手溶接技術検定のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)
目次 – 新版JIS手溶接受験の手引
まえがき
溶接技術は、継手構造が簡単で経済性も高いところから、あらゆる産業分野で基幹加工技術として適用されています。
しかし、実際に適用するときは、専門知識と品質確保に対する十分な対応が必要です。また、溶接の機械自動化やロボット化がめざましく進んだ今日とはいえ、溶接は人間の技量に負うところが大きく、溶接技能者の存在はますます重要性が高まってきています。
すなわち、溶接製品・構造物の品質を確保し、産業を支えているのが、溶接技能者といっても過言ではありません。
このため、溶接技能者には、溶接に関する基礎知識の習得と溶接技量の向上が求められます。さらに、溶接技能者に対し、JIS等に基づく資格の保有を要求する傾向が、社会的にもますます高くなっています。一方、溶接技能者の不足は慢性的で、溶接技能者の確保に向けた教育訓練は、社会的にも急務の課題となっています。
本書は、このような状況下、社日本溶接協会が実施しているJIS資格のうち、手溶接の資格を取得しようとする人々を対象として編集したものです。また、本書は、手溶接に関する基本的な知識と作業方法及び資格取得方法などについて、できるだけやさしく理解しやすいように記述しているため、第一線で活躍される多数の溶接技能者の座右の書として、また、これから溶接技能を習得しようとする人などのよき手引としても、活用されるように念願しています。
なお、本書は、「JIS手溶接受験の手引」として平成4年に刊行したものを、このたびのJIS改正に対応して全面的に改訂したもので、同時に、社日本溶接協会が進めている新しい要員認証制度にも対応したものとなっています。
平成10年3月
(社)日本溶接協会出版委員会
受験の手引編集委員会(現(一社)日本溶接協会出版委員会)
目次
第1部 JIS Z 3801 受験講座
1 アーク溶接の一般知識
1.1 溶接法の種類
1.1.1 溶接法の分類
(1) 融 接
(2) 圧接
(3) ろう接
1.1.2 アーク溶接の方法
1.2 被覆アーク溶接
1.3 溶接の長所と短所
1.4 溶接部の性質
1.4.1 溶接金属の溶融・凝固・冷却
1.4.2 溶接部の組織
1.4.3 残留応力と変形
1.5 溶接用語
2 溶接機の機構と操作
2.1 電気の知識
2.1.1 電圧、電流、抵抗及びオームの法則
(1) 電圧、電流と抵抗の関係
(2) オームの法則
2.1.2 抵抗の接続
(1) 直列接続(シリーズ接続)
(2) 並列接続(パラレル接続)
2.1.3 起電力、直流と交流
(1) 起電力
(2) 直流電源と交流電源
(3) 単相交流と三相交流
2.1.4 電力と力率
(1) 電 力
(2) 力 率
(3) 皮相電力と有効電力、力率の関係
2.1.5電圧と電流の測定
2.1.6 アークの一般特性
2.2 アーク溶接機の知識
2.2.1 溶接機の特性
(1) 垂下特性と定電流特性 .
(2) 定電圧特性
2.2. 2アーク溶接機の種類と特徴
(1) 交流 アーク溶接機の種類と特徴
(2) 交流アーク溶接機の規格
(3) 直流アーク溶接機の種類と特徴
(4) 交流アーク溶接機と直流アーク溶接機との比較
(5) 交流アーク溶接機用関連機器
2.2.3 溶接機の取扱い
(1) 溶接機の据付け設置
(2) 溶接機の接続、結線
(3) 導線(ケーブル)の接続
(4) 電源電圧、出力側電圧
2.2.4 溶接機の点検及び保守
(1) 共通の要点
(2) 交流アーク溶接機における要点
(3) 直流アーク溶接機における要点
3 鉄鋼材料と溶接材料
3.1 鉄鋼材料
3.1.1 鋼
3.1.2 溶接構造用鋼
3.2 鋼溶接部の材質変化
3.2.1 鋼材の熱による変化
3.2.2 溶接部の組織変化
3.2.3 溶接入熱
3.2.4 炭素当量と硬さ
3.2.5 予熱と後熱
3.3 溶接性
3.3.1 低炭素鋼(軟鋼)
3.3.2 中・高炭素鋼
3.3.3高張力鋼
3.3.4 低合金鋼
3.3.5 ステンレス鋼
3.3.6 鋳 鉄
3.4 鋼のじん性と遷移温度
3.4.1 衝撃試験とじん性
3.4.2 遷移曲線と遷移温度
3.5 被覆アーク溶接棒
3.5.1 被覆アーク溶接棒の選び方
3.5.2 被覆剤とその機能
3.5.3 被覆 アーク溶接棒の種類
3.5.4 被覆アーク溶接棒の特性
(1) ライムチタニヤ系(記号:03)
(2)高セルロース系(記号:10,11)
(3) 高酸化チタン系(記号:12, 13)
(4) 鉄粉酸化チタン系(記号:14, 24)
(5) 低水素系(記号:15, 16,48)
(6) 鉄粉低水素系(記号:18,28)
(7) イルミナイト系(記号:19)
(8) 酸化鉄系(記号:20)
(9) 鉄粉酸化鉄系(記号:27)
(10)特殊系(記号:40)
3.5.5 高張力鋼用被覆アーク溶接棒の使用上の注意事項
4 溶接施工
4.1 溶接記号
4.2 溶接継手設計上の注音
4.3 溶接施工
4.3.1 溶接作業前の準備
4.3.2 開先準備
4.3.3 溶接ジグの準備
4.3.4 タック溶接(仮付溶接)
4.3.5 溶接条件
(1) 溶接電流
(2) アーク電圧及びアーク長
(3) 電源の種類
(4) 溶接速度
4.3.6 本溶接
4.3.7 溶接棒
4.3.8 溶接後の処理
4.4 溶接による変化と残留応力
4.4.1 溶接による変形の防止法
(1) 溶接作業時の注意事項
(2) 溶接変形の防止法と矯正法
4.4.2 残留応力の除去法
(1) 溶接後熱処理
(2) ピーニング法
4.5 溶接欠陥とその対策
4.5.1 ビード形状不良、のど厚不足、 アンダカット及びオーバーラップ
4.5.2 ブローホール及びピット
4.5.3 溶込不良、スラグ巻込み及び融合不良
4.5.4 割れ
5 ティグ溶接と組合せ溶接
5.1 ティグ溶接機器
5.1.1 ティグ溶接法とその種類
(1) 直流ティグ溶接法
(2)交流ティグ溶接法
(3) パルスティグ溶接法
5.1.2 ティグ溶接装置
5.1.3 ティグ溶接用電源とその特性
5.1.4 ティグ溶接機の機能
(1) プリフロー
(2) 高周波
(3) クレータ処理
(4) アフターフロー
5.1.5 溶接機の接続及び使用率
5.2 ティグ溶接材料
5.2.1 溶加棒の種類
5.2.2 アルゴン
5.2.3 タングステン電極棒
5.3 溶接施工
5.3.1 ティグ溶接の準備と溶接前作業
(1) 溶接の準備
(2)溶接前作業
5.3.2 ティグによる溶接の要領
(1) アーク発生
(2) 溶加棒の送り
5.3.3 裏波溶接の要領
5.3.4 組合せ溶接の溶接要領
6 溶接部の試験と検査
6.1 概要
6.1.1 試験と検査
6.1.2 破壊試験と非破壊試験
6.2 破壊試験
6.2.1 機械試験
(1) 引張試験
(2) 曲げ試験
(3) 衝撃試験
(4)硬さ試験(硬化性試験)
6.2.2 組織試験
6.3 非破壊試験
6.3.1表面欠陥を検出するための非破壊試験
(1) 外観試験
(2) 磁粉探傷試験
(3) 浸透探傷試験
6.3.2 内部欠陥を検出するための非破壊試験
(1) 放射線透過試験
(2) 超音波探傷試験
6.4 その他
6.4.1 耐圧試験
6.4.2漏れ試験
7 溶接作業での災害防止
7.1 溶接作業による災害
7.2 電撃による災害
7.2.1電撃災害
7.2.2 防止対策
7.3 アーク光による災害
7.3.1 アーク光災害
7.3.2 防護対策
7.4 やけど,火災及び爆発
7.4.1 災害の概要
7.4.2 防止対策
7.5 ガス及びヒュームによる障害
7.5.1 ガス, ヒュームによる障害
7.5.2 防止対策
7.6 その他の災害
第2部 JIS Z 3801 演習問題
演習問題1 アーク溶接の一般知識
演習問題2 溶接機の機構と操作
演習問題3 鉄鋼材料と溶接材料
演習問題4 溶接施工
演習問題5 ティグ溶接と組合せ溶接
演習問題6 溶接部の試験と検査
演習問題7 溶接作業での災害防止
第3部 JIS Z 3801 演習問題模範解答
1 アーク溶接の一般知識
●解答
2 溶接機の機構と操作
●解答
3 鉄鋼材料と溶接材料
●解答
4 溶接施工
●解答
5 ティグ溶接と組合せ溶接
●解答
6 溶接部の試験と検査
●解答
7 溶接作業の災害防止
●解答
第4部 JIS Z 3801/WES 8201 受験ガイド
手溶接技能者評価試験の受験ガイド
●はじめに
1資格の種類
2 評価試験の受験資格
3 評価試験の科目
3.1 学科試験の内容
(1) 被覆アーク溶接、ティグ溶接及び組合せ溶接
(2) ガス溶接
3.2 学科試験の省略
3.3 外国語学科試験問題
3.4 実技試験
4 実技試験の詳細
4.1 溶接姿勢
4.2 試験材料の形状及び寸法
(1) 板の試験材料の形状・寸法
(2)管の試験材料の形状・寸法
4.3 試験に使用する鋼材
4.4 試験に使用できる溶接材料
(1) 被覆アーク溶接の試験
(2) ティグ溶接の試験及び組合せ溶接の試験のときのティグ溶接
(3) ガス溶接の試験
4.5 試験に使用できるガス
(1) ティグ溶接
(2) ガス溶接
4.6 試験に使用できる溶接機器
5 評価試験の溶接上の注意
5.1 一般的注意事項
5.2 板の溶接の場合
5.3 管の溶接の場合
(1) 薄肉管の溶接
(2) 中肉及び厚肉管の溶接
5.4 組合せ溶接の場合
5.5 ティグ溶接の場合
5.6 ガス溶接の場合
6 評価試験の判定方法
(1) 学科試験
(2) 外観試験
(3) 曲げ試験
7 評価試験の合否判定基準
(1) 合否判定
(2) 学科試験の評価基準
(3) 外観試験の評価基準
(4) 曲げ試験の評価基準
8 適格性証明書
8.1 資格及び適格性証明書の有効期間
8.2 資格及び適格性証明書の有効期間延長
9 資格の再評価
10 評価試験の区分
(1) 新規試験
(2)再評価試験
(3) 学科追試験
11 受験の手続き
●溶接技能者認証のための評価試験受験申込先・問合先一覧
一般社団法人 日本溶接協会 地区溶接技術検定委員会 事務局
一般社団法人 日本溶接協会 指定機関
まえがき
目次
索引