合格するための過去問題集 日商簿記3級 ’20年6月検定対策 (よくわかる簿記シリーズ)
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はしがき
本書は、日本商工会議所および各地商工会議所が主催する簿記検定試験で出題された過去の本試験の問題および解答・解説を収録し、編纂したものです。
TAC出版では、新出題区分を踏まえて過去問題の分析をそのつど行い、試験ごとに改訂を行っておりますので、安心してご利用ください。学習にあたっては、第1部(巻頭)の「TAC式出題別攻略テクニック編」で、本試験の出題傾向とその攻略テクニックを理解したうえで、第2部の過去の本試験問題にチャレンジしてください。そのために次のような工夫がしてあります。
○第1部「TAC式出題別攻略テクニック編」では、過去に出題された問題や新出題区分に対応した仕訳問題を、第1問対策として取り上げています。また、第2問から第5問対策として、出題頻度の高い問題の攻略テクニックについて解説をしています。
○第2部「出題回数別過去問題編」では、過去問を実施回数別に掲載し、その解答と解説(解答への道)を収録してあります。本試験形式の5問構成の問題を解く手順を練習するとともに、論点ごとの知識を確認してください。
また、巻末には、答案用紙を抜き取り式で収録してあります。なお、答案用紙の最初にチェック・リスト(実施回別得点一覧表)がありますので、これを活用し、過去問演習を繰り返すことで、知識を確かなものにしてください。
本書の解説(解答への道)には、TAC簿記検定講座が教室講座および通信講座の運営を通じて培ったノウハウが随所に生かされていますので、きっとご満足いただけるものと思います。
読者のみなさんが合格され、新たな一歩を歩まれますよう、心よりお祈り申し上げます。
2020年2月
TAC簿記検定講座
学習の進め方
本書の使い方
第1部 TAC式出題別攻略テクニック編)
第1問対策
巻頭にある「TAC式出題別攻略テクニック編」は、第1問対策として出題内容別に取り上げています。さらにその内容の難易度は易しいものから順に整理されています。各仕訳のポイント、別撃などをのせています。解答を理解するうえで役立ててください。
会計基準や試験範囲が変更されている点についても、現行の会計基準、試験範囲に準装するように改題してありますので、安心して問題演習が行えます。
必要に応じて「計算式」を入れています。
第2~5問対策
第2問から第5問までの内容は、確実に解答したい既出問題を解答手順とともに示してあります。必要に応じて典型的な問題の「出題パターン」を示しています。
問題
「出題パターン」のアドバイスに従って、問題を解いていきましょう。
答えとなる部分は、一目でわかるよう色文字となっています。
解答への道
「出題パターン」の各Stepに沿って「解答への道」が示されています。この解説をしっかりと理解して、第2部への準備としましょう。
第2部 出題回数別過去問題編
過去問題は回数別に収録してありますので、時間配分を考えながら過去問演習を行ってください。解答にあたっては巻末に収録されている「答案用紙」を抜き取ってご利用ください。
問題
制限時間を示しています。時間を計って解いてみましょう。出題区分の変更や会計基準の変更にともない放題した問題を示しています。また、出題範囲外となった問題については削除しております。
設問ごとに目標タイムを示しています。解答時間の目安にしましょう。xii~xinページに過去の「出題論点一覧表」がありますので、得意な問題(回)から解き始めて、ある程度の実力が付いたら苦手な問題(回)を解くとよいでしょう。
解答
予想採点基準を示しています。解き終わったら採点をしてみましょう。別に解答が考えられる場合、「別」として入れてあります。
解答への道
問題の全体講評と、その回の平均合格率(全国)を示していますので、難易度を一目で知ることができます。
A:普通の問題、B:やや難しい問題、C:難しい問題と問題の難易度を示しています。Aランクの問題は確実にできるようにしておきましょう!
合格するための3ステップ
はじめて簿記を学習する方は、簿記検定試験の受験にあたって、次の3つのステップ(段階)を踏まえて学習を進めるとよいでしょう。
内容 | 使用教材 | ||
インプット | 学習すべき項目の一つ一つの論点 につい て、正確に知識を身に付けることが大切 です。 このとき1日にまとめて学習するよりは 毎日1~2時間ずつ学習することをお勧 めします。 「簿記は「慣れる」ことが大切です。 |
◆ 日商簿記3級合格テキスト ◆ 日商簿記3級合格トレーニング |
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アウトプット | 過去問題研究 | 本書の「TAC式出題別攻略テクニック編」 を理解することで、その出題傾向をつかん でください。出題傾向を知ることで、より 効果的な学習が可能となります。 なお、解答は第1問から順に解く方法もあ りますが、第3問、第5問・・・というように問 題別に解くことも効果的です。 | ◆ 日商簿記3級 合格するための過去 問題集 (TAC式 出題別攻略テクニック編 付き) |
予想問題演習 | 予想問題を解くことで、最後の総仕上げをします。 ここでは時間配分はもちろん、苦手な問題を作らないようにしましょう。 | ◆ 日商簿記3級 第155回(6月)をあてるTAC直前予想 ◎さらに通信講座「直前パック」を利用しましょう。 |
(注)使用教材は発行時期によりバージョン(改訂版)が変更されていますので、ご注意ください。
出題論点を知ろう!
日商簿記検定3級は全部で5題の問題が出題され、100点満点中の70点以上が合格となります。はじめは100点満点をねらうのではなく、時間内に正確に解答できるようペース配分を身に付けることが重要です。過去における出題傾向は次に示すとおりですが、出題区分の改定にともなう新しい出題傾向も予想されるので、本書の第1部で、しっかりと対策してください。
出題傾向 | 配点 | 解答時間 | |
第1問 | 仕訳形式で解答を求められる問題5題が出題されます。 具体的な出題内容は、「TAC式 出題別攻略テクニック編」と「出題論点一覧表」に示してありますので、まずは出題頻度の高いものから優先的に理解していくように しましょう。 |
20点 | 8~15分 |
第2問 | 補助簿への記入や勘定記入の問題などが出題されます。 補助簿では商品有高帳、掛元帳、手形記入帳などが出題されます。また、勘定記入では、主に決算仕訳(決算整理仕訳・決算振替仕訳)が関係するものが多く出題されます。 |
8~12点 | 10~20分 |
第3問 | 各種試算表(合計試算表、残高試算表、合計残高試算表)の作成問題などが出題されます。出題形式はおおむねパターン化されていますが、問題資料が多い場合には、時間配分に注意し、正確に解答できるスキルも必要となります。 | 30点 | 30~50分 |
第4問 | 伝票式会計、決算仕訳(決算整理仕訳・決算振替仕訳)や勘定記入の問題などが出題されます。 伝票式会計の問題はパターン化されていますので、確実に解答できるようにしましょう。 |
8~10点 | 5~15分 |
第5問 | 精算表や財務諸表(損益計算書、貸借対照表)の作成 問題などが出題されます。 いずれの問題も、問題資料に与えられた決算修正事項 等を正確に処理できるかどうかが勝負の分かれ目とな ります。 なお、精算表の間題は、決算整理仕訳のパターンを覚えてしまえば、容易に解答できるようになりますので、 繰り返し練習しましょう。 | 30~32点 | 25~40分 |
(注)解答時間は目安ですので、実施回ごとに時間配分を考えながら解いていきましょう。
出題論点一覧表
日商簿記検定3級における論点別の出題回は以下のとおりです。苦手な論点を中心に繰り返し演習し、弱点強化に役立ててください。
第1問(数字は問題番号)
論点 | 143 | 144 | 145 | 146 | 147 | 148 | 149 | 150 | 151 | 152 | 153 | 154 |
返品 | 1 | 1 | ||||||||||
諸掛り | 2 | 3 | 2 | 3 | ||||||||
現金過不足 | 1 | 3 | ||||||||||
銀行口座間の振替 | 5 | 1 | 5 | 2 | 4 | |||||||
貨付金.借入金 | 4 | |||||||||||
未收入金·未么金 | 4 | |||||||||||
前払金・前受金2 | 2 | 4 | 5 | 3 | 3 | |||||||
仮金,仮受金 | 5 | 3 | 3 | |||||||||
立替金・預り金 | 5 | 5 | ||||||||||
受取商品券 | 2 | |||||||||||
株式の発行資 | 4 | |||||||||||
貸倒れ | 4 | 4 | 3 | |||||||||
價却債權取立益 | ||||||||||||
有形固定資產購入 | 4 | 4 | 4 | 1 | 3 | 5 | 5 | |||||
有形固定資産の売却 | 2 | 5 | 4 | |||||||||
租稅公課,通信費 | 3 | 5 | 1 | 1 | ||||||||
決算整理仕訳 | 1 | |||||||||||
再振替仕訳 | 4 | 2 | ||||||||||
訂正仕訳 | ||||||||||||
その他の内容 | 3 | 35 | 2 | 4 | 4 | 2 | 2 | 15 |
第2問(★:出題簡所、売:売掛金元帳、買:買掛金元帳、受:受取手形記入帳)
論点 | 143 | 144 | 145 | 146 | 147 | 148 | 149 | 150 | 151 | 152 | 153 | 154 |
売掛金・買掛金元帳 | 売 | 買 | 買 | |||||||||
商品有高帳 | ★ | |||||||||||
当座預金出納帳 | ||||||||||||
売上帳 | ★ | |||||||||||
補助簿の選択 | ★ | ★ | ★ | ★ | ||||||||
勘定記入 | ★ | ★ | ★ | ★ | ||||||||
その他の内容 | ★ |
第3問(★:出題箇所、合:合計試算表、残:残高試算表、合/残:合計残高試算表)
論点 | 143 | 144 | 145 | 146 | 147 | 148 | 149 | 150 | 151 | 152 | 153 | 154 |
試算作成表 | 残 | 合 | 合 | 合/残 | 残 | 残 | 合/残 | 残 | 合 | 残 | 残 | 残 |
掛明細表作成 | ★ | |||||||||||
T/B・日々の取引から | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | |||
B/S・日々の取引から | ||||||||||||
IT/B・集約取引から | ★ | |||||||||||
集約取引から | ★ | ★ | ||||||||||
二重仕訳 | ★ | ★ | ★ |
第4問(★:出題箇所)
論点 | 143 | 144 | 145 | 146 | 147 | 148 | 149 | 150 | 151 | 152 | 153 | 154 |
伝票 | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ||||||
勘定記入 | ★ | |||||||||||
商品有高帳 | ★ | ★ | ||||||||||
文章の穴埋問題 | ★ | ★ | ||||||||||
その他の内容 |
第5問(★:出題箇所、☆:通常とは異なるパターンでの出題箇所)
論点 | 143 | 144 | 145 | 146 | 147 | 148 | 149 | 150 | 151 | 152 | 153 | 154 |
精算表作成問題 | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | |||||||
前T/Bから財務諸表 | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | |||||
現金の過不足 | ★ | ★ | ★ | |||||||||
*(現金過不足の行あり) | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | |||||||
借越残高の振替 | ★ | |||||||||||
貸倒引当金の設定 | ☆ | ☆ | ☆ | ☆ | ☆ | ★ | ★ | ★ | ☆ | ☆ | ☆ | ☆ |
売上原価の計算 | ☆ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ |
固定資産の減価償却 | ★ | ★ | ☆ | ★ | ☆ | ☆ | ★ | ☆ | ★ | ☆ | ★ | |
貯蔵品への振替 | ||||||||||||
未払消費税の計上 | ★ | ★ | ||||||||||
前払費用の計上 | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | |
前受収益の計上 | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ||||||
未払費用の計上 | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | |||||||
未収収益の計上 | ★ | ★ | ★ | ★ | ||||||||
未処理事項等 | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ |
(注)貸倒引当金の設定 ☆:売上債権の増減あり
売上原価の計算 ☆:「売上原価」の行あり
固定資産の減価償却 ☆:月割計算あり
前払費用の計上☆:再振替あり
前受収益の計上☆:再振替あり
勘定科目(3級)一覧表)
1.貸借対照表の勘定科目
2.損益計算書の勘定科目
●「資産勘定から控除する勘定」としての性格を有しています。
★:より具体的な勘定科目を用いる場合もあります。
日商簿記検定はこんな試験
現在、実施されている簿記検定試験の中で最も規模が大きく、また歴史も古い検定試験
工会議所および各地商工会議所が主催する簿記検定試験です(略して日商検定といいます)。
日商検定は知名度も高く、企業の人事労務担当者にも広く知れ渡っている資格の一つで履歴書に書ける資格といわれているのは同検定3級からですが、社会的な要請からも今は2級一つの目安になっています。なお、同検定1級合格者には税理士試験の受験資格を付与するという典があり、職業会計人への登竜門となっています。
主催団体 日本商工会議所、各地商工会議所
受験資格 特に制限なし
試験日 6月(第2日曜)、11月(第3日曜)、2月(第4日曜)
※1級は6月・11月のみ、初級・原価計算初級は随時実施されます。
試験級 1級・2級・3級・初級・原価計算初級
申込手続き 申込書に受験料等を添えて各地商工会議所にて手続き
受験料(税込)
1級¥7,850、2級¥4,720、3級¥2,850、初級・原価計算初級¥2,200
(一部の商工会議所では受験料のほかに要事務手数料)
申込期間 商工会議所ごとに異なるため要確認(おおむね試験日前の2か月前後)
問い合せ先
最寄りの各地商工会議所検定試験ホームページ:https://www.kentei.ne.jp/
(注1)刊行時のデータです。最新の情報は検定試験ホームページをご確認ください。
(注2)使用できる筆記用具は次のとおりに限定されています。(1)HBまたはBの黒鉛筆/(2)シャープペンシル/(3消しゴム。なお、ラインマーカーや色鉛筆、定規等の使用は認められていません。
(注3)商工会議所で施行するすべての検定試験(認定試験)について本人確認のため、身分証明書(運転免許証、旅券(パスポート)、社員証、学生証など)の携帯が義務付けられました。詳しくは受験地の商工会議所へお問い合わせください
3級について
試験科目
科目 | 制限時間 | 程度 |
商業簿記 | 2時間 | 業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき 「必須 商業簿記 2時間の基本知識」として、多くの企業から評価される資格。 基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベル。※100点満点のうち70点以上を得点すれば合格となります。 |
目次
はしがき
学習の進め方
本書の使い方
合格するための8ステップ
出題論点を知ろう!
出題論点一覽表
勘定科目(3級)一覧表
日商簿記検定はこんな試験
第1部 TAC式出題別攻略テクニック
新出題形式対策
第1問対策
第2問対策
第3問対策
第4問対策
第5問対策
第2部 出題回数別過去問題編
第143回・第144回・第145回
第146回・第147回・第148回
第149回・第150回・第151回
第152回・第153回・第154回