医学で合格る勉強法




目次

はじめに

第1章 勉強意欲を途切れさせない5つの方法
【1】
自分の勉強方法を強く信じることで、やる気を出す脳内ホルモンを分泌する!
【2】
最終的な目標を、少し高めに設定する
【3】
いつも「なぜ?」を意識する
【4】
仲間と切磋琢磨し、競争する
【5】
長期的な夢を持ち、「いましている勉強」への信念を安定させる

第2章 脳の仕組みをフル活用する暗記の技術
【1】
「4Dイメージ法」で五感をフル活用して暗記する
【2】
リアルなイメージがしづらい情報は、「想定外イメージ連結法」で一気に暗記する
【3】
「右脳ペースト法」でテキストを丸ごと覚える
【4】
できるだけ自室を飛び出し、普段とは違う環境で記憶する
【5】
十分な睡眠をとりながら、記憶を上手に定着させる
【6】
ときには記憶した情報をひと通り取り出し、情報の収納場所を手入れする

第3章 効率よく成果を上げる! アウトプット重視の勉強術
【1】
「実践的反復学習法」で基礎知識を楽しく身につける
【2】
「パターン認識学習法」で頻出・典型問題の解答パターンを記憶する
【3】
応用問題はしっかり考えて解き、「実践的な思考力」を鍛えていく!
【4】
勉強仲間と議論するのがもっとも効率的に思考力を高める方法
【5】
「思考漬け週間」を設け、応用問題への対処力を一気に引き上げる
【6】
出題者の意図を探る習慣をつける
【7】
「ラーニングピラミッド」を意識し、より高効率な方法で学習する
【8】
絵を描くときのように、全体から細部へと勉強していく
【9】
足りないところは書き足して、1冊の問題集・テキストを使い込む

第4章 脳と心の状態を自在に整える技術
【1】
「カプリシャス法」で集中力が落ちるのを防ぐ
【2】
濃縮した勉強時間をつくる「コマ回し法」
【3】
解けない・わからない部分は「?ノート」にまとめ、集中が切れるのを防ぐ
【4】
なかなか集中できないときには、部屋を飛び出し「ひとり授業」に挑戦する
【5】
自分なりの「プレパフォーマンス・ルーティン」をつくり、いざというときの集中力を高める!
【6】
適度な運動でも集中力は高まる
【7】
スランプになったときの対処法① ひとり認知行動療法
【8】
スランプになったときの対処法② 激しい運動で余計なことを考えないようにする
【9】
「ヤコブソンの筋弛緩法」で試験時や面接時の緊張を避ける

第5章 成果を上げやすい暮らしと勉強の習慣を身につける!
【1】
勉強で成果を上げるには、普段の暮らし方も変える必要がある
【2】
1日の勉強時間は合計8時間まで
【3】
2時間おきに休憩を入れ、メリハリのある勉強を行う
【4】
毎日、同じ時間に起き、同じ時間に食事をして間食をしない
【5】
ご飯主体の和食が理想。1日3回・腹八分目、主食をしっかり食べること
【6】
肉体疲労を回復させる「成長ホルモン」と精神疲労を回復させる「セロトニン」
【7】
上手に睡眠をとり、勉強するのに最適な心身状態を維持する
【8】
睡眠時間を90分の整数倍にして、スッキリ目覚めを実現する
【9】
免疫力アップで不意の病気を避ける!

第6章 試験直前のコンディショニングはこう行う!
【1】
本試験1ヶ月前~1週間前は本番に向けたコンディショニングの時期
【2】
本試験1週間前~前日までの1週間は貴重な最後の勉強期間
【3】
試験前日はいつも通りに

「おわりに」に代えて:挫折に満ちた私の人生

長井 敏弘 (著)
出版社: すばる舎 (2016/4/21)、出典:出版社HP

はじめに

生徒や学生さんであれば大学の入学試験や医学部などの国家試験、社会人であれば各種の資格試験など、これから何かの難しい試験を受け、それに合格することを目下の大きな目標としている人たちはたくさんいます。
そうした人たちは、その大きな目標を達成するために、どんなふうに勉強をして、また日々、どんな生活を送っていけばよいのか、さまざまな不安を抱きながら手探りで勉強を続けていることでしょう。

勉強はつらいものです。
何時間も机に座り、ひたすらテキストや問題集と格闘します。
そうして何時間も勉強していると、心のなかにふと疑問の虫が湧いてきたり、ムクムクと遊びたい虫が騒いできたりします。
「なんで自分だけ、こんなことをしているんだろう?友人のあいつは、きっといまもみんなと遊んでいるのに……」、「この勉強に、本当に意味があるのかな?」などと、マイナス思考に陥りがちなのです。

一度、そういうマイナス思考のスパイラルが始まると、自ずと勉強にも集中できなくなり、「今日はもうやめた!」と勉強を中断してしまいます。
「こんなことを考えていても意味はない!もっと頑張らなければ!」と、一生懸命に疑念や遊びたい心を振り払い、自分に鞭を打って「この努力はいつか報われるはず」と信じ、悶々と勉強に励むのです。

そうした心理的葛藤に苦しみながら勉強を続けている人が、日本全国にとても多くいるはずです。
しかし、こうした勉強につきものの心理的葛藤は、実はちょっとした医学的な理屈と、その実践のコツを知っているだけでかなり避けることができ、それによって勉強の効率も飛躍的に上がるのです。
具体的には、たとえば勉強がつらくなったときなら、「どうして自分だけ?」とか「不合格になったらどうしよう?」などと、マイナス方向に考えるのではなく、「この試験に合格できたら、つらい勉強から開放されるから、どんな楽しいことをしようかな?」などとプラスの方向に考えるようにします。
勉強の効率には、精神的な状態が大きく影響を及ぼしていることが、医学的に明らかになっています。したがって、思考の方向性を意識してコントロールし、ポジティブな心理状態を維持するよう心がけるだけでも、勉強の成果が大きく左右されるのです。
そして、そうした成果の『差』を積み重ねることにより、最終的な目標としている試験にも最小限の努力で合格できることでしょう。

私は、現役の心療内科医です。
心療内科とは、人の心の不調を対象とする診療科です。
医師として、心の状態を改善するためのさまざまなノウハウを持っているので、どうすれば学習者の心理状態を改善し、勉強の効率を上げられるかがわかります。
また、私には医師としての顔のほかに、医療法人の理事長、塾・予備校の経営者としての顔もあります。
かつては代々木ゼミナールで「数学のカリスマ予備校講師」などと呼ばれた時期もありました。
そして現在も、私が主宰する塾の長井ゼミ・ハンス、医系専門予備校の医系学舎は、地元の広島県では業界トップクラスのシェアを占め、毎年100人前後の医学部合格者を輩出しています。
さらに、ここ数年は岡山大学医学部の臨床教授として学生とずっと接し続けてきたため、より学習効率を上げる手法やノウハウを、磨き上げられる環境にいました。

本書では、私の数々の経験と医学的な知識から導き出した、さまざまな勉強法を紹介していきます。
その中心には、心理的に良好な状態を維持し、学習効率を高く保つノウハウがあり、また医学的にも正しい独自の暗記法や、睡眠・食事などを含めた日常生活での注意、ちょっとした学習上のコツなどが含まれています。
本格的な勉強を始める前に本書を読んでもらえれば、つらい勉強生活ではなく、ストレスの少ない充実した勉強生活を送ることができるでしょう。しかも、最小の努力で、試験合格という最大の目標を勝ち取ることができます。
大きな目標を追い求める全国の学習者のみなさんに、ぜひとも読んでもらえたら、と願っています。

塾・予備校主宰/心療内科医 長井敏弘

長井 敏弘 (著)
出版社: すばる舎 (2016/4/21)、出典:出版社HP