2019年版 環境社会検定試験eco検定公式過去・摸擬問題集
刊行にあたって
本書は、環境社会検定試験®(eco検定)の公式テキストに準拠 し、実際に出題された過去問題の解説と、テキストに掲載されていない 時事問題も含めた模擬問題を掲載しています。公式テキストと併用して学習していただき、検定試験合格への対策本としてご活用いただければ 幸いです。
eco検定は、単級(1・2・3級などの区分がない)の試験である ことが特徴です。これは、より多くの方々に環境に関する幅広い基礎知 識を身につけていただきたいということ、そして培った知識を活かし、 環境問題の解決に向けてアクションを起こしていただきたいという意味を込めています。
商工会議所では、幅広い環境問題の基礎的な知識をもち、そこから生まれるさまざまな問題意識を日常の行動に移そうとしているECO検定合格者の方のことを敬意をこめて〈エコピープル〉と呼んでいます。
過去25回実施された検定試験により、27万人を超えるエコピープルが誕生しております。皆さまも、ぜひeCO検定に合格し、エコピープ ルの仲間に加わってくださるようお願い申し上げます。
東京商工会議所
2019年版環境社会検定(eco検定)
公式過去・模擬問題集 目次
刊行にあたって
本書を効果的にご利用いただくために
eco検定受験ガイド
eco検定とは
試験概要
受験者データ
出題傾向、学習ガイド
eco検定の出題傾向
分野別学習のポイント
eco検定過去問題 第23回
解答用紙
問題
eco検定過去問題 第24回
解答用紙
問題
eco検定過去問題 第25回
解答用紙
問題
eco検定模擬問題1
解答用紙
問題
eco検定模擬問題2
解答用紙
問題
解答解説
過去問題 第23回
過去問題 第24回
過去問題 第25回
模擬問題1
模擬問題2
本書を効果的にご利用いただくために
本書の内容
本書は『改訂7版 eco検定公式テキスト』(以下、公式テキスト)に対応したeco検定の公式過去・模擬問題集です。以下で効果的なご利用方法を紹介します。
本書の構成
①eco検定受験ガイド
②出題傾向、学習ガイド
③最新過去問題(第23回~第25回)
④模擬問題(2回分)
⑤解答解説
本書の使い方
●eco検定の試験概要を知ろう! eco検定受験ガイド
まずはeco検定の試験概要を押さえていきましょう。検定の趣旨や試験の申込から試験当日までの流れ、そして受験者データ等を紹介しています。
●学習する皆さんへのアドバイス! 出題傾向、学習ガイド
最新3回分の出題傾向、問題の形式と分野別の学習のポイントを紹介します。学習のポイントは、公式テキストの章に沿って詳しくアドバイスしていきます。公式テキストと一緒に読み進めていきましょう。
公式テキストの該当部分を確認しましょう!
●豊富な問題で実践力をアップ! 過去問題・模擬問題
eco検定の過去問題(第23回~第25回)、模擬問題2回分を収録しています。過去問題を解くことで、公式テキストの内容についてより理解を深めていくことができるでしょう。また、検定試験の出題傾向に慣れることもできます。問題を解くのに慣れてきたら、時間を測って解きましょう。
過去問題、模擬問題ともに、解答用紙例をつけていますので、コピーをしてくり返し演習しましょう。
・解答用紙例はコピーをしてご利用ください。
・採点欄を使って、どれくらい得点できたかを記録しておきましょう!
●問題を解いたら必ず復習! 解答解説
問題を解いたら、必ず解答解説を読み、復習しましょう。本書では、それぞれの問題の詳しい解答解説を収録しています。
また、公式テキストの該当ページも掲載しています。間違えてしまっ た問題、理解が不十分だった問題は、公式テキストに戻って復習すると、さらに理解を深めることができるでしょう。
・詳しい解説を収録
・間違えた問題は公式テキストで復習しましょう!
eco検定とは
一人ひとりの環境活動をサポート
環境に関する技術やモノづくりは日々研究が進み、環境問題解決のた めのシステムの構築なども着々と進められています。しかし、それを動 かし、活かすのはまさに“人”です。eco検定では、環境に関する幅広 い知識をもとに、率先して環境問題に取り組む“人づくり”と、環境と 経済を両立させた「持続可能な社会」の促進をめざしています。
活躍のフィールド
社会全体で環境問題への意識が高まる中、eco検定合格者(エコピーブル)の活躍が益々期待されるようになってきました。eco検定合格には次のような意義があります。
企業に お勤めの方 |
・企業の社会的責任(CSR)やSDGs(持続可能な開発目標)への対応、今後の環境ビジネスの展開に向けて、知識を活用できるようになります。 ・合格する社員が増えることで、企業のイメージアップにつながります。 ・ISO取得後の継続学習の一環として、社員の意識改革や自己啓発にも役立てられます。 |
学生の方 | ・環境保全に取り組んでいる企業・団体などへの就職活動や進学時のアピールになります。 ・知識の幅を拡げ、国際的な視野でこれからの社会の姿を考えられるようになります。 |
一般の方 | ・日常生活の中で、環境に配慮した生活知識を身につけることができます。 ・ 環境への知識をもとに、地域再生や地域振興のために活動していただくことも期待されています。 |
試験概要
2019年度試験の予定
試験日 | 申込登録期間(個人) | |
第26回 | 7月21日(日) 13:30〜(制限時間2時間)※1 |
5月7日(火) 10:00〜 6月7日(金) 18:00 |
第27回 | 12月15日(日) 13:30〜(制限時間2時間)※1 |
10月1日(火) 10:00〜 11月1日(金) 18:00 |
受験料の払込期間、受験票の発送日等は東京商工会議所検定試験情報ホームページでご確認 ください。
※1 別に説明・配付・回収等約30分
試験会場
全国各地
※詳細は東京商工会議所検定試験情報ホームページでご確認ください。
https://www.kentei.org/eco/
受験料
詳細は、問合せ先(P.12)のホームページ、またはお電話にてご確認ください。
受験資格
学歴・年齢・性別・国籍による制限なし
出題形式
マークシート方式による選択問題
合否の基準
100点満点とし、70点以上をもって合格とします。
問合せ先
東京商工会議所 検定センター
03-3989-0777(土日・祝休日・年末年始を除く10:00~18:00)
https://www.kentei.org/eco/
申込み方法
①申込登録をする
インターネットもしくは電話で受験の申込登録をします。
・東京商工会議所 環境社会検定試験®(eco検定)ページ
https://www.kentei.org/eco/
・東京商工会議所検定センター
03-3989-0777(申込登録期間中の土日・祝休日・年末年始を除く10:00~18:00)
②受験料を支払う
申込書(払込取扱票)が届いたら、払込期限までに払込取扱票を使って、郵便局またはコンビニエンスストアで受験料を支払います。
・申込書(払込取扱票)は、申込登録後、通常営業日5日以内に普通郵便で発送します。
・申込書(払込取扱票)が届かない場合は、必ず受験料の払込締切日の前日 (土日・祝休日を除く)までに受験者ご本人が東京商工会議所検定センター(03-3989-0777)へ電話にてお問合せください。
③受験票が届く
受験票が届いたら、試験会場、試験時間、持ち物、受験上の注意を 確認します。
・受験票が届かない場合は、必ず受験票未着問合せ期間内に受験者ご本人が東京商工会議所検定センター(03-3989-0777)へ電話にてお問合 せください。
④試験当日
試験当日は以下のものを忘れずに持参しましょう。
・受験票
・筆記用具(HBまたはBの黒鉛筆・シャープペンシルプラスチック消しゴムのみ)
・身分証明書(運転免許証など、原則として、第三者機関発行で氏名・生年月日・顔写真が揃って確認できるもの)
受験者データ
eco検定試験結果
実受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
2014年度 | 25.790人 | 13.028人 | 50.5% |
2015年度 | 23.849人 | 13.704人 | 57.5% |
2016年度 | 21.504人 | 15.120人 | 70.7% |
2017年度 | 20.818人 | 15.193人 | 73.0% |
2018年度 | 21.614人 | 15.843人 | 73.3% |
eco検定受験者の業種(2018年度)
eco検定は、学生から社会人までさまざまな方が受験しています。
また、社会人の方の業種もさまざまです。
eco検定の出題傾向
出題内容
基本的には『改訂7版 eco検定公式テキスト』に準じて出題されます。その他、環境に関する時事問題も出題範囲ですが、基本的には公式テキストの学習をベースとしてください。
公式テキストに もとづく問題 |
公式テキストに公式テキストの知識と、それを理解した上での応用力を問うもの |
その他 | 基本的に公式テキストに準じますが、環境に関する時事問題についても出題されます |
出題分野の内訳
直近3回分の試験における分野別の出題数の内訳を下の表にまとめました。
公式テキスト | テーマ | 主な分野 | 第23回 | 第24回 | 第25回 |
第1章 | 持続可能な 社会に向けて |
・環境問題とは ・取り組みの歴史(世界・国内) ・持続可能な社会 ・地球サミットをはじめとする国際的なアプローチ |
5 | 3 | 9 |
第2章 | 地球を知る | ・生命・大気・水(海・川) ・森林・土壌・生態系 |
3 | 3 | 4 |
・人口・経済と環境負荷 ・食料・鉱物資源・貧困・格差 |
2 | 2 | - | ||
第3章 | 環境問題を 知る |
・地球温暖化対策 ・低炭素社会 |
9 | 4 | 4 |
・エネルギー | 6 | 13 | 3 | ||
・生物多様性・自然共生社会 ・エコツーリズム |
12 | 9 | 16 | ||
・オゾン層保護・水資源 ・酸性雨や黄砂・森林破壊 ・土壌劣化・砂漠化 |
3 | 9 | 5 | ||
・廃棄物・不法投棄 ・循環型社会(3R) |
9 | 9 | 3 | ||
・地域規模の環境問題 ・大気汚染・水質汚濁 ・水環境保全・土壌環境 ・都市型公害(騒音・振動・悪臭) ・都市化に伴う環境問題 ・交通に伴う環境問題 ・ヒートアイランド |
10 | 11 | 10 | ||
・化学物質 | 4 | 2 | 3 | ||
・震災関連・放射性物質 ・放射性廃棄物 |
5 | 2 | 2 | ||
第4章 | 持続可能な 社会に向けた アプローチ |
・環境の計画と原則 ・環境教育・環境アセスメント ・国際社会における日本の役割 |
3 | 3 | 6 |
第5章 | 各主体の 役割・活動 |
・各主体の役割、活動 (国際機関、政府、自治体、国や地方の公的な主体) |
1 | - | 3 |
・企業の社会的責任(CSR) ・環境マネジメントシステム ・環境コミュニケーション ・製品の環境配慮・企業活動 (第一次産業、働き方改革も含む) |
6 | 10 | 11 | ||
・市民のかかわり ・ライフスタイルと環境 ・消費者、生活者、地域住民、 納税者、有権者として |
5 | 5 | 4 | ||
・NGO・NPO ・ソーシャルビジネス |
1 | - | 1 | ||
第6章 | エコピープルへのメッセージ | ・大局観的な考え方・将来像 ・めざすべき社会 ・地球人としての責任 |
- | - | 1 |
時事その他 | (1) | (2) | - |
出題箇所は公式テキストの全範囲です。複数の章にまたがる内容もあり、多岐にわたっています。
また、公式テキストの本文はもちろんのこと、脇注の解説や図表等を含め、公式テキスト全体を網羅できるように、しっかりと時間をとって、全範囲を学習できる計画を立てることをおすすめします。
出題形式
出題形式は、マークシート方式による選択問題です。制限時間は120分ですので、限られた時間内で、多くの設問文を読み、それぞれの答えを迅速に選んでいく力が求められます。
また、主に次の5つの形式に沿って出題される傾向があります。
形式 | 概要 |
正誤判定 | 文章の内容が正しいか間違っているかを判断する |
語句・短文選択 | 文章をふまえて適切な語句や短文を選択する |
語句の穴埋め | 図表や文章に入る適切な語句を選択する |
長文読解3択問題 | 文章に関連した設問に答える |
文章4択問題 | 不適切な文章を選択する |
問題の形式に慣れておくために P.26以降の過去の試験問題や模縮門 題を活用してください。
語句選択問題の語群に、公式テキスト外の事項・語句が入っているこ ともありますが、時事・テキスト外の問題が占める割合は少なくなっています。あわてずに公式テキストで学習したことをベースに解いていきましょう。
いずれの形式であっても、学習時に用語の意味を正しく理解しておくことと、解答時に設問の文章の意味を正しく把握することが重要です。 特に、図表や長文の「語句の穴埋め」形式や長文を用いた問題では、関連するトピックを体系化して出題される問題もみられます。関連したトピック・用語はつながりを意識して学習しておきましょう。
注意したいのは、「4択問題」形式です。正誤判定を組み合わせた問題ですが、選択肢それぞれの文章を読む時間が必要です。事前に解き慣れておき、時間配分の目安を立てられるようにするとよいでしょう。
「不適切なものを選ぶ」のか、「適切なものを選ぶ」のか、焦って勘違いしないように問題文をよく読んでから解答してください。
また、これらの形式を組み合わせた複合型の問題であっても、基本的な解き方は同じです。学習したことをベースにして落ち着いて解きましょう。
分野別学習のポイント
以下では、各分野の学習のポイントを公式テキストの目次に沿って紹介していきます。公式テキストとあわせて読み進めていきましょう。
なお、学習上、用語の意味を理解していくことが、とても重要です。 しかし、これを暗記としてとらえてしまうと、試験が終わったら忘れてしまいます。考え方や意味を理解して、それをベースにおいて用語の学習をするという姿勢を忘れずにいてください。
公式テキストの全範囲を 学習すると、全体がみえてきます。関連する用語は章立てにこだわらず、 結びつけて、理解を確かなものとしていきましょう。
公式テキスト第1章 持続可能な社会に向けて
第2章以降を学習する前に理解しておきたい、環境問題への取組みの流れが述べられています。リオの地球サミットから、リオ+10、リオ+20、2030アジェンダと国際的な会議も概観しておきましょう。
持続可能な社会のための目標や指標、評価として、SDGsや人間開発指数(HD)、エコロジカル・フットプリントなどがあります。
特に、SDGsは今後、世界の指針となるものであり、17の目標や、 その普遍性、統合性についても意識していく必要があります。
国内においては公害対策から環境政策へと取組みが進展し、1990年代には法整備も進みました。
地球環境問題については、グローバルな動き―国際公約や、国際協調、国際会議での合意などを受けて、国内の体制の整備が進んでいくと いう流れもありました。
こうした流れを意識しつつ、国内外の世論や産業界も反応する環境関連のニュースに関心を持つとテキストの理解も深まるでしょう。
公式テキスト第2章 地球を知る
地球や自然のメカニズムの学習では、図でイメージしたり、構造で理解したりすることが効果的です。さまざまな現象は、その用語だけを覚 えようとすると、うろ覚えになるかもしれません。関連する図やイメージを併用して学習しましょう。
水の循環、大気の循環、海洋の循環などの自然界における循環の恵み、人間を含む動物の食物連鎖を支える植物の恵み、奇跡的とも思える絶妙なバランスの上で私たちが暮らせる「環境」は成り立っています。
こうした地球環境と生態系についての理解があってこそ、生態系の破壊や、温暖化をはじめとする、さまざまな環境破壊の深刻さについて本質的に理解できるようになります。
試験の学習を通じて、あらためて、地球のメカニズムや、大気や水、森の役割などについて理解を深めていけるとよいでしょう。
そして、その地球で暮らしている人間と社会についても理解を広げましょう。人口問題や貧困、格差などについても、基礎知識をもっておくと、ニュースの理解の度合いが変わってきます。これからは誰もが共存できる社会の構築が求められているのです。
公式テキスト第3章 環境問題を知る
第3章は非常に広範な内容となっていますが、「何が、なぜ問題で、今どうなっているのか、そのしくみはどういうことか」と、さまざまな環境問題とその原因、それを防止するための対策や制度などを一連の流れで理解しておくことが求められます。特に、温暖化、エネルギー、生物多様性、廃棄物などの分野では、重要なキーワードが多いので、丸暗記ではなく、複数のことを関連づけて学習しましょう。
〈地球温暖化〉
温暖化といっても、そのスケールはさまざまです。温室効果ガスによる地球の温暖化もあれば、都市の温暖化もあります。その解決のために めざすべき社会も、低炭素社会から脱炭素社会へとシフトしています。
また、これまでの気候変動枠組条約締約国会議(COP)についての開催場所と合意事項を整理しておくことも背害の理解に役立ちます。地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出削減に向けて、温暖化対策の新ルール「パリ協定」が採択され、国際社会は全員参加による2020年以降の温暖化対策に動き出しました。パリ協定の内容については、十分な理解が必要です。
アメリカのトランプ大統領は、2017年6月にパリ協定からの離脱意 思を表明しましたが、パリ協定の規定では協定の発効から3年間、2019年11月までは脱退通告ができないことになっており、実際に脱退するにはさらに1年を要します。
離脱の動きに対し、ドイツ、フランス、イタリアはただちに遺憾の意を表明しました。アメリカ国内でも温 暖化対策は必要だと声をあげている州や企業もあり、今後の国内外にお ける調整や説得の行方が注目されます。
〈エネルギー〉
エネルギーは、政治・経済にも生活にも結びつきが深く、情勢に変化 があるとニュースでも取り上げられやすい傾向があります。
定期点検に伴う原子力発電所の発電停止や、再稼動の可否をめぐる議 論、「脱原発」を求める声の高まりなどがみられたときは、社会全体においてエネルギー政策への注目が集まりました。今後、長い目で見れば、再生可能エネルギーの普及、推進と合わせて、エネルギー消費量を削減する取組みが必要です。
2018年に決定された日本の第5次エネルギー 計画では「3E+S」の実現をベースにしつつ、脱炭素化、環境適合性 を意識したものとなっています。
電力の自由化や蓄電技術など、この分野は日進月歩です。公式テキストを理解し、新しい情報を取り込むための土台としてください。
〈生物多様性・自然共生社会〉
この分野も、問題の把握に加えて、自然共生社会やエコツーリズムまで、一連の流れで理解していきましょう。
何が環境破壊の原因なのかを理解することは、それを未然に防ぐ手だてを考えることにもつながります。環境破壊が起きないよう、再発しないよう罰則を設けて取り締まるというだけでは、失ったものの再生は図 れません。破壊を防ぎ「再生していく」という考え方に根ざして、日本の環境行政も公害対策から環境保全へとシフトしています。
〈循環型社会〉
廃棄物の処理や取り扱いの適正さを守っていくためには、さまざまな規定や基準を設けるのが一般的です。廃棄物に関しては に基づく区分や、ごみの不法投棄の問題などが出題されました。また、放射性廃棄物や産業廃棄物についても記述されています。日本におけるさまざまな事例については、『環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書』などによってイメージをとらえ、どのような対策が講じられているか確認しておくとよいでしょう。
廃棄物については、リサイクルはもちろんのこと、いかに廃棄物を出さないようにするか、しくみの段階から廃棄物ゼロに取り組むことも、根源的な未然防止の考え方といえます。
〈地域環境問題〉
都市人口の増加に伴い、都市の問題であるヒートアイランド現象や都市型洪水などが生じています。環境に配慮した、持続可能な都市のあり方も求められます。SDGsを踏まえたまちづくりへの挑戦としてコンパクトシティの考え方も理解しておきましょう。そのほか、化学物質、震災関連・放射性物質についても第3章に含まれています。
公式テキスト第4章 持続可能な社会に向けたアプローチ
日本の環境政策である環境基本法や環境基本計画のほか、原則、手法、環境教育、環境アセスメントなどが盛り込まれています。原理や原則だ けを覚えるよりも、他の章の内容などと関連づけていくか、図や表で整理していくのがよいでしょう。体系化してとらえることが重要です。
公式テキスト第5章 各主体の役割・活動
〈パブリックセクター〉
国際機関、政府、自治体などパブリックセクターの取組みがあげられ ています。特に、国連は国際機関の中心です。国による取組みについて は、立法、行政、司法の面から解説されています。地方自治体も住民参加や独自の取組みなどをみせています。
〈企業などの取組み〉
環境対策は将来の世代や地球環境のことを考えて行う取組みですから、目先の利益を追うやり方とは相いれない部分もあります。しかし、見方を変えれば、将来のとても大きな損失を回避することにつながっているといえます。
また、企業活動による社会や個人への影響度が高まっていることを受け、企業も社会を構成する一員として、持続的な社会を構築する取組みに積極的に参加し、責任を果たすことが求められています。 SRIが、環境配慮、社会貢献に企業統治を加えたESG投資へと変化してきているのもその表れです。
環境の視点から経済・経営を見ることは、部分最適から全体最適を考 えることや、短期利益から長期利益への発想の転換をはかることであり、マネジメントの根幹において必要なことといえます。
〈個人・市民としての行動やライフスタイル〉
環境問題を考える際、地球規模で見ることも大事ですが、生活者の視点で「暮らしと環境」を考えていくことも重要です。普段の暮らしをしながらエコについて取り組めなければ、日々の活動にはなりません。
住まいの中の環境問題として、シックハウス症候群やVOC、アスベ ストなどのほか、今後、再生可能エネルギーへの社会ニーズや、ZEH、スマートハウスなどにも注目が集まるかもしれません。また、移動への取組みとしてCOOL CHOICEのスマートムーブなどもあります。
〈NPOなど〉
NPOやNGO、ソーシャルビジネスに関する事柄に加えて、各主体の連携による地域協働の取組みについても知っておきましょう。関連する事柄とセットで覚えることをおすすめします。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会でも持続可能性コン セプトが打ち出されており、SDGsの課題解決への貢献を意識しています。
公式テキスト第6章 エコピープルへのメッセージ
エコが身近なことであり、国際的なことでもある、ということを前提としつつ、ビジョンや考え方まで問いかけていく部分です。環境と共生するために重要な、示唆に富んだ考え方を理解してください。第5章ま での内容を理解しておくと、第6章は理解しやすいといえます。
時事問題対策
時事・社会的なトピックに日ごろから関心をもっておくことは学習にプラスになります。そこで活用したいのが『環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書』です。webサイト上でも見ることができます。
環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書 | |
http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/ | |
こども環境白書 | |
http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/kodomo.html |
白書は、基本的な報告書であり、環境に関するその時代の重要な情報が載っています。また、『こども環境白書』は、テーマや見せ方が工夫されており、ビジュアル的にも理解しやすく、知識と生活を結びつけ、子どもたちに環境問題を理解してもらうことをねらいとしています。環境教育に関心のある方にもおすすめです。
その他、環境問題や環境に関する情報の入手先としては、以下の webサイトが広く利用されています。
緑のgoo環境用語集 | http://www.goo.ne.jp/green/business/word/ |
EICネット | http://www.eic.or.jp/ |
エコピープル支援事案 | https://www.kentei.org/eco/people/ |
なお、「エコピープル支援事業」では、イベントなどの情報が発信されています。ECO検定合格者(エコピープル)のみならず、積極的に環境活動を展開したい方、より理解を深めたい方のための情報源といえます。
環境問題はますますグローバル化・複雑化していますが、どれもわたしたちの生活に密接につながっています。検定試験へのチャレンジを通して知識を習得し、体系立てて理解を深めましょう。そして、その土台をもとに、常に新しい情報を取り込んで広い視野を醸成してください。