観光英語検定試験 問題と解説 3級 (CD付)




目次

改訂にあたって
觀光英語検定試験概要

第1部 筆記試験

第1章 観光用語の問題

出題傾向
出題例
演習問題

第2章 英語コミュニケーションの問題

出題傾向
出題例
演習問題

第3章 英文構成問題

出題傾向
出題例
演習問題

第4章 英文読解の問題

出題傾向
出題例
演習問題

第5章 海外・国内の観光と文化の問題

出題傾向
出題例
演習問題

第2部リスニング試験

第6章 写真說明問題

出題傾向
出題例
演習問題

第7章 イラスト説明の問題

出題傾向
出題例
演習問題

第8章 英語コミュニケーションの問題

出題傾向
出題例
演習問題

第9章 状況把握問題

出題傾向
出題例
演習問題

第10章 観光・旅行事情問題

出題傾向
出題例
演習問題

改訂にあたって

観光英語検定試験は平成年度の新しい幕開けとともに産声をあげ、その軌道に乗った平成10年にはじめて本書が出版されました。観光英検問題の内容も「海外・国内」というグローバルな視野で出題されるようになり、その内容に沿って平成17年には全面的に改訂し、幸い好評を得て毎年重版されてきました。

現在、高等教育機関における観光学科の学習者また英語通訳ガイド国家試験の受験者が多数本書を利用しています。そのような観光英語の学習者の要望に応えて、このたび第1部を全面的に改訂するに至り、従来とはやや異なる詳細な解説を付しました。

観光英語検定試験の特色は、「海外観光事情」と「国内観光事情」の出題内容です。観光英語検定試験の「筆記試験」「リスニング試験」には、そのレベル(1級から3級)に応じた語学面における「ことば」(観光英語)と知識面における「文化」(外国・日本の知識・教養)の内容が出題されています。

本書を改訂するにあたり、次の特徴を念頭において編纂しました。

(1)観光英語検定試験問題の「傾向と対策」を知る。
(2)海外での観光の旅先で「すぐに使える観光英語」を厳選する。
(3)国内での観光案内で「すぐに活用できる観光英語」を厳選する。

元来、「観光」の語源は易経(儒教の基本テキスト五経の筆頭に挙げられる経典)にある「国の光を観る」という意味です。英語ではTOURISMが広く用いられています。「光」とは何か。諸説ありますが、少なくとも単なる「物見遊山的な観光」ではなく「体験的な観光」でしょう。

その国にある「雄大な観光地」、その国の人々が創造した「壮大な歴史を有する観光都市」、そしてその国が誇る「壮麗なまた神秘的な世界遺産(文化・自然・複合)」などを体験することでしょう。「観光」を通して人は深い感動を覚え、そして人は豊かに変容するのです。

本書は、単なる「観光英検試験の受験参考書」ではなく、そのよう観光を体験する前に「英語を」学習すること、そして観光を体験しながらその国の観光と文化を「英語で」学習するカギとなる入門書でもあります。

平成24年春 山口百々男

山口 百々男 (監修), 全国語学ビジネス観光教育協会 観光英検センター (編集)
研究社; 三訂版 (2012/5/22)、出典:出版社HP

観光英語検定試験の概要

1.観光英語検定試験実施概要
主催:全国語学ビジネス観光教育協会 観光英検センター
後援:文部科学省 日本観光学会
(社)日本旅行業協会
(社)日本ホテル協会

試験実施日と願書受付期間
【6月下旬~7月初旬】3級・2級・1級
願書受付期間:4月初旬~5月下旬

【10月下旬】3級・2級・1級
願書受付期間:7月初旬~9月中旬

併願:1級と2級、2級と3級は、同時に受験することができます。
申し込みは必ず1枚の願書で申し込んでください。

●お問い合わせ先/願書送付先
〒101-0061東京都千代田区三崎町2-8-10ケープビル2F
03-5275-7741観光英検センター
(10:00~17:00/但し土・日・祝日を除く)
http://www.zgb.gr.jpEmail:info@zgb.gr.jp

2.観光英語検定試験とは
観光英語検定試験(TEPT=Tourism English Proficiency Test)は、グローバル化された世界の中での観光分野・旅行分野において、特定の資格を与えるために必要な「語学」(「読む・書く・話す・聞く」における総合的な英語コミュニケーション能力)と「文化」(海外または国内における「観光・旅行事情」や「文化事情」の総合的な基礎知識)に関する教養とその運用能力の有無をはかる試験である。[注]以下、観光英語検定試験を「観光英検」と略す。

3.観光英検の認定基準と運用範囲
観光英検には1~3級があり、それぞれの到達レベルの目安は下記のようなものである。

◆3級(初級レベル)

(1)英語検定試験3級程度/TOEIC[D]レベル(220-470)
(2)海外における「団体旅行」に参加して、少人数での観光名所巡り、ホテル・レストラン、ショッピングなどにおいて必要とされる観光・旅行全般に関する基礎的な英語を運用することができる。
(3)国内において外国人に対して「道案内」や「パンフレット類」などを英語で説明することができる。また日本の観光名所や伝統文化および現代文化をやさしい英語で正しく紹介することができる。

◆2級(中級レベル)

(1)英語検定試験2級程度/TOEIC[C]レベル(470-600)
(2)観光・旅行関連の業界において、海外業務に携わる時に必要とされる基礎的な英語を運用することができる。
(3)海外における「個人旅行」をするとき、個人で旅程を組み、乗物やホテルの予約、また単独で観光や買物などを英語で対処することができる。
(4)国内において外国人に対して、日本の観光名所や名所旧跡などの日本観光事情を英語で正しく紹介することができる。

◆1級(上級レベル)

(1)英語検定試験準1級・1級程度/TOIEC[B・C]レベル(600-860)
(2)国内(inbound)において、「外国人観光客」に対して日本各地の観光地や名所旧跡などを英語で正しく紹介しながら「通訳ガイド」(Guide-Interpreter)として対応できる。
(3)海外(outbound)において、日本から同行する「日本人観光客」などを接遇しながら英語で「添乗員」(TourDirector)として対応できる。
(4)国内または海外のエアライン関連の業務遂行にあたり、外国人に対して十分に接客できる「客室乗務員」(FlightAttendant)や「地上係員」(GroundStaff)として英語で対処することができる。
(5)国内または海外のホテル・レストラン関連の業務遂行において外国人に対して十分に接客する「ホテル主任」(HotelAssistantManager)として英語で対応することできる。
(6)海外における風俗習慣や国際儀礼などの「異文化」(cross-culture)を英語で理解することができる。

4.観光英検の試験方法
<1>試験の所要時間
試験の所要時間は、各級下記のとおりである。「筆記試験」と「リスニング試験」は連続して実施されるため、試験開始後の中途退出はできない。
◆3級「筆記試験」60分「リスニング試験」約30分
◆2級「筆記試験」60分「リスニング試験」約30分
◆1級「筆記試験」60分「リスニング試験」約50分

<2>試験問題の番号
出題される設問が「通し番号」で統一されている。

◆3級・2級
「筆記試験」は(1)~(50)、「リスニング試験」は(51)~(90)、合計90題となっている。

◆1級
「筆記試験」は(1)~(50)、「リスニング試験」は(51)~(90)、合計90題となっている。

<3>出題の方式

◆3級・2級
「筆記試験」と「リスニング試験」における全問は「客観問題」であり、すべて4つの選択肢のうちから正解を1つ選び、解答用紙のマーク欄を塗りつぶす「四肢択一マークシート方式」となっている。
[筆記試験]

(1)「適語の選択」(観光用語の問題):
設問には「適語」を選択するように下線が施され、その問題に対して4つの選択肢の中から正解を1つ選ぶ。
(2)「語句・適文の選択」(英語コミュニケーションの問題):設問には「語句・適文」を選択するように下線が施され、その問題に対して4つの選択肢の中から正解を1つ選ぶ。
(3)「語句の整序」(英文構成の問題):設問には「適切な文章」を構成するように下線が施され、その問題に対して4つの選択肢の中から正解を1つ選ぶ。
(4)「正誤選択」(英文読解の問題):指定された設問を読み、その英文内容、または和文内容と一致する解答となる「正しい文」あるいは「正しくない文」を4つの選択肢の中から1つ選ぶ。
(5)「内容一致」(海外観光・日本観光の問題):指定された設問を読み、その内容と一致する文章の中から英語または日本語で解答となる「適切な語句」を4つの選択肢の中から1つ選ぶ。
[リスニング試験] (6)「写真描写」:指定された「写真」に対して、4つの選択肢の中から正解を1つ選ぶ。
(7)「イラスト描写」:指定された「イラスト」に対して、4つの選択肢の中から正解を1つ選ぶ。)
(8)「対話方式」:設問された「対話文」においてコミュニケーションが成立するように、4つの選択肢の中から正解を1つ選ぶ。
(9)「会話方式」:設問された「会話文」に関する英語での問いに対し、4つの選択肢の中から正解を1つ選ぶ。
(10)「観光事情」:指定された「海外観光事情」また「国内観光事情」に対して、4つの選択肢の中から正解を1つ選ぶ。

◆1級
「筆記試験」と「リスニング試験」における全問は、2級・3級の出題方式に準じた四肢択一式の「客観問題」である。その特徴は、観光・文化・世界遺産などに関して「英語で知識内容を問う」出題が多いことである。

5.観光英検の形式と内容
◆3級・2級

《1》出題の形式
[筆記試験] [A]語学面

設問1.
「観光用語」の問題(Vocabulary):適語の選択(Fill-in-the-blank)
[PartA]英一和形式[1]~[5] [PartB]和一英形式[6]~[10]

設問2.
「英語コミュニケーション」の問題(Communication):適文の選択(Fill-in-the-blank)
[PartA]対話形式[11]~[15] [PartB]会話形式[16]~[20]

設問3.
「英文構成」の問題(Composition):語句の整序(Wordorder/Fill-in-the-underline)
「記述形式」[21]~[25]

設問4.
「英文読解」の問題(ReadingComprehension):正誤の選択(Multiple-choicebyfilling-in-the-blank)
[PartA][26]~[30]海外観光事情
[PartB][31]~[35]国内観光事情
[PartC][36]~[40]国際観光事情
[B]知識面

設問5.「海外観光」と「国内観光」の問題(OverseasTourism&JapaneseTourism):適語・適文の選択(Multiple-choicebyfilling-in-the-blank)
[PartA]海外観光[41]~[45] [PartB]国内観光[46]~[50] [リスニング試験] [A]語学面

設問6.
「写真描写」による状況把握(PictureFormat)
「海外観光」[51]~[53]・「国内観光」[54]~[55]

設問7.
「イラスト描写」による状況把握(IllustrationFormat)
「海外観光」[56]~[58]・「国内観光」[59]~[60]

設問8.
「対話」に関する内容把握(DialogFormat)
設問された「海外観光」[61]~[65]・「国内観光」[66]~[70]に関する「対話文」においてコミュニケーションが成立するように、4つの選択肢の中から正解を1つ選ぶ。

設問9.
「会話」に関する内容把握(ConversationFormat)
設問された「海外観光」[71]~[75]・「国内観光」[76]~[80]に関する「会話文」においてコミュニケーションが成立するように、4つの選択肢の中から正解を1つ選ぶ。
[B]知識面

設問10.
「観光事情」による内容把握(Description/ConversationFormat)
[PartA]海外観光事情[81]~[85] [PartB]国内観光事情[86]~[90]

《2》出題の内容
[1]旅行関連

1.エアライン
出発:搭乗手続き、検問、出入国手続き、免税店、搭乗など
機内:設備、座席、化粧室、機内食、機内販売、離着陸など
到着:通過乗客、乗り換え客、入国、荷物受取、税関申告など

2.ホテル
フロント部門:チェックイン、チェックアウト、会計など
宿泊部門:客室、客室設備、各種接客サービスなど
宴会部門:宴会、各種会議など

3.レストラン
飲食部門:食堂、コーヒーショップ、バー、宴会など
食堂:予約、注文、従業員など食事:朝食、昼食、夕食、バイキング、カフェテリアなど
献立:飲物、前菜、スープ、魚介類、肉類、果物など。

4.ショッピング
デパート:案内、売場(衣類、化粧品、靴、カメラ、バッグ)など
専門店:装身具、宝石、免税店、美術品、工芸品、陶芸品など

5.交通機関
陸運:鉄道(列車)、自動車(タクシー、バス、レンタカー)など
航空:飛行機、航空会社、飛行場、飛行など
海運:船舶、船舶会社、船着場、航海など

6.観光・旅行
観光:見物、見学、観光地、観光名所、写真撮影など
旅行:企画、手配、旅程、申込、予約、料金、運賃など
案内:運送機関、切符の購入、掲示など

7.通信・電話
電話:国際電話、長距離[市内]電話、携帯電話など
電信:Eメール、インターネット、ファックスなど
郵便:はがき、切手、郵便物、小包、配達など

8.娯楽・レジャー
観賞:美術館、博物館、演劇、音楽、コンサートなど
娯楽:カラオケ、ディスコ、ナイトクラブ、カジノなど
スポーツ:野球、テニス、ゴルフ、水泳、サーフィンなど

9.病気・医薬
病院:病棟、施設、医者、患者、診察、医療器具など
病気:内科、外科、婦人科、耳鼻咽喉科、歯科、精神科など
医療:内服薬、薬剤、薬草、処方箋、服用など
10.観光・旅行情報:
世界の主要都市・空港コードなど
国名・国民・国語・都市・通貨単位など

[2]観光・文化遺産
1.世界遺産:景勝地、遺跡と史跡、名所旧跡など
2.自然遺産:自然景観、国立・州立・国定公園、山岳と渓谷など
3.文化遺産:歴史的建造物、神社仏閣、宮殿と寺院、城郭と庭園など
4.伝統工芸・郷土芸能:郷土料理、伝統工芸、特産品、美術・博物・音楽など、
5.祭り・年中行事:宗教、国別の行事、地域の例祭、季節祭、市民祭など
山口 百々男 (監修), 全国語学ビジネス観光教育協会 観光英検センター (編集)
研究社; 三訂版 (2012/5/22)、出典:出版社HP