「国内旅行業務取扱管理者」と「通訳案内士」について徹底解説！どんな違いがある?
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国内旅行業務取扱管理者の概要
利用者に旅行をサービスする責任者として、旅行業務全般の管理及び監督を行うのが旅行業務取扱管理者です。
旅行業界唯一の国家資格で、旅行業務を扱う営業所で必要になります。具体的な仕事場としては旅行代理店や旅行業者が挙げられます。
旅行業者は、旅行業法により旅行業務取扱管理者の資格を持つ者を各営業所に1名は配置しなければならないと決まっているため、需要があります。
旅行業務取扱管理者は、主に国内旅行業務取扱管理者と総合旅行業務取扱管理者に分けられますが、双方が最も大きく違うところは扱える旅行の範囲です。総合旅行業務取扱管理者が国内外の旅行業務に携われるのに対し、国内旅行業務取扱管理者は日本国内での旅行のみとなります。この他に、特定のエリア限定の旅行を取り扱うことのできる地域旅行業務取扱管理者もあります。
国内旅行業務取扱管理者を取得するメリット
次に、国内旅行業務取扱管理者の資格を取得するメリットを見ていきましょう。
主なメリットについて紹介していきます。
●就活で有利に
国家資格であるため、就職の際に知識や能力の証明ができるようになります。旅行業界を目指す場合、無資格の人と差別化することができます。
●起業することが可能になる
旅行業務取扱管理者資格を取得することで自分一人でも旅行会社を営業できるようになるので、起業することができるようになります。将来は旅行会社を立ち上げたいと考えている人にとって有効な資格です。
●収入アップやキャリアアップが期待できる
国内旅行業務取扱管理者の資格を取得することで、給料アップや特別手当がもらえたり、昇進などキャリアアップも期待できます。
●試験免除制度
旅行業務取扱管理者の資格を持っている場合、通訳案内士の試験で免除制度が受けられます。具体的には、全部で5科目あるうちの1科目が免除となるため、大きく有利に受験することができます。
今回は、この通訳案内士試験の科目免除制度について説明していきます。
通訳案内士とは
日本に訪れた外国人を、観光地に案内するのが主な業務です。
その中で、日本の文化、伝統、習慣や歴史など、魅力を外国語で伝えていく仕事です。
また、宿泊先の予約、旅程管理、トラブルが発生した際の対応も行うため、外国語のスキルは必須です。
さらに、日本の文化や歴史などを正確に伝えるための十分な知識も必要です。
通訳案内士試験について
通訳案内士試験は誰でも受験することができます。
試験は、1次試験と2次試験に分かれており、1次試験はペーパー上のテストで、2次試験は口頭試問になります。
1次試験の内訳は、外国語、通訳案内の実務、日本地理、日本歴史、一般常識の5つに分けられます。
通訳案内の実務と一般常識でそれぞれ30点/50点、その他の科目で7割を取る必要があります。
合格率は平均して15%程度であり、難易度の高い試験となっています。
実は、旅行業務取扱管理者の試験に合格すると、全国通訳案内士の1次試験で地理科目が免除されるといった制度があります。
通訳案内士の合格率が旅行業務取扱管理者の合格率より低いため、旅行業務取扱管理者資格に先に合格しておくと、通訳案内士試験で有利になることがあるのです。
具体的な通訳案内士の合格率は、2016年が21.3%、2017年が15.6%、2018年が9.8%、2019年が8.5%、2020年が9.6%となっています。
対して、旅行業務取扱管理者の合格率は、2016年が33.1%、2017年が38.6%、2018年が39.6%、2019年が40.5%、2020年が37.7%となっています。
ただし、旅行業務取扱管理者試験は決して簡単ではありません。
確かに合格率は比較的高いですが、通訳案内士試験の科目免除だけの目的で旅行業務取扱管理者試験を受験するのは、あまりおすすめできません。
後述しますが、旅行に関して複数の資格取得を目指す人は、旅行業務取扱管理者を先に受験するのがおすすめでしょう。
通訳案内士と旅行業務取扱管理者をどちらも取得すると…？
旅行業務取扱管理者を取得すると、自分で旅行会社を営業できるようになります。
そして、通訳案内士は自分で旅行の案内ができます。
つまり、この2つの資格の両方を持っていると、自分の働く旅行会社でできた旅行の仕事で通訳案内士として案内もできるようになるのです。
さらに、旅程管理主任者の資格も取得すると、ツアーコンダクターとしてスケジュール調整などもできるようになり、旅行に関して全般の仕事ができるようになります。
旅行業に関する資格は、単体でも十分意義がありますが、旅行業務取扱管理者の資格を取得したら別の資格も取得することをおすすめします。複数の資格を持つことで仕事の幅が何倍にも広がるので、より思い通りの旅行を実現することができるようになるでしょう。
まとめ
これまで、主に通訳案内士の資格試験について説明してきました。
確かに、国家資格ということもあって合格率の低さに目がいってしまうかもしれません。ただし、取得した後のメリットを考えたら、旅行業界を志している方々には是非取得していただきたい資格です。
他資格による免除制度、複数の資格を組み合わせた時の相乗効果など、自身の仕事の幅が大きく広がることでしょう。
