心理学検定試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法)




心理学検定の概要

心理学検定は、一般社団法人日本心理学諸学会連合が行っている検定です。

心理学検定は2級、1級、特1級と段階があり、全10科目のうち何科目合格できたか、という累積で級を認定します。

試験は、心理学の10科目(A領域5、B領域5)について行われ、A領域の5科目、B領域の5科目の10科目すべてに合格すると「特1級」、A領域の4科目を含む合計6科目に合格すると「心理学検定1級」、A領域の2科目を含む合計3科目に合格すると「心理学検定2級」が取得できます。

心理学検定試験の公式テキスト

1.「心理学検定 一問一答問題集[A領域編]」(実務教育出版)

日本心理学諸学会連合 心理学検定局 (編集)
出版社: 実務教育出版、出典:出版社HP

心理学検定(特1級・1級・2級)のA領域5科目でよく出題される事項、必ずマスターしてほしい事項を、すばやくインプットできる問題集です。公式問題集や基本キーワードで学んだ事項を、一問一答形式と○×形式で確認し、効率的に知識を定着できます。ハンディサイズで暗記用赤プラスチックシート付き。いつでもどこでも手軽に学習できます。心理学検定に興味を持ちこれから学習を始める方にも手に取りやすく、また、すでに学習を進め本番に備えて理解度確認をしたいという目的にも使えます。

2.「心理学検定 一問一答問題集[B領域編]」(実務教育出版)

日本心理学諸学会連合 心理学検定局 (編集)
出版社: 実務教育出版 、出典:出版社HP

心理学検定(特1級・1級・2級)のB領域5科目でよく出題される事項、必ずマスターしてほしい事項を、すばやくインプットできる問題集です。公式問題集や基本キーワードで学んだ事項を、一問一答形式と○×形式で確認し、効率的に知識を定着できます。ハンディサイズで暗記用赤プラスチックシート付き。いつでもどこでも手軽に学習できます。心理学検定に興味を持ちこれから学習を始める方にも手に取りやすく、また、すでに学習を進め本番に備えて理解度確認をしたいという目的にも使えます。

3.「心理学検定 公式問題集 2019年度」(実務教育出版)

日本心理学諸学会連合 心理学検定局 (編集)
出版社: 実務教育出版、出典:出版社HP

2018年実施の第11回検定で実際に出題された問題から、各科目5問の計50問を精選し、詳細解説を掲載しています。さらに、400問(A領域各45問、B領域各35問)の模擬問題と詳細解説を掲載しています。Part1と3を合わせて計450問の問題演習ができます。「心理学検定って興味はあるけど、どんな試験?」「どんな内容・レベルの問題が出るの?」「どうやって勉強すればいいんだろう?」……検定受検を考える人なら必ず読んでおきたい、公式ガイドでもあります。第12回検定受検を予定している方は、必携の公式問題集!

4.「心理学検定 基本キーワード[改訂版]」(実務教育出版)

日本心理学諸学会連合 心理学検定局 (編集)
出版社: 実務教育出版、出典:出版社HP

心理学検定(特1級・1級・2級)の10科目で出題テーマとなる、見出しキーワード226の要点をわかりやすく解説。近年の出題傾向を分析してよく出る内容を精選、DSM-5をはじめ、最新のトピックもしっかり押さえています。重要事項・人名の知識を短期間に効率よく学ぶことができ、公務員試験・大学院入試・各種心理資格の学習対策にも役立つと評判!

心理学検定のおすすめテキスト

1.「心理学 (アカデミックナビ)」(勁草書房)

子安 増生 (著)
出版社: 勁草書房、出典:出版社HP

心理学検定の10科目に対応づけた構成をとる、心理学のほぼ全体をカバーする本格的なテキストです。独学でしっかり学びたい方におすすめの参考書で、大学院入試や公務員試験対策にも活かせます。

2.「心理学―こころと行動のメカニズムを探る」(樹村房)

越智 啓太 (編集)
出版社: 樹村房、出典:出版社HP

心理学について興味を持っている一般の方々や、心理学を専攻したいと思っている高校生や社会人学生の皆さんの自習書としてもおすすめのテキストです。検定対策用のキーワード集も掲載しています。

目次 – 心理学検定 公式問題集 2019年度

本書の刊行に当たって

一般社団法人日本心理学諸学会連合(略して「日心連」という)が主催する心理学検定試験は、2008年に始まり本年で12回目の実施となります。毎年受検者も増え、社会的にも知られるようになってきました。2018年の受検申込者数は、5683名でした。学生の方が過半数ですが、社会人の方も2割ほど受検されています。

心理学の実力の証明としての心理学検定の資格は、最近多くの大学で注目され、心理学教育の成果を上げるために活用されています。心理学を学ぶ人にとっては、検定に挑戦することが学習意欲の向上や確かな自信につながります。このことは、就職・転職・大学院進学、あるいは心理関係の他の資格 試験を受験する際に大いに役立つでしょう。

心理学検定試験は、心理学全領域を網羅する10科目からなっています。各科目ともその領域では日本を代表する先生方に作問を依頼しております。その先生方は、日心連に加盟する53の学会から推薦された方々ですので、信頼のおける検定試験といえます。このような試験において合格の資格を得ることは、受検者にとってこのうえない自信になることでしょう。

本書は、この自信を得るための手助けとして編集されました。過去問や模擬問題を解く際には、まずはご自分の頭で考え、次に解答や解説を見てください。ただ内容を暗記するのではなく、自分自身の頭を使うということが真の学習につながります。また、いろいろな興味がわいてきて、心理学の面白さも味わうことができるようになります。

本書に加えて、姉妹書である「心理学検定 基本キーワード』『同 一問一答問題集(A領域編/B領域編)」も併用していただければ、その効果はいっそう高まります。いくつかの大学では、これらの本をテキストにして勉強会や研究会を作り、検定合格をめざして頑張っていると聞いています。

本書を手にした皆さん、この機会に、心理学検定に向け自分にいっそうの磨きをかけてみませんか。そして皆さんの今後の人生が、ますます充実されますよう願ってやみません。

2019年2月
編者代表
心理学検定局顧問 太田信夫
心理学検定局長 藤田主一

日本心理学諸学会連合 心理学検定局 (編集)
出版社: 実務教育出版; 2019年度版 (2019/3/13)、出典:出版社HP

目次

本書の刊行に当たって

Part1 第11回検定出題例と解説

原理・研究法・歴史●問題
学習・認知・知覚●問題
発達・教育●問題
社会・感情・性格●問題
臨床・障害●問題
神経・生理●問題
統計・測定・評価●問題
産業・組織●問題
健康・福祉●問題
犯罪・非行●問題
原理・研究法・歴史●解説
学習・認知・知覚●解説
発達・教育●解説
社会・感情・性格●解説
臨床・障害●解説
神経・生理●解説
統計・測定・評価●解説
統計・測定・評価●解説
産業・組織●解説
健康・福祉●解説
犯罪・非行●解説

Part2 心理学検定スタートガイド

1 心理学検定にチャレンジする人へ
2 第12回心理学検定試験受検ガイド
3 心理学検定のよくある質問(FAQ)
4 出題科目の学習アドバイス
5 学習に役立つ基本書ガイド
6 日本心理学諸学会連合加盟学会一覧
Voice
心理学検定活用事例
心理学検定はどんな人が受けている?

Part3 心理学検定模擬問題と解説

1 原理・研究法・歴史
原理・研究法●問題 原理・研究法●解説
歴史●問題 歴史●解説

2 学習・認知・知覚
学習心理学●問題 学習心理学●解説
認知心理学●問題 認知心理学●解説
知覚心理学●問題 知覚心理学●解説

3 発達・教育
発達心理学●問題 発達心理学●解説
教育心理学●問題 教育心理学●解説.

4 社会・感情・性格
社会心理学●問題 社会心理学●解説
感情心理学●問題 感情心理学●解説
性格心理学●問題 性格心理学●解説

5 臨床・障害
精神分析理論(療法) ●問題 精神分析理論(療法)●解説
行動・認知行動理論(療法)●問題 行動・認知行動理論(療法)●解説
人間学的理論(心理療法)●問題 人間学的理論(心理療法)●解説
心理学的アセスメント●問題 心理学的アセスメント●解説
精神疾患・病理●問題 精神疾患・病理●解説
その他の心理療法・技法●問題 その他の心理療法・技法●解説

6 神経・生理
脳の構造と機能●問題 脳の構造と機能●解説
神経細胞の構造と機能●問題 神経細胞の構造と機能●解説
神経内分泌系と自律神経系●問題 神経内分泌系と自律神経系●解説
生理心理・精神生理諸問題●問題 生理心理・精神生理諸問題●解説

7 統計・測定・評価
記述・推測統計●問題 記述・推測統計●解説
多変量解析●問題 多変量解析●解説
測定●問題 測定●解説
評価●問題 評価●解説

8 産業・組織
人事心理学●問題 人事心理学●解説
組織行動●問題 組織行動●解説
作業行動●問題 作業行動●解説
市場・消費者行動●問題 市場・消費者行動●解説

9 健康・福祉
健康心理学●問題 健康心理学●解説
福祉心理学●問題 福祉心理学●解説

10 犯罪・非行
犯罪現象●問題 犯罪現象●解説
犯罪原因●問題 犯罪原因●解説
犯罪捜査と防犯●問題 犯罪捜査と防犯●解説
裁判と更生●問題 裁判と更生●解説

編集委員・科目別執筆責任者・執筆者一覧

日本心理学諸学会連合 心理学検定局 (編集)
出版社: 実務教育出版; 2019年度版 (2019/3/13)、出典:出版社HP

目次 – 心理学検定 基本キーワード[改訂版]

本書の刊行に当たって

日本心理学諸学会連合(略して「日心連」という)が主催する心理学検定試験は、2008年に始まりました。そして本年、第8回の検定試験が行われます。

受検を希望する方々から、「合格するためには、どのような勉強をしたらよいでしょうか」という質問が、大変多くあります。また「どんな本で勉強したらよいか」「どの程度までの勉強が必要か」など、いろいろな問合せがあります。

受検希望者のこのような疑問・要望・不安に、まさに応えるために刊行されたのが、本書『心理学検定基本キーワード』であります。初版刊行から6年を経て、このたび最新の出題傾向および心理学の動向に合わせて全面改訂しました。年度版の『心理学検定公式問題集』とあわせて本書で学習すれば、検定合格への道程は、ぐっと近くなるでしょう。

本書は、書名のとおり、検定試験合格のための基本的なキーワードを用いて、226の重要なテーマについて、それぞれ2ページまたは1ページで簡潔に解説をしています。それらのテーマは、心理学検定試験で出題される10科目において、どれも不可欠のものばかりです。したがって、キーワードをベースにして、各テーマについての解説を理解するようにすれば、検定受検に必要な知識は得られるはずです。

しかし、もちろん本書の内容を完全に学習すれば、それだけで検定試験で満点を取れるというものではありません。心理学の学習内容は広く、本書ですべて尽くされているわけではありません。余裕のある方は、さらに詳しいテキストで勉強されることをお勧めします(『心理学検定公式問題集』の「学習に役立つ基本書ガイド」を参考にするとよいでしょう)。

心理学検定の資格は、現存するさまざまな心理学の資格や、近い将来に期待される心理学の国家資格の基礎資格として位置づけられるものです。また、就職・転職や大学院進学に役立つような資格になるよう期待されています。

心理学を勉強された方々がご活躍できる職場を拡充し、安心して働ける職場を確保するためにも、心理学検定の社会的認知度の高揚と社会的価値の定着を願っております。

読者の皆さんには、本書を用いて、心理学の基礎的知識を身につけられ、めでたく検定の資格を取得してほしいと思います。そしてこの資格が、皆さんの充実した人生の一助となりますよう祈っております。

2015年4月
編者代表 心理学検定局長 太田信夫

日本心理学諸学会連合 心理学検定局 (編集)
出版社: 実務教育出版; 改訂版 (2015/5/19)、出典:出版社HP

心理学検定の出題科目と本書の構成

●出題の10科目
心理学の分野をさらに分けるとすると、どのような心理学があるのでしょうか。すぐに思い浮かぶのは、人によって違いますが、児童心理学、臨床心理学、社会心理学などは多くの人が共通して挙げる心理学でしょう。しかし、書店へ行って心理学の書棚を見ればわかるように、そのほかにもたくさんの「○○心理学」という本が目に入ってきます。また、心理学のカリキュラムを見ても、実に多くの心理学の授業科目があることがわかります。

このような多くの心理学を、学問的立場からわかりやすく分類するために、心理学検定品では多くの心理学者の先生のお考えを統合し、次のような①~⑩の10科目に分けました。

A領域 ①原理・研究法・歴史/②学習・認知・知覚/③発達・教育 /
④社会・感情・性格/5臨床・障害
B領域 ⑥神経・生理/⑦統計・測定・評価/⑧産業・組織 /
⑨健康・福祉 / ⑩犯罪・非行

A領域の5つの科目は、心理学部(学科・コース)がある多くの大学で心理学の授業として教えているものです。①の〈原理・研究法・歴史〉は、「一般心理学」「基礎心理学」「心理学概論」などという授業科目で開講されています。

②の〈学習・認知・知覚〉は、「学習心理学」「認知心理学」「知覚心理学」など、③の〈発達・教育〉は、「発達心理学」「教育心理学」「児童心理学」「青年心理学」などという授業科目が該当する科目です。

④の〈社会・感情・性格〉の授業科目としては、「社会心理学」「集団心理学」「感情心理学」「性格心理学」「人格心理学」などがあり、他の科目に比べややまとまりにくい科目ですが、社会的存在としての人間という観点に立てば、科目内の内容の相互関係は理解できると思います。

⑤の〈臨床・障害〉は、「臨床心理学」「カウンセリング」「心理療法」などという授業科目が該当します。

B領域は、A領域以外の科目で、必ずしも多くの大学で開講しているとは限らない授業科目が該当します。ただし、⑦の〈統計・測定・評価〉は、「心理学研究法」「心理統計学」などの授業科目名で、どこの大学でも開講されていますが、心理そのものを研究対象とすると領域に対し、心理学研究のための道具としての色彩が濃いので、B領域に入っています。

この科目には、「心理測定学(計量心理学)」「教育評価」なども入ります。⑥の〈神経・生理)は、「神経心理学」「生理心理学」「比較心理学」などの授業科目が、⑧の〈産業・組織)は、「産業心理学」「職業心理学」「組織心理学」などの授業科目が該当します。⑨のく健康祉〉は、「健康心理学」「福祉心理学」など、⑩の〈犯罪・非行〉は、「犯罪心理学」「非行心理学」「矯正心理学」などの授業科目が入ります。

これらの10の科目の関係を相関図で示すと、おおよそ次のようになります。

〈原理・研究法・歴史〉や〈統計・測定・評価〉は、他のすべての科目と関係しています。また、図中の点線は、ある視点から見れば対応しているという程度の意味を表しています。10科目の関係をわかりやすくするために、あえて図示しました。

●本書の構成

本書の章立ては、上記の10科目に従っています。そして各章の科目で重要なテーマを「見出しキーワード」として精選し、2ページあるいは1ページの解説をしています。解説の中で特に重要な用語は、「個別キーワード」として太字で示し、さらに右欄外に簡単な説明がしてあります。

なお巻末の事項索引には、その太字で示した用語が載せてあります。また、解説中の研究者名は、すべて人名索引として掲載しました。

読者の方はすでにお気づきのことと思いますが、10科目の分類には、その分類基準の曖昧さや内容の部分的重複など、いくつかの問題点があります。たとえば、1の科目での〈研究法〉は7の〈統計・測定〉などと密接な関係があります。また3の〈教育〉も7の〈評価〉と一部重複するところがあります。

このように科目の分類が完璧なものではありませんので、各章で取り上げる内容が一部重複している箇所もあります。しかし各章(科目)ごとで、独立に不可欠の基礎知識を精選した結果、そのようになっていると考えていただきたいと思います。

引用・参考文献は、各章の最後のページに掲載しましたが、基礎的内容の学習を目的とする本書の性格から、図表の出典を中心として必要な文献のみに限らせていただきました。この点、さらに詳細な情報の欲しい人は、関連の専門書などを参考にしてください。

本書は、検定試験の合格に向けての勉強が効率よくなされるように、重要なことができるだけ簡潔にわかりやすく書かれています。太字で示されているキーワードの理解を中心に勉強されることを願っています。

●編集委員

藤田主一 (日本体育大学教授)
太田信夫 (東京福祉大学教授)
小林剛史 (文京学院大学教授)
今野裕之 (目白大学教授)
沢宮容子 (筑波大学教授)
大坊郁夫 (北星学園大学学長)
出口保行 (東京未来大学教授)
堀毛一也 (東洋大学)
村松健司 (首都大学東京教授)

●科目別執筆責任者

〈原理・研究法・歴史〉 高砂美樹 (東京国際大学教授)
〈学習・認知・知覚〉 太田信夫
〈発達・教育〉 藤田主一
〈社会·感情·性格〉堀毛一也
〈臨床・障害〉村松健司
〈神経・生理〉小林剛史
〈統計・測定・評価〉 服部環 (法政大学教授)
〈產業·組織〉角山剛 (東京未来大学学長)
〈健康・福祉〉山田冨美雄 (関西福祉科学大学教授)
〈犯罪·非行〉出口保行

●執筆者 (五十音順)

青木聡子 (国士舘大学)
安藤清志 (東洋大学)
生駒忍 (川村学園女子大学)
石井京子 (大阪人間科学大学)
市川優一郎 (日本体育大学)
今田純雄 (広島修道大学)
大野太郎 (大阪人間科学大学)
大渕憲一 (放送大学)
岡安孝弘 (明治大学)
岡村達也 (文教大学)
越智啓太 (法政大学)
小野公一 (亜細亜大学)
角山剛
岸太一 (東邦大学)
楠見孝 (京都大学)
樹澤令子 (洗足こども短期大学)
近藤保彦 (帝京科学大学)
況宮容子
島井哲志 (関西福祉科学大学)
大坊郁夫
高砂美樹
高瀬堅吉 (自治医科大学)
高橋登 (大阪教育大学)
武田明典 (神田外語大学)
田中あかり (湘北短期大学)
田村英惠 (立正大学)
柄田毅 (文京学院大学)
出口保行
豊田弘司 (奈良教育大学)
豊村和真 (北星学園大学)
永野光朗 (京都橘大学)
沼初枝 (立正大学)
服部環
浜村良久 (防衛大学校)
藤岡秀樹 (京都教育大学)
藤里結子 (国立精神·神経医療研究七夕一)
船越かほる (日本女子大学)
細田聡 (関東学院大学)
堀毛一也
宮本和彦 (文京学院大学)
村井潤一郎 (文京学院大学)
村松健司
八木善彦 (立正大学)
矢口幸康 (聖德大学)
山際勇一郎 (首都大学東京)
山口正二 (東京電機大学)
山田剛史 (岡山大学)!
山田富美雄
渡邊勉 (福島学院大学)

日本心理学諸学会連合 心理学検定局 (編集)
出版社: 実務教育出版; 改訂版 (2015/5/19)、出典:出版社HP

心理学検定 基本キーワード[改訂版] 目次

本書の刊行に当たって
心理学検定の出題科目と本書の構成
編集委員・科目別執筆責任者・執筆者一覧

第1章 原理・研究法・歴史
1.1 心理学の科学的方法論
1.2心理学の研究法と変数
1.3 質的研究と量的研究
1.4 信頼性と妥当性
1.5 仮説検定法
1.6 実験法
1.7調査法
1.8 観察法
1.9 検査法
1.10 面接法
1.11 心理学研究の倫理
1.12 心理学の前史①:哲学の影響
1.13 心理学の前史②:生理学の影響
1.14 精神物理学
1.15 ドイツ心理学の展開
1.16 比較心理学の誕生
1.17アメリカ心理学の展開
1.18 行動主義・新行動主義
1.19 精神分析
1.20 ゲシュタルト心理学
1.21 社会心理学
1.22 発達心理学
1.23 認知心理学
1.24 臨床心理学
1.25 人間性心理学
1.26 日本の心理学史
第1章 参考文献

第2章 学習・認知・知覚
2.1 古典的条件づけ
2.2 オペラント条件づけ
2.3 行動療法
2.4強化と罰
2.5 強化スケジュール
2.6弁別学習
2.7 運動学習
2.8 自由再生の基本現象
2.9 記憶の区分
2.10 ワーキングメモリ(作動記憶)の構造
2.11 2つのプライミング効果
2.12 再生と再認の規定要因
2.13 意味記憶のモデル
2.14 記憶と感情
2.15記憶の発達
2.16 パターン認識のメカニズム
2.17 推論(推理)の区分
2.18 批判的思考
2.19 言語(文字・単語・文章)の理解
2.20 視覚の神経生理学的基盤
2.21 明るさとコントラストの知覚
2.22色の知覚
2.23 形の知覚
2.24奥行きの知覚
2.25運動の知覚
2.26 錯視と恒常性
2.27 注意
2.28 聴覚
第2章引用文献

第3章 発達・教育
3.1発達の仕組み
3.2初期経験と臨界期
3.3発達の研究法
3.4ピアジェの発達理論
3.5 ヴィゴツキーの発達理論
3.6 心の理論
3.7 アタッチメント
3.8社会性の発達
3.9 思春期・青年期
3.10 発達検査
3.11 学習と動機づけ
3.12 学習性無力感
3.13 原因帰属
3.14 知能と学力
3.15ビネー式知能検査
3.16ウェクスラー式知能検査
3.16 いじめ・不登校・非行
3.17社会的学習
3.18 効果的な学習法
3.19 教育評価
3.20 発達障害と特別支援教育
3.21 スクールカウンセリング
第3章引用文献

第4章 社会・感情・性格
4.1 対人的自己
4.2 社会的影響
4.3 対人コミュニケーション
4.4 対人認知
4.5 帰属過程
4.6 ステレオタイプ
4.7 援助とサポート
4.8 協同と競争
4.9 攻撃
4.10 対人魅力
4.11 集団のダイナミズム
4.12 マスコミの影響
4.13 集合行動
4.14 文化心理学
4.15 感情の理論
4.16 感情とその機能
4.17 感情の生理過程
4.18 感情の障害
4.19 感情の発達
4.20 感情と文化
4.21 情動知能
4.22 ポジティブ心理学
4.23 パーソナリティ理論
4.24 パーソナリティの測定
4.25 パーソナリティと健康
4.26 主要(特性)5因子モデル
4.27 パーソナリティの一貫性・統一性
第4章引用・参考文献

第5章 臨床・障害
5.1 精神分析と精神分析療法
5.2心的装置論(局所論・構造論)
5.3自我の防衛機制
5.4心理(精神)-性的発達理論
5.5 分析心理学
5.6精神分析学の発展
5.7行動療法①:レスポンデント・オペラント条件づけ
5.8 行動療法②:社会的学習、SST
5.9 認知行動療法
5.10 自律訓練法
5.11 人間性心理学
5.12 自己実現
5.13 クライエント中心療法
5.14 エンカウンターグループ
5.15 フォーカシング
5.16 心理検査①:性格検査
5.17 心理検査②:知能検査
5.18 心理検査の妥当性と信頼性
5.19 行動観察と面接法
5.20 操作的診断基準
5.21 子どもの発達障害
5.22 精神疾患
5.23 心身症と摂食障害
5.24 認知症とせん妄
5.25 解離症と身体症状症
5.26 子どもの問題行動
5.27 コミュニティ・アプローチ
5.28 子どもの心理療法
5.29 システムを生かした心理療法
5.30 集団精神療法、集団療法、グループ・セラピー
5.31日本で生まれた心理療法
第5章引用・参考文献

第6章 神経・生理
6.1脳の構造と機能①:概要
6.2 脳の構造と機能②:視床、視床下部、延髄、小脳
6.3脳の構造と機能③:大脳基底核、大脳辺縁系
6.4 脳の構造と機能④:大脳新皮質と感覚処理
6.5 脳の構造と機能⑤:大脳半球機能と言語処理、分離脳
6.6神経細胞の構造と機能①:脳の細胞
6.7神経細胞の構造と機能②:神経伝達物質
6.8 神経細胞の構造と機能③:活動電位
6.9神経内分泌機能:ホルモンと行動
6.10 自律神経系機能①:交感神経系と副交感神経系
6.11 自律神経系機能②:ポリグラフ
6.12 動物の行動と心理学:動物実験の方法
6.13遺伝子と心理学
6.14 感情の機能
6.15 学習・記憶の神経機構:長期増強、長期抑圧
6.16 睡眠と覚醒
6.17脳の可塑性①:可塑性、幻肢
6.18 脳の可塑性②:バイオフィードバック、ブレイン・マシン・インターフェース
6.19 脳機能測定法
6.20 精神障害と脳機能
第6章引用・参考文献

第7章 統計・測定・評価
7.1 代表値と散布度
7.2 変数の変換
7.3 2変数の記述統計
7.4 母数の推定
7.5 検定(統計的仮説検定)
7.6 単回帰分析
7.7 実験計画と分散分析
7.8変数間の予測と影響の分析:外的基準がある場合
7.9変数間の構造と構成の分析:外的基準がない場合
7.10 構造方程式モデリングと一般化線形モデル
7.11 心理テストの信頼性と妥当性
7.12 心理学的測定法
7.13 心理テストの分析
7.14 目標に準拠した評価と集団に準拠した評価
7.15 心理検査の種類と特徴
7.16 教授 = 学習過程における評価
7.17 進路指導と教育評価
第7章引用・参考文献

第8章 産業・組織
8.1 人事心理学とその人事・ 労務管理への貢献
8.2 職務態度と ディーセント・ワーク
8.3 メンタルヘルス
8.4 多様な働く人々と 雇用の多様化
8.5 キャリア発達と能力開発
8.6 産業・組織心理学の概観
8.7 リーダーシップ
8.8 仕事への動機づけ
8.9 組織行動
8.10 安全人間工学
8.11 組織の安全文化と
リスクマネジメント
8.12 技能の熟達化
8.13 事故モデル
8.14 消費者の心理的メカニズム
8.15 マーケティングと消費者行動
8.16 広告と消費者行動
8.17 流行と消費者行動
第8章 参考文献

第9章
9.1 ストレス
9.2 健康生活習慣
9.3 健康教育
9.4 行動変容モデル
9.5主観的健康観
9.6 ソーシャルサポート
9.7 健康関連自己概念
9.8 レジリエンス
9. 9 ポジティブ心理学と健康
9.10 仕事習慣:エンゲージメント
9.11 ソーシャルワーク
9.12 共生と障害受容
9.13 偏見と差別
9.14 障害者基本法と障害の定義
9.15 児童福祉施設
9.16 乳幼児の健康診査
9.17 障害児通所支援
9.18 福祉施設の心理職と関連する職員
第9章引用・参考文献

第10章
10.1 犯罪統計(犯罪動向)
10.2 財産犯(窃盗・詐欺)
10.3 殺人 324 10.4 性犯罪
10.5 ストーキング
10.6 犯罪の古典的研究
10.7犯罪の社会的要因
10.8 犯罪の人格要因
10.9 非行・犯罪の発達的研究
10.10 犯罪の統制理論
10.11 犯罪性の遺伝と環境
10.12 環境犯罪学と防犯3
10.13 プロファイリング
10.14 ポリグラフ検査
10.15 少年司法の流れ
10.16 非行アセスメント
10.17 家庭裁判所
10.18 少年鑑別所
10.19 少年院
10.20 刑事施設
10.21 更生保護
第10章 引用文献

事項索引
人名索引

日本心理学諸学会連合 心理学検定局 (編集)
出版社: 実務教育出版; 改訂版 (2015/5/19)、出典:出版社HP

目次 – 心理学検定 一問一答問題集[A領域編]

本書の刊行に当たって

日本心理学諸学会連合(略して日心連)が主催する心理学検定試験は、2008年に始まりました。2016年には第9回の検定試験が行われます。

受検を希望する方々から、「合格するためには、どのような本で学習したらよいか」「どの程度までの学習が必要か」などの質問が毎年多く寄せられてきました。このような疑問・要望に応えて、心理学検定の公式書籍として『心理学検定公式問題集(年度版)』『同基本キーワード[改訂版]』の2冊を刊行しています。

しかし、特に初学者の方を中心として、「公式問題集と基本キーワードの2冊だけでは、十分な理解ができているか心もとない」「もっと手軽なサイズで、ポイントを絞った学習ができる本が欲しい」という不安や要望を聞くことが増えてきました。

本書はそうした目的に合致した新たな公式書籍です。「A領域編」「B領域編」の2分冊として、全10科目でよく出題される事項、必ずマスターしてほしい事項を中心に掲載し、一問一答形式と○×形式で効率よく学習ができるように構成しています。心理学検定に興味を持ちこれから学習を始める方にも手に取りやすく、また、すでに学習を進め本番に備えて理解度確認をしたいという目的にも使える内容となっています。

心理学検定の資格は、既存の多くの心理学の資格や新たな国家資格「公認心理師」が大学院(修士)修了レベルの能力を必要とするのに対し、大学卒業レベルの能力を保証するものです。すなわち現存する諸資格の基礎資格的役割を果たすものです。また、就職・転職や大学院進学に役立つような資格になるよう期待されています。心理学を勉強された方々がご活躍できる職場を拡充し、安心して働ける職場を確保するためにも、心理学検定の社会的認知度の高揚と社会的価値の定着を願っております。

読者の皆さんには、本書をはじめとする公式書籍を用いて、心理学の基礎的知識を身につけられ、めでたく検定の資格を取得してほしいと思います。そしてこの資格が、皆さんの充実した人生の一助となりますよう祈っております。

2016年2月
編者代表
心理学検定局顧問 太田信夫
心理学検定局長 藤田主一

日本心理学諸学会連合 心理学検定局 (編集)
出版社: 実務教育出版 (2016/3/1)、出典:出版社HP

目次

本書の刊行に当たって
心理学検定の基礎知識と本書の構成

1 原理・研究法・歴史

1-1 心理学のかたち
1-2 実験法
1-3 調査法
1-4 観察法
1-5 検査法
1-6 心理統計の基礎
1-7 さまざまな考え方
1-8 心理学研究の倫理
1-9 心理学の専門性
1-10 哲学による心の探究
1-11 19世紀ドイツの生理学
1-12 精神物理学
1-13 意識主義の心理学
1-14 精神分析学
1-15 新大陸の心理学
1-16 条件反射学と行動主義
1-17 ゲシュタルト心理学
1-18 近代精神医学
1-19 個人差への関心
1-20 社会心理学の始まり
1-21 認知革命
1-22 日本の心理学史
○×実力確認問題①
Column 1 心理学の資格をキャリアにつなげる

2 学習・認知・知覚

2-1 古典的条件づけ
2-2 オペラント条件づけ
2-3 強化と弱化
2-4 般化と弁別
2-5 条件づけの応用
2-6 弁別学習
2-7 運動学習
2-8 記憶のとらえ方
2-9 記憶の区分
2-10 ワーキングメモリ
2-11 長期記憶の種類
2-12 日常認知
2-13 パターン認識
2-14 言語の理解
2-15 思考
2-16 視覚の神経生理学的基盤
2-17 明るさの知覚
2-18 色の知覚
2-19 形の知覚
2-20 運動の知覚
2-21 奥行きの知覚
2-22 錯視
2-23 注意
2-24 聴覚
O×実力確認問題②

3 発達・教育

3.1 生物学的観点から見た発達
3-2 発達の理論
3.3 乳幼児期の身体・運動の発達
3.4 ピアジェとヴィゴツキーの発達理論
3-5 発達段階と発達課題
3-6 母子関係の理論
3-7 社会性の発達
3-8 道徳性の発達
3-9 思春期・青年期の心理発達
3-10 学習動機づけ
3-11 教授学習法
3-12 教育評価
3-13 学習・学力
3-14 知能に関する理論
3-15 知能検査
3-16 発達検査
3-17 発達障害
3-18 特別支援教育
3-19 教育相談・スクールカウンセリング
3-20 発達研究の方法
○×実力確認問題③

4 社会・感情・性格

4-1 自己と社会
4-2 社会的認知
4-3 印象形成とステレオタイプ
4-4 対人魅力と親密な対人関係
4-5 協力・競争・援助行動
4-6 社会的影響
4-7 マスコミュニケーション・流
4-8 感情の生起過程
4-9 感情と身体・生理
4-10 感情の分類
4-11 怒りと攻撃
4-12 感情と学習・記憶
4-13 感情の障害
4-14 パーソナリティ理論
4-15 パーソナリティの測定法
4-16 パーソナリティと健康・適応
○×実力確認問題④
Column2 心理学における用語変更の動向

5 臨床・障害

5-1 精神分析と精神分析療法
5-2 精神分析の発展
5-3 分析心理学
5-4 行動療法
5-5 認知行動療法
5-6 クライエント中心療法
5-7 人間性心理学
5-8 催眠と自律訓練法
5-9 表現療法と心理アセスメント
5-10 心理アセスメント(質問紙法
5-11 知能検査と心理検査の妥当性
5-12 面接法と操作的診断基進
5-13 統合失調症と躁うつ病
5-14 解離とPTSD
5.15 不安にかかわる精神疾患
5-16 身体にかかわる精神疾患
5-17 器質性精神疾患
5-18 子どもの問題と臨床
5-19 家族療法と短期療法
5-20 コミュニティ心理学(投影法)
5-21 集団療法
5-22 臨床心理学の方法作業検査法)
5-23日本で生まれた心理療法
○×実力確認問題⑤

図版の引用文献
編集委員・執筆者一覧

日本心理学諸学会連合 心理学検定局 (編集)
出版社: 実務教育出版 (2016/3/1)、出典:出版社HP

心理学検定の基礎知識と本書の構成

■心理学検定の概要
心理学検定は、大学卒業レベルの心理学の学力を証明するものです。この検定に合格することによって、自分自身の心理学の学力を確認するとともに、社会的にも心理学の学力を証明することにもなります。

●試験のスケジュール
例年8月下旬の日曜日に実施。申込期間は5月下旬~6月下旬

●受検資格
受検は誰でもできます。心理学部や心理学科の所属や卒業に関係なく、希望するすべての人が受検できます。

●出題科目・受検科目数
試験は心理学の10科目(A領域5科目、B領域5科目。p.6参照)について行われます。受検科目は3科目、6科目、8科目の3段階です。
認定資格心理学検定特1級:A領域の5科目、B領域の5科目の合計10科目のすべてに合格した場合心理学検定1級:A領域の4科目を含む合計6科目に合格した場合心理学検定2級:A領域の2科目を含む合計3科目に合格した場合

●出題形式・出題数・検定時間
問題はすべて4肢選択問題です。各科目から20問が出題され、合計200問からなります。検定時間は1科目当たり20分です。

●合否判定の基準
各科目の合否判定の基準は、約6割の正答率を目安とします。ただし、出題問題の難易度によって基準が変動する可能性があります。
※検定についての詳細は、公式ホームページ(http://jupaken.jp/)および『心理学検定公式問題集』の「心理学検定スタートガイド」で、最新の情報をご確認ください。

■心理学検定の出題科目

心理学には、「○○心理学」という言い方をすると、何十があります。日本心理学諸学会連合に加盟している「◯◯心理学会」という学会数だけで51あり、そのほかにも、まだ加盟していない心理学の学会は10あまりあります。

こうして見ると、実にたくさんの実にたくさんの心理学の領域があることがわかるでしょう。本心理学検定では、この多くのにできるところは一つの領域として、できるだけ少なくてわかりやすい10の領域(検定では「科目」と表記している)にまとめています。その10科目は、次のようになっています。

A領域 ①原理・研究法・歴史/②学習・認知・知覚/③発達・教育 /
④社会・感情・性格/5臨床・障害
B領域 ⑥神経・生理/⑦統計・測定・評価/⑧産業・組織 /
⑨健康・福祉 / ⑩犯罪・非行

A領域は多くの大学で教えている内容の科目であり、B領域は必ずしも多くの大学で教えているとは限らない内容の科目です。ただし心理統計はほとんどの大学で開設されています。

これらの科目の関係は、p.7の図のようになります。「原理・研究法・歴史」の科目は他の9科目のどの科目とも関係しています。また、同様に「統計・測定・評価」の科目も、他の9科目と関係しているといえるでしよう。すなわち、研究法や統計などはどの内容の心理学にも関係しているということです。そして、A領域の4科目は、B領域の4科目と、点線のつながりで示したように比較的対応しているといえます。

このような科目の分け方の背景には、次のような考え方があります。理学のコアとなる基礎的な領域を4つ挙げるとすると、認知心理子、心理学、社会心理学、臨床心理学となります。これらの心理子という領域の心理学を同じ科目としてまとめたものが、図中Aの取4科目です。

それらの科目にすべて関係する研究法や統計などの科目を考え、さらに先の4つの心理学ほど基礎的な領域ではないか、領域としてそれらと対等に存在する領域が、B領域の4つの科目です。

しかし、以上の10科目は完全に分けられるものではなく、またこれらの領域から漏れている「○○心理学」もあります。たとえば、数理心理学、交通心理学、環境心理学などです。

心理学は心の学問であり、また行動の学問でもあります。目には見えない感情や意思などの心の働きや、頭の中の知的な働きについてそのメカニズムや法則を明らかにすることが、心理学の課題です。そのためには、実際には目に見える行動や言語表現などを対象として研究が行われます。

近年は、コンピュータ関連の機器の進歩により、目に見えない脳部位や神経細胞の働きまで、画面上で確かめることができるようになりました。この意味で、心理学は脳科学の一部の領域も完全に取り込んで考えるようになっています。

こうして考えてくると、心理学の隣接科学である生物学、医学、コンピュータ科学などとの境界がなくなりつつあるのが現状です。学問の領域地図も、時代とともに、研究の進歩とともに、日々、変化していることを忘れてはなりません。

■本書の構成と活用法

本書は「A領域」に該当する5科目を収録しています。「B領域編」と2冊セットで、全10科目の学習ができます。

①一問一答パート
各科目を16~24のテーマに分類し、1科目96~151問で左ページに問題、右ページに解答と解説の見開き構成です。
それぞれの問題は、過去の心理学検定の出題内容を分析してエッセンスを抽出したもので、出題頻度の高い事項を掲載しています。
付属の赤シートを使うと、解答と、解説中のキーワードが消えて見えなくなります。重要事項の暗記学習にご活用ください。

②◯×実力確認問題
各科目の末尾に、50問の正誤を○×で答える実力確認問題を掲載しています。
一問一答パートの解答と解説を理解していれば、答えられる内容です確認のため一問一答の解説参照ページを記しています。特に間違えた問題については、一問一答に戻って復習しましょう。

公式書籍としては、ほかに「公式問題集(年度版)」と「基本キーワード」を刊行しており、併用すると学習効果が高まります。

「公式問題集」は、模擬問題と解説400問、最新の過去問から精選した問題と解説50問、受検情報や学習アドバイス、基本書ガイドなどをまとめた心理学検定スタートガイドで構成されています。実際の試験のレベルと出題傾向を把握するのには欠かせない学習アイテムです。

「基本キーワード」は、各科目で重要なテーマを226の「見出しキーワード」として精選し、2または1ページの解説をしています。解説の中に、特に重要な用語は「個別キーワード」として太字で示し、さらに右欄に簡単な説明を加えています。巻末には事項索引と人名索引を掲載しています。重要事項を精選した基本テキストとして、本書や公式問題演習の前後に参照してください。

日本心理学諸学会連合 心理学検定局 (編集)
出版社: 実務教育出版 (2016/3/1)、出典:出版社HP

目次 – 心理学検定 一問一答問題集[B領域編]

本書の刊行に当たって

日本心理学諸学会連合(略して日心連)が主催する心理学検定試験は、2008年に始まりました。2016年には第9回の検定試験が行われます。

受検を希望する方々から、「合格するためには、どのような本で学習したらよいか」「どの程度までの学習が必要か」などの質問が毎年多く寄せられてきました。このような疑問・要望に応えて、心理学検定の公式書籍として『心理学検定公式問題集(年度版)』『同基本キーワード(改訂版)』の2冊を刊行しています。

しかし、特に初学者の方を中心として、「公式問題集と基本キーワードの2冊だけでは、十分な理解ができているか心もとない」「もっと手軽なサイズで、ポイントを絞った学習ができる本が欲しい」という不安や要望を聞くことが増えてきました。

本書はそうした目的に合致した新たな公式書籍です。「A領域編」「B領域編」の2分冊として、全10科目でよく出題される事項、必ずマスターしてほしい事項を中心に掲載し、一問一答形式と○×形式で効率よく学習ができるように構成しています。心理学検定に興味を持ちこれから学習を始める方にも手に取りやすく、また、すでに学習を進め本番に備えて理解度確認をしたいという目的にも使える内容となっています。

心理学検定の資格は、既存の多くの心理学の資格や新たな国家資格「公認心理師」が大学院(修士)修了レベルの能力を必要とするのに対し、大学卒業レベルの能力を保証するものです。すなわち現存する諸資格の基礎資格的役割を果たすものです。

また、就職・転職や大学院進学に役立つような資格になるよう期待されています。心理学を勉強された方々がご活躍できる職場を拡充し、安心して働ける職場を確保するためにも、心理学検定の社会的認知度の高揚と社会的価値の定着を願っております。

読者の皆さんには、本書をはじめとする公式書籍を用いて、心理学の基礎的知識を身につけられ、めでたく検定の資格を取得してほしいと思います。そしてこの資格が、皆さんの充実した人生の一助となりますよう祈っております。

2016年5月
編者代表
心理学検定局顧問 太田信夫
心理学検定局長 藤田主一

日本心理学諸学会連合 心理学検定局 (編集)
出版社: 実務教育出版 (2016/6/7)、出典:出版社HP

目次

本書の刊行に当たって
心理学検定の基礎知識と本書の構成

6 神経・生理
6-1 神経系の構造
6-2脳幹と小脳
6-3 大脳
6-4 神経細胞の構造
6-5 神経伝達
6-6 内分泌系と行動
6-7 自律神経系
6-8 感覚・知覚
6-9 学習・記憶
6-10 言語
6-11 感情・情動
6-12 睡眠・覚醒・意識
6-13 脳の可塑性と発達
6-14 運動とBMI
6-15 精神疾患
6-16 古典的神経心理学
6-17 生理心理学的測定
6-18 動物行動の研究法
6-19 遺伝子と行動
6-20 脳画像研究
○×実力確認問題⑥
Column 1 脳内の位置関係をとらえる表現

7 統計・測定・評価
7-1 測定と尺度水準
7-2 代表値と散布度
7-3変数の変換
7-4相関と連関
7-5母集団と標本
7-6回帰
7-7 統計的仮説検定の論理
7-8 t検定
7-9分散分析
7-10 ノンパラメトリック検定
7-11 重回帰分析・重判別分析
7-12 因子分析・主成分分析
7-13 クラスター分析・MDS
7-14 構造方程式モデリング
7-15 心理学的測定法
7-16 信頼性と妥当性
7-17 テスト理論
7-18 心理検査
7-19 評価の基準
7-20日本における教育評価
O×実力確認問題⑦
Column2 心理統計で用いるギリシャ文字

8 産業・組織
8-1 産業・組織心理学の歴史
8-2 人事労務管理
8-3 ダイバーシティと障害者雇用
8-4 職場環境とハラスメント
8-5 仕事のストレスとメンタルヘルス
8-6 産業カウンセリング
8-7 キャリア発達・開発
8-8 仕事への動機づけ
8-9 組織行動と組織文化
8-10 リスク・マネジメント
8-11 事故モデル
8-12 安全人間工学
8-13 消費者の意思決定
8-14 行動経済学
8-15 マーケティングと広告
8-16 流行と差別化
○×実力確認問題⑧
Column 3 心理学検定の次に取りたい資格

9 健康・福祉
9-1 健康のとらえ方
9-2 ストレス
9-3 ソーシャルサポート
9-4 健康生活習慣
9-5 行動変容
9-6 健康教育・健康学習
9-7依存
9-8 心身相関
9-9 健康・医療と社会
9-10 ポジティブ心理学
9-11 高齢者心理学
9-12 老年精神医学
9-13 リハビリテーション
9-14 福祉の視点
9-15 受容と偏見
9-16 精神保健
9-17 子ども家庭福祉
9-18 虐待とDV
9-19 障害児/者の支援
9-20 バリアフリー社会
9-21 ソーシャルワーク
9-22 心理・福祉の専門職
◯×実力確認問題⑨
Column 4 官庁統計の読み方

10 犯罪・非行
10-1 犯罪統計
10-2 犯罪の生物学的原因
10-3 犯罪の心理学的原因
10-4 犯罪の社会学的原因
10-5 犯罪・非行の発達研究
10-6 犯罪・非行と環境
10-7 犯罪予防
10-8 暴力・殺人
10-9性犯罪
10-10 知能犯
10-11 プロファイリング
10-12 ポリグラフ検査
10-13 証言の心理学
10-14 犯罪・非行アセスメント
10-15 少年司法
10-16 少年院と児童自立支援施設
10-17 刑事施設
10-18 更生保護
10-19 裁判と心理学
10-20 犯罪被害と心理学
○×実力確認問題⑩

図版の引用文献
編集委員・執筆者等一覧

日本心理学諸学会連合 心理学検定局 (編集)
出版社: 実務教育出版 (2016/6/7)、出典:出版社HP

心理学検定の基礎知識と本書の構成

■心理学検定の概要
心理学検定は、大学卒業レベルの心理学の学力を証明するものです。この検定に合格することによって、自分自身の心理学の学力を確認するとともに、社会的にも心理学の学力を証明することにもなります。

●試験のスケジュール
例年8月下旬の日曜日に実施。申込期間は5月下旬~6月下旬。

●受検資格
受検は誰でもできます。心理学部や心理学科の所属や卒業に関係なく、希望するすべての人が受検できます。

●出題科目・受検科目数
試験は心理学の10科目(A領域5科目、B領域5科目。p.6参照)について行われます。受検科目は3科目、6科目、8科目の3段階です。

●認定資格
心理学検定特1級:A領域の5科目、B領域の5科目の合計10科目のすべてに合格した場合
心理学検定1級:A領域の4科目を含む合計6科目に合格した場合
心理学検定2級:A領域の2科目を含む合計3科目に合格した場合

●出題形式・出題数・検定時間
問題はすべて4肢選択問題です。各科目から20問が出題され、合計200問からなります。検定時間は1科目当たり20分です。

●合否判定の基準
各科目の合否判定の基準は、約6割の正答率を目安とします。ただし、出題問題の難易度によって基準が変動する可能性があります。
※検定についての詳細は、公式ホームページ(http://jupaken.jp/)および「心理学検定公式問題集」の「心理学検定スタートガイド」で、最新の情報をご確認ください。

■心理学検定の出題科目
心理学には、「○○心理学」という言い方をすると、何十という心理があります。日本心理学諸学会連合に加盟している「○○心理学会」という学会数だけで51あり、そのほかにも、まだ加盟していない心理学の学会は10あまりあります。こうして見ると、実にたくさんの心理学の領域があることがわかるでしょう。

本心理学検定では、この多くの領域を一緒にできるところは一つの領域として、できるだけ少なくてわかりやすい10の領域(検定では「科目」と表記している)にまとめています。その10科目は、次のようになっています。

A領域 ①原理・研究法・歴史/②学習・認知・知覚/③発達・教育 /
④社会・感情・性格/5臨床・障害
B領域 ⑥神経・生理/⑦統計・測定・評価/⑧産業・組織 /
⑨健康・福祉 / ⑩犯罪・非行

A領域は多くの大学で教えている内容の科目であり、B領域は必ずしも多くの大学で教えているとは限らない内容の科目です。ただし心理統計はほとんどの大学で開設されています。

これらの科目の関係は、p.7の図のようになります。「原理・研究法・歴史」の科目は他の9科目のどの科目とも関係しています。また、同様に「統計・測定・評価」の科目も、他の9科目と関係しているといえるでしょう。

すなわち、研究法や統計などはどの内容の心理学にも関係しているということです。そして、A領域の4科目は、B領域の4科目と、点線のつながりで示したように比較的対応しているといえます。

このような科目の分け方の背景には、次のような考え方があります。心理学のコアとなる基礎的な領域を4つ挙げるとすると、認知心理学、発達心理学、社会心理学、臨床心理学となります。これらの心理学と関係の深い領域の心理学を同じ科目としてまとめたものが、図中A領域の最上段の4科目です。

それらの科目にすべて関係する研究法や統計などの科目を考え、さらに先の4つの心理学ほど基礎的な領域ではないが、領域としてそれらと対等に存在する領域が、B領域の4つの科目です。

しかし、以上の10科目は完全に分けられるものではなく、またこれらの領域から漏れている「○○心理学」もあります。たとえば、数理心理学、交通心理学、環境心理学などです。

心理学は心の学問であり、また行動の学問でもあります。目には見えない感情や意思などの心の働きや、頭の中の知的な働きについてそのメカニズムや法則を明らかにすることが、心理学の課題です。そのためには、実際には目に見える行動や言語表現などを対象として研究が行われます。近年は、コンピュータ関連の機器の進歩により、目に見えない脳部位や神経細胞の働きまで、画面上で確かめることができるようになりました。

この意味で、心理学は脳科学の一部の領域も完全に取り込んで考えるようになっています。こうして考えてくると、心理学の隣接科学である生物学、医学、コンピュータ科学などとの境界がなくなりつつあるのが現状です。学問の領域地図も、時代とともに、研究の進歩とともに、日々、変化していることを忘れてはなりません。

特に、本書で取り上げるB領域は、応用的な色合いが強く、他のさまざまな学問分野や実社会とのつながりが深い科目からなっています。統計調査、法律や制度、社会的実践など、厳密な心理学からはやや離れる話題とも、切れ目なくつながっています。

したがって、心理学検定の出題も、そういった応用的な方向性を含めて行われています。心理学がめざす「心や行動がわかること」が、関連分野や実社会、あるいは日常生活とどのようにつながり、役立っているかにも注目して、関心を広く持って学んでください。

■本書の構成と活用法
本書は「B領域」に該当する5科目を収録しています。「A領域編17冊セットで、全10科目の学習ができます。

①一問一答パート
各科目を16~22のテーマに分類し、1科目116~152問で、左ページに問題、右ページに解答と解説の見開き構成です。
それぞれの問題は、過去の心理学検定の出題内容を分析してエッセンスを抽出したもので、出題頻度の高い事項を掲載しています。
付属の赤シートを使うと、解答と、解説中のキーワードが消えて見えなくなります。重要事項の暗記学習にご活用ください。

②〇×実力確認問題
各科目の末尾に、50問の正誤を○×で答える実力確認問題を掲載しています。
一問一答パートの解答と解説を理解していれば、答えられる内容です。確認のため一問一答の解説参照ページを記しています。特に間違えた問題については、一問一答に戻って復習しましょう。

公式書籍としては、ほかに「公式問題集(年度版)」と「基本キーワード」を刊行しており、併用すると学習効果が高まります。
「公式問題集」は、模擬問題と解説400問、最新の過去問から精選した問題と解説50問、受検情報や学習アドバイス、基本書ガイドなどをまとめた心理学検定スタートガイドで構成されています。実際の試験のレベルと出題傾向を把握するのには欠かせない学習アイテムです。

「基本キーワード」は、各科目で重要なテーマを226の「見出しキーワード」として精選し、2または1ページの解説をしています。解説の中で特に重要な用語は「個別キーワード」として太字で示し、さらに右欄外に簡単な説明を加えています。巻末には事項索引と人名索引を掲載しています。重要事項を精選した基本テキストとして、本書や公式問題集での問演習の前後に参照してください。

日本心理学諸学会連合 心理学検定局 (編集)
出版社: 実務教育出版 (2016/6/7)、出典:出版社HP