2020年版 弁理士試験 体系別短答過去問 特許法・実用新案法・意匠法・商標法 弁護士試験シリーズ
はしがき
弁理士試験は、年に一度、短答式試験・論文式試験・口述試験の3段階があり、それぞれに合格しなければ次に進むことができない大変厳しいものです。
特に短答式試験は、出題範囲が広く、必要とされる知識量も相当なものとなります。さらに、近年、難化傾向にあると言われており、新作・新傾向問題も出題されています。このような短答式試験に確実に合格を果たすためには、どのような出題にも対応できる柔軟な思考力が必要となりますが、その土台となるのは条文の真の理解です。それを身につけるには、難問・奇問のたぐいを深く追究していくのではなく、基本的な問題を繰り返し解きつつ、正誤の結論を導く根拠を理解していくようにすることが重要です。
本書は、このような姿勢を身につけることができるように、さまざまな工夫を減らしています。
1 直近の改正に完全対応
本試験で出題された後に行われた法改正等の影響を受ける問題は、出題意図に沿う形で修正を行っています。法改正等により修正した問題については、解法に「平成○○年法改正に対応させるため、問題文を一部修正した」等の記載をしています。
2 平成22年から今和元年までの問題を体系別に収録
問題を体系別に並べることで、この分野ではどのような出題がなされているのか、それに対処するために何を押さえておけばよいのか、が自然と見えてきますのでメリハリのある学習が可能となります。
3 学習進度・レベルに応じて使い分けられる解説
解説は、枝ごとの解答に続いて「根拠」、「解法」、「チェック」の順に記載されています。学習を始めたばかりの方は、まず「根拠」「解法」をしっかり押さえましょう。「解法」には、正解を導くために必要十分な情報を掲載していますので、解答にいたるまでのプロセスを完全に理解することができるようになっています。
少し余裕が出てきたら「チェック」を押さえていきましょう。「チェック」には、知っておいた方がよいプラスアルファの情報を掲載していますので、「解法」の理解とリンクさせることで効率的に点数アップを図ることができます。学習が進み、理解度の確認を行いたい場合は、正誤判断された枝の「根拠」をさっと見るだけで十分です。この方法は、直前期の総ざらいにも力を発揮します。
4 問題と解説を1問ごとに収録
問題と解説を1問ごとに収録していますので、演習→確認をスムーズに行うことができます。また、セルフファイリングを行うことも可能ですので、苦手な問題をまとめる、年度別に並べなおす等、活用してください。
5 重要部分が一目瞭然の2色刷り
落としてはならない重要部分を青字で記載していますので、さらに知識の定着度がアップします。
本書の有効活用により、一人でも多くの受験生の方が短答式試験を突破されることを、心よりお祈り申し上げます。
2019年11月吉日
株式会社東京リーガルマインド
LEC総合研究所 弁理士試験部
【平成22〜令和元年度の短答式試験の統計】
年度 | 弁理士試験 志願者 |
短答受験者 | 短答合格者 | 短答合格率 | 短答合格者の 平均受験回数 |
短答合格者の 平均年齢 |
H22 | 9,950人 | 6,582人 | 899人 | 13.7% | 2.41回 | 36.1歳 |
H23 | 8,735人 | 6,377人 | 1,934人 | 30.3% | 4.60回 | 39.3歳 |
H24 | 7,930人 | 5,255人 | 1,374人 | 26.1% | 4.12回 | 39.2歳 |
H25 | 7,528人 | 4,734人 | 434人 | 9.2% | 2.70回 | 37.0歳 |
H26 | 6,216人 | 4,674人 | 550人 | 11.8% | 4.41回 | 38.6歳 |
H27 | 5,340人 | 4,278人 | 604人 | 14.1% | 4.68回 | 39.6歳 |
H28 | 4,679人 | 3,586人 | 557人 | 15.5% | 4.78回 | 40.0歳 |
H29 | 4,352人 | 3,213人 | 287人 | 8.9% | 3.87回 | 38.4歳 |
H30 | 3,977人 | 3,078人 | 620人 | 20.1% | 4.56回 | 41.0歳 |
R1 | 3,862人 | 2,895人 | 531人 | 18.3% | 4.85回 | 41.5歳 |
※受験回数には、その年度の試験は含まれません(初回受験者は「0回」)。
【平成28年度以降の合格基準と合格点】
合格基準 | 総合得点の満点に対して65%の得点を基準として、論文式筆記試験及び口述試験を適正に行う視点から工業所有権審議会が相当と認めた得点以上であること。ただし、科目別の合格基準を下回る科目が1つもないこと。なお、科目別合格基準は各科目の満点の40%を原則とする。 | ||||||
年度 | 合格点 | 科目別合格基準点 | 免除者の 合格点 |
||||
特実 | 意匠 | 商標 | 条約 | 著不 | |||
H28 | 39点 | 8点 | 4点 | 4点 | 4点 | 4点 | 7点 |
H29 | 39点 | 8点 | 4点 | 4点 | 4点 | 4点 | 7点 |
H30 | 39点 | 8点 | 4点 | 4点 | 4点 | 4点 | 7点 |
R1 | 39点 | 8点 | 4点 | 4点 | 4点 | 4点 | 7点 |
※免除者とは、工業所有権法(特許・実用新案・意匠・商標)科目及び条約科目について免除される者をいいます。
本書の効果的活用法
実施日チェック欄 問題を解いたら、チェック。 日付等を記入し、学習の進捗状況の把握に活用しよう。
問題番号
学習に便利な本試験の年度・科目・番号を表記。
枝別チェック欄
枝ごとにチェック欄を設定。○、×、△等を記入することで、枝ごとに弱点を克服できる。
セルフファイリング方式
自分の学習方法に合わせて切り離して使える表裏一体形式を採用。
レベル表記
問題の水準をイラストで3段階に分類。それぞれの学習時間やレベルに応じて、効果的な学習ができる。
必ず正解すべき基本的な問題。本番で間違えると致命傷になりかねない。間違った問題は、必ず復習し徹底理解しよう。
合否を左右する重要な問題。確実に正解できるように、何度も復習しよう。
難しい問題。基本的な問題と重要な問題が解けるようになってから取り組もう。
正答率
LECが独自に集計した受験生の正答率を記載。
解法
正解を導くために必要な情報を枝ごとに解説。
2色刷り
重要部分が一目瞭然。知識が定着しやすい2色刷り。
改正マーク
改正 枝の正誤が変わる等、令和元年度短答本試験以降に施行された法改正の影響が直接及ぶ問題。
改正
法改正により改正・新設される条文に関連するその他の問題。
Point Pickup
制度や条文について対比する等した図表により、必要な知識を整理。
目次
はしがき
本書の効果的活用法
特許法・実用新案法
第1章 総則
第2章 補正
第3章 特許及び特許出願
(1) 29条の2・39条
(2) 特許を受ける権利等
(3) 特許出願
(4) 優先権
(5) 出願の分割・変更等
第4章 審査及び出願公開
第5章 特許権
(1) 特許権の効力等
(2) 実施権
(3) 特許権等の侵害
(4) 特許料
第6章 特許異議の申立て・審判等
(1) 特許異議の申立て
(2) 拒絶査定不服審判及び前置審査
(3) 無効審判
(4) 訂正審判及び訂正の請求
(5) 審判(再審)全般
(6) 証拠調べ及び証拠保全
第7章 訴訟
第8章 雑則
第9章 罰則
第10章 実用新案法
(1) 実用新案技術評価
(2) 訂正
(3) 実用新案登録無効審判
(4) 実用新案法全般
意匠法
第1章 意匠登録の対象
第2章 意匠登錄要件
第3章 意登錄出頭
第4章 出願の分割・変更
第5章 補正
第6章 組物の意匠
第7章 関連意匠
第8章 秘密意匠
第9章 意匠權
第10章 審判等
第11章 ジュネーブに基づく特例
第12章 意匠法全般
商標法
第1章 定義等
第2章 登録要件等
(1) 商標登録の要件
(2) 商標登録出願
(3) 団体商標・地域団体商標
(4) 補正
第3章 商標権
(1) 存統期間、商標權分割・移転等
(2) 商標権の効力等
(3) 使用権等
(4) 商標権等の侵害
第4章 登録異議の申立て・審判等
第5章 防護標章
第6章マドプロに基づく特例
第7章 罰則
巻末付録
条文別頻出度ランク表
資料
番号対照一覧表
主な参考文献
凡例
改正対応について
本書は、2019年10月1日現在において、2020年度の短答式試験が実施される日(2020年5月中旬~下旬)に施行されていると考えられる以下の法律の内容を踏まえて、問題及び解説の改正対応を行っています。
・特許法等の一部を改正する法律(令和元年5月17日法律第3号)による改正規定のうち、1「公布の日から起算して10日を経過した日」又は2「公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日」から施行されるもの
・不正競争防止法等の一部を改正する法律(平成30年5月30日法律第33号)による改正規定のうち、1「公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日」又は2「公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日」から施行されるもの
・民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成29年6月2日法律第45号)
・環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律(平成28年12月16日法律第108号)