家電製品アドバイザー資格 CSと関連法規 2021年版 (家電製品協会認定資格シリーズ)
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まえがき
百年に一度とも言われるパンデミックによって私たちの生活は変化を余儀なくされ、今やテレワーク、オンライン、ソーシャルディスタンスなどの言葉に代表される新たなライフスタイルが定着しつつあると考えられます。そして、その変化は、ここ数年著しい進化を遂げているIoT・AI、ロボット、ビッグデータ、さらには商用化が始まった第5世代移動通信システム(5G)といった革新的な技術の台頭と相まって、パンデミックの災禍に即応すべく社会インフラを含めたさまざまな場面で変化のスピードを押し上げています。
このように社会が大きく変化するなかで、当然ながら家電製品も例外ではありません。とりわけ、IoTが意味する『つながる』というコンセプトは、単体製品では実現しえなかった新たなサービスを生み出し、さらには、AIの特徴能力である『経験の蓄積による成長(Deep Learning)』は、かつて私たちが経験したことのない未知の価値創造に挑もうとしています。
このような状況下、私たち家電関連ビジネスに携わる者が、将来にわたりこのビジネスを維持・拡大していくためには、自らが現下の変化に追随し、あるいは自ら変化を先導することで、顧客の信頼と期待を得つづける必要があることは言うまでもありません。
「家電製品アドバイザー」は、知識面で『今、知っておくべきこと』を追求する資格です。その知識は、「①原理・基本構造などの普遍的な基礎知識」、「②普遍化しつつある新知識」、「③注目すべき新知識」という3層構造として捉え、これらをバランスよく習得することで、顧客と向き合った際に役立つ“実践力”が養われます。もちろん、本書も家電製品の販売や設置、あるいは顧客からの相談業務等に従事される方々などの実践力向上を目指し、より効率的・効果的に学習していただけるように、「顧客満足(CS)」を販売の現場で実践するうえで基本であり必須スキルともいえるお客様に対する言葉づかいや接客マナーなど、CS実践のためのポイントを丁寧に解説しています。また、「関連法規」では、家電販売に関わる基本的な法規やルールはもとより、注目すべき新たな法改正の動向を紹介しています。ぜひ、ご精読いただき、実践力の向上、資格の取得に役立てていただけることを願っています。
なお、本書の発行時期(2020年12月)では、最新の技術・製品情報、あるいは法規の情報を盛り込むように努めましたが、ご承知のとおり、変化のスピードはすさまじいものがありますので、日頃より、当協会、メーカーが発信いたします情報などを自ら収集され学習いただきますようお願いします。
2020年12月
一般財団法人 家電製品協会
家電製品アドバイザー資格
CSと関連法規 2021年版
執筆委員・編集委員・監修
【執筆委員】
ソニーマーケティング株式会社 河内幸紀
東芝コンシューママーケティング株式会社 齋藤正明
パナソニック株式会社 松尾泰伸
株式会社三菱電機ライフネットワーク 工藤卓
【編集委員】
一般財団法人 家電製品協会 鉄田浩司
【監修】
一般財団法人 家電製品協会 森拓生
[目次]
まえがき
1章 CS総論
1.1 「CS(顧客満足)」って何だろう?
1.2 CSの視点とお客様からの評価
1.3 経営におけるCSの位置づけと実務への展開
1.4 CS向上のために各店・従業員が実践すべき基本事項
2章 現代社会のCS
2.1 デジタル時代のCS
2.2 高齢社会におけるCS
2.3 訪日外国人のお客様へのCS
3章 礼儀・マナーの基本
3.1 「おもてなし」こそが差異化のポイント
3.2 おもてなし接客とは
3.3 お客様への対応の基本
3.4 接客時の基本マナー
4章 販売におけるCSポイント
4.1 販売前のCSポイント~準備編~
4.2 販売時のCSポイント~接客編~
4.3 販売後のCSポイント~アフターフォロー編~
5章 不具合発生時のCSポイント
5.1 お客様の依頼に迅速・親切に対応しているか
5.2 お客様の合意を得て修理に着手しているか
5.3 高い技術力と好印象を与えるマナーで確実に修理しているか
6章 環境・省エネに関する法規
6.1 地球環境保全への取り組み
6.2 循環型社会を形成するための法体系
6.3 リサイクルの基本(資源有効利用促進法と「3R」の取り組み)
6.4 リサイクルの取り組みと法規(家電・小型家電・PC・電池)
6.5 エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)
6.6 電気・電子機器の特定の化学物質の含有表示(J-Moss)
6.7 電力システム改革およびそれらに関連する法規
6.8 太陽光発電システム導入に係る関連法規
7章 消費者とのコミュニケーションに際して留意すべき法規
7.1 消費者の生活に関する法規
7.2 改正民法(債権分野)
7.3 特定商取引に関する法律(特定商取引法)
7.4 消費税法
7.5 個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)
7.6 割賦販売法
7.7 携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律(携帯電話不正利用防止法)
7.8 家庭用品品質表示法
7.9 産業標準化法とJISマーク表示制
7.10 Sマーク認証制度
8章 知的財産保護に関する法規
8.1 商標法
8.2 著作権法
8.3 不正競争防止法
9章 独占禁止法・景品表示法とそれらに関連するルール
9.1 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)
9.2 大規模小売業者による納入業者との取引における特定の不公正な取引方法(大規模小売業告示)
9.3 家庭用電気製品の流通における不当廉売、差別対価等への対応(家電ガイドライン)
9.4 流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針(流通・取引慣行ガイドライン)
9.5 不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)
9.6 家電業界の公正競争規約
10章 製品安全に関する法規
10.1 製品を安全に使用するために
10.2 電気用品安全法(電安法)
10.3 消費生活用製品安全法(消安法)
10.4 製造物責任法(PL法)
10.5 消防法
10.6 電気工事士法
10.7 高圧ガス保安法
10.8 電波法
10.9 航空法(無人航空機の飛行ルール)
10.10 お知らせアイコン
10.11 表示および図記号
索引
一般財団法人 家電製品協会認定の「家電製品アドバイザー試験」について