3R・低炭素社会検定公式テキスト[第2版]




はしがき

おかげさまで、「3R・低炭素社会検定」はその前身である「3R検定」(2009年に開始)から、毎年1回実施し、数多くの方々に受験して頂き、循環型社会や低炭素社会を目指す環境リーダーを輩出することができました。

環境問題をとりまく状況は、年々少しずつ変化しており、とりわけ、3.11の東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故以降は、資源・エネルギーをめぐる国民の関心は非常に高くなり、これに関連する法制度も新しく制定されました。

そこで、今回、時代の要請に応じて、「3R・低炭素社会検定」の公式テキストを全面的に見直すこととしました。また合わせて、データ等も可能な限り最新のものを採用することとしました。

一口に環境問題と言っても取り扱うテーマは非常に多岐にわたります。本テキストの執筆陣には各テーマについて、今まさに第一線で研究や活動に携わっておられる方々に加わって頂き、できるだけわかりやすく解説するとともに、3R・低炭素社会の構築に向けての具体的な活動事例や工夫を紹介して頂くことをお願いしました。

その結果、テーマごとに学習すべき要点が非常にコンパクトにまとめられた読みやすいテキストになりました。

その意味で、本テキストはもちろん検定受験用のテキストではありますが、大学の講義や、社内研修用、さらには市民活動の学習用テキストとしても大いに活用して頂けるものと思います。

「3R・低炭素社会検定」のねらいは、単に知識の広さや深さを評価するだけではなく、検定を通して循環型社会や低炭素社会に関して理解度を高め、日常生活の中で3Rや低炭素社会に向けた活動に取り組んで頂く人を一人でも多く社会に送り出すことにあります。

持続可能な社会にむけて「3R・低炭素社会検定」を大いに活用して頂ければ幸いです。

2014年10月
3R・低炭素社会検定実行委員会
代表 高月紘

3R・低炭素社会検定実行委員会 (編集)
出版社: ミネルヴァ書房; 第2版 (2014/11/20)、出典:出版社HP

目次

はしがき

持続可能社会の構築に向けて(融合分野)

1章 持続可能な社会構築に向けた視座

1 持続可能な社会
2 3R と低炭素社会
3 環境基本法及び計画、地域での展開
4 ライフサイクルアセスメント
5エコロジカル・フットプリント
6フードマイレージ、 バーチャル ウォーター
7 エコデザイン(環境配慮設計)
8 環境マネジメントシステム
9 経済的インセンティブ
10 グリーンコンシューマー
11 環境教育

2章 「持続可能な社会」に向けて行動する~主に家庭・地域~

1 エコライフ
2 環境家計簿
3 毎日の食卓から
4 森林資源利用
5 エコラベル
6 エコハウス(環境共生・資源 同調型住宅)
7 暮らしと水
8 掃除
9 NPO及地域活動

3章 環境問題

1地球環境問題
2 オゾン層破壞
3 酸性雨
4 大気汚染
5 水質汚濁·汚染
6 自然環境·生物多樣性
7 都市環境
8 化学物質

3R分野

4章 歷史・理念〜廃棄物処理・3Rの発展と変遷~

1 ごみ処理の歴史
2 ごみをめぐる出来事
3 ごみ処理の行き詰まりと循環型社会
4 資源・エネルギーの逼迫(ひっぱく)
5 国際的な廃棄物・循環資源の動き
6 循環型社会構築に向けた理念
7 3Rイニシアティブ

5章 3R・循環型社会構築に向けた視座

1 3R の考え方
2 リデュース
3 リユース
4 リサイクル
5 物の流れ
6 物質フロー解析
7 2R

6章 3R・循環型社会構築に向けた動きやライフスタイル

1 拡大生産者責任 (EPR)
2 グリーン・サービサイジング
3 ゼロエミッション
4 レンタル、 シェアリング
5 中古品販売、フリーマーケット
6 簡易包装、 レジ袋削減、リュース容器
7 台所のごみ事情
8 使い捨て製品
9 風呂敷
10 日用品の修理・修繕

7章 製品別 3R・適正処理

1 紙・板紙
2缶
3 びん
4 ペットボトル
5 プラスチック
6 繊維
7 生ごみ
8 可燃物のRDF化・炭化
9 バイオ燃料
10 家電製品
11 小型家電製品や携帯電話
12 自動車
13 建設廃棄物(建設副産物)

8章 3R・適正処理にまつわる法律

1 3R に関わる法律の概要
2 循環基本法と循環基本計画
3 廃棄物処理法
4 資源有効利用促進法
5 容器包装リサイクル法
6 家電リサイクル法
7 建設リサイクル法
8 食品リサイクル法
9 自動車リサイクル法
10 グリーン購入法
11 化学物質審査規制法(化審法)
12 バーゼル条約
13 小型家電リサイクル法

9章 ごみの発生と管理

1 日本の物質フロー
2 一般廃棄物
3 産業廃棄物
4 特別管理廃棄物
5家庭ごみ細組成調査
6市町村のごみ処理計画
7 ごみ有料化
8 収集・運搬
9 不法投棄対策
10 リサイクルにまつわる違法行為
11 ごみ処理の財政と廃棄物会計
12 マニフェスト
13 災害廃棄物

10章 ごみ焼却・埋立処理

1 中間処理
2 焼却施設
3 公害対策
4 資源化、サーマルリサイクル
5 最終処分

11章 有害廃棄物の発生と管理

1 有害廃棄物・POPS
2 ダイオキシン類特別措置法
3 PCB
4石綿
5 感染性廃棄物
6 電池・蛍光管
7 除染と放射性物質汚染廃棄物の処理

低炭素社会分野

12章 気候変動に関する国際交渉

1 地球温暖化問題に関する国際的な取組の歴史
2 京都議定書をめぐる交渉と国際制度
3 京都メカニズムと二国間クレジット制度
4 2013年以降の国際枠組み・パリ協定をめぐる交渉と国際制度

13章 地球温暖化のメカニズムと影響

1 IPCC
2 地球温暖化のメカニズム
3 気候変動の要因
4 温室効果ガスの種類と主な排出源
5 温室効果ガスの濃度及びそのモニタリング
6 気候変動が自然や人間社会に与える影響
7 日本国内での影響
8 地球温暖化の将来予測

14章 温室効果ガスの排出と気候変動への対策

1 温室効果ガス排出・吸収源の概要及びインベントリ
2 世界の温室効果ガス排出量
3 日本の温室効果ガス排出量
4 温室効果ガス排出量の算定方法
5 温室効果ガス排出源(エネルギー分野)
6温室効果ガス排出とその対策(農業分野と土地利用・土地利用変化 及び林業 (LULUCF)分野)
7 温室効果ガス排出とその対策(廃棄物分野)
8 温室効果ガス排出とその対策(工業プロセス分野)
9 適応策
10 途上国支援とコベネフィット・アプローチ

15章 エネルギーと関連技術

1 化石燃料
2 産業部門・エネルギー転換部門における対策
3 再生可能エネルギーとその特性
4 太陽光発電・太陽熱利用
5 風力発電
6 その他の再生可能エネルギー(地熱、バイオマス、水力)
7 蓄電技術と燃料電池
8 非在来型化石燃料とCO2回収貯留技術(CCS)
9 運輸部門における対策
10 次世代自動車

16章 暮らしや事業活動における取組

1 家庭のエネルギー消費実態
2 家庭でできる CO2 削減
3 オフィスの省エネルギー
4 家庭の給湯・空調への省エネ対策(ヒートポンプ、家庭用燃料電池、 潜熱回収型機器等)
5 低炭素都市
6 省エネルギーラベルと統一省エネルギーラベル
7 エコドライブ
8 サプライチェーンにおける温室効果ガス排出量
9 CO2の見える化とカーボンフットプリント
10 CO2削減・省エネエコライフに関する国民運動
11 LED

17章 国内外の政策

1 地球温暖化対策推進法
2 京都議定書目標達成計画と地球温暖化対策計画
3 地方公共団体実行計画
4 温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度
5 省エネルギー法
6 トップランナー方式
7 海外における固定価格買取制度
8 日本における固定価格買取制度
9 自主行動計画・低炭素社会実行計画
10 世界各国の排出権取引
11 東京都の「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度」
12 地球温暖化対策税とその他の環境税制
13 カーボン・オフセットとJ-クレジット制度

あとがき

さくいん

3R・低炭素社会検定実行委員会 (編集)
出版社: ミネルヴァ書房; 第2版 (2014/11/20)、出典:出版社HP