新版 茶道文化検定 公式テキスト 3級: 茶の湯がわかる本




はじめに

発刊にあたって

茶道は、長い年月をかけて受け継がれてきた日本を代表する伝統文化です。茶道の持つ深い精神をもとに茶室や露地、茶道具、懐石などがつくり出されました。すなわち建築や美術工芸、料理などを含んだ総合芸術であり総合文化ともいえます。

このような茶道の奥深さや素晴らしさを知っていただく機会として、平成23年から「茶道文化検定」を行っています。

この度、より充実したものとなるようテキストを改訂し、『新版 茶道文化検定公式テキスト3級—茶の湯がわかる本―』を刊行しました。

本書は、茶道の基本をふまえながら、茶道文化を体系的に学べるように構成されています。茶道は、このテキストだけで語りつくせるものではありませんが、多くの方々に活用していただきたいと願っております。

「茶道文化検定」をきっかけに茶道文化、日本文化への理解を深め、さらに自国の文化を世界へ発信していただければ幸いです。

(一財)今日庵 茶道資料館
館長 千 玄室

今日庵茶道資料館 (監修)
淡交社、出典:出版社HP

新版 茶道文化検定公式テキスト 3級 目次

はじめに 発刊にあたって

一章 茶のこころ

季節をおもう
逸話にみる茶のこころ
わび・さびの美意識
四規七則 四規/七則
利休百首歌
茶と禅

二章 茶の歴史

喫茶の起源、中国の飲茶
日本の喫茶のはじまり 茶の伝来/朝廷行事の中に取り入れられた茶
抹茶のはじまり 栄西により伝えられた抹茶法/抹茶法の広がり
茶の文化の広がり 武家の茶/座敷飾りと同朋衆の登場/庶民の茶/わび茶の誕生/堺の町と武野紹鴎/茶会の記録
信長・秀吉と利休の茶の湯 織田信長と茶の湯/千利休の茶の湯と豊臣秀吉
大名茶のはじまり 利休の茶の流れを受け継ぐ弟子たち/古田織部/金森宗和/小堀遠州と片桐石州
利休の教えを守り伝える 三千家と宗旦門下/七事式・千家十職
大名の茶・豪商の茶 幕末の茶と近代茶道への足音
近代の茶の湯 女子教育と茶の湯/近代の数寄者たちと茶の美術館/出版と茶の湯/社寺への献茶と利休への回帰

三章 茶事・茶会

茶事と茶会
よそおいと持ち物 よそおい/持ち物
茶事のあらまし
茶事の実際 寄付と待合/迎付/初座/後座
懷石 料理の種類/懐石道具
茶会のあらまし 大寄せの茶会/客の作法と心得/立礼の茶、野点の茶
菓子
茶席の花 花の選び方
抹茶の話

四章 茶道具

床の間の道具 掛物/花入
点前の道具 釜/風炉/炉縁/風炉先屏風と結界/棚/水指/茶入/薄茶器/茶杓/茶碗/蓋置/建水/水次/その他/炭道具一式/煙草盆(莨盆)一式/水屋の道具
茶道具に使われる主な素材・技法の用語

五章 茶室・露地

茶室 間取り/炉の切り方、床の間/天井/窓/腰張り/出入口/水屋
国宝の茶室 (待庵・如庵・密庵席)
茶家の茶室 (表千家・裏千家・武者小路千家・籔内家)
日本庭園と露地
露地
露地の構成 露地口/腰掛待合/雪隠/中門/蹲踞/刀掛/塵穴/飛石と敷石/植栽/垣根/関守石
茶家の露地 (表千家・裏千家・武者小路千家・籔内家)

卷末付绿
季節のことば
代表的な茶道具の各部名称
索引

凡例

・本書は、一般財団法人今日庵茶道資料館が主催する「茶道文化検定」の公式テキスト『3級・4級用茶の湯がわかる本』(平成21年刊行)の内容を再検討しつつ、必要に応じて修正を行い、項目の増減をはかり新版としたものです。新版の編集にあたっては、内容の見直しとあわせて、茶の湯への理解をさらにわかりやすく導くため、『3級茶の湯がわかる本』『4級茶の湯をはじめる本』それぞれに分けて刊行いたしました。

本書の表記について

・テキスト本文中、重要な用語は太字にしました。
・文中、*印がついている語句については、上段に註を記しました。
・語句の読み仮名については、定まっていないものも多くあります。基本的に現時点でもっとも汎用している読み方を採用し、別の読みは註に付記しました。

今日庵茶道資料館 (監修)
淡交社、出典:出版社HP