業界・企業研究にも使える 図解でわかる 時事重要テーマ100 2020年度版

 

 

はじめに

本書は、 試験における筆記テスト、グループディスカッション、 面接の突破に向けた学習の一助となることに主眼をおき企画、構成したものである。かつては、時事ニュースは筆記テストで問われるくらいだったが、近年ではグループディスカッションのテーマになったり、面接試験で見を求められることが増加している。

本書では、国内外で話題になっている時事ニュース、取治・経済の 重要キーワードを、全9章・100テーマに分類し、やさしく解説した。 時事や政治・経済にあまりなじみのない方にも理解できるよう、豊富にイラストや図を掲載し、ひと目で重要なポイント(論点)が分かるよう試みた。
就職活動により役立つよう、業界・企業に関する基礎知識、新聞などを読むのに必要な経済用語も紹介している。本書をうまく活用して、就職試験を乗り切ってもらいたい。

日経HR編集部 (著, 編集)
出版社: 日経HR; 2020年度版 (2018/9/25)、出典:出版社HP

 

目次

本書の特長と活用法………………6
姉妹本のご紹介………………8

第1章 重要テーマセレクト10………………9

01 世界の政治情勢……………… 10
02 北朝鮮問題………………12
03 トランプ政治………………14
04 2018年国会の動き………………16
05 働き方改革………………18
06 GDPR(一般データ保護規則) ………………20
07 AI(人工知能) ………………22
08 難民問題………………24
09 ビョンチャン五輪・パラ五輪………………26
10 東京五輪への期待と課題. ………………28
確認ドリル………………30

第2章  国際社会………………31

11 サミット(主要国首脳会議) ………………32
12 アジアインフラ投資銀行(AIIB) ………………34
13パレスチナ問題………………36
14南シナ海問題………………38
15 イギリスのEU離脱(Brexit) ………………40
16国際連合………………42
17核軍縮………………44
18世界の宗教………………46
19世界の経済連携………………48
20太平洋経済連携協定(TPP11) ………………50
21シリア内戦………………51
確認ドリル………………52

第3章

国内政治・行政………………53
22憲法改正論議………………54
23普天間基地移設問題………………56
24日本の国境をめぐる情勢………………58
25 特定秘密保護法………………60
26集団的自衛権………………62
27改正組織犯罪処罰法(「共謀罪」法) ………………64
28成人年齢引き下げ………………65
29改正健康増進法(受動喫煙防止) ………………66
30総合型リゾート(R)実施法………………67
31 マイナンバー制度………………68
32国家安全保障会議(日本版NSC) ………………69
33一票の格差問題………………70
34 女性活躍推進法………………70
35国家戦略特区………………71
36衆議院と参議院………………71
確認ドリル………………72

第4章 経済………………73

37 仮想通貨………………74
38アベノミクス………………76
39 国家予算………………78
40消費増税と軽減税率………………80
41 社会保険………………82
42年金制度………………84
43 iDeCo………………86
44 フィンテック………………87
45 キャッシュレス………………88
46 クラウドファンディング………………88
47インバウンド消費………………89
48 国内証券取引所の株式売買単位統一………………89
確認ドリル………………90

第5章 業界・企業………………91

49 企業買収・合併………………92
50 企業の分類①………………94
51 企業の分類②………………96
52 ビジネスモデル………………98
53 サプライチェーン………………100
54 巨大企業グループ………………102
55 業界再編・異業種連携………………104
56 企業不祥事………………106
57 企業サイトによくある言葉………………108
58 オムニチャネル109
59 シェアリングエコノミー109
確認ドリル………………110

第6章 労働・雇用………………111

60 人手不足………………112
61 雇用契約………………114
62 育児休業・ワークライフバランス………………116
63 ハラスメント………………118
確認ドリル………………110

第7章 テクノロジー………………123

65 第4次産業革命………………124
66 サイバー攻撃………………126
67 自動運転………………128
68 ドローン………………129
69 iPS細胞………………130
70 宇宙開発………………131
71 顔認証技術………………132
72 4K・8K実用放送開始………………132
73 ビッグデーター………………133
74 VR(仮想現実) ………………133
確認ドリル………………134.

第8章 社会・環境………………135
75 世界遺産………………136
76日本の国土………………138
77待機児童………………140
78民泊………………141
79天皇陛下退位日程………………142
80 eスポーツ………………143
81ダイバーシティ………………144
82大学入試改革………………145
83ノーベル賞………………146
84司法取引………………147
85 EVシフト………………147
86プラスチックごみ規制………………148
87将棋ブーム………………148
88サッカーワールドカップロシア大会………………149
89 2018年のスポーツ界………………149
確認ドリル………………150

第9章  経済の基礎知識………………151

90景気………………152
91 GDP………………154
92インフレ・デフレ………………155
93日本銀行の金融政策………………156
94 国債………………158
95貿易………………159
96円高・円安………………160
97企業決算………………162
98損益計算書………………164
99賃借対照表(バランスシート) ………………164
100おもな決算用語………………165
確認ドリル………………166

日経HR編集部 (著, 編集)
出版社: 日経HR; 2020年度版 (2018/9/25)、出典:出版社HP

 

本書の特長と活用法

本書の5大特長

●100 テーマ厳選して紹介
政治、経済などのさまざまな出来事の内容や その課題を、全9章で100 テーマを厳選して 掲載。第1章の「重要テーマセレクト 10」では、 特に話題を集めている重要なテーマをまとめた。

●「そもそも」からやさしく解説
言葉は見たり、聞いたことがあるけど、さっぱりわからない――そんな方のために、「そもそも何なのか」から詳しく解説。最重要ポイ ントは「コレだけは押さえる!」として掲載した。

●ビジュアル誌面で分かりやすい
各テーマの内容がひと目で分かるように、イラストや図を使って解説。解説文はあえてシン プルにした。短時間でイッキに理解すること が可能だ。

●就活対策に特化
筆記テストやグループディスカッションなどの 「採用試験」の対策だけでなく、企業や業界 の研究に役立つ情報、就職前には知っておきたい雇用に関する基礎知識も掲載した。

●経済知識の基礎も掲載
新聞やテレビで報道される、経済や企業に関 するニュースを理解するため、経済の基礎的 な用語もいくつか取り上げた(第9章)。

●本書の内容は、原則として2018年7月31 日時点での情報に基づきます。
●敬称、商標は省略しています。
●引用・転載しているデータ・資料等の出所(参考文献、ウェブサイト)は、各ページに明記しています。 なお、本書制作にあたり、さまざまなウェブサイト 等も参考にしています。

【ここからは100 テーマのうち、いくつかをピックアップ】

01世界の政治情勢

そもそも何

ヨーロッパでも「自国第一主義」動力が伸張
国史上最年少のフランス大統領は国内改革を推進
中国はシルクロード経済圏(一帯一路)構想を提唱

EUに対する批判が「自国第一主義」へ

2017年、ヨーロッパ主要国で重要な選挙が 相次いだが、国際協調よりも自国の利益を強調する「自国第一主義」の勢力が伸張。移民 が押し寄せたことなどをきっかけに、移民ら の排斥を掲げる極右勢力が台頭した形だ。EU からの離脱を決めた英国に見習うような形で、 フランスやイタリア、オランダでも、「反 EU」 や「反エリート」を訴えた候補や政党が支持を 伸ばした。結果、ドイツでは6カ月間、イタリ アでは3カ月間という政治空白期間が続いた。 背景には、経済格差の拡大や若者の失業率 の高さなどがあげられる。ヨーロッパ諸国は、 第二次世界大戦後、積極的に統合を進めて きたが、それらの問題の解決策を見出せない EUに対し、批判の矛先が向けられている。

関連キーワード

極右:一般には、極端な右翼思想(民族主義的、排外主義的な信条)のもと、自国の伝統や文化を過度に重んじて移民排斥などを訴えている思想・集団・個人などを指す。経済格差の拡大や移民・難民の受入れ問題を背景として、欧州各国で極右の勢力が台頭している。

大国の長期政権
中国では「一帯一路」構想を唱え国際的に も存在感を増す習近平国家主席が2期目に入 り、一層の権力集中を進めている。ロシアで はプーチン大統領が4期目に入ったが、停滞 する経済が改善する兆しは見えていない。米 国や欧州との関係は良くなく、政治的手腕が 問われている。

コレだけは押さえる!
●ヨーロッパでは「自国第一主義」を掲げる勢力が伸張。EU の統合という理念 が揺らぎ始めている。
●中国は、シルクロード経済圏構想や 「社会主義現代化強国」などを掲げ、中 国主導の国際秩序をめざしている。

一歩進んで

国連食程農業機関(FAO)によると、現在、中東・アフリカの4カ国(ソマリア、南スー ダン、ナイジェリア、イエメン)が「過去70年で最悪レベル」の食糧危機に見舞われている。食危機から脱するためにも、これらの地域の政治的安定が望まれる。

20 環太平洋経済連携協定 (TPP 11)

そもそも何

太平洋を囲む国が参加する貿易協定
米国を除く11 カ国で、2018年3月に新協定に署名
農産物・工業品などの関税が 100%近く撤廃される

関税撤廃などで経済活性化
2018年3月、日本やオーストラリアなど太 平洋を囲む 11カ国は、離脱した米国を除く環 太平洋経済連携協定(TPP)の新協定「TPP11」 に署名。日本は農産・工業品すべての貿易品目の95%、他の10カ国は99~100%の関税を撤廃するなどし、経済活性化につながると 期待されている。19年の発効をめざしていて、 発効後すぐに新たな加盟希望国と交渉を始める方針。タイが 19 年中の新規加盟を目指しているほか、コロンビアも加盟希望を表明している。
TPPを離脱し2国間交渉を望む米国に対し、 日本はTPP 復帰を引き続き要請。保護主義か らの脱却を呼びかけている。

コレだけは押さえる!
●TPP 協定に署名した12カ国のうち、 離脱した米国を除く11 カ国で、2018年 3月、TPP11 に署名。
●19年の発効を目指している。発効後、 参加国拡大へ向けて加盟を希望する国 との交渉を始める予定。

21 シリア内戦

そもそも何

2011年に始まった、アサド政権、反体制派、IS の争い
周辺国に加え、ロシアや米国といった大国も介入
多数の死者や難民が発生し、人道危機が深刻化

混迷深めるシリア内戦
2011 年に中東で起こった反政府・民主化運動「アラブの春」がシリアにも拡大。独裁的 な政治を続けるアサド政権と、反体制派との 激しい内戦が始まった。これに過激派組織「イ スラム国」(IS)が加わり、アサド政権、反体 制派、IS による三つ巴の争いに。さらにロシ アとイランがアサド政権を、欧米諸国やトル コ、アラブ諸国が反政府勢力を支援する構図 となった。国連によると、長期にわたる混乱 で約630万人の難民が周辺国に避難する(17 年末時点)など、人道危機が深刻化した。

ISが弱体化し17年秋にほぼ壊滅状態となったが、戦闘はおさまらず、和平への道筋は見 えていない。

コレだけは押さえる!
●周辺国や大国の介入もあり、内戦が 泥沼化。シリア難民の受け入れは国際 的にも深刻な問題となった。
●ISが壊滅状態となり対立の構図に変 化が見られるが、依然として和平協議が 進展する見通しはない。

67 自動運転

そもそも何

運転の一部やすべてを代行するシステムのこと
将来的にはあらゆる状況での完全な自動走行を目指す
自動運転のレベルはレベル1から5までの5段階ある

125 年までに高速道路で完全自動運転を実現
運転の一部を支援したり、運転すべてを代行するシステムのこと。車に搭載されたカメラ やセンサー、レーダー、GPS(全地球測位シ ステム)とAI(人工知能)を組み合わせ、車 の周囲の状況を把握することでブレーキやハ ンドル操作を自動的に行う。将来的にはあら ゆる状況での完全な自動走行を目指す。
自動運転のレベルには、運転支援(レベル1)から完全自動運転(レベル5)までの5段 階がある。現在発売されている車では、自動 ブレーキなど特定条件下での自動運転(レベ ル2)が主流。政府は、2025 年までに高速道路での完全自動運転(レベル4)の実用化を目標に掲げている。

コレだけは押さえる!
●米国のメーカーでは一足早くレベル4 以上の自動運転車の開発を目標に、実証試験も実施されている。
●自動運転により、高齢者の操作ミスや運転者の違反が起因の事故などが、大幅に減ることが期待されている。

68 ドローン

そもそも何

無線で遠隔操縦する小型無人飛行機のこと
複数のプロペラを持ち操作が簡単で飛行も安定している
空撮や配送などでの活用が期待されている

多くの可能性を秘めた小型無人飛行機
ドローンとは英語で雄のミツバチのことを意味している。もともとは無線操縦される無人 飛行機全般のことだったが、最近では特に小型無人飛行機を指す場合が多い。
ヘリコプターのような複数のプロペラを持ち、操作が簡単で飛行も安定しており、低価格化してきたため、空撮や配送などさまざまな分野で活用されるようになってきた。
誰でも手軽に入手できるようになったことで、墜落による事故、テロや犯罪行為、プライバシーの侵害など、新たな問題が発生する 可能性が生じてきた。一方で民間ビジネスの応用への期待もあり、宅配などに生かすため の制度作りが急がれている。

コレだけは押さえる!
●危険な場所の空撮など、これまで困難だったことも可能になるため、さまざまな分野での活用が期待される。
●誰でも手軽に入手できるようになり、テロや犯罪での使用など、新たな問題も発生している。

77待機児童

そもそも何

全国に2万人以上おり、特に都市部で深刻化
認可保育施設が不足していることが原因
「隠れ待機児童」も多数存在

都市部の保育所不足が深刻
待機児童とは、認可保育施設に入所を申し込んでも入所できず、施設に空きが出るのを待っている児童のこと。共働きやシングルマ ザーなど働く女性が増え、特に都市部で保育 施設の需要が急激に増えた。
また、認可外の保育施設に預けられている児童(隠れ待機児童という)も多数いることが明らかになった。そこで、2017年3月、厚生労働省は自治体によってバラバラだった待機児童の定義を統一。18年度から親が育休中でも、保育所に入れれば復職したい人の子どもも「待機児童」に含めるとした。
なお、政府は 17年度末までとして掲げていた「待機児童ゼロ」の目標を3年先送りした。

コレだけは押さえる!
●認可保育所に入れず、仕方なく「認可外」へ子どもを預けている「隠れ待機児童」が多数いることが判明。
●保育の受け皿を増やす政策が進められているが、保育士数や用地確保の問題から待機児童の解消は難航している。

78 民泊

そもそも何

旅館業法で定められた旅館やホテルではなく個人の住宅やマンションに宿泊すること
ビジネスとしての民泊ルールを定めた民泊新法が施行

ホテル不足解消の一助に
2018年6月、住宅宿泊事業法(民泊新法) が施行された。住宅やマンションの空き部屋に、ビジネスとして旅行者を宿泊させるための法律。同時に違法物件の取り締まりも厳しくなった。
民泊新法が制定された背景には、近年急増する外国人旅行客がある。宿泊施設の不足や、 Airbnb など IT を活用した新しいビジネスモデルの普及が後押しした。
民泊の拡大は、東京五輪・パラリンピックを控えて、外国人旅行客の受け皿となり、日本国内での消費に好影響を与えるとみられる。ただ無許可営業の「ヤミ民泊」の問題や、近 隣住民とのトラブルなどにも対処が必要。

コレだけは押さえる!
●民泊施設の貸し主は、都道府県への登録が義務付けられ、年間180 泊を上限に民泊事業を行うことができる。
●18年6月から解禁されたが、厳しい 営業規制や届け出手続きの煩雑さなどから、営業の届け出は低調。

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日経HR編集部 (著, 編集)
出版社: 日経HR; 2020年度版 (2018/9/25)、出典:出版社HP