測量士補 過去問280
はしがき
毎年1万人を超える方々が受験する測量士補試験は、年齢,性別,学歴,実務経験等に関係なく誰でも受験できる国家試験です。将来,測量士として測量のスペシャリストを目指す方(公共測量は測量士や測量士補でないとできません。)や,土地家屋調査士として表示に関する登記の専門家を目指す方(測量士補は,土地家屋調査士の筆記試験午前の部の試験が免除になります。)などの登竜門となっています。
試験は筆記試験で試験科目は、①測量に関する法規.②多角測量,③汎地球測位システム測量,④水準測量,⑤地形測量,⑥写真測量,⑦地図編集,⑧応用測量の8分野が出題範囲で,これらの分野から計28問の出題があります。
出題の多くは過去に出題された問題をベースにしたものですから,出題傾向に沿った勉強が合格への近道となります。
本書は,過去10年間に出題された問題をこの8分野に分け,さらに項目別に整理してあります。
本書をマスターすれば必ず合格レベルに達します。正解できなかった問題は解説やヒントを参照して,理解できるまで繰り返し学習してください。本書を通じて、受験生の皆様の合格を心よりお祈り申し上げます。
2019年8月吉日
日建学院
本書の構成と利用法
本書は,平成28年3月31日改正,同年4月1日から施行の「作業規程の準則」にみしています。
ひと目でわかる重要度
重要度の高い順にABCの3段階に分けました。優先順位を考えて取り組みましょう。
ヒント
必要に応じて、問題を解く上でのヒントや、別の解法を紹介しています。
出題年度
本試験での出題履歴を表示しています。本書に掲載した問題で「新作業規程の準則」にあわせて修正した問題については、問題文及び解説等の一部を改題し,「H23改」のように出題年度の後に「改」を付けてあります。
チェック欄
間違えた問題には×印をつけるなど,セルフチェックとしてご利用ください。
必要かつ十分な解説」各問の解説では,出題の論点を最初に挙げて、各弦ごとに詳細に解説しています。
目次
はしがき
本書の構成と利用法
学習ガイダンス
第1章 測量に関する法規
1.測量法
2.測量作業の留意事項
3.測量の基礎数学
第2章 全地球航法衛星システム測量
1.GNSS測量の原理
2.GNSS測量の誤差
3.GNSS測量による基準点測量
4.楕円体高
5.基線解析
第3章 多角測量
1.基準点測量の作業区分
2.基準点測量の留意点
3.セオドライトの誤差と消去法
4.最確値と標準偏差
5.偏心補正
6,高度角の観測
7.光波測距儀の測定誤差
8.方向角の計算
9.基準点成果情報
10.座標値の計算
第4章 水準測量
1.観測作業の留意点
2.水準測量の誤差と消去法
3.レベルの点検と調整
4.標尺の補正
5.往復観測の較差
6.標高の最確値
7.電子レベル
第5章 写真測量
1.空中写真測量の作業工程
2.対空標識の設置作業
3.撮影高度と縮尺
4.オーバーラップとサイドラップ
5.比高による写真像のずれ
6.空中写真の特性
7.空中写真測量
8.空中写真の判読
9.デジタルステレオ図化機
10.写真地図の特徴
11.写真地図作成
12.航空レーザ測量
第6章 地図編集
1.地図投影法
2.緯度·経度
3.読図と地図記号
4.地形図図式規程
5.GIS(地理情報入口)
第7章 地形測量
1.現地測量
2.TSによる等高線描画
3.細部測量
4.RTK法
5.数值地形図データ
6.GIS識別コード
7.車載写真レーザ測量
第8章 応用測量
1.路線測量
2.河川測量
3.用地測量
関数表
学習ガイダンス
測量士補について
測量士補試験は,測量法及び測量法施行令に基づいて行われる国家試験です。測量士となるのに必要な専門的技術を有するかどうかを判定するために行われ、試験に合格した方には,測量士補となる資格が与えられます。
また、測量士補試験に合格した方は、土地家屋調査士筆記試験の受験が免除になります。難関である土地家屋調査士試験を突破するため、測量士補試験合格が何よりの近道となっています。
測量士補 本試験受験者数・合格者数
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和元年度 | 13,764人 | 4,924人 | 35.8% |
平成30年度 | 13,569人 | 4,555人 | 33.6% |
平成29年度 | 14,042人 | 6,639人 | 47.3% |
平成28年度 | 13,278人 | 4,767人 | 35.9% |
平成27年度 | 11,608人 | 3,251人 | 28.0% |
平成26年度 | 11,118人 | 4,417人 | 39.7% |
平成25年度 | 10,596人 | 2,248人 | 21.2% |
平成24年度 | 10,551人 | 4,289人 | 40.7% |
平成23年度 | 10,233人 | 2,192人 | 21.4% |
平成22年度 | 10,387人 | 2,757人 | 26.5% |
測量士補の受験勉強
1.効率的な受験勉強の方法
測量士補試験に合格するための効率的な学習方法をお知らせしますので,参考にしてください。
(1)問題集の繰り返し実施
測量士補試験の攻略方法としては、「過去問280」の繰り返し実施が最も有効です。初期段階の取り組みとしては、全体像の把握を心掛けてください。なぜなら,問題文には、専門用語や角度・距離等の数値が多く出てきますので、初めて学習する方にはイメージがつかみにくいからです。問題と解説を丁寧に熟読していけば,学習が進むにしたがって「測量」のイメージが深まっていきます。
(2)計算問題の学習方法
測量士補試験の出題形式を大別すると,計算問題と文章問題になります。計算問題の学習では,問題を解くときには計算用紙を用意し,図や計算式を鉛筆で書きます。測量士補試験では,電卓等の持込みが禁止されているため,算出すべき数値(角度,距離,補正量など)を問題ごとに確認し,正確な計算ができるように,計算用紙を用いた学習(筆算)を励行してください。
(3)文章問題の学習方法
測量士補試験の文章問題は、単純O×判定形式では「~間違っているものはどれか。」という問いが大半です。5つの選択肢のうち4つは正しい文章なのです。また、近年出題数が多くなってきた穴埋め形式の組合せ問題では、専門用語の正確な記憶が必要になります。
このことから,解説文も含めて正しい文章を何度も丁寧に読み込む学習を続けることで、正確な知識が身につきますし、繰り返し出題されている事項がわかるようにもなります。
測量士補の受験案内
1.資格取得までの流れ
測量士補試驗
受験願書申込み(例年)1月上旬~1月下旬
受驗票交付(例年)4月下旬
試驗実施(例年)5月中旬の日曜日
合格発表(例年)7月上旬~7月中旬
合格証書交付(例年)7月上旬~7月中旬
2.受験資格,受験願書受付期間・提出先等(令和元年度の例)
(1)受験資格年齢,性別,学歴,実務経験などに関係なく受験できます。
(2)受験願書受付期間平成31年1月4日~1月28日(例年,前年の12月上旬公表)
(3)試験手数料書面受付……2,850円(収入印紙による)
(4)受験申込みの手続の提出書類[受験願書一式,写真等
(5)提出先(願書の請求,受験に関する問合せ先)
〒305-0811茨城県つくば市北郷1番
国土地理院総務部総務課電話029-864-8214
※願書の請求,申込み手続は各自で行ってください。
3.試験実施時期,試験時間,合格発表等(令和元年度の例)
(1)試験日
令和元年5月19日(日)
(2)試験時間
午後1時30分~午後4時30分
(3)試験方法
筆記試験(5肢択一マークシート方式)
(4)合格発表
令和元年7月9日(火)
全受験者あてに試験の結果(合否)が通知されます。また、国土地理院のホームページ上に合格者の受験番号,標準的な解答及び合格基準が掲載されます。
4.出題科目
①測量に関する法規②多角測量③汎地球測位システム測量④水準測量⑤地形測量⑥写真測量⑦地図編集⑧応用測量
※詳細は試験実施機関である国土地理院のホームページでご確認ください。
(http://www.gsi.go.jp/)