法人税入門の入門 (2019年版)




はしがき

ここに,法人税の,本当の入門書をお送りいたします。
題して,「法人税入門の入門」といたします。
「法人税 入門」ではないことに,じつは、ご注目いただきたいのです。

法人税の入門書は、すでにずいぶんたくさん出版されております。いずれも,すぐれた入門書です。
そこで,私達は,あえて、入門の入門書を書きました。

私達が心がけたポイントは、つぎのとおりです。
1 徹底して,やさしく書きました。
法律的な厳密さを,ときには犠牲にしても、とにかく、やさしく書きました。
2 特殊なことがらや,例外的な事項はすべて無視して,実務上,これだけは必要、というポイントにしぼりました。
3 図や表を,できるだけ沢山採用いたしました。
これで、ずいぶん、わかりやすくなりました。
4 各節のおわりに,「まとめ」を設け,勉強のしあげをしていただくことにいたしました。

読者のみなさん。
とにかく、最後まで、読んでみてください。
最後まで読んでいただければ,法人税の基本的なしくみと考え方を,きっと、ご理解いただけると、じつは、ひそかに確信しているのです。
昭和60年12月
公認会計士 辻 敢
税理士 齊藤 幸司

なお,この本をお読みいただいて、疑問のある方,もっとくわしく知りたい方は、ぜひ,
お名前,ご住所,ご質問の要旨,電話番号(FAX番号)
をご明記のうえ,
FAX番号03-6777-3483
税務研究会出版局
まで,ご質問ください。
かならず、お電話にてお答えさせていただきます。

辻 敢 (著), 齋藤 幸司 (著)
税務研究会出版局、出典:出版社HP

目次

第1章 法人税の基礎

1 法人税を納めなければならない法人
(1) 法人税はどんな税金か
(2) 法人にはどんな種類があるか
(3) すべての法人に法人税がかかるか
2 法人税のかかる利益
(1) 会社の利益に対してどんな税金がかかるか
(2) 法人税は何に対してかかるか
(3) 利益と所得はなぜ違うのか
3 所得金額の計算のしかた
(1) 益金不算入・益金算入・損金不算入・損金算入とはどういうことか
(2) 所得金額の計算はどのようにするのか
(3) 申告調整とはどういうことか
4 会社の決算と税法
(1) 損金経理とはどういうことか
(2) 決算調整とはどういうことか

第2章 収益の税務

1 益金となるものならないもの
(1) 収益と益金はどう違うか
(2) 益金とならないのはどんなものか
2 収益はいつ計上するか
(1) 商品を売ったときいつ収益を計上するか
(2) 請負の収益はいつ計上するか
(3) 土地を売ったときいつ収益を計上するか
(4) 収益計上の時期に特例はあるか
3 受取配当金は益金にならない
(1) 受取配当金はなぜ益金にならないか
(2) 益金不算入とならない配当金とはどんなものか
(3) 益金とならない金額はどうやって計算するか
(4) 外国子会社からの受取配当金も益金にならない
4 評価益と還付金
(1) 土地の値上り益は計上できるか
(2) 税金の還付金はどう扱われるか
5 土地を貸すとき権利金はどうするか
(1) 土地を貸したら権利金をとらなければならないのか
(2) 相当の地代とはどのようなものか

第3章 費用の税務

1 損金となるものならないもの
(1) 費用と損金はどう違うか
(2) 損金とならないのはどんなものか
(3) 費用はいつ計上するか
2 減価償却とは
(1) 減価償却とはどういうことか
(2) 減価償却できない資産とはどんなものか
(3) 費用に落とせる資産とはどんなものか
(4) 減価償却の方法にはどんなものがあるか
(5) 償却できる限度額はどのように計算するか
(6) 平成19年度税制改正による償却方法
(7) 「200%定率法」の償却方法
(8) 資本的支出の償却方法はどうなるのか
(9) どんなものが取得価額となるか
(10) 償却の超過額・不足額はどのように扱われるか
(11) 償却方法は届け出なければならないか
(12) どんなものが修繕費となるか
(13) 特別償却にはどんなものがあるか
3 繰延資産とはどういうものか
(1) 繰延資産とはどういうものか
(2) 繰延資産にはどんなものがあるか
(3) 償却はどのようにするのか
4 役員給与にはいろいろな制限がある
(1) 税法上の役員とはどういう人をいうのか
(2) 役員給与にはどんなものがあるか
(3) 税法上,役員給与の取扱いはどうなるのか
(4) 高すぎる役員給与はどうなるか
(5) 役員退職金はいつ損金になるか
(6) 退職しないのに退職金を払えるか
5 損金となる寄附金には限度がある
(1) 寄附金とはどんなものか
(2) 寄附金はどのように処理すればよいのか
(3) 寄附金のうちどれくらいが損金になるのか
6 損金となる交際費には限度がある
(1) 損金となる交際費には限度がある
(2) 交際費とはどんなものか
(3) どんなものが交際費とならないのか
(4) 売上割戻しでも交際費となることがある
7 損金とならない租税公課がある
(1) 法人税は損金にならない
(2) 事業税等・固定資産税はいつ損金になるのか
8 貸倒れの条件はきびしい
(1) どんなときに貸倒れができるのか
9 圧縮記帳とはどういうものか
(1) 圧縮記帳とはどういうものか
(2) 資産を交換しても税金がかかるのか
(3) どんなときに特定資産の買換えが認められるのか
(4) 特定資産の買換えはどれくらい圧縮記帳できるのか
(5) 平成21年・22年に土地等を先行して買った場合の課税の特例とはどういうものか
10 評価損は認められない
(1) 商品の評価損は認められないのか
(2) 株式の評価損は認められないのか
(3) 機械の評価損は認められないのか
(4) 評価損はどれだけ認められるのか
11 引当金とはどのようなものか
(1) 2つの引当金がある
(2) 貸倒引当金とはどういうものか
(3) どんなものが貸倒引当金の対象となるのか
(4) 貸倒引当金はどれだけ計上できるのか
(5) 貸倒引当金はどのように経理したらよいのか
12 特別控除とはどういうものか
(1) 特定の長期所有土地等の所得の特別控除とはどう
いうものか
13 欠損金はどのように扱われるのか
(1) 欠損金は繰越しできるのか
(2) 欠損金の繰戻し還付とはどういうものか
14 消費税はどのように扱われるのか
(1) 消費税はどのように経理処理すればよいのか
(2) 税抜経理方式とはどういうものか
(3) 税込経理方式とはどういうものか
(4) 費用に落とせる資産は消費税を入れて判定するのか
(5) 交際費の損金不算入は消費税を入れて計算するのか

第4章 税額計算と申告・納付

1 税額計算のしくみはどうなっているか
2 同族会社に対する特別な税金とはどのようなも
のか
(1) 同族会社とはどのようなものか
(2) 同族会社には特別な取扱いがある
(3) 特定同族会社には特別な税金がかかる
(4) 特定同族会社の留保金課税の適用をうけない会社
とは
3 土地を売ったら特別な税金がかかる
4 税額控除にはどのようなものがあるか
(1) 試験研究費にかかる税額控除制度は3つある
(2) 試験研究費にかかる税額控除がある
(3) 特別試験研究費にかかる税額控除がある
(4) 中小企業に試験研究費があるときは税金が安くなる
(5) 機械等を買ったら税金が安くなる
(6) 源泉所得税等は法人税から控除される
5 申告と納付はどうすればよいのか
(1) 申告はいつまでにしなければならないのか
(2) 法人税はいつまでに納めなければならないのか
(3) 青色申告とはどんなものか

第5章 連結納税制度

1 連結納税制度とはどういうものか
2 どのような会社が連結納税制度の対象となるのか
3 承認申請はいつまでにしなければならないのか
4 どんなときに連結納税の承認が取消しとなるのか
5 どんなときに連結納税の適用の取りやめができるのか
6 連結所得金額・連結税額はどのようにして計算するのか
7 連結グループ法人間の取引はどのように扱われるのか
8 欠損金の取扱いはどうなるのか
9 連結所得金額に対する税率は何パーセントなのか
10 申告・納付はいつまでにしなければならないのか

第6章 グループ法人単体

1 グループ法人単体課税制度とはどういうものか
2 どのような法人が対象となるのか
3 どのような譲渡が対象となるのか

※本書の内容は,平成31年4月1日の法令等に基づいています。(注)平成31年5月1日以後の新元号については、法律上の「平成」の表記となっています。

辻 敢 (著), 齋藤 幸司 (著)
税務研究会出版局、出典:出版社HP