法務教科書 マイナンバー実務検定1級合格ガイド




はじめに

マイナンバー実務検定は、平成27年から実施されている、新しい検定です。企 業の事務担当者の方々を中心に、大勢の人が受験しています。

マイナンバー制度は、行政の効率化のほか、国民の利便性の向上と、公平・公 正な社会の実現を目的としています。一人一人を番号で管理することにより、本 当に必要としている人に支援が行き渡る社会を目指すというものです。

新しい制度を理解し、自分の情報を守るためには、その制度についてしっかり 勉強するのが一番です。マイナンバー実務検定に挑戦して1級まで合格すると、 自衛の方法がわかり安心感が生まれます。

1級は、マイナンバー実務検定の中では最も難易度が高いのですが、効率よく 勉強することによって、短期間で合格することが可能です。本書は、マイナンバー実務検定1級の出題事項をわかりやすく解説しています。オリジナルの「一問 一答」で理解度を確認しながら進み、章ごとの過去問題に挑戦しましょう。さら に、読者特典の模擬問題でレベルアップを図っていきます。覚えにくい言葉は、 チェックシートを使って暗記していきましょう。

チェックシートに収録する用語や、一問一答の出題事項、随所に盛り込んだアドバイスには、私が1級を受験した経験を反映させています。受験をして実感し たのは、“繰り返し”に勝る勉強方法はない、ということです。初めて見る言葉 が覚えにくいのは当然のことですが、受験日までに何回も眺めていれば、自然に 慣れていくはずです。

解説の中で赤い文字になっているのは、必ず覚えていただきたい重要用語です。 付属の赤シートで隠した状態で、迷わず用語が思い浮かぶようになれば、もうあなたは合格レベルです。

1級の特徴である、金融業務・行政機関等・地方公共団体等のガイドラインは、 出題対象となっている部分を抜粋し、第6章にまとめてあります。身近な例がたくさん登場しますから、楽しみながら読んでください。

ほかに、1級と2級の大きな違いとして、1級では個人情報保護法の知識を問 われることが挙げられます。個人番号を含む個人情報は「特定個人情報」と呼ばれ、細心の注意を払って取り扱わなければなりません。個人情報保護法は平成29 年5月30日から大きく内容が変わりますが、マイナンバー実務検定対策としては、まず「利用目的の特定」などの基本事項や、個人情報保護委員会の概略を集中的 に学習してください。「自分のマイナンバーは、どのような仕組みによって守られているのか」と考えると、わかりやすいでしょう。

1級は全部で80問出題され、そのうち80%以上を正解しなければなりません。 忙しい毎日の中で、「勉強時間が足りない」と感じるときもあるでしょう。どの 試験でも同じですが、覚えるのに時間がかかりそうなところは、「とりあえずざっと読んでおき、あとで何回か読み返す」ことをおすすめします。「難しい」と感じたとき、立ち止まらずに、他の部分を先にどんどん覚えたほうが、時間を有効に使えます。

勉強は、一度リズムをつかめば、あとはおもしろいように進んでいきます。受 験日を目指して、前向きに頑張っていきましょう。

本書は、『法務教科書マイナンバー実務検定2級合格ガイド』に続く書籍とな ります。同書に続き、担当の長谷川和俊様に、数々のアドバイスとご助力をいた だきました。この場をお借りして、本書に携わったすべての方々に、心からお礼 を申し上げます。

皆様がマイナンバー制度の知識をビジネスや日常生活に活かしていくきっかけとして、本書がお役に立てば、大変嬉しく思います。

平成29年3月 社会保険労務士 古川飛祐

法務教科書 マイナンバー実務検定
1級合格ガイド

目次

はじめに
本書の使い方
マイナンバー実務検定試験の概要
模擬問題のダウンロードについて

第1章 マイナンバー実務検定攻略のツボ
1. マイナンバー実務検定とは
2. 1級の出題傾向と対策・
3. マイナンバーの知識はココで使う!

第2章 マイナンバー制度の概要
1. 用語の意味をとらえると暗記が進む
2. 個人情報保護法令との関係を整理しておこう
3. 法人番号は「指定」「公表」を覚えよう

過去問題

第3章 個人番号の取扱いで4割得点しよう
1. 個人番号の指定・通知・変更の流れを押さえる
2. 個人番号の利用範囲は限定されている
3.  個人番号の利用目的は変更できるのか
4.  個人番号の例外的な利用とは
5.  委託および監督は「委託先の体制」がポイント
6. 個人番号の提供を求めることができる場面は限られている
7. 個人番号そのものでなくても提供が制限される
8.  特定個人情報の提供の範囲
9. 個人番号の提供を受けるときは本人確認が必要
10. 身元確認書類の出題パターンを押さえよう
11. 代理人から個人番号の提供を受けるときは代理権も確認する
12. 個人番号カードには何が記録されるのか
過去問題

第4章 特定個人情報の取扱いで2割得点しよう
1. 特定個人情報の「提供」と「利用」の制限
2. 特定個人情報の提供が認められる場合とは?
3. 特定個人情報の「収集」に当たる例を覚えよう
4. 特定個人情報はいつまで保管するのか
5. 安全管理措置の概要
6. 組織的安全管理措置は取扱規程等まで押さえる
7. 人的安全管理措置は「監督」と「教育」
8. 物理的安全管理措置は「区域」を明確に
9. 物理的安全管理措置は「廃棄」もポイント
10. 技術的安全管理措置はパソコン作業を思い出して暗記する
過去問題

第5章 情報漏れを防ぐための体制で1割取ろう
1. 情報提供ネットワークシステムの仕組みを押さえよう
2. マイナポータルとは
3. 特定個人情報保護評価は穴埋め問題に慣れておこう
4. 個人情報保護委員会は委員の禁止事項まで把握しておこう
5. 罰則は「国外犯処罰」まで押さえておくと得点しやすい
過去問題

第6章 金融業務・行政機関等・地方公共団体等を攻略
1. 個人番号は生命保険の書類にも記入する
2. 行政機関等、地方公共団体等はココに注意!
過去問題

索引

本書の使い方

本書は、マイナンバー実務検定1級の合格を目指す方のために、過去の1級検定にお ける頻出箇所を中心に解説した書籍です。本書を有効に活用し、合格に必要な知識を効 率的に学習しましょう。

 

テーマごとの重要度を示しています。★★★と★★の内容をマスターすれば、合格 に必要な64問 (80%)を得点できるようになっています。重要度の基準は次のとおりです。

 

表示 重要度の基準
★★★ 第1~第8回試験で各3問以上出題されたもの、2回以上にわたって各 3問以上出題されたもの
★★ 第1~第8回試験で各2問以上出題されたもの、2回以上にわたって各 2問以上出題されたもの。ぜひ読んでほしいアドバイスのページ
★ 第1~第8回試験で各1問出題されたものと、余裕があれば押さえてお いてほしい項目

アドバイス!
注意点や覚えるコツなど、ワンポイントアドバイスです。

重要な箇所は赤色で示しています。付属の赤シートをかぶせると文字を消すことができますので、暗記用のチェックとして利用してください。

用語解説
用語の意味について説明しています。

参考
本文で解説されている内容の補足事項です。

ここが出る
過去の試験において出題された内容を示しています。

各節の末に、○×で答えるチェック問題を掲載しています。その節で学習したこと をきちんと理解できているかどうか確認しましょう。

章末には、過去問題を掲載しています。学習した事柄が実際の試験でどのように問 われているのかがわかります。なお、過去問題は出題時の形で掲載し、法改正につ いては解説で適宜補促しています。

●法令の表記について
単に「法」というときは「番号利用法(マイナンバー法)」を、「令」というときは「番 号利用法施行令」を、「規則」というときは「番号利用法施行規則」を指しています。

マイナンバー実務検定試験の概要

 

1級 3級 受 験 料 | 6,000円(税抜き) | 8,000円(税抜き) | 10,000円(税抜き)
全国26会場 受験地
年4回 試験日
120分 試驗時間
90分 60分
マークシート方式 出題形式
80問
60問 問題数 50問 合格基準
80%以上 ■番号利用法成立の経 番号利用法の背景・概要 緯・背景
■第1章 総則 ■番号利用法の概要 ■第2章 個人番号 ■個人と番号利用法 ■第3章 個人番号カード 民間企業と番号利用| ■第4章第1節特定個人情報の提供の制限等 法
■第4章第2節 情報提供ネットワークシステ ■地方公共団体・行政」 ムによる特定個人情報の提供 機関・独立行政法人「■第5章 特定個人情報の保護 等と番号利用法 ■第6章 特定個人情報の取扱いに関する監督
番号利用法のこれか」 等 出題分野
■第7章 法人番号 ■罰則
■第8章 雑則 ■特定個人情報の適正 | ■第9章 罰則 な取扱いに関するガ ■附則 イドライン(事業者 | ■特定個人情報の適正な取扱いに関するガイド 編)
ライン(事業者編) ■関連法令等
★特定個人情報の適正な取扱いに関するガイド
ライン(行政機関等・地方公共団体等編) ★金融業務における特定個人情報の適正な取扱
いに関するガイドライン ■関連法令等

※1 試験情報は本書刊行時点の情報です。最新情報は公式HPでご確認ください。

※2 1級と2級、2級と3級で併願が可能

※3 出題分野にある★は1級のみ出題

検定申込先・問い合わせ先
一般財団法人 全日本情報学習振興協会
東京都千代田区三崎町3-7-12 清話会ビル5階
電話 03-5276-0030 FAX 03-5276-0551
ホームページ http://www.joho-gakushu.or.jp/