世界のVIPが指名する 執事の手帳・ノート術
はじめに
「ノートをあとから見直しても、よくわからない」
「打ち合わせをした後、よく話と違うと言われる」
「いつも仕事に追われて、プライベートの時間がなかなかつくれない」
本書では、こういった悩みを解決するために、執事である私がふだん心がけている手帳・ノートの使い方についてご紹介します。
と申しましても、カラーペンやシールなどを多用した「見栄えのするノート&手帳術」ではありません。3冊のノート+2色のペンという最小限のツールで効率よく予定を管理でき、さらには周囲への報告・共有もできるという優れものです。
ところで、私の職業である「執事」と聞いて、英国貴族の世界などを思い浮かべたという人も、きっと多いことと思います。「自分とは遠い世界の人なのでは……」などと思われたかもしれません。
そこで自己紹介もかねて、なぜ執事を生業とする私が、本書を書くことになったのか、少しお話ししておきましょう。
私は、日本バトラー&コンシェルジュという会社を経営しています。プロの執事とコンシェルジュを、ご要望に応じてご主人(お客様)のもとに派遣し、様々なサーヴィスをご提供していま
す。ご主人の送迎やお食事・ご旅行の手配といった、みなさんがイメージされるようなサーヴィス以外にも、記念イベントの企画・運営やご主人のスケジュール管理、アイデア出し、資産運用のアレンジなど、公私問わず幅広いサーヴィスに務めております。
ご主人は主に「VIP」や「大富豪」と呼ばれる方々です。中には、外国の大統領クラスの方々やフォーブス誌世界大富豪ランキングトップ10に入る大富豪、世界の天然資源を握る大富豪もいらっしゃいます。
そんな方々から、いつ何時、どのようなご要望をいただいてもお応えできるように、幅広い知見やビジネスセンスを身につけてまいりました。今の事業を立ち上げてから早十年以上が経ちます。それにしても、執事とは、たいへんシビアな職業です。
私がお仕えするご主人に共通しているのは、ご自身にも、周囲の私たちにも厳しい目をお持ちであるということ。提供するサーヴィスも、100点では不合格です。130点のサーヴィスができてはじめて、信頼していただけます。
しかも、契約は時間単位。1週間のうち、2時間なら2時間という限られた時間内にご主人の期待値を上回る仕事ができなければ、私どもの職業は成り立ちません。まるで、毎回が役員面接のようなものです。
そう聞くと、さぞかし几帳面で記憶力にもすぐれ、なおかつ気配りの行き届いた人物を思い浮かべるに違いありません。しかし正直に申し上げて、私は、そうした完璧さには程遠い人間なのです。性格は、どちらかというとズボラなほう……と申し上げなくてはなりませんし、自分の記憶力にも、それほど自信はありません。
一を言われて十を理解する、まさに「打てば響く」ような執事でありたいと願ってはおりますが、まだその域に達しているとも思っておりません。
それでも私は、同業他社がほとんど存在せず、「ニッチすぎて成功しないだろう」とまで言われていた中で、この執事サーヴィス業を確立しました。
リピート率も8~9割にのぼり、おかげさまで新規のお客様も増えています。会社の売上も毎年前年比30%以上と、目標を超えるスピードで成長しています。
それも、本書でご紹介していく「ノート&手帳術」のおかげ。独自の手法でノートと手帳を活用することでミスなく、効率よく成果を上げ、人に厳しいお客様からも、堅い信頼をお寄せいただいてきたからなのです。
ぜひみなさんも、この「ノート&手帳術」を通じて、仕事の効率を飛躍的にアップする手応えを感じていただきたいと思います。そして、周りの人たちと信頼関係を築き、より豊かな明るい展望を築いていただければ幸いです。
新井直之一世界のVIPが指名する 執事の手帳・ノート術
contents はじめに
プロローグ
この仕事術で「最短距離で成果を出す人」になる!
世界のVIPを満足させる仕事はたった「3冊のノート」から生まれる
相手との信頼関係を築くノートの役割と使い方
「第2のノート」―手帳は未来の自分をつくるバイブル
時間のムダ・ミス・トラブルを撲滅する「第3のノート」|アプリの活用法
大富豪の心を一瞬でつかむ執事のタイムマネジメント術
第1章
仕事の「効率も質も」一気に上がる執事の「ノート術」
私が「手書きのノート」にこだわる理由とは?
打ち合わせ前のノートに書くべき「この3行」とは?
打ち合わせで必ず成果を出せる「1行目の事前メモ」とは?
ノートは、文字量が少ないほど質が高くなる
これで時間短縮!頻出単語をラクに書く小ワザとは?
打ち合わせ後のアクションがたった1分でわかる「赤ペン」法
ミス・残業を最小限に抑える「台本」はこうやって作り、成し遂げる
溜まった手書きノートを検索可能にするDropboxの使い方
新人でもたちまち一流に格が上がる執事のノートの選び方
columnあるVIPがタガログ語で書いていた秘密のノート
第2章
どんな人とでも信頼関係を築ける「1ランク上の」ノート術
腹心のパートナーになるための「うなずき温泉」の法則
打ち合わせのポイントを共有するとミス&トラブル防止にもなる
報告・共有が劇的にラクになる!「引き継ぎノート活用法」
隠れた要望まで効率よく聞き出す「なぜなぜノート術」
ノートには、書いていいことと悪いことがある
ピンチなときほど助けてくれるノートのもうひとつの役割
第3章
より豊かな未来を引き寄せる執事の「手帳術」
VIPになればなるほど手帳を予定管理には使わない
「目標=改善」と考えると仕事が楽しくなる
「目標への最初の一歩」を間違いなく踏み出すコツ
「1日1行○×をつける儀式」でモチベーションを最大限に高める
月に一度、目標を必ず変えなければいけない理由とは?
「本当に心に響いたこと」だけ手帳に書き写す
手帳は開けば開くだけ自分を成長させてくれるツール
より豊かな未来をつくる手帳は、100円ショップの手帳で十分
手帳は、「ノート欄が埋まったら買い換える」と決める
columnある大富豪に見せてもらった「分厚い手帳」
第4章」
締め切り前に完遂!期待以上の仕事をする人の「カレンダー術」
「ルート再検索」をしないだけで外出の準備はここまでスムーズになる
なぜ執事はカレンダーを「公私混同」にするのか?
「できる人」はカレンダーを振り返りに使う
月に1度、Googleカレンダーを印刷してわかる意外な効果
オンとオフの切り替えは日曜日の夜から始まっている
移動時間が「事務処理時間」に変わる便利アプリ
column執事のパートナーはアプリ?大富豪の宿泊予約等に欠かせないツール
第5章
みるみる「自分の時間」が生まれる執事の「タイムマネジメント術」
大富豪やVIPになればなるほどスケジュールの「余白」を好む
時間と成果と信頼を生み出すアポの入れ方
「外出日」と「内勤日」を決めて移動時間のロスをなくす
「5分遅れ」の法則で「打ち合わせ1時間病」を撃退する
アポ前の30分を「神時間」に変える方法
タクシーやホテルへの出費も「安心料」と考える
「自分のペース」で仕事をするための上司マネジメント術
できる人が飲み会であえて幹事を買って出る意外なメリット
おわりに世界のVIPが指名する 執事の手帳・ノート術