.%