新版 茶道文化検定 公式テキスト 4級: 茶の湯をはじめる本




はじめに

発刊にあたって

茶道は、長い年月をかけて受け継がれてきた日本を代表する伝統文化です。茶道の持つ深い精神をもとに茶室や露地、茶道具、懐石などがつくり出されました。すなわち建築や美術工芸、料理などを含んだ総合芸術であり総合文化ともいえます。このような茶道の奥深さや素晴らしさを知っていただく機会として、平成20年から「茶道文化検定」を行っています。

この度、より充実したものとなるようテキストを改訂し、『新版 茶道文化検定公式テキスト4級—茶の湯をはじめる本―』を刊行しました。

「茶道」とはどのようなものか、初めて学ぶ方にもわかりやすいように、本書は茶道の基本をふまえて構成されています。茶道の入門書として、多くの方々に活用していただきたいと 願っております。

「茶道文化検定」をきっかけに茶道文化、日本文化への理解を深め、さらに自国の文化を世界へ発信していただければ幸いです。

(一財)今日庵 茶道資料館
館長 千 玄室

今日庵茶道資料館 (監修)
淡交社、出典:出版社HP

新版 茶道文化検定公式テキスト 4級 目次

はじめに 発刊にあたって

一章 茶のこころ

季節をおもう
逸話にみる茶のこころ
わび・さびの美意識
四規七則 四規/七則
利休百首歌

二章 茶の歴史

喫茶の起源
茶の伝来
抹茶のはじまり
茶の文化の広がり 武家の茶・庶民の茶/わび茶の誕生
信長・秀吉と利休の茶 わび茶を確立した千利休/織田信長と茶の湯/豊臣秀吉と茶の湯
大名茶のはじまりと三千家の成立利休の流れを受け継ぐ弟子たち/三千家のあゆみ
茶の湯の広がり 七事式/茶道具研究をする大名茶人 幕末の茶と近代茶道/近代の数寄者 出版と茶の湯

三章 茶事・茶会

茶事と茶会
客の心得と持ち物 茶室でのマナー/よそおい/持ち物
茶事の流れ 大寄せの茶会の構成と流れ 茶会の構成/大寄せの茶会の流れ
立礼と野点
懐石と点心
菓子
茶席の花
抹茶の話

四章 茶道具

床の間の道具 掛物/花入
点前の道具 釜/風炉/炉縁/水指/茶入/薄茶器/茶杓/茶碗/その他/炭道具一式/煙草盆一式 代表的な点前道具の各部名称

五章 茶室·露地

茶室 間取/畳/床の間/窓/出入口/水屋
国宝の茶室 (待庵・如庵・密庵席)
三千家の茶室 (表千家・裏千家・武者小路千家)
露地
露地の構成 腰掛待合/雪隠/中門/蹲踞/塵穴/飛石/植栽

索引

《凡例》

・本書は、一般財団法人今日庵 茶道資料館が主催する「茶道文化検定」の公式テキスト『3級・4級用茶の湯がわかる本」(平成29年刊行)の内容を再検討しつつ、必要に応じて修正を行い、項目の増減をはかり新版としたものです。新版の編集にあたっては、内容の見直しとあわせて、茶の湯への理解をさらにわかりやすく導くため、『3級 茶の湯がわかる本』『4級 茶の湯をはじめる本』それぞれに分けて刊行いたしました。

本書の表記について

・テキスト本文中、重要な用語は太字にしました。
・文中、*印がついている語句については、上段に註を記しました。
・語句の読み仮名については、定まっていないものも多くあります。基本的に現時点でもっとも汎用している読み方を採用し、別の読みは註に付記しました。

今日庵茶道資料館 (監修)
淡交社、出典:出版社HP