陸上特殊無線技士試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)
陸上特殊無線技士の概要
電波技術の発展から社会の様々な場面で使用されることが増えました。陸上特殊無線技士は、無線局で活躍する無線従事者の資格取得を容易にするために作られた資格です。そのため、操作できる範囲を限定することで特殊無線技士の資格が設けられています。陸上特殊無線技士は、防災無線、レーダーによる気象観測、携帯電話基地局、電波を取り扱う部門などで活躍しています。
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陸上特殊無線技士試験の公式テキストは?
公式テキストはありません。様々な出版社から対策テキストが発行されています。ここでは市販の対策テキストをご紹介します。
陸上特殊無線技士のおすすめテキスト
1.「最速合格 第一級陸上特殊無線技士 模擬テスト」(弘文社)
本書は、一陸特の国家試験に合格するための模擬テスト集です。十分な実戦演習を積んでいただくために過去問題より頻出問題を抽出し、5回分の模擬テストの形で編集しました。
2.「特殊無線技士問題・解答集 2019年版」(誠文堂新光社)
本書は各級陸上特殊無線技士(第一級陸上特殊無線技士を除く)、各級海上特殊無線技士及び航空特殊無線技士の国家試験の過去問題を徹底的に分析し、正答を得るためのヒントやワンポイント・アドバイスを用意し、これさえ覚えれば合格が確実といえるところまでまとめたものの最新版です。
3.「第一級陸上特殊無線技士試験 集中ゼミ 第3版」(東京電機大学出版局)
最新の動向を分析し掲載問題を全面的に見直し。著者による充実の解説。試験合格への実力を養成。掲載問題は詳細な過程を示し、間違いやすい問題には、詳しい解説に加えて解法のポイントやテクニックを記載。
4.「やさしく学ぶ 第一級陸上特殊無線技士試験 改訂2版」(オーム社)
本書は、第一級陸上特殊無線技士試験(一陸特)の受験対策書として2014年6月に発行した、「やさしく学ぶ 第一級陸上特殊無線技士試験」の改訂版です。
5.「第一級陸上特殊無線技士国家試験問題解答集」(情報通信振興会)
第一級陸上特殊無線技士既出問題全問収録。平成25年2月期から平成29年10月期まで。
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目次 – 第一級陸上特殊無線技士試験 集中ゼミ 第3版
まえがき
本書は,第一級陸上特殊無線技士(一陸特)の国家試験受験者のために,短期間で国家試験に合格できることをめざしてまとめたものです.
一陸特の免許は,近年めざましい発展を遂げている陸上移動通信,衛星通信,テレビ放送中継用の無線局等の無線設備の操作または操作の監督を行う無線従事者として,あるいはそれらの無線局の無線設備を点検し,保守や検査を行う登録検査等事業者の点検員として従事するときに必要な資格です。
一陸特の国家試験は,(公財)日本無線協会で実施されています。試験科目は「無線工学」,「法規」の2科目,試験問題は4肢または5肢択一式,試験は年間3回実施されているので,比較的受験しやすい資格です。国家試験の問題は,主に多重無線設備に関する範囲から出題されていて、繰り返し同じ問題も出題されています.
そこで本書では,まず重要知識で試験問題を解くために必要な要点を学習し,次に,国家試験問題によって実際の試験に出題された問題で学習を進めることによって、短期間で国家試験合格への知識が身につくように構成しています.
また,よりハイレベルな無線通信設備や放送局の送信用無線設備の技術操作を行うことができる資格として,第一級陸上無線技術士,第二級陸上無線技術士の資格があります.次のステップとして,これらの国家試験に挑戦するときも一陸特の国家試験を受験するときに学習した知識が有効に活用されることでしょう。
本書によって、一人でも多くの方が一陸特の国家試験に合格し,資格を取得することのお役に立てれば幸いです.
著者しるす
第3版にあたって
近年,固定通信ではデジタル化が進んでいます。携帯電話やコンピュータ等の無線携帯端末においては,新たなシステムの運用が開始されました。また、一陸特の無線従事者が登録点検事業者の点検員として陸上移動通信系の無線設備の保守に従事する機会が増えたこと等によって、国家試験問題の出題では,新しいシステムや陸上移動通信に関する理論,実例の出題が増加しています。
そこで、第3版の改訂に当たっては、最新の国家試験問題に対応して、記録した国家試験問題を全面的に見直すとともに,重要知識の内容については特に次の記述を充実させました。
無線工学編の2章の基礎理論は、計算問題が多いので,解説の計算過程をわかりやすく記述しました。また,電気回路は最新の国家試験問題に対応するため分圧,分液,ブリッジ回路の項目を追加しました。3章の変調では、デジタル通信方式に関係する内容を充実させました。
4章の送受信装置では,解説図を増やして見た目にもわかりやすい解説としました。5章の中継方式では、5.3節の多元接続方式に陸上移動通信で用いられる通信システムについての解説を追加しました.7章のアンテナでは,重要知識の解説図を充実させました.法規編については,最新の国家試験題と法令改正に合わせて内容を変更しました.特に3章の無線設備では、用語の定義の規定を充実させ、無線設備規則の細かい規定は出題が減っているので、内容を減らしました.
また,最近の法規の出題では問題文が長くなる傾向があるとともに,穴埋めの箇所が多くなっているので,重要知識のゴシックの部分も最新の出題傾向に合わせて変更しました。
全体として、ページ数を増やすことによって内容を充実し,特に計算問題は、解説に詳細な計算過程を示して、わかりやすくしました。
改訂によって,最新の国家試験問題を解くのに必要な内容を,効率よく学習することができるようにまとめました。
本書によって、皆様が国家試験に合格して資格を取得することにお役に立てれば幸いです。
著者しるす
目次
一陸特とは
国家試験
本書の使い方
無線工学編
第1章 多重通信システムの概要
1.1多重通信方式
1.2デジタル通信方式
1.3通信回線
第2章 基礎理論
2.1直流回路
2.2交流回路
2.3回路網
2.4伝送線路
2.5導波管
2.6半導体・ダイオード
2.7トランジスタ・電子管
2.8電子回路(増幅・発振・変調回路)
2.9電子回路(パルス・デジタル回路)
第3章 変調
3.1パルス変調方式
3.2変復調器
3.3PCM多重方式
第4章 送受信装置
4.1FM(F3E)送受信装置
4.2PCM送受信装置
4.3受信機の特性
4.4衛星通信用の送受信装置
第5章 中継方式
5.1各種中継方式
5.2干渉等
5.3多元接続方式
第6章 レーダー
6.1パルスレーダーの原理
6.2パルスレーダーの性能
6.3パルスレーダーの付属回路
6.4ドップラーレーダー
第7章 アンテナ
7.1基本アンテナ
7.2パラボラアンテナ
7.3開口面アンテナ
第8章 電波伝搬
8.1電波伝搬の分類
8.2対流圏伝搬
8.3地上波伝搬
8.4見通し距離外の伝搬等
第9章 電源
9.1電池
9.2直流電源装置
第10章 測定
10.1基本電気計測
10.2マイクロ波帯の測定機器
10.3無線機器に関する測定
10.4アンテナ系に関する測定
法規編
第1章 電波法の概要
1.1電波法の概要
第2章 無線局
2.1無線局の免許
2.2予備免許
2.3再免許・免許状
2.4変更・廃止・情報の公表・調査
第3章 無線設備
3.1無線設備に関する用語の定義
3.2電波の型式の表示・電波の質
3.3スプリアス発射の強度の許容値等
3.4安全施設
3.5受信設備・人工衛星局・地球局
第4章 無線従事者
4.1用語の定義・主任無線従事者
4.2操作範囲・無線従事者免許
第5章 無線局の運用
5.1目的外使用の禁止等
5.2秘密の保護・一般通信方法
5.3連絡設定の方法
第6章 監督
6.1周波数等の変更
6.2電波の発射の停止・検査
6.3免許の取消し等
6.4報告・免許を要しない無線局に対する監督等
第7章 罰則
7.1罰則
第8章 書類
8.1無線局に備え付ける書類
索引
一陸特とは!
第一級陸上特殊無線技士は,無線局の多重無線設備の技術操作または操作の監督を行うことができる資格です。具体的には,国や地方自治体が設置した防災行政無線、通信事業者が設置した固定無線通信回線,衛星無線通信回線,あるいは放送事業者が設置したテレビ中継無線通信回線用の多重無線装置等無線設備の技術操作を行うことができます。また、第二級陸上特殊無線技士,第三級陸上特殊無線技士の操作範囲の操作を行うことができます。
直接,無線局の無線設備の技術操作または操作の監督を行うことだけではなく、基地局や陸上移動局等の無線設備を点検し,保守や検査を行う登録検査等事業者の点検員として従事することができます。
無線通信士,無線技術士,特殊無線技士,アマチュア無線技士等の無線従事者の資格の取得は延べ600万人を超えています。そのうち,一陸特の資格取得者数は20万を超えています。一陸特の資格は,陸上移動通信,固定通信,衛星通信の伸びに伴って増加しています。
また,一陸特の国家試験の受験者数は,毎年約10,000人,合格率は約30パーセントです。第二級陸上特殊無線技士は,自動車等の速度を測定するレーダー,VSAT小規模地球局,市区町村がサービスエリアのコミュニティFM放送局国等の設置した中短波市の陸上移動局や基地局の無線設備の外部の転換装置の技術操作を行うことができます。
また,第三級陸上特殊無線技士の操作範囲の操作を行うことができます。第三級陸上特殊無線技士は、自動車等に設置したVHF・UHF帯の陸上移動同一空局の無線設備の外部の転換装置の技術操作を行うことができます.
国家試験
1国家試験科目
第一級陸上特殊無線技士の国家試験科目およびその内容は,無線従事者規則に次のように定められています.
無線工学
(1)多重無線設備(空中線系を除く.)の理論,構造および機能の概要
(2)空中線系等の理論,構造および機能の概要
(3)多重無線設備および空中線系等のための測定機器の理論,構造および機能の概要
(4)多重無線設備および空中線系並びに多重無線設備および空中線系等のための測定機器の保守および運用の概要
法規
電波法およびこれに基づく命令の概要
2試験問題の形式
問題の形式,問題数,配点,満点,合格点,試験時間を表1に示します.また,無線工学の試験問題の一例を様式1に,法規の試験問題の一例を様式2に示します。試験問題(B4サイズ)と答案用紙(A4サイズ)が同時に配られます.答案用紙はマークシート形式です.なお,試験問題は持ち帰ることができます。
一陸特の試験は,無線工学および法規の問題が同時に配付されて実施され,試験時間は3時間です。合格するには,無線工学,法規いずれも合格点を取らなくてはなりません.
無線工学の問題は1問5点で24問あり,合計が120点,120点満点のうち60%以上の75点以上が合格点です.
法規の問題は1問5点で12問あり,合計が60点.60点満点のうちの60%以上の40点以上が合格点です.
表1試験問題の形式
科目 | 問題の形式 | 問題数 | 配点 | 満点 | 合格点 | 試験時間 |
無線工学 | 4または5肢択一式 | 24 | 1問5点 | 120点 | 75点 | 3時間 |
法規 | 4肢択一式 | 12 | 1問5点 | 60点 | 40点 |
様式1無線工学の試験問題の一例
答案用紙記入上の注意:答案用紙のマークには、正答と判断したものを一つだけマークすること。
第一級陸上特殊無線技士「無線工学」試験問題
[1]次の記述は、静止衛星を用いた衛星通信の特徴について述べたものである。□内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。
(1)静止衛星のAは、赤道上空にあり、静止衛星が地球を一周する公転周期は、地球の自転周期と等しく、また、静止衛星は地球の自転の方向とB方向に周回している。
(2)静止衛星から地表に到来する電波は極めて微弱であるため、静止衛星による衛星通信は、春分と秋分のころに、地球局の受信アンテナビームの見通し線上から到来するCの影響を受けることがある。
ABC
1円軌道同一太陽雑音
2円軌道逆空電雑音
3極軌道逆太陽雑音
4極軌道同一空電雑音
1超短波(VHF)帯の電波に比較して、地形、建造物及び降雨の影響が少ない。
2自然雑音及び人工雑音の影響が大きく、良好な信号対雑音比(S/N)の通信回線を構成することができない。
3アンテナの指向性を鋭くできるので、他の無線回線との混信を避けることが比較的容易である。
4周波数が高くなるほど降雨による減衰が小さくなり、大容量の通信回線を安定に維持することが容易になる。 [3]図に示す回路において、端子ab間に直流電圧を加えたところ、5.0[Ω]の抵抗に1.5[A]の電流が流れた。端子ab間に加えられた電圧の値として、正しいものを下の番号から選べ。
18[V] 2100[V] 312[V] 414[V] 516[V] [4]図に示す回路において、抵抗Rの両端の電圧の値として、最も近いものを下の番号から選べ。
※図省略
175[V] 290[V] 3105[V] 4120[V] 5135[V] [5]図に示す負帰還増幅回路例の電圧増幅度の値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、帰還をかけないときの電価圧増幅度Aを90、帰還率Pを0.2とする。
13.5
27
37.2
49.0
518.0
第一級陸上特殊無線技士「法規」試験問題
法規12問
無線工学24問
3時間
解答は、答えとして正しいと判断したものを一つだけ選び、答案用紙の答えの欄に正しく記入(マーク)すること。
[1]次の記述のうち、無線局の予備免許の際に総務大臣から指定される事項に該当するものはどれか。電波法(第8条)の規定に照らし、下の1から4までのうちから一つ選べ。1無線局の目的
2運用許容時間
3無線設備の設置場所
4通信の相手方及び通信事項 [2]次の記述は、無線局の免許の有効期間及び再免許の申請の期間について述べたものである。電波法(第13条)、電波法施行規則(第7条)及び無線局免許手続規則(第17条)の規定に照らし、□に入れるべき最も適切な字句の組合せを下の1から4までのうちから一つ選べ。なお、同じ記号の□内には、同じ字句が入るものとする。
1免許の有効期間は、免許の日から起算してAを超えない範囲内において総務省令で定める。ただし、再免許を妨げない。
2特定実験試験局(総務大臣が公示する周波数、当該周波数の使用が可能な地域及び期間並びに空中線電力の範囲内で開設する実験試験局をいう。以下同じ。)の免許の有効期間は、Bとする。
3固定局の免許の有効期間は、Aとする。
4再免許の申請は、特定実験試験局にあっては免許の有効期間満了前1箇月以上3箇月を超えない期間、固定局にあっては免許の有効期間満了前Cを超えない期間において行わなければならない。ただし、免許の有効期間が1年以内である無線局については、その有効期間満了前1箇月までに行うことができる。
5免許の有効期間満了前1箇月以内に免許を与えられた無線局については、4の規定にかかわらず、免許を受けた後直ちに再免許の申請を行わなければならない。
ABC
15年当該周波数の使用が可能な期間3箇月以上6箇月3箇月以上6箇月
25年当該実験又は試験の目的を達成するために必要な期間1箇月以上1年
32年当該実験又は試験の目的を達成するために必要な期間1箇月以上1年
42年当該周波数の使用が可能な期間1箇月以上1年
1「災頭電力」とは、通常の動作状態において、変調包絡線の最高災頭における無線周波数1サイクルの間に送信機から空中線系の給電線に供給される平均の電力をいう。
2「平均電力」とは、通常の動作中の送信機から空中線系の給電線に供給される電力であって、変調において用いられる平均の周波数の周期に比較して十分長い時間(通常、平均の電力が最大である約2分の1秒間)にわたって平均されたものをいう。
3「搬送波電力」とは、変調のない状態における無線周波数1サイクルの間に送信機から空中線系の給電線に供給される平均の電力をいう。ただし、この定義は、パルス変調の発射には適用しない。
4「規格電力」とは、終段真空管の使用状態における出力規格の値をいう。
3各項目ごとの出題数各項目ごとのおおよその出題数は、表2のようになります。
表2項目ごとの出題数
無線工学
項目 | 問題数 |
多重通信システムの概要 | 3 |
基礎理論 | 4 |
変調 | 2 |
送受信装置 | 3 |
中継方式 | 2 |
レーダー | 2 |
アンテナ | 2 |
電波伝搬 | 3 |
電源 | 1 |
測定 | 2 |
合計 | 24 |
法規
項目 | 問題数 |
電波法の概要 | 1 |
無線局 | 1 |
無線設備 | 3 |
無線従事者 | 1 |
無線局の運用 | 2 |
監督 | 2 |
罰則 | 1 |
書類 | 1 |
合計 | 12 |
4試験問題の解答の方法
答案用紙を様式3に示します。記入例にあるように正解の番号を一つだけ鉛筆でぬりつぶします。
5試験の申請
1試験地
全国11の試験地で試験が行われます。試験地は、表3の通りです。
2試験の日程
毎年2月,6月,10月に実施されます.
3試験の受付期間
2月の試験は、12月1日ごろから20日ごろまで
6月の試験は、4月1日ごろから20日ごろまで
10月の試験は、8月1日ごろから20日ごろまで
(注)日時や受付期間等については,表3(p..xvi)の(公財)日本無線協会(以下「協会」といいます.)のホームページや電話等で確認してください。
6申請手続き
1インターネットによる申請
由請書類によらないで、インターネットを利用して次のように申請手続きを行うことができます。
(ア)協会のホームページから「無線従事者国家試験申請システム」にアクセスします
(イ)「試験情報」画面から申請する国家試験の資格を選択します。
(ウ)「試験申請書作成」画面から住所,氏名等を入力し送信します.
(エ)「申請完了」画面が表示されますので,「整理番号」と「申請日」を記録(プリントアウト)します。
(オ)郵便局(ゆうちょ銀行)に備え付けてある郵便振替払込用紙を使用して,試験手数料を払い込みます。このとき,所定の欄の住所,氏名および通信欄に(エ)の「整理番号」を記入します。払込期限日までに試験申請手数料の払込を済ませておかないと,申請の受付が完了しないので注意してください.
2書類による申請
(ア)提出書類協会の定める様式による試験申請書
(イ)申請書等の入手方法協会の事務所または無線従事者関係図書取扱店等で入手できます。協会の事務所あてに郵送により申請用紙を請求する場合は,封筒の表面に「一陸特用受験用紙請求」と朱書きし、用紙代(120円)と郵送料(82円)として202円分の郵便切手(2018年2月現在の料金)を同封して申し込んでください。
(ウ)申請書の提出先・受付時間
希望する試験地を担当する協会の事務所(表3)あてに郵送するか,または直接事務所に持参してください.事務所での受付時間は、月曜日から金曜日まで(祝日を除く.)の午前9時30分から午後5時までです。
3受験時に提出する写真
試験の申請をすると,国家試験の行われる月の前月の中旬ごろに協会から受験票・受験整理票(様式4)が送られてきます.これに写真を貼って受験するときに提出します.このため、あらかじめ写真を手元に用意しておいてください。写真の規格は無帽、正面,上3分身,無背景,白わくのない試験日前6か月以内に撮影した縦3.0(cm),横2.4[cm]のもので,裏面に氏名・生年月日を記載したものです.
4試験手数料および受験票送付用郵送料
手数料は5,362円です(2018年2月現在).手数料は改訂されることがあります.ホームページの試験案内等で確認してから払い込んでください.
5その他
(ア)試験日の10日前ごろまでに受験票・受験整理票が手元に届かない場合は,申請書を提出した協会の事務所に問い合せてください試験日を過ぎてからでは試験が受けられなくなるので注意してください。
(イ)申請書提出後その申請書に記載した現住所に変更が生じたときは、速やかに近くの郵便局に住所変更届(転居届)を提出しておいてください。
(ウ)試験日時は試験施行の都合により変更することがあります.
(エ)試験場には駐車場はありません.
(オ)その他不明の点は協会の事務所に問い合せてください。
試験当日の注意
受験票・受験整理票に所定の写真を貼ったものを必ず持参し、試験開始時刻の15分前までに試験場に入場します。受験票・受験整理票(様式4)の注意をよく読んで受験してください。
試験結果通知書
試験終了後3週間ほどで無線従事者国家試験結果通知書が送られてきます。はがきの圧着された箇所をはがすと結果がでてきます。合格の場合は無線従事者免許の申請を行うことができます。
無線從事者免許申請書
国家試験の試験場で販売(170円)される申請書類一式によって申請します。無線従事者免許申請書(様式5),郵便振替払込用紙、申請書送付用封筒、免許証送付用封筒が一式となっています。なお、総務省の電波利用ホームページより申請書がダウンロードできますので、これを印刷して申請することもできます。
表3試験地および協会の所在地(申請書の提出先)
試験地 | 事務所の名称 | 所在地 | 電話 |
東京 | (公財)日本無線協会本部 | 〒104-0053 東京都中央区晴海3-3-3 | (03)3533-6022 |
札幌 | (公財)日本無線協会北海道支部 | 〒060-0002 札幌市中央区北2条西2-26 道特会館 | (011) 271-6060 |
仙台 | (公財)日本無線協会東北支部 | 〒980-0014 仙台市青葉区本町3-2-26 コンヤスビル | (022)265-0575 |
長野 | (公財)日本無線協会信越支部 | 〒380-0836 長野市南県町 693-4共栄火災ビル | (026) 234-1377 |
金沢 | (公財)日本無線協会北陸支部 | 〒920-0919 金沢市南町 4-55WAKITA 金沢ビル | (076)222-7121 |
名古屋 | (公財)日本無線協会東海支部 | 〒460-8559 名古屋市中区丸の内3-5-10 名古屋丸の内ビル | (052)951-2589 |
大阪 | (公財)日本無線協会近畿支部 | 〒540-0012 大阪市中央区谷町1-3-5 アンフィニィ・天満橋ビル | (06)6942-0420 |
広島 | (公財)日本無線協会中国支部 | 〒730-0004 広島市中区東白島町220-8 川端ビル | (082)227-5253 |
松山 | (公財)日本無線協会四国支部 | 〒790-0814 松山市味酒町 1-10-2ゴールドビル味酒 | (089) 946-4431 |
熊本 | (公財)日本無線協会九州支部 | 〒860-8524 熊本市中央区辛島町67いちご熊本ビル | (096) 356-7902 |
那霸 | (公財)日本無線協会沖縄支部 | 〒900-0027 那覇市山下町 18-26山下市街地住宅 | (098)840-1816 |
本書の使い方
1本書の構成
本書は、章ごとに重要知識,国家試験問題で構成しています.まず,国家試験問題を解くために必要な用語や公式等を,重要知識で学習してください重要知識では,現在,出題されている国家試験の問題に合わせて,試験問題を解くために必要な知識をまとめてあります.重要知識をマスターしたら,次に,国家試験問題を解いてみてください。実際に出題された問題を解くことによって,試験問題を解答するための力をつけるとともに,理解度を確かめながら学習していくことができます。本書を最初のページから順番に読んでいけば,短期間で国家試験合格への知識が身につくようになっています.
2重要知識
1国家試験問題を解答するために必要な知識をまとめてあります.
2各節の出題項目Check!には,各節から出題される項目があげてありますので,学習のはじめに国家試験に出題されるポイントを確認することができます.また,試験直前に,出題項目をチェックして,学習した項目を確認するときに利用してください.
3太字の部分は,国家試験問題を解答するときのポイントになる部分です.特に注意して学習してください.
4Pointには,国家試験問題を解くために必要な用語や公式等についてまとめてあります.
5用語,計算は、本文を理解するために必要な用語や数学の計算方法等を説明してあります。
6各節の試験の直前Check!には,国家試験問題を解くために必要な用語や公式等をあげてあります。学習したらチェックしたり,試験の直前に覚えにくい内容のチェックに利用してください.また、各問題にも口コのチェックボックスがあります。学習したらチェックしたり,試験の直前に見直す問題のチェックに利用してください。
3国家試験問題
1最近出題された問題を中心に、項目ごとに必要な問題をまとめてあります.
2実際の国家試験では,過去に出題された問題とまったく同じ問題が出題されることもありますが、計算の数値が変わっていたり、正解以外の選択肢の内容が変わって出題されることがあります。また、穴埋め式の問題では,穴の位置を変えて出題されることがありますので、解答以外の内容についても学習してください。
3各問題の解説のうち,計算問題については、計算のやり方を示してあります。
式を覚えることは重要ですが,それだけでは答えを出せませんので,計算のやり方をよく確かめて計算方法になれてください。また、いくつかの用語のうちから一つを答える問題では,そのほかの用語も示してありますので,それらも合わせて学習してください。
目次 – やさしく学ぶ 第一級陸上特殊無線技士試験 改訂2版
まえがき
光は、太陽や星の光として,人が目から直接感じることができるため、有史以来,さまざまな研究の対象にされ、イギリスのニュートン(I.Newton,1642-1727)をはじめ,多くの学者がかかわってきました。
それに対して、電波は人が直接感じることができませんが,電磁気に関するさまざまな現象と議論をまとめたイギリスのマクスウェル(J.C.Maxwell,1831-1879)の理論によって,はじめて人に意識されるようになりました。1888年,ドイツのヘルツ(H.R.Hertz,1857-1894)によって,電波の存在が実証され,1895年,イタリアのマルコーニ(G.Marconi,1874-1937)が無線電信の実験に成功し,電波の実用化に第一歩を踏み出しました。
1912年に豪華客船タイタニック号が遭難したときに無線電信が使われています.現在,多くの人が毎日のように電波を利用していますが,まだ100年ほどしか経過していません.
電波は1秒に3×108m](30万km)進みます。電波は直進し,拡散性があり,通信,放送,無線航法など多くの分野に利用され,人命の安全確保にも大きく貢献しています。
有線通信では混信は発生しませんが,無線通信においては複数の人が同じ周波数の電波を使うと混信が発生しますので,自分勝手に自由に電波を使うことはできません。そのため、国際的,国内的にも約束事が必要になってきます。国際的には1906年に国際無線電信連合が設立され、国内的には1915年に無線電信法が制定されました。その後,無線電信法は,1950年に電波法となり現在に至っています。
無線従事者資格も時代とともに変遷しています。現在の無線従事者資格は、「総合無線従事者」「海上無線従事者」,「航空無線従事者」,「陸上無線従事者」,「アマチュア無線従事者」の5系統に分かれており,全部で23種類あります.そのうち、特殊無線技士と呼ばれる資格は,海上が4資格,航空が1資格,陸上が4資格の合計9資格です。陸上特殊無線技士の4資格は、「第一級~第三級陸上特殊無線技士」と「国内電信級陸上特殊無線技士」です。
本書は「第一級陸上特殊無線技士」の国家試験に合格できるようにまとめたものです。「第一級陸上特殊無線技士」の有資格者は,陸上の無線局の空中線電力600W以下の多重無線設備(多重通信を行うことができる無線設備でテレビジョンとして使用するものを含む)で30MHz以上の周波数の電池術操作が可能です。国家試験の試験科目は、「無線工学」との2科目で,毎年の受験者は約1万人程です。
特殊無線技士は一番受験者数が多い資格ですが、その合格率は概ね30%程度です士の中では低い合格率ですが,「無線工学」と「法規」に関する基本しっかりと学習し、過去問を繰り返し解けば合格に近づきます。
本書は基本的な事項を解説した後、理解の確認ができるような練習問題を掲載しています。練習問題は,過去に出題された問題から厳選していますので、解けるようになる。繰り返しチャレンジしてみてください。
改訂2版では、最新の国家試験問題の出題状況に応じて,問題の追加・変更を行っています。それに合わせて、本文のテキスト解説だけでなく、問題の解説についても見直しを行い、わかりにくい部分や計算過程についての解説を増やしています。
第一級陸上特殊無線技士試験の講習会の講師を長年担当していますが、受講生の合格率を見てみると,ある程度理解して計算問題が解ける人の合格率は高く、逆に,過去問の暗記のみで試験に臨んだ人の合格率はそれほど高くありません。暗記だけに頼らず,ぜひ実際に手を動かして計算問題を解いてみてください。計算問題が解けるようになれば合格率は高くなります.
「第一級陸上特殊無線技士」を取得するための勉強は、将来,さらに上級の「第二級陸上無線技術士」「第一級陸上無線技術士」などの資格を取得されるときのステップにもなりますので十分学習して資格を取得されることをおすすめします。
本書が皆様の第一級陸上特殊無線技士の国家試験受験に役立てば幸いです。
2018年7月
吉村和昭
目次
1編 無線工学
1章 多重通信システムの概要
1.1電波とは
1.2電波の速度
1.3電波の周波数と波長
1.4電波の周波数と波長による名称と用途
1.5マイクロ波による通信
1.6多重通信方式
1.7PCM通信方式
1.8マイクロ波通信におけるデジタル通信とアナログ通信の比較
1.9パケット交換方式
2章 基礎理論
2.1直流回路
2.2交流回路
2.3フィルタ
2.4抵抗減衰器
2.5分布定数回路と給電線
2.6デシベル
2.7半導体
2.8ダイオード
2.9トランジスタ
2.10電子管
2.11電子回路
3章 変復調
3.1アナログ変調
3.2アナログ復調
3.3デジタル変調
3.4デジタル復調
3.5符号誤りと誤り訂正
4章 無線送受信装置,多重通信システム
4.1FM送信機
4.2FM受信機
4.3雑音
4.4多重通信方式
4.5衛星通信
5章 中継方式
5.1ヘテロダイン中継方式
5.2検波(再生)中継方式
5.3直接中継方式
5.4無給電中継方式
5.52周波中継方式
6章 レーダー
6.1パルスレーダー
6.2レーダー方程式とパルスレーダーの性能
6.3レーダーの表示形式
6.4パルスレーダー特有の電子回路
6.5CWレーダー
7章 空中線系
7.1アンテナの長さと電波の波長
7.2アンテナのインピーダンス,指向性,利得
7.3基本アンテナ
7.4各種アンテナ
7.5給電線と整合
8章 電波伝搬
8.1電波の速度と電波伝搬
8.2VHF,UHF,SHF電波の伝搬
8.3自由空間中における電界強度
8.4自由空間基本伝送損失
8.5受信機の入力電力
8.6平面大地上の電波伝搬
8.7電波の屈折
8.8幾何学的見通し距離と電波の見通し距離
8.9不均一大気中の電波伝搬
8.10電波の回折
8.11フェージング
8.12フェージングの軽減法
9章 電源
9.1電源回路
9.2電池と蓄電池
9.3無停電電源装置
10章 測定
10.1指示電気計器
10.2分流器と倍率器
10.3テスタ
10.4周波数カウンタ(計数形)
10.5マイクロ波電力の測定
10.6マイクロ波の電圧定在波比の測定
10.7標準信号発生器
10.8オシロスコープ
10.9スペクトルアナライザ
10.10ビット誤り率の測定
10.11アイパターン
10.12増幅器の電力利得の測定
2編 法規
1章 電波法の概要
1.1電波法の目的と電波法令
1.2用語の定義
2章 無線局の免許等
2.1無線局の開設と免許
2.2無線局の免許の欠格事由
2.3無線局の免許の申請と審査
2.4予備免許の付与
2.5予備免許の工事設計等の変更
2.6工事落成及び落成後の検査
2.7免許の付与,免許の有効期間と再免許
2.8免許状の訂正と再交付
2.9免許内容の変更
2.10無線局に関する情報の公開等
2.11電波の利用状況の調査等
3章 無線設備
3.1無線局の無線設備
3.2電波の型式と周波数の表示
3.3電波の質
3.4送信設備の一般的条件
3.5受信設備の一般的条件
3.6付帯設備の条件
3.7人工衛星局の条件
3.8無線設備の機器の検定
4章 無線従事者
4.1無線設備の操作
4.2主任無線従事者
4.3無線従事者の資格
4.5無線従事者免許証
5章 運用
5.1目的外使用の禁止(免許状記載事項の遵守)
5.2混信等の防止
5.3擬似空中線回路の使用
5.4通信の秘密の保護
5.5無線局の通信方法及び無線通信の原則及び用語等
5.6無線電話通信の方法
5.7非常通信
5.8非常時運用人による無線局の運用
6章 業務書類等
6.1備付けを要する業務書類等
6.2無線局検査結果通知書
6.3無線業務日誌
7章 監督等
7.1公益上必要な監督
7.2不適法運用等の監督
7.3一般的監督(無線局の検査)
7.4基準不適合設備
7.5電波利用料
7.6罰則
参考文献
索引