日経テスト過去問対策 – 練習問題 ・例題サンプル(一問一答無料)

日本経済新聞社 (編集)
出版社: 日本経済新聞出版社 、出典:出版社HP

問題にチャレンジ!

日経テストでの過去問題は公表されていませんが、参考になる無料問題を解いてみましょう。

ちなみに、日本経済新聞を発行している日本経済新聞社の採用の過去の試験問題が日本経済新聞社のHPでありますが、そちらは日経テストの過去問題ではありません。

 

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出典:出版社HP

 

 

 

 

下記のような対策が必要になります。

Q1 日本の国内総生産(GDP)について、正しい説明はどれか。
①個人消費の割合は半分未満だ。
②国と地方の借金の合計とほぼ等しい。
③株価や土地の値上がり益を含む。
④総額は米国、中国に次ぎ世界3位である。

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A=④ キーワード●GDP
国内総生産(GDP)とは、国内で一定期間に生産されたモノとサービスの付加価値の合計です。「生産」の合計なので、株や土地の値上がり益は含みません(ただし、値上がり分がモノやサービスへの支出に回れば、GDPの拡大に結びつきます)。また、日本の場合、個人消費(民間消要)が占める割合は60%近く。米国では約70%、中国は50%未満です。
日本のGDPは約550兆円。政府や地方自治体の国債や借入金などを合わせた日本の「国と地方の借金」は2019年度末見通しで1122兆円。「GDPの約2倍」と覚えておくといいと思います。
GDPは国の経済規模を示します。ドル換算で海外と比較すると2017年、世界での順位は米国19.5兆ドル、中国12.0兆ドル、日本4.9兆ドルの順で世界3位なのは、入門解説で説明した通りです。

Q2 円高が進むことで起きるのはどれか。
①輸出産業の業績が好転する。
②日本企業が海外企業を買収するコストが下がる。
③投資家や企業が海外に持つ資産が円換算で膨らむ。
④訪日観光客の消費が活発になる。

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A=② キーワード●円高
円の価値が高まり、1ドルが110円から100円になるのが「円高」です。輸出産業は円に換算した売上高が目減りしたり、現地での値下げを迫られたりするため、業績にはマイナスです。同じ理屈で投資家や企業が海外に持つ資産の円換算額は目減りします。
ここ数年、訪日観光客(インバウンド)が増加し、日本での消費も活発だったのは、1ドル=120円台まで進んだ円安の恩恵でした。円高が進むと訪日客の消費に水を差します。逆に、日本から海外への旅行商品が安くなったり、海外での買い物が割安になったりして、海外への旅行客が増えることは考えられます。
日本企業が海外企業を買収するコストは、資金を海外で調達するようなケースを除けば、一般に下がると考えられます。日本企業の海外でのM&A(合併・買収)が活発になる可能性があります。

Q3 日本の物価の下落につながると考えられるのはどれか。
①企業の設備投資の活発化
②原油価格の上昇
③オフィスビルの空室率上昇
④為替相場の円安

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A=③ キーワード●物価、消費者物価、企業物価
物価は基本的に需要と供給のバランスか、供給コストの変動で決まります。原油価格の上昇はガソリンの値上がりやそれに伴う物流コストの上昇などにつながるため、物価が上昇する要因。円安も輸入品の価格上昇につながります。
企業が設備投資を活発にすると、資材などの需要が高まり、物価上昇要因になります。オフィスビルの空室率が上昇するということは、賃料の低下に結びつき、物価の下落につながる要因になると考えられます。直接には企業向けサービス価格指数に影響しますが、消費者物価にも遅れて反映すると考えられます。
消費者物価指数は総務省、企業物価指数と企業向けサービス価格指数は日銀が発表しています。

Q4 次の日本の経済統計のうち、企業への聞き取り調査をもとにしたものはどれか。
①日銀短観
②景気ウオッチャー調査
③新規求人数
④貿易統計

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A=① キーワード●日銀短観
日銀短観は、正式名称を「全国企業短期経済観測調査」といいます。全国の約1万1000社の企業を対象に、四半期ごとにアンケートと聞き取りを実施しています。中央銀行である日銀がこのように調査し発表しているのは、全国の企業動向を的確に把握し、金融政策を適切に運営するためです。
内閣府が発表している景気ウオッチャー調査も聞き取り調査ですが、タクシーの運転手やコンビニの店長など、仕事で景気の動向を感じとれる人を対象にしたものです。
新規求人数は、ハローワークが取り扱う新規の求人数のことで、厚生労働省が発表します。貿易統計は全国の税関が実際に輸出入された貨物の動きを通関時点で集計した統計で、財務省が発表しています。

Q5 日本銀行法は、日銀の金融政策の理念について「()の安定を図ること」と定めている。()に当てはまるのはどれか。
①経済
②物価
③雇用
④財政

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A=②
キーワード●日銀、中央銀行
日銀法は第2条で「日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする」と定めています。「物価の安定」とは日銀によると、「家計や企業などの経済主体が、財・サービス全般の物価水進の変動に煩わされることなく、消費や投資などの経済活動にかかる意思決定を行うことができる状況」です。「物価の安定」の指標となるのが消費者物価です。日銀が2013年1月の金融政策決定会合で、消費者物価の前年比上昇率2%の「物価安定の目標」を導入したのも、これに基づくものです。各国の中央銀行もこの「物価の安定」を目的にしていますが、米国の中 央銀行、連邦準備理事会(FRB)は物価の安定に加え、「雇用の最大化」を目的に掲げています。

Q6 日本の金利についての説明で、間違っているのはどれか。
①期間1年以上の金利を長期金利と呼ぶ。
②日本の長期金利の指標は新発10年物国債の利回りだ。
③国債の価格が上昇すると、長期金利も上昇する。
④金利が下がると一般に景気に好影響を与える。

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A=③
キーワード●長期金利、債券価格
期間1年未満の貸し借りに適用する金利を短期金利、1年以上の貸し借りに適用する金利を長期金利と呼びます。長期金利の指標は日本でも米国でも、政府が新規に発行する10年物国債の金利です。「新発10年物国債の利回り」と呼び、市場で売買されている国債の金利から決まります。国債を買う人が増えると市場での価格は上がる一方、利回り(長期金利)は下がる、逆の関係にあります。日本では日銀が国債の購入を大幅に増や しました。金利を下げるとともに、国債を売った金融機関がその代金を受け取るため融資をしやすくし、企業が設備投資に使う長期資金を借りやすくする効果を狙ったものです(量的緩和)。なお、国債は政府の信用力に基づき発行されるので、一般に政府の信用力が下がると国債は売られ、価 格は下がり、長期金利は上昇しやすくなります。

Q7 日本の政府予算の歳出項目で、金額が多い順に並んでいるのはどれか。
①社会保障費、公共事業費、国債費
②国債費、社会保障費、公共事業費
③社会保障費、国債費、地方交付税交付金
④国債費、地方交付税交付金、社会保障費

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A=③
キーワード●政府予算、社会保障
日本の政府の一般会計予算案は2019年度、101兆4571億円。当初予算で初めて100兆円を突破しました。最大の歳出項目は社会保障費で約34兆593億円、全体の約34%を占めます。次に多いのは国債費(23.5兆円)、地方交付税交付金(約16兆円)、公共事業費(約6.9兆円)の順で、これに文教及び科学振興費、防衛費などが続きます。なお、税収で国債費を除いた政策経費をどれだけ賄えるかを「基礎的財政収支」といいます。

Q8 日本の経常収支の中で、「黒字」の額が最も大きいのはどれか。
①貿易収支
②サービス収支
③第1次所得収支
④第2次所得収支

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A=③
キーワード●経常収支、第1次所得収支、貿易収支
経常収支は海外との取引全体の収支です。第1次所得収支は海外子会社が生み出す収益(直接投資収益)などの収支。モノの輸出入の収支である貿易収支は2011年の東日本大震災で原子力発電所が止まり、原油・天然ガスの輸入が増えたため11~14年は赤字。その後黒字に転じましたが、18年は原油価格上昇などで黒字幅が縮小しました。

Q9 日本の労働力人口の定義として、正しいのはどれか。
①15歳以上の全人口のうち就業者の人数
②15歳以上の全人口のうち就業者と完全失業者の人数
③生産年齢人口(15~64歳)のうち就業者の人数
④生産年齢人口(15~64歳)のうち就業者と完全失業者の人数

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A=②
キーワード●労働力人口、生産年齢人口
労働力人口は、働いている人(就業者)だけでなく、働く意欲があっても仕事が見つからない人(完全失業者)も加えて算出します。完全失業者とは働く意思を持ち求職活動を行っている人なので、労働力人口に含めます。生産年齢人口(15歳以上65歳未満)であっても、働く予定がない人は「非労働力人口」に分類し、労働力人口には含めません。労働力人口は「完全失業率」の分母になります。

Q10 次の株価指数のうち、算出のもとになる企業の数が最も少ないのはどれか。
①日経平均
②香港ハンセン指数
③NYダウ
④ロンドンFTSE

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A=③
キーワード●株価指数、NYダウ
株価指数とは、株式市場全体の値動きを表すため、複数の銘柄の株価を一定の計算方法で指数にしたもの。採用銘柄の株価を平均する「株価平均型」と、市場全体の時価総額がどの程度増減したかを表す「時価総額加重平均型」があります。NYダウはニューヨーク証券取引所上場銘柄の「ダウ工業株30種平均」の略称で、米国を代表する優良企業30社の株価の平均です。日本経済新聞社が算出する日経平均株価も同じ仕組みですが、対象は東証一部上場企業の中の225社です。香港ハンセン指数は香港証券取引所上場企業のうち約50社、ロンドンFTSEはロンドン証券取引所に上場する時価総額上位100社が対象。中国の上海総合指数や東証一部上場企業全社を対象にしたTOPIXと同様、時価総額加重平均型の指数です。

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Q11以下のAとBに当てはまる言葉の組み合わせとして、ふさわしいのはどれか。
・企業の本業の収益力を示すのは(A)である。
・すべての資本をいかに効率的に使って稼いだかを示すのは(B)である。
①A=売上総利益 B=在庫回転率
②A=営業利益 B=総資産利益率(ROA)
③A=経常利益 B=配当利回り
④A=税引前当期純利益 B=自己資本利益率(ROE)

A=②
キーワード●営業利益、ROA
Aの、企業の「本業の収益力」を示すのは営業利益であることは入門の解説でも詳しく説明しました。売上高から原材料費など売り上げの獲得にかかった費用(売上原価)や販売活動、経理など会社の管理業務にかかる費用(販管費)を差し引いた、営業活動から稼ぎ出した利益です。資産運用や借り入れによる損益を加えたのが経常利益になります。Bの「すべての資本」とは、株主資本(自己資本)と負債(他人資本)の合計のことで、総資産利益率(ROA)がこれに当てはまります。株主の立場から、株主が投資したお金をいかに効率的に使ったかであれば自己資本利益率(ROE)です。在庫回転率は「売上高在庫」、配当利回りは株主の投資額に対する配当額の割合で、1株当たりの「配当額+株価」で計算します。

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Q12 自己資本利益率(ROE)を改善する策として、正しいのはどれか。
①収益力を引き上げるため、不採算事業から撤退する。
②増配を見送り、手元資金をため込む。
③個人投資家が買いやすいように、株式を分割する。
④資本力の強化を狙って、大規模な公募増資に踏み切る。

A=①
キーワード●ROE
自己資本利益率(ROE)は、企業の自己資本に対する純利益の割合を示します。ROEは、利益(分子)を増やすか、資本(分母)を減らせば上昇します。企業が稼いだ純利益から株主への配当金を支払った残りは利益剰余金で、ため込めば資本を増やすことになります。公募増資も資本が増えます。株式分割は株式数が増えますが、自己資本は変わらないので、ROEの改善にはつながりません。
不採算事業からの撤退は、一般に利益を増やすことにつながります。これが正解になります。このほか事業再編や、成長分野への投資や付加価値の高い製品の開発に取り組むことも、ROEの改善につながる対策です。日本企業は欧米の企業に比べて株主から見た稼ぐ力であるROEが低いと指摘されてきました。

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Q13 東京証券取引所と金融庁が2015年に導入した企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)について、正しい説明はどれか。
①1部上場企業に最低1人の社外取締役を選任するよう求めている。
②株主以外のステークホルダーとの関係には触れていない。
③株式を保有する機関投資家に求める行動原則も盛り込んでいる。
④安倍政権が2013年に閣議決定した成長戦略に盛り込まれた。

A=④
キーワード●コーポレートガバナンスコード
コーポレートガバナンス・コードは、上場企業に「企業価値」の向上を求める行動指針です。東京証券取引所と金融庁が2015年にまとめ、18年6月に「改訂版」が出されました。株主の権利・平等性確保や取締役会の責務、株主との対話など5つの基本原則で構成。強制力はない半面、指針を実施しない企業はその理由を投資家に説明する必要があります。
東証上場企業には経営から独立した立場の社外取締役を「2人以上」選ぶように求めた項目があり、株主以外のステークホルダーとの協働など社会貢献も求められます。安倍政権が2013年に閣議決定した成長戦略にも盛り込まれました。「株式を保有する機関投資家に求める行動原則」は、スチュワードシップ・コードといい、金融庁が別途まとめて公表しています。機関投資家とは、年金基金や信託銀行などを指します。

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Q14 企業のキャッシュフローの増加要因になるのはどれか。
①借入金の増加
②運転資金の増加
③固定資産の取得
④配当金の支払い

A=①
キーワード●キャッシュフロー
キャッシュフローには、日々の営業活動に伴う現金収支を示す営業キャッシュフロー、設備投資や企業買収に伴う投資キャッシュフロー、財務活動に伴う財務キャッシュフローの3つがあります。その増減は「お金が出るか入るか」で判断します。運転資金の増加はお金が出ていくので営業キャッシュフローの減少要因。固定資産の取得もお金が出ていくので投資キャッシュフローの減少要因です。
銀行への利払いは財務キャッシュフローの減少要因、新たな借り入れで資金を調達することは、増加要因です。株主への配当金は財務キャッシュ フローの減少要因となります。財務諸表の中で、その期間のお金の出入りを示すのが、キャッシュフロー計算書です。

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Q15 知的財産権に関する次の記述の中で、正しいのはどれか。
①特許権は出願手続きをすると技術内容を秘匿できる。
②意匠権は出願手続きをしなくても成立する。
③著作権の保護期間は国際的に短縮される傾向にある。
④営業秘密は不正競争防止法で保護される。

A=④
キーワード●知的財産権、不正競争防止法
特許権は発明を独占的に使って製品を作ったり売ったりすることができる権利です。特許を出願すると、特許庁はその内容を1年半後に公開し、その発明に新規性があるかなどを調べて特許と認めます。独占使用権を得る半面、技術情報を公開することになります。
出願しなくても成立するのは著作権です。著作権の保護期間は、日本が50年だったのに対して欧米は70年。日本は環太平洋経済連携協定(TPP)11の2018年12月の発効に伴い、保護期間を70年に延長しました。
営業秘密とは顧客情報、装置の図面、技術ノウハウなどのことで、企業が公正に競争することを促す不正競争防止法で保護されます。2016年に営業秘密の海外流出防止に重点を置き、罰則を強化した改正法が施行されました。

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Q16 労働基準法が「定めていない」のは、どれか。
①1週間の労働時間
②都道府県ごとの最低賃金
③有給休暇の付与
④時間外労働への残業代支払い

A=②
キーワード●労働基準法
労働基準法とは、労働環境を守るための最低限の労働条件を定めた法律です。「強い立場の経営者から弱い立場の労働者を守る」との考えから、法律で示した基準を「下回ってはならない」という形で、労働時間、休日、有給休暇、賃金の支払い方などを定めています。「働き方改革」で2019年4月に設けられた、高収入で専門知識を持つ労働者を本人の同意を条件に労働時間の規制から外す「高度プロフェッショナル制度」は、労働基準法にかかわるものです。
「都道府県ごとの最低賃金」を定めているのは最低賃金法です。正社員だけでなくパートタイマーや派遣社員などすべての労働者にあてはまり、最低賃金を下回る賃金を払っていた企業には罰金が科されます。金額は毎年1回、労使の代表が参加する厚労省の審議会で議論して決めます。

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Q17 ロンドン金属取引所(LME)の価格が世界の指標であり、EV(電気自動車)化とIoT(インターネット・オブ・シングス)化で需要が増す資源はどれか。
①プラチナ
②コバルト
③リチウム
④銅

A=④
キーワード●ベースメタル、ロンドン金属取引所(LME)
銅は、電線や家電など用途が幅広い金属資源で、経済の発展には欠かせない資源です。鉄、アルミニウムなどとともに「ベースメタル」と呼ばれますが、半導体にも多く使われ、IoTの進展で確実に需要は増します。日本の大手商社も主産地である南米チリなどに銅鉱山を保有しています。
銅は、原油などと同様、国際商品として先物市場で取引されています。金属の取引で国際的な指標になっているのがロンドン金属取引所(LME)の取引です。プラチナとコバルトもLMEで取引される商品です。プラチナは宝飾用の貴金属としての需要のほか、産業用にはディーゼル車の触媒に使われ、EV化では需要が減ります。コバルトとリチウムはEVに不可欠な電池の材料ですが、銅はモーターに多く使われるなど、EVにも不可欠です。条件を満たすのは「銅」です。

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Q18 マーケティングを構成する要素は4つのPで示される。
Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)と、あと1つはどれか。
①Package(包装)
②Physical distribution(物流)
③Planning(企画)
④Promotion(販売促進)

A=④
キーワード●4P戦略
マーケティングを構成する4PはProduct、Price、Place、Promotionです。製品を通じ顧客に価値を提供するのがマーケティングの最大の狙い で、それにはまず顧客に評価される製品を生み出し、次いで価値に見合った価格を設定し、販路を構築します。顧客を引きつけるには、さらに必要なことがあります。製品を分かりやすく伝えるための取り組みで、そのプロセスがPromotionです。広報、宣伝、イベント、サンプリング(見本 配布)などが一般的な方法です。
市場にはモノやサービスがあふれており、品質は優れていても、その魅力がしっかり顧客に伝わらなかったために消えていくものも多く、Promotionも重要です。「4P」を組み合わせて、商品の売り込み方を決めます。この手法を「マーケティング・ミックス」と呼びます。

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Q19 経営学者のフィリップ・コトラーによって分類された企業の4形態(リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャー)の説明で誤っているのはどれか。
①ある市場でトップのシェアを持つ企業はリーダー企業と呼ばれるのにふさわしい。
②チャレンジャー企業とは、ある市場に参入して間もないスタートアップ企業のことである。
③フォロワー企業がリーダー企業に対し、攻撃的に立ち向かう例はあまり見られない。
④ニッチャー企業は限定された市場における利潤・名声などを目指す傾向がある。

A=②
キーワード●競争戦略
コトラーはマーケティングの世界的権威で、その理論がビジネスの現場でよく引用される経営学者です。コトラーは企業が持つ相対的経営資源の質と量に注目して表の4つに企業を分類しています。経営資源の質が高く量も相対的に多いチャレンジャー企業は、リーダー企業がとりたくてもとれないような差別化戦略(思い切った高・低価格や独自技術の開発など)をとるべきだとしています。業界における自社のポジションを明確にし、適切な戦略を打ち出すうえで重要な理論です。

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Q20 ある選択をしたとき、別の選択をすれば得られたかもしれない利益の中で最大のものを、経済学の用語で何と呼ぶか。
①逸失利益
②機会費用
③サンクコスト
④期待効用

A=②
キーワード●機会費用
「機会費用(opportunity cost)」はビジネスの現場でも使われることが多い、経済学の重要な概念です。人間はある活動を選択するとき、ある活動をしない選択(トレードオフ)を迫られています。その活動を選択することで放棄した選択肢の中で、最も大きかった利益(便益)が「機会費用」です。例えばすべての作業を自社の社員で行えば社外にお金は出ていきませんが、その時間を営業に回すことで得られたはずの収入分を払っていることになるため、アウトソーシングなどを検討することになります。
逸失利益は経済学の用語ではありませんが、「交通事故に遭わなければ本来得られたはずの将来の収入」など、やや異なる概念です。サンクコスト(sunk cost)は埋没費用といい、ある事業から撤退すると戻らないお金。期待効用はゲーム理論などで使われる用語です。

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出典:出版社HP