公務員試験 新スーパー過去問ゼミ5 ミクロ経済学
新 スーパー過去問ゼミ5
刊行に当たって
公務員試験の過去問を使った定番問題集として、公務員受験生から圧倒的 な信頼を寄せられている「スー過去」シリーズ。その「スー過去」が、5回 目の大改訂を施して「新スーパー過去問ゼミ5」に生まれ変わりました。
「5」では,最新の出題傾向に沿うよう内容を見直すとともに、より使い やすくより効率的に学習を進められるよう、細部までブラッシュアップして います。
「新スーパー過去問ゼミ5」改訂のポイント
1 平成27~29年度の問題を増補
2 過去15年分の出題傾向を詳細に分析
3 1行解説・STEP解説,学習方法・掲載問題リストなど、学習効率向上のための手法を改良 4本を開いたまま置いておける、柔軟で丈夫な製本方式を導入
もちろん、「スー過去」シリーズの特長は、そのまま受け継いでいます
・テーマ別編集で、主要試験ごとの出題頻度を明示
・「必修問題」「実戦問題」のすべてにわかりやすい解説
・「POINT」で頻出事項の知識・論点を整理
本シリーズは、「地方上級」「国家一般職[大卒]」試験の攻略にスポット を当てた過去問ベストセレクションですが、「国家総合職」「国家専門職 [大卒]」「市役所上級試験など、大学卒業程度の公務員採用試験に幅広く 対応できる内容になっています。
公務員試験は難関といわれていますが、良問の演習を繰り返すことで、合 格への道筋はおのずと開けてくるはずです。本書を問いた今この時から、日 標突破へ向けての着実な準備を始めてください。
あなたがこれからの公務を担う一員となれるよう、私たちも応援し続けます。
資格試験研究会公務員試験 新スーパー過去問ゼミ5 ミクロ経済学
本書の構成と過去問について
●本書の構成
1学習方法・問題リスト:
巻頭には、本書を使った効率的な科目の攻略のしかたをアドバイスする「ミクロ経済学の学習方法」と、本書に収録した全過去問を一覧できる掲載問題リスト」を掲載している。過去問を選別して自分なりの学習計画を練ったり、学習の進捗状況を確認する際などに活用してほしい。
2試験別出題傾向と対策:
各章冒頭にある出題箇所表では、平成15年度以降の国家総合職(国家1種)、国家一般職(国家II種)、国家専門職(国税専門官)、地方上級(全国型・東京都・特別区)、市役所(C日程)の出題状況が一目でわかるようになっている。
具体的な出題傾向は、試験別に解説を付してある。
※市役所C日程については平成29年度の情報は反映されていない。
3必修問題:
各テーマのトップを飾るにふさわしい、合格のためには必ずマスターしたい良問をピックアップ。解説は、各選択肢の正誤ポイントをズバリと示す「1行解説」、解答のプロセスを示す「STEP解説」など、効率的に学習が進むように配慮した。また、 正答を導くための指針となるよう、問題文中に以下のポイントを示している。
(アンダーライン部分):正誤判断の決め手となる記述
(色が敷いてある部分):覚えておきたいキーワード
「FOCUS」には、そのテーマで問われるポイントや注意点、補足説明などを掲載し ている。 必修問題のページ上部に掲載した「頻出度」は、各テーマをA.B.Cの3段階で評価し、さらに試験別の出題頻度を「★」の数で示している(★★★:最頻出、★★:頻出、★:過去15年間に出題実績ありー:過去15年間に出題なし)。
4POINT:これだけは覚えておきたい最重要知識を、図表などを駆使してコンパクトにまとめた。問題を解く前の知識整理に、試験直前の確認に活用してほしい
5実戦問題:
各テーマの内容をスムーズに理解できるよう、バランスよく問題を選び、 詳しく解説している。問題ナンバー上部の「*」は、その問題の「難易度」を表してお り(***が最難)、また、学習効果の高い重要な問題にはマークを付している。
必修問題とマークのついた問題を解いていけば、スピーディーに本書をひととおりこなせるようになっている。 なお、収録問題数が多いテーマについては、「実戦問題道」「実戦問題」のように問 題をレベル別またはジャンル別に分割し、解説を参照しやすくしている。 6索引:
巻末には、POINT等に掲載している重要語句を集めた用語索引がついている。 用語の意味や定義の確認、理解度のチェックなどに使ってほしい。
●本書で取り扱う試験の名称表記について
本書に掲載した問題の末尾には、試験名の略称および出題年度を記載しています。
1国家総合職,国家I種:国家公務員採用総合職試験。国家公務員採用I種試験(平成23年度まで)
2国家一般職,国家II種:国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)、国家公務員採用II種試験(平成23年度まで)
3国家専門職,国税専門官:国家公務員採用専門職試験(大卒程度試験)、国税専門官採用試験4地方上級:地方公務員採用上級試験(都道府県・政令指定都市)
(全国型):広く全国的に分布し、地方上級試験のベースとなっている出題型
(東京都):東京都職員1類B採用試験(平成20年度まで)
(特別区):特別区(東京23区)職員I類採用試験
※地方上級試験については、実務教育出版が独自に分析し、「全国型(全国型変形タイプ)」「間 東型(関東型変形タイプ)」「中部・北陸型」「法律・経済専門タイプ」「その他の出題タイプ」「独自の出題タイプ(東京都,特別区など)」の6つに大別している。 5市役所:市役所職員採用上級試験(政令指定都市以外の市役所) ※市役所上級試験については、試験日程によって「A日程」「B日程」「C日程」の3つに大別 している。
●本書に収録されている「過去問」について
1平成9年度以降の国家公務員試験の問題は、人事院により公表された問題を掲載してい る。地方上級の一部(東京都,特別区)も自治体により公表された問題を掲載している。 それ以外の問題は、受験生から得た情報をもとに実務教育出版が独自に編集し、復元し たものである。
2問題の論点を保ちつつ問い方を変えた、年度の経過により変化した実状に適合させた。 などの理由で、問題を一部改題している場合がある。また、人事院などにより公表され た問題も、用字用語の統一を行っている。
3東京都I類の専門択一式試験は、平成21年度から廃止されている。しかし、東京都の間 題には良問が多く、他の試験の受験生にも有用であるため、本書では平成20年度までの 東京都の問題を一部掲載している。
目次 – 公務員試験 新スーパー過去問ゼミ5ミクロ経済学
「新スーパー過去問ゼミ5」刊行に当たって
本書の構成と使い方
経済原論の学習方法
「微分」のルール
合格者に学ぶ「スー過去」活用術
学習する過去問の選び方
掲載問題リスト
第1章
消費者理論
テーマ1最適消費点と無差別曲線
テーマ2代替効果と所得効果
テーマ3上級財と下級財
テーマ4消費者理論の計算問題(1)..
テーマ5消費者理論の計算問題(2)
テーマ6需要の価格弾力性…
テーマ7消費者理論の展開(期待効用)
第2章
生産者理論(完全競争)
テーマ8利潤最大化と費用関数…….
テーマ9損益分岐点と操業停止点
テーマ10長期均衡,課税と費用曲線………
テーマ11生産関数(コブ=ダグラス型生産関数)・
第3章
生産者理論(不完全競争)
テーマ12独占(クールノーの点差別価格)
テーマ13複占,寡占(屈折需要曲線)と独占的競争
テーマ14ゲームの理論
第4章
市場の理論
テーマ15市場の安定(ワルラス・マーシャル・くもの巣の安定理論)…
テーマ16余剰分析(1)(完全競争市場,従量税と従価税).
テーマ17余剰分析(2)(不完全競争市場,二重価格)
テーマ18余剰分析(3)(貿易)
第5章
パレート最適と市場の失敗
テーマ19パレート最適
テーマ20外部効果,公共財……………
テーマ21平均費用逓減産業
テーマ22情報の不完全性(道徳的危険,逆選択)
第6章
ミクロ貿易論
テーマ23比較生産費説と貿易三角形
テーマ24貿易理論
索引
経済原論の学習方法
1.学習を始める前に
経済原論の学習方法で最も大切なことは、公務員試験の世界と学問の世界を区別することです。
試験の世界で必要なのは、問題を解くためのルールや公式を暗記することと、それを限られた時間内に素早く問題に当てはめて処理する処理能力のスピードアップ化を図ることです。学問の世界ではそのルールや公式(公理や命題といわれます)を数学的に導出することに重点が置かれますが、それは試験の世界とは異なる世界なのです。難しい数学を解しないと経済原論で得点ができないような誤解がよくありますが、それは試験の世界と学問の世界を区別していないことから生じます。
試験の世界は携帯電話やスマートフォンを使いこなす世界と似ています。携帯電話では、このキーを押すと通話ができるとか、このキーを押すと文字が送れるというようなマニュアル(ルール)を覚えさえすれば、携帯電話を道具として使いこなすことができます。その際に、なぜこのキーを押すと文字が送れるというような理論的・技術的な背景を完璧に理解しその設計図まで自分で描けなければ、携帯電話を使いこなすことができないということはありません。
公務員試験の経済理論の世界もそれと同様で、公式やルールの学問的な(数学的な背景を理解しないと、問題が解けないということはないのです。問題を解くためのルールや公式を暗記しそれを問題に当てはめれば、機械的に問題が解けるようになります。ルールや公式はその気になれば暗記できる単純なものが多いですし、また過去問を分析するとわかりますが、出題パターンがほぼ決まっているので、このような機械的な学習方法が許されるのです。
なおかつ、マークシート形式で出題される公務員試験の一次試験では1問を2~3分で解かなくてはいけないので機械的・パターンいます。
公務員試験では短期間で多くの科目を学習する必要があるので効率的で柔軟な学習が必要となります。
本書は公務員試験を分析しきったうえで、より効率的に合格するノウハウを掲載したもので、「とにかく公務員になるんだ」「試験で1点でも多く得点するんだ」ということを目的としている方のために書かれたものです。
2.本書の使い方
(1)本書では、試験と学問の世界を明確に区別しています。そのうえで過去問をパターンごとに分けて、それぞれに対し問題を解くための公式やルールを明らかにし、設問の何をどう扱えば解答が求まるかを具体的かつ明確に指摘しています。あとはそのルールにのっとってゲーム感覚で問題を解くことができます。まさにゲームやパズルをする感覚で使っていただければと思います。なお、論点のイメージを明確にするために、学問的な背景にも参考として言及はされています。
また本書で取り上げている問題は、過去の頻出項目から最新の新傾向の問題までを含み、試験に必要なほぼすべての論点をカバーしています。
(2)公式やルールを本当に身につけて、処理能力のスピードアップ化を図るには、繰り返し練習することが必要です。問題を見ただけで条件反射的に解法のルールが思い浮かぶように練習を積み重ねてください。そのためには本書を最低でも3~4度は繰り返してください。公式やルールの扱い方がおろそかな段階で、やみくもにいろいろな参考書を読みあさることは、実力を養ううえで適切ではありません。本書(および姉妹版の『新スーパー過去問ゼミ5マクロ経済学」)にじっくりと腰を据えて取り組むだけで、必ずや地方上級,国家一般職、国税専門官試験などの合格レベルに達することができます。
(3)試験では、主に図(グラフ)、計算問題,文章題の形式で出題されますが、図の理解が一番重要です。復習の際には,論点ごとに基本の図をぜひ自分で書いてみてください。図を書けるようになることが論点の理解と整理に直結しています。
(4)各論点には、取っ付きやすい論点も取っ付きにくい論点もあります。取っ付きにくい論点が出てきた場合には、まずはそれを後回しにして本書を読み進んでください。本書を」読み進んでいくに従い経済原論の考え方に慣れてきて、以前は取っ付きにくく感じられた論点がわかってくることがよくあります。
また、取っ付きにくいとか難しく感じる論点には、複数のルールが組み合わさったものがあります。その場合には、一つひとつ丁寧にルールを確認し整理していくと、理解しやすくなります。
なお、実戦問題に付いている難易度ランクが***の問題については、難易度が高いため当初は飛ばして読み進んでかまいません。
(5)試験に必要な数学的な知識(というよりは計算上のルール)も本書で解説されています。数学的な予備知識は特に必要としません。数学というと抽象的でわかりにくいという。印象を持つ方が多いと思いますが、公務員試験の数学の世界(計算問題)は具体的で単純です。パズルのルールを覚える感覚で計算問題を解くためのルールを覚えていってください。
(6)地方上級で出題される経済政策は、本書で扱っている経済原論とほは重なっているので、本書で効率的な学習が可能になります。公務員試験 新スーパー過去問ゼミ5 ミクロ経済学