【最新】配色デザイン・配色パターンを学ぶおすすめ本

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配色デザイン/パターンを身に着けよう

デザイナーやイラストレーターなどの職業に挑戦したい、配色をより学んで、趣味などにつなげたいなどカラーセンスのスキルも大切になっております。そこで今回は配色のデザイン、パターンなどを学べる基本書から実践的なものまでご紹介します。

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出典:出版社HP

巨匠に学ぶ配色の基本―名画はなぜ名画なのか? (リトルキュレーターシリーズ)

名画の配色を学ぶ

「配色がうまくいっている名画」と「名画を加工して配色に失敗させた絵」が並んで掲載されており、「だからこの絵は名画なんだ!」と納得できます。とてもわかりやすいので、配色を勉強中の方もそれ以外の方でも楽しめる本です。理論的な説明がされているので理解しやすくなっています。

内田 広由紀 (著)
出版社 : 視覚デザイン研究所 (2009/2/25)、出典:出版社HP

巨匠に学ぶ 配色の基本 目次

名画の3条件
①共感を生む
名画は見る人を配色で元気にする
②美感を感じさせる
名画はすっきりして美しい気持ちに
③歓迎感を表す
名画は心を開放して明るくする

第1編 配色の基本型

色相型の効果
目指すイメージにぴったりの色相型で描く
①対決型 激しい緊張と開放感を表す
②視対決型 穏やかな緊張と開放感を表す
③三角型 すっきりした開放感を表す
④十字型 力強さと開放感を同時に表す
⑤全相型 自由で拘束の全くない開放感
⑥微全相型 穏やかで家庭的な開放感
⑦微開放型 穏やかな中に開放感を表す
⑧類似色型・⑨同系色型 仲間だけの落ち着いた世界
⑩微対決型 都会的でスタイリッシュ

色相の効果
それぞれの色相にはそれぞれのイメージがある
①紅色 幻想的な華やかさを表す
②赤色 健康的な活気と開放感を表す
③黄色 陽気な日常の気軽さを表す
④緑色 野性のパワーと自然を表す
⑤青色 堅実な働きと理性を表す
⑥紫色 優雅な高貴、神秘性を表す

トーンの効果
トーンのメッセージカは決定的です
①純色 積極的で力強い開放感
②明色 素直で明るい優しさを表す
③濁色 拘りと秘めた想いを表す
④淡濁色 拘りのある都会的な優しさ
⑤暗色 激しく強い意志と抑圧の力
⑥黒色 秘められた神秘の閉鎖空間
⑦白色 クリアで開放的な気持ち

コラム 色の配置3型 対決型・散開型・集中型
コラム マチエール 奥深い未知のメッセージを伝える
コラム 光のメッセージ−順光・全光・逆光
コラム 影 影は幻想と神秘を表す
コラム 不似合いな配色 不似合いな配色は、共感を生まない

第2編 配色の組み立て

引き立てとなじませ
組み立てと調整は引き立てとなじませで
①色相差 大差は生き生きと開放的
②明度差 小差は穏やかで優しくなじむ
③色量 小色量は優しい上品さを表す
④色数 多色は自然で落ち着く
⑤群化 全体がすっきりと緊張する
⑥アクセント バランスは崩さず生き生き
⑦リピート 画面全体が自然に融合する
⑧グラデーション&セパレーション 優しさ・情緒・穏やかさ
⑨バルール 近景を強く・遠景は弱く

第3編 主役を引き立てる

主役は気持ちを安定させる
主役は画面をすっきりさせる
①中央に・大きく・強い色で 堂々と力強い
②反対色 シャーブに生き生きさせる
③添え色 主役色は弱い色のままでも
④明度差を大きく 静かに生き生きとする
⑤領地を広く取る 優しい主役が強くなる

コラム 色彩のデフォルメ 固有色からの解放

所蔵先リスト
参考文献リスト
画家名索引

内田 広由紀 (著)
出版社 : 視覚デザイン研究所 (2009/2/25)、出典:出版社HP

名画の3条件 ①共感を生む

名画は見る人を配色で元気にする

私たちの心に深く残り続ける名画があります。これら名画の条件は三つあり、第一の絶対条件が「共感」です。画家が描いた想いが見る人の「共感」を呼び覚まし、心の奥から共鳴したときに名画が生まれます。

華やかで、生き生きした気持ちにさせるのは、どっち?
このカフェは今でもアルルの広場に残っていますが、実景はありふれた街角です。しかしゴッホは輝くような華やかさを感じ、暗い夜の屋外で夢中になって色彩を駆使してこの名作を描き上げました。a図は実京に近いトーンですが、b図は鮮やかなトーンの反対色です。どちらが一生き生きしていますか。

渋いトーンの同系色です
夜空も店先も渋く、暗い気分になります。華やかな輝きがなく画面がすっきりしません。反対色がきいていないと、閉鎖的で寂しい気分になります。
ゴッホは暗い屋外で描いたので、キャンバス上の色が本当はどんな色なのか、わかっていませんでした。でも、アトリエで描き直すとクールな気分になるので、現場で描き続けました。
当時の「夜のカフェ」は、酔っ払って帰れなくなったり、宿代のない人が夜明かしする場所でした。ときには売春婦が男と座っていることもありました。

鮮やかな反対色で描いています
反対色は華やかさを表し、鮮やかなトーンは生き生きと、きらきらする気持ちを表します。テントの鮮やかな黄色が星空の美しい青色を背景にして輝いています。反対色が引き立ちあい、見る人を元気づけます。

ゴッホは自分の才能に気付いていない?
スケッチは平凡ですが、完成作はすっかり変わります。主役もはっきり絞られました。スケッチはテーブルと人物を中心に描いていますが、完成作では黄色のテントが主役になって、テーブルは抑えられています。このためカフェの華やかさが鮮明に表れました。

名作と凡作の違いは配色の美しさ
実景は渋く寂しいカフェなのに、ゴッホが描くと見る人を元気にさせて共感が生まれ、長く記憶に残ります。この絵のポイントは鮮やかな反対色の効果です。

名画はしみじみした気持ちになる

日常のさり気ない光景を描いても何故か心に深く残り続ける名画があります。そのキーワードは「共感」です。画家が巧みに使った配色の原理が生きて、私たちに「共感」を感じさせています。

働く人のしみじみとした気持ちが伝わってくるのは、どれ?
台所で牛乳を注ぐメイドを描いています。働く喜びを強調すると元気で力強い画面になりますが、しみじみとした感じがなくなります。反対に、静かでしみじみとした雰囲気を表すと、働く活力がなくなってしまいます。a図は同系色ですが、b図は反対色の青色が加わり、背景が広い壁です。どちらがしみじみした気持ちになりますか。

お金持ちの義母と同居していたフェルメールには、たくさんの子供がいて総勢十四人の大所帯でした。彼には画商や、義母の手伝いで貸金業の回収をして副収入があったのに、ときには食べるのにも困っていました。でも、画面の青い布には高価な天然ウルトラマリンが使われています

同系色なので活気がない
背景は実際の台所と同じように雑然としています。衣装は黄色の同系色で落ち着いたイメージとなり、「働く」イメージに似合いません。反対色がないと開放感も表れません。一方、背景は台所道具があふれているのでしみじみとした情緒が感じられません。

反対色で生き生き
働く人のしみじみとした気持ちが表れています。メイドの衣装は黄色と青色の反対色の組み合わせで描かれています。反対色は開放的で活発なことを表すので、働く人のイメージに似合います。
広い影でしみじみする
メイドの背景の広い面積の白い漆喰の壁に、外光が優しい影をつくっています。このような明暗変化をグラデーションといい、優しく穏やかな気持ちを表し、しみじみとします。

X線調査によれば、壁には地図が掛かり足元には洗濯かごが描かれていました。途中から優しいグラデーションとなり、名作に変身しました。

反対色は、てきぱきと働く人を表す
図の青色と黄色の反対色は、てきぱきと「働く」ことを表しています。a図のように同系色にすると、そのイメージが消えてしまいます。またb図は、広い壁の影(グラデーション)がしみじみとした感じを表します。両方の効果が重なり、「しみじみとした労働の喜び」が表れます。

内田 広由紀 (著)
出版社 : 視覚デザイン研究所 (2009/2/25)、出典:出版社HP

名画の3条件 ②美感を感じさせる

名画はすっきりして美しい気持ちに

テレビの画像が乱れると、気に入った場面でも消したくなります。私たちは美しく整った、すっきりしたものを絶えず求めています。混乱した画面や、すっきりしない画面には美しさがなく、避けたくなります。

すっきりした気持ちになるのは、どっち?
マティスはフォーヴィスム(野獣派)と呼ばれ、奔放で自由な作品を描き続けました。しかし、一見気ままに描いているように見えますが、自由さの中にすっきりとした安定を探しています。a図の金魚は紅色で、b図は朱色です。すっきりとしていて安定した気持ちになるのはどちらでしょうか。

中央の金魚が紅色です
紅色は優しく華やかですが、力強さがないので「安定感」がありません。また、テーブル周辺が渋い灰色なので優しく癒されます。しかし、力強さがないためにすっきりしません。画面が混然として落ち着きません。
画面の中心となる主役には強さが求められ、よわよわしいと落ち着かない気持ちになります。紅色は華やかなので力強さに欠けて、主役にはふさわしくないのです。マティスは、華やかな紅色を好みましたが、この作品では主役を朱色で描いています。

金魚はフナを原種にして中国で飼育淘汰され、日本には室町時代に伝わり、浮世絵でも描かれました。ヨーロッパには十七、八世紀に伝わり、二〇世紀の初めには絵のモチーフとして流行しました。どっしりと安定した構図をさけて、軽快さの中に安定を探し続けたマティスにとって、揺れ動く全魚は絵心を刺激される格好のモチーフでした。

金魚が朱色です
紅色も朱色も同じように赤色と称しますが、効果はかなり違います。紅色に黄色を大量に加えるとこの朱色となり、力強い主役にふさわしい安定感が表れます。テーブル周辺の黒色が中心を強く引き締めて、生き生きしています。中心がすっきりと力強いのです。
マティスは二度モロッコを旅行し、そこで描いた絵に金魚が度々登場し、エキゾチックな夢を感じていました。鳥好きなマティスは、インコ、つぐみ、鳩、珍種の島などをホテルの部屋で三〇〇羽以上も飼っていて、部屋が森の中のようでした。ピカソが描いた鳩はマティスがあげたものです。
画家たちの間で流行した日本版画。でも、マティスやボナールたちが特に好きだったのは安く売っていた粗悪な複製画の方で、オリジナルの渋いトーンには「少しがっかり」と嘆いています。「古色だったり色があせていて、オリジナルしか見る機会がなかったなら、最初に受けたような感動はなかったかも…」

名画の条件は「美しい」こと
名画の条件に、「美感」があります。美感とは少し曖昧な言葉ですが、すっきりしてバランスが整っていることです。雑然と混乱していると「美感」が消え、的確ならばすっきりした気持ちになります。

内田 広由紀 (著)
出版社 : 視覚デザイン研究所 (2009/2/25)、出典:出版社HP

名画の3条件 ③歓迎感を表す

名画は心を開放して明るくする

初めて会った人の笑顔を見ると、好意を感じます。
絵画でも同じく、開放的で積極的な表現を見ると元気が出ます。見る人をわくわくさせるような配色の大胆さ、トリックの面白さが最大の歓迎感表現です。

生き生きと、楽しい気持ちになるのは、どっち?
この作品は『赤富士』の俗称で通るほど、誰でも知っている名作中の名作です。葛飾北斎はサービス精神にあふれる画家で、『神奈川沖浪裏』やこの『凱風快晴』などの大胆な配色と思いがけないトリックで見る人を楽しませます。a図は実景に近く、b図には四つのトリックが込められています。どちらが元気な気持ちになりますか。

四つのトリックを外して、実景に近づけてみました
四つのトリックがないので、すっかり平凡なつまらない赤富士になってしまいました。樹海の緑色を増やすと自然さが表れて、説明的な表現になりました。

『富嶽三十六景』は北斎の代表作ですが、風景画をよく描いたのは七〇代前半を中心にした十年間ほど。美人画や春画まで幅広く描いています。

四つのトリックが生きています
富士の山頂が真っ赤に焼けて鰯雲の青空と対比し、生き生きした気持ちになります。裾野に深い情感がわきます。
1817年の冬、北斎は名古屋で、もう年だから大作は描けないと噂され、大パフォーマンスをしようと思い立ちます。大群衆に披露したのは、広場に一二〇畳の紙を広げて、藁一束ぐらいの大筆で大達磨の半身を描くというものです。絵が完成しても、すぐにそれが何かわからないほど巨大なので、絵を櫓に滑車で吊りあげさせて観客の度肝を抜きました。江戸っ子気質なのか、大イベントに仕立てて大勢を楽しませた。心意気が面白いです。

名画の条件は見る人を元気にする
大胆な色使いや、思いがけないトリックが隠されていると、楽しい気分になります。これを「歓迎感」といいます。北斎は、単に上手に破綻なく描くのではなく、大胆な構図で私たちの印象に残る作品を描き続けました。サービス精神にあふれた画家でした。

内田 広由紀 (著)
出版社 : 視覚デザイン研究所 (2009/2/25)、出典:出版社HP

7日間でマスターする配色基礎講座 (DESIGN BEGINNER SERIES)

配色の基礎を1週間で

要点をうまく纏めてあり、少しずつ色を変えて比較して解説をつけているので、感覚的にもわかるように構成されています。この本を読むことで配色の基礎を十分に学ことができます。この本のことをひと通り理解すれば、デザイン系の職業以外の人でもプレゼン資料作成、webサイト構築等プラスになる場面が多々あると思います。

内田 広由紀 (著)
出版社 : 視覚デザイン研究所 (2000/4/1)、出典:出版社HP

目次

この本の使い方

第1部 配色の準備

第1日日 配色する前に−第3日目から7日目のポイントを予習
1 眠っているセンスを呼び覚まそう
2 「型」が決まると印象に残る
3 楽しい配色をつくる方法
4 混乱をしずめる方法
5 くどい色、暗い色を生かす方法
6 イメージと表現が一致すると安心
Q&A 第1日目の復習

第2日目 配色のツール−○と△で配色の原理を把握
<三属性>を理解する
1 色相
2 明度
3 彩度とトーン
<五役色>を理解する
1 主役色
2 協役色(引き立て色)
3 支配色(背景色)
4 融合色(なじませ色)
5 アクセント色
Q&A 第2日目の復習

第2部 配色の実践

第3日目 引き立てる型1
1 中心を盛り上げる
2 ワンポイントをつくる
3 鮮やかな色を加える
4 色彩面を増やす
5 一段階くすみを取る
6 明度差をつける
7 セパレーション(分離配色)
Q&A 第3日目の復習

第4日目 引き立てる型2
8 反対色を加える
9 準反対色は穏やかな対比
10 全色相型はお祭りの型
11 ピカソ流 究極の純粋三角型
12 ゴッホ流十文字型
13 黒で引き締める
14 白で引き締めて持ち味はそのままに
15 ソフトな主役をソフトな色群で固める
コラム 料理をおいしく見せる4つの配色型
Q&A 第4日目の復習

第5日目 なじませる型
1 色相を近づける
2 明度を同じにする
3 トーンを近づける
4 群化で混出をしずめる
5 ツートーンは絶対的な安定型
6 グラデーション
7 モリス流 対比ツートーン型
8 微差・カマイユを楽しむ
9 リピーティングで全体を融合させる
10 白のスペースでやわらげる
11 嫌われる色を生かすには
Q&A 第5日目の復習

第6日日 イメージづくり
1 トーン
2 色相
3 対比量
4 面積比(大小差)
5 上と下(重心の位置)
コラム <トーン>で伝える花のイメージ
コラム <色相>で伝える花のイメージ
コラム <トーン>がキッチンのイメージを決める
コラム <光の強弱>がキッチンのイメージを決める
Q&A 第6日目の復習

第7日目 イメージマップ
1 年齢の表現
(乳児・キッズ・大人の…)
2 男性と女性
3 温度の表現
(冷たい・寒い・涼しい・暖かい・熱い)
4 元気・陽気・カジュアル
5 プリティ・ロマンティック
6 都会的エレガント
7 豪華さ・高級さと
8 自然らしさ(大地と緑の色)
9 パワフルスピード
10 幻想的、神秘的

資料引用リスト

内田 広由紀 (著)
出版社 : 視覚デザイン研究所 (2000/4/1)、出典:出版社HP

この本の使い方

配色に自信がない、と思いこんでいるだけ?

美しい配色を自分でつくり出す自信はないけど、「きれいな配色だなあ」と思ったことはある。こんな経験のある人ならば、実はセンスが眠っているだけ。
この本では配色の効果と仕組みを、わかりやすく解説している。実例を見ながら自分の中に眠っているセンスを呼び覚まそう。

○と▷で原理をマスターし、自由自在に配色

印象に残る配色には、必ず原理の裏づけがある。この本では、配色に欠かせない基礎知識を○と▷で表している。○と▷の仕組みがわかれば配色の原理を自由自在に使いこなせる。

美しさとイメージの両輪

美しい配色であっても、イメージが合わない配色は効果がない。一致しない配色は混乱を生むだけで、単なる色の洪水になってしまう。良い配色は、美しさとイメージが一致した時にできる。

色表の数字は印刷の色指定に

カラー印刷で色を再現するにはセット4色(黒、青、紅、黄)を重ね刷りする。色票の数字は左から順に、黒-青-紅-黄の指定%である。色に記入されている数字を読み取れば、各々がどのような色のバランスで混色されているかがわかる。また、数字をそのまま転記すれば、カラ一印刷の色指定として使える

内田 広由紀 (著)
出版社 : 視覚デザイン研究所 (2000/4/1)、出典:出版社HP

第1部 配色の準備

第1日日 配色する前に−配色の準備 第3〜7日目のポイントを予習

眠っているセンスを呼び覚まそう
第1日目は配色のポイントを大まかに予習する。印象に残る配色には共通する<型>があること、美しい配色には原理原則が伴っていることを理解しよう。日常では気づかないが、これらの型や原理は実は自分の中に眠っていただけだったことがわかる。センスを呼び覚まして配色のイメージをふくらまそう。

1 眠っているセンスを呼び覚まそう

2 「型」が決まると印象に残る

原理が生きると印象深い配色になる
配色には一種の「型」があり、いずれかの型にすっきりまとまった時に、印象深い配色になる。
それらの型は色みや明るさ、鮮やかさの要素を組み合わせてできている。型の原理や効果をチェックして、自由に使いこなしてみよう。

3 楽しい配色をつくる方法

鮮やかな色で活気を出そう
アルプスの写真2枚を比べてみよう。どちらが活気があるだろうか。
正解は右。色を鮮やかにすると、一気に楽しい光景に変わる。左の写真は暗い印象で、観光する気分と似合わない。

4 混乱をしずめる方法

三要素を同化させる
混乱した配色をしずめるには、色相、明度、彩度のそれぞれの要素を近づける方法が基本。
それぞれの色には主役、脇役といった役割がある(P.28)。その役割に応じて、しずめてよい脇役は同化させて落ち着かせ、元気に目立たせたい主役はそのまま残す。これで混乱がおさまり、主役がはっきりと浮かび上がる。

内田 広由紀 (著)
出版社 : 視覚デザイン研究所 (2000/4/1)、出典:出版社HP

配色スタイル ハンドブック

配色の実用的サンプルを手元に

こちらの本ではイメージ毎の配色サンプルが割合のグラフ形式で連立されています。また、配色の割合を提示してくれているため、テキスタイルやグラフィックの面積に合わせてカラーを用いることが出来、非常に実用的です。サンプルもたっぷり掲載されている為、イメージがしやすくなっています。

ローレン・ウェイジャー(編著) (その他), 和田 美樹 (翻訳)
出版社 : ビー・エヌ・エヌ新社 (2018/1/30)、出典:出版社HP

Contents

色彩:感情、イメージ、象徴

NATURAL ナチュラル
CURIOSITY 好奇心
DREAMY ドリーミー
MAGICAL マジカル
FRESH フレッシュ
SOLITUDE 孤独
ROMANTIC ロマンチック
MYSTERIOUS ミステリアス
RETRO レトロ
TRANQUILITY 静けさ
PLAYFUL わんぱく
DELICATE 繊細
TRENDY トレンディ
NOSTALGIA ノスタルジア
LUSH 蒼々

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About the Author

色彩:感情、イメージ、象徴

色彩は、私たちを取り巻くすべての物体がもつ特性だ。古代から色彩は、象徴的、儀式的意味合いをもっている。また芸術家たちは、作品を鑑賞する者の感情に働きかける手段として色彩を使ってきた。色彩の特性と意味合いは、何世紀にもわたる歴史のなかで複雑さを増し、より豊かになった。
色彩が作品にもたらす価値は、広告などの分野で応用されている。広告では色彩は、商品に対する消費者の願望や反応を呼び起こすための非常に有効な手段と考えられている。清涼飲料水セブンアップの缶のデザインの黄色を15%増やしたら、消費者がより強くレモンの風味を感じるようになった、という研究結果も出ている。

色彩論の起源

色彩が人の心に及ぼす微妙な影響は、心理学で深く研究されている。17世紀の終わりにゲーテとシラーが色彩論の研究過程でつくり上げた“気質のサイクル表”を使って、心理学者たちは色彩による複雑な性格診断をした。たとえば、色相環で黄色から赤にいたる暖色系の色は、野心の強い熱血漢の気質を表し、政治的指導者、英雄、冒険家が向いているとされた。黄色からシアンまでの一帯に属する緑系統には、先のことを考えず娯楽を好む気質が当てはめられ、愛人、詩人、芸術家を象徴する色とされた。シアンから紫にいたる青系統には、優柔不断で臆病なゆえに公正な気質が当てはめられ、歴史家、演説家、教授などへの適性があるとされた。そして紫から赤にかかる色には、利己的で孤独癖がある頑固な気質が当てはめられ、哲学者、学者、権威者に向いているとされた。
これは、現在でいうところの色彩心理学の始まりだ。やがて、色彩心理学は、さまざまな芸術分野や心理学の学派に取り入れられながら、どんどん複雑になっていく。ゲーテとシラーの色彩論は、科学的見地による研究ではないが、美術においてはウィリアム・ターナーやカンディンスキーが強力な支持者となり、さらにはデザイン、建築、そしてもちろんファッションなど、色彩が重要な要素となる幅広い芸術分野において決定的な影響をもたらした。

変化し続けるアート

アイルランドの偉大な劇作家オスカー・ワイルドは、「ファッションは、見るに堪えないほど醜いもの。それゆえに、6か月ごとに変える必要があるのだ」と言った。彼の残した数々の名言は真理を突き、時代を経ても色あせないウィットが効いている。しかし、本書を手にしている読者は、彼のこの洞察には賛成しかねるのではないだろうか。また、オスカー・ワイルド自身がファッションに凝っていたことや、トレンドセッターであったこともご存じかもしれない。とはいえ、この言葉には一定の真実が含まれている。ファッションは、確かに常に変化し続けるアートであり、シーズンごとに変わるというだけでなく、その時々の社会的・文化的実情とともに変わっていく。立ち止まってその変化のスピードの商業的あるいは投機的側面を分析しなくとも、デザイナーがコレクションでつくり出そうとするパターンや、スタイル、世界観には、シーズンごとに、新しい形やボリューム感だけでなく、新しい色彩、配色の傾向が出現する。そのなかでも、他の要素を差し置いて、真っ先に変わるのがカラーパレットなのだ。
ファッションデザイナーにとって、色を理解し、熟知し、使いこなすことは、自己表現を認識してもらうために必要不可欠な一歩だ。それは、特定の色使いが、たとえば奔放さ、平静、神秘性、卓越性など、どんなものを醸し出すのかを習得することを意味する。ミッソーニや、イヴ・サンローラン、エミリオ・プッチ、クリスチャン・ラクロワ、ヴァレンティノといった偉大なデザイナーたちは、色彩の力と、その多大なる心理効果を誰よりもよく知っている。ファッション・クリエイターが大成功するか否かは、個性的でオリジナリティに富んだ世界観を構築しつつ、コレクションのたびに根本的な変化を取り入れる、あるいはつくり出すことにかかっているのだ。ココ・シャネルが言ったように「ファッションは廃れるが、スタイルは残る」のである。

知覚体験

洋服ほど気軽に変えられはしないが、インテリアデザインのためのテキスタイルデザインやカラーパレットは、感情的・身体的・知覚的な体験を刺激する組み合わせを目指す。
たとえば、スペインの画家、ホアキン・ソローリャ(1863-1923)の「ジャヴェアでの水浴」(fig.1)を例に取ってみよう。見る者は、この絵画の明度と、水の動きを描き出すための色使い、そして陽の光の強さに引き込まれる。水が岩をやさしく打つ音が聞こえてきそうだ。この絵は、夏を想わせるだけでなく、気温の高さや、水の冷たさを肌に感じさせる。色使いを細かく見てみると、寒色と暖色がうまく使い分けられているのがわかる。

fig.1

黄色、緑、紺色が主調色で、それに比べ、紫、オーカー、赤の占める割合は比較的少ない。絵の中央部分では、白と淡黄色の筆触で、水面にきらめく真昼の太陽を表現している。光に魅了されていたソローリャは、19~20世紀のルミニズムの巨匠の1人だ。既知の色彩体系のグループ分けや順序立てのなかには、見る者の知覚的または感情的反応を引き出すための無限の可能性がある。何を伝えたいかで、その組み合わせを考えるのだ。

文化的体験

もちろん、ファッションにおいても何においても、ある色のもつ意味は本当に人それぞれだという事実は無視できない。その違いは、その人のアイデンティティが形成された文化的慣習にもよる。西洋でもアジアでも、緑は、希望や、若さ、多産、不死を象徴する。イスラム文化圏では、強さ、運、名声、多産を意味する。一方、アフリカ諸国では、緑は政治的腐敗の色であり、南米諸国においては、森林の危険や死と結びつけられている。このような、さまざまな意味づけがすべての色に存在する。

色相環

では、各カラーファミリーがもつ根本的な意味を見ていき、それらをどう活用すべきか考
えよう。

・暖色
暖色は、色相環で赤から黄色にいたるオレンジ系列全体で、一般的に活気、熱、ポジティブな刺激を表現し、暑い季節の日中をイメージさせる色だ。赤と黄色は原色で、その2つが混ざったオレンジは二次色である。つまり、赤と黄色を混ぜた色はすべて暖色ということになる。寒色はひとつもない(これに対し、青と黄色を混ぜた緑は寒色である)。暖色が喚起させるイメージには、太陽や、それにまつわるすべてのもの(夕暮れ、日の出など)、火、夏などがある。また、情熱、興奮、活気といった感情も表す。

赤:
赤は、色のなかで最も温かい色。愛から悪魔までさまざまな事柄に結びつけられる。危険、権力、名声(映画関連の重要イベントのレッドカーペットなど)も連想させる。中国では、赤は繁栄の色で、幸運を呼ぶとされ、伝統的な花嫁衣裳も赤だ。真紅のデザインは人目を引く力がとても強い。1970年代にオジー・クラークがデザインしたゴージャスなドレスや、「ヴァレンティノ・レッド」として知られるヴァレンティノの特徴的なドレスを誰が忘れられるだろう?だが、他の色と組み合わさると、強烈すぎたり、ともすれば下品な印象さえ与えかねない。したがって、概して一流デザイナーは、単色で使うか、小さな面積に使うかに限っている。しかし、赤は、色調の変化に非常に富んでいる。濃い色調はよりエレガント、淡い色調はより活き活きと元気な印象を与える。

オレンジ:
二次色であるオレンジは、温かく、刺激的で、渋い色調のものは、大地を連想させる。また、黒や黄色と組み合わせると、秋のイメージになる。性質は赤と似ているが、赤ほど強烈ではなく、マイルドでありながら、赤と同等に際立つ。

黄色:
黄色は、最も明るい原色だ。太陽や光を連想させる一方、嘘や危険を表す場合もある。文化によって意味合いが最も大きく変わる色のひとつだ。インドでは、黄色は商人の色、エジプトでは喪の色、そして日本では勇気の色である。パステルイエローは、ニュートラルで、デリケートで、落ち着く色だが、ゴールドイエローは、富の象徴となる。一般に、黄色は人目を引きつける。単色デザインではもちろんのこと、濃い色調と組み合わせても目立つ。

・寒色
夜、自然、水などを連想させることが多いこの色彩グループには、緑、青、紫が含まれる。見る者をくつろがせ、穏やかな気持ちにさせる色だ。実際より遠くに見える視覚効果をもつ。一般に寒さを感じさせる色だが、淡めの色調の場合は、その逆の効果をもち得る。南の島の透き通った海を想わせるターコイズブルー、黄色に近い緑、赤の性質をもち合わせた紫などを想像してみてほしい。このように考えると、寒色のほうが、暖色よりも、用途が広いと言える。

緑:
二次色である緑は、先ほども触れたとおり、さまざまな事柄を象徴する。希望や活力、生命を意味する一方、羨望や嫉妬、未熟を表す。青は気持ちが休まる色だが、青に黄色が加わった縁も、そうした性質をもち合わせる。深い緑は、閑静で裕福、淡い緑は、エネルギッシュで活動的なイメージを醸す。

青:
原色である青は、濃い色調の場合は、安定性や保守性を連想させ(青は多くの制服や政党の色に採用されている)、淡い色調は、ポジティブな印象を与えるが、ほぼすべての青に共通するのは、平和とスピリチュアリティを表現している点だ。

紫:
紫は、赤と青が混ざった二次色だ(青が多いほど冷たい印象で、赤が多いほど温かく親しみ深い印象になる)。高貴な色だが、興味深いことに、スピリチュアルなことやクリエイティブなことにも関連している。眺めていると現実を忘れたくなる作用がどの色よりも強い。ファッションにおいては、濃い紫は高級感や重みを、モーブやラベンダーはやさしさや静かなロマンを醸し出す効果がある。

・ニュートラルカラー
ニュートラルカラーは、ファッションやデザインでは、背景や、隣り合う有彩色の間に使われることが多い。

黒:
黒は、ポジティブなイメージ(エレガンス、力、不朽)も、ネガティブなイメージ(喪、死、悪、オカルト)も、すでによく知られているが、なぜこれほどに魅力的な色なのかを理解しておくことが重要だ。黒は、隣に配置された色を引き立たせる。その色が暖色ならより温かく、寒色ならより冷たく見えるのだ。黒はまた、ごく保守的なものから、ごく大胆でアバンギャルドなものまで、あらゆるスタイルにマッチする。そして、シルエットのトレースや、タイポグラフィや機能的要素の基本色でもある。黒は、流行り廃りがなく、いつの世も神秘的で洗練されたイメージを醸し出す。イヴ・サンローランのモンドリアンルックに、幾何学模様を分割する黒の線(fig.2)がなかったらどうか想像してみてほしい。

白:
白は黒の反対色でありながら、隣接するどんな色も明るく見せ、エレガントで、シンプルで、ミニマルデザインには欠かせない味方だ。白は、インド、日本、中国では喪の色として葬儀で使われることが多い。この世に生を受けたときと同じように去る、という仏教の考えや、自然との同化を表す色なのだ。西洋では、白は、純粋で清潔なすべての物事に結びつけられているため、ウエディングドレスや、医療従事者の服装となっている。白は、明るくさわやかな色だ。何にでも合うため、季節も問わない。熱を反射する白い服は、特に暑い夏に人気だ。

グレー:
白や黒と違って、グレーには、幅広い明暗がある。したがって、白黒を使い明暗をつけるとき、淡いグレーは白の代わりとして、濃いグレーは黒の代わりとして使える。どんより曇ったイメージをもつグレーだが、フォーマルな印象を与える色でもある。また一方で、馴染みやすさや包容力を持ち合わせており、インテリア空間においては家具やテキスタイルの色を引き立ててくれ、空間づくりに最適な色でもある。こうした性質は、ファッションにおいては色調の選び方次第で、どんな体形にも、年齢にも、肌の色にも適合するというメリットになる。

fig.2

茶色:
茶色は、実は暖色系に属するのだが、さまざまな色合いの茶色があって、たとえば緑に近いものは、緑の性質を多くもち合わせる。茶色は、オーガニックな色と見なされることが多く、土や木、石を想わせる。信頼、安全、永続的な価値を表す一方、おもしろみがなく、追従的な印象も与える。グレーと同様、さまざまなものと合わせやすく、万能だ。茶色は、黄色に近いもの、緑や赤、グレーに近いものと、バラエティに富み、さまざまな印象を醸し出す。クリーム色のように薄いものは穏やかさを、キャラメルやテラコッタは温かみを感じさせる。
当然ながら、さまざまな色には無限の組み合わせとニュアンスが存在する。毎年、トレンドセッターやデザイナーらが、ファッションやグラフィックデザイン、テキスタイル、インテリアデザインの流行の基盤となる魅力的なカラーパレットを提案し、個々のデザイナーは、独自のスタイルにそれらを取り入れる。独自の色使いを見いだすには、色彩の基礎に関する深い知識をもって、冒険と試行錯誤を繰り返す必要がある。そのうえで、究極的にルールを捨てることができるようになるのだ。

ローレン・ウェイジャー(編著) (その他), 和田 美樹 (翻訳)
出版社 : ビー・エヌ・エヌ新社 (2018/1/30)、出典:出版社HP

アイザック・ニュートンの光のスペクトル

イギリスの数学者・物理学者・天文学者、ニュートンは、重力の法則を発見しただけでなく、色彩が物体に固有の性質ではなく、光が織り成すものだと説いた。1666年に行った実験では、太陽光を通すプリズム装置をつくり、白色光がプリズムで屈折すると、赤、オレンジ、黄、緑、青、藍、紫に分かれることを発見した。このような現象が起こるのは、各色は波長の長さによって屈折率がそれぞれ違うためだ。ニュートンはさらに、分光した光を再合成して白色光に戻す実験にも成功した。色の混ぜ方には、加法混色と減法混色という2種類がある。

加法混色
加法混色とは、可視スペクトルのすべての色光を同じ強さで重ね合わせると白色光になる、という原理に基づいた方法。赤・緑・青の光源をさまざまな割合で混合する加法混色で、さまざまな色を表現し、私たちはそのおかげで色を見、再現することができている。

減法混色
減法混色は、顔料を混ぜ合わせることで色を得る方法。顔料(色)を混ぜると明度が減少し元の色より暗くなる。
減法混色の三原色は、上で述べた加法混色の三原色を吸収する補色だ。減法混色の原色(シアン、マゼンタ、イエロー、すなわち加法混色の補色)は、ある色の波長が吸収されて得られる。白色光が物体や表面に当たると、その表面の顔料が白色光のうち「真の」色以外のすべての波長を吸収し、「真の」色のみ反射する、つまり目で知覚される。
たとえば、ゴルフコースの芝生が緑に見えるのは、芝が緑以外の波長をすべて吸収し、緑の波長だけが反射されて人間の目に知覚されているからだ。減法混色は、反射された色だから、白色光を必要とする。暗くなると、芝生は緑に見えない。白は、すべての色の波長が反射されたときに見える色ということだ。

加法混色
覚えておくべき以下の前提がある。
加法混色の三原色:赤(R)・緑(G)・青(B)

2つの原色を同量ずつ混ぜ合わせると、以下のような二次色ができる。
加法混色の各原色にはそれぞれの補色、すなわちその色を重ねれば白になるという色がある。
赤の補色:シアン
緑の補色:マゼンタ
青の補色:イエロー
加法混色の三原色を同じ割合で重ね合わせると白、つまり白色の光になる。白色光は加法混色の三原色すべてを含む。赤+縁+青=白。加法混色は、RGBカラーモデルとも呼ばれる。本書では、すべての色をRGB値とCMYK値で表示している。CMYKとは減法混色に基づく色の表示方法のことである。

減法混色
減法混色の要点は以下のとおり。
減法混色の三原色:シアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)
2つの原色を同量ずつ混ぜ合わせると、以下のような二次色ができる。
減法混色の三原色を混ぜ合わせると、無彩色の黒になる。
減法混色の各原色の補色は、反対色とも言える。その色を加えれば黒になるという色だ。
シアンの補色:赤
マゼンタの補色:緑
イエローの補色:青

カラー・コントラスト

ファッションでは、布の異なる寸法や質感でコントラストをつけることができる。しかし、色のコントラストをつける場合は、異なる系列に属する色同士を組み合わせる。カラー・コントラストは、印刷物やデザインにおいて不可欠な要素だ。使用色の性質を強調したり、調和する色の組み合わせよりも強力な視覚効果をつくり上げたりするときに使う。つまり、コントラストは視覚的なインパクトを出し、その部分に人目を引きつける役割を果たすのだ。無秩序な印象や落ち着かない印象にしないようにコントラストを使うには、各色の性質を知り、試行錯誤を重ねて量や割合を調整できるようにならなければならない。色の寒暖でコントラストをつける場合は、色相環で反対側に位置する色を補色と考えてよい。しかし、明暗でコントラストをつけるならば、最も強力なのは、黒と白の並びだ。白黒は、伝説的なシャネル(fig.3)の人気のコンビネーションで、過去100年にわたり常に新しくつくり替えられ、更新されてきた(fig.4)。

fig.3

fig.4

明暗のコントラストは、隣接する色同士の相対的な明るさ、または暗さの差で生まれる。
この種のコントラストは白黒に限らず、淡い色と濃い色を使えば、同じ色相内の色の組み合わせであっても可能だ(fig.5)。

fig.5

以下(fig.6)は、淡い緑と、それに比べて濃い青のコントラストだ。双方とも寒色だが、緑に占める黄色の割合が大きいので、暖色の性質が与えられている。暖色に近い緑と寒色の青の組み合わせであるほか、深みのある紺系統との組み合わせでもある。

fig.6

つまりこれは、反対色同士のコントラストというよりも、むしろ明暗のコントラストと言うべきだろう。また、黒と、淡い、あるいは彩度の高い色の組み合わせも、強力で目立つコントラストを生む。漆黒とコーラルレッドのコントラストは目立つが、面積の割合を調整することで、さらに強調される(fig.7)。
黒の背景色に淡い色が載っている印刷物や柄の場合、淡い色は、構図に占める面積が小さくても、とても浮き立って見える(fig.8)。

fig.7、fig.8

色の親和性
明るさが同レベルの異なる色同士でコントラストをつける場合は、色の親和性を調整する。色同士が近いほど、性質が強調され、それらを分け隔てる境界線の意味が薄くなる(fig.9)。さらには、量や、動き、深みが加わる効果がある。
さらに、色のバランスという考え方を用いて色を操作する。色のバランスは、共通点を持つ原色、二次色、三次色を使い、彩度が同等の色、あるいは彩度が異なる色を2色以上組み合わせることで得られる(fig.10)。

fig.9,10

アート全般、そしてもちろんファッションでも言えることだが、ひとつのデザインにおいて、複数の色相にコントラストをつけることが可能だ。
以下(fig.11)では、クロード・モネが1枚の絵に、寒色系の色彩と暖色系の色彩を、大胆なコントラストをつけずに調和的、段階的に並べているのがわかる。
色彩の組み合わせの無限の可能性を探っていくと、調和というものの神秘を理解する手助けになる。秘訣は観察にかかっているのだ。
周囲を観察したり、アートや自然、写真を鑑賞したりして、それらをカラーパレットに変換するという習慣をつけると、自分独自の色使いを見いだすことにつながり、作品に自分の表現したいものを表現できるようになる。本書は、色彩を使いこなすことで、1枚の画像に驚くほど多様な色彩効果をもたせ得ること、そして、その画像にある色があらゆる感情を表現し得ることを、非常に易しく、かつ洗練されたかたちで教えている。目で見たものを色彩に落とし込み、自分の伝えたい気分や雰囲気を自在に表現する方法を学んでほしい。それによって、見事な色彩の魔術を身につけることができるだろう。

fig.11

Image Credits
Opening image: Lauren Wager.
fig.1: The Bath, Javea, Joaquin Sorolla (1905), Courtesy of The Metropolitan Museum, New York.
fig.3: Courtesy of Chanel.
fig.4: Courtesy of Pertegaz (pre-collection SS 2017; photo by Luis Andrés Prada).
Model: Barbara Tous (Elite Model Management Spain)
fig.9: Vintage Lilly Pulitzer fabric, Sweet Corn.
fig.11: Houses of Parliament, Sunset, Claude Monet (1903-04), courtesy of the National Gallery of Art, Washington.
Closing image: Lauren Wager.

ローレン・ウェイジャー(編著) (その他), 和田 美樹 (翻訳)
出版社 : ビー・エヌ・エヌ新社 (2018/1/30)、出典:出版社HP

見てわかる、迷わず決まる配色アイデア 3色だけでセンスのいい色

3色でセンス良く

どの組み合わせもオシャレで非常に参考になり、使ってみたくなる色合いばかりです。また、多数のサンプルとそのカラーコードが付いているので簡単に実践できます。デザインに興味はあるのですがきちんと勉強するのは敷居が高いと思っている方でも、手軽に参考にできます。

ingectar-e (著)
出版社 : インプレス (2020/6/12)、出典:出版社HP

はじめに

オシャレにまとめたいけど、配色が決められない。
いつも迷ってしまって、配色に時間がかかってしまう。

デザインが身近なものになった今日、
配色に悩む人も多いのではないでしょうか。
ただ、配色は難しいものではありません。

本書の配色で使っている色は3色のみ。
デザインはたった3色でもセンスよくまとまります。

3色だからシンプルで簡単。
見てわかるので、すぐ実践できる。
3色配色のコツを覚えるだけで、
誰でもセンスよくまとめられます。

本書では、ナチュラルやポップ、
季節の色や日本の色、ビジネスなど
バラエティーに富んだ様々な配色やテーマを掲載しています。

たくさんの色を使わなくてももう大丈夫。
まずは3色の配色から始めてみましょう。

CONTENTS 目次

はじめに
本書の使い方
3色配色のポイント
色の基礎知識
カラーインデックス

NATURAL 自然体で優しい印象に
リラックス 01 ほんわりくすみミルキー
リラックス 02 きなりペースでほっこりと
リラックス 03 オトナ女子のヨガカラー
フェミニン 01 甘めニュアンスカラー
フェミニン 02 ベビーカラーで愛らしく
フェミニン 03 甘さ控えめナチュラルシック
オーガニック 01 ふわっと優しいリネンのように
オーガニック 02 大地に包まれるアースカラー
オーガニック 03 爽やかカラーで心も軽く
クラフト 01 クラフト風のカジュアルカラー
クラフト 02 レザーカラーで上品に
クラフト 03 シックなグレイクラフト
リビング 01 気分がアガるクリアピンク
リビング 02 明るいナチュラルリビング
リビング 03 アロマのようにふんわり優しく
ボタニカル 01 みずみずしい新緑の若葉
ボタニカル 02 鮮やか南国プランツ
ボタニカル 03 ハーブカラーで気分もスッキリ

POP カラフルで元気が出る!
カラフル 01 ビビッドなキャンディーカラー
カラフル 02 トロピカルなカラフルポップ
カラフル 03 フルーツみたいなビタミンカラー
レトロ 01 ノスタルジックなおもちゃ箱
レトロ 02 昭和レトロ復刻カラー
レトロ03 上品なロマンティックアンティーク
キッズ 01 ほんわか楽しいナチュラルキッズ
キッズ 02 遊び心のあるカラフルクレヨン
ガーリー 01 フェミニンなマシュマロカラー
ガーリー 02 ギフトに嬉しいハッピーピンク
アクティブ 01 鮮やかなスポーティーカラー
アクティブ 02 アクティブなアウトドアスタイル
アクティブ 03 紺が映える大人マリン

ingectar-e (著)
出版社 : インプレス (2020/6/12)、出典:出版社HP

CHAPTER 1

NATURAL
自然体で優しい印象に
淡くソフトなパステルカラーや
くすみを含んだニュアンスカラーなど、
柔らかさ、優しさを感じる配色です。

ほんわりくすみミルキー
きなりベースでほっこりと
オトナ女子のヨガカラー
甘めニュアンスカラー
ベビーカラーで愛らしく
甘さ控えめナチュラルシック
ふわっと優しいリネンのように
大地に包まれるアースカラー
爽やかカラーで心も軽く

クラフト風のカジュアルカラー
レザーカラーで上品に
シックなグレイクラフト
気分がアガるクリアピンク
明るいナチュラルリビング
アロマのようにふんわり優しく
みずみずしい新緑の若葉
鮮やか南国プランツ
ハーブカラーで気分もスッキリ

リラックス 01 | ほんわりくすみミルキー

リラックス 02 | きなりベースでほっこりと

ingectar-e (著)
出版社 : インプレス (2020/6/12)、出典:出版社HP

配色デザイン インスピレーションブック II

直感で配色を選ぶ

デザインを考える時、カラーのデザインをするときに毎回色の組み合わせで悩み、時間がかかってしまう方におすすめです。頭の中でイメージしたものとぴったりのものが見つかります。バラエティーに富んでいて、色の組み合わせだけでガラリと雰囲気を変えられるのでとても重宝します。

Power Design Inc. (著)
出版社 : ソシム (2019/11/14)、出典:出版社HP

Introduction -はじめに-

本書はパラパラと紙面を眺めながら
直感的に目的の配色を見つける
ことができる新感覚の配色本の第二弾です。

「ふんわりかわいい」「ビジネス」「大人エレガント」「不思議ファンタジー」
「ヘルシー&リラックス」「世界の国々」「感情」「年中行事」「わくわくハピネス」
の9テーマから受ける配色イメージを、
前作より更にパワーアップした豊富な
写真や作例・イラストと共にご紹介します。

ファッション誌や絵本を眺めるような感覚で紙面をめくってみてください。
理論的ではなく、直感的に「あ、こんな感じ」と
楽しみながら好みの配色やデザインを見つけることができるはずです。

デザイナーは勿論、趣味で作画や塗り絵をする人、
企画書、商品ブランディングなどデザインに携わる全ての人へ、
配色アイデアのヒントに少しでもお役に立てれば幸いです。

Contents

Section1 ふんわりかわいい -Lovely & Romantic
コットンキャンディ Cotton Candy
ベビー Baby Page
ラテ Latte
バレンタインデー Valentine’s Day
はんなり Hannari
ネオレトロ Neo Retro

Section2 ビジネス -Business-
グローバル Global
環境 Environment
エグゼクティブ Executive
スタートアップ Startup
イノベーション Innovation

Section3 大人エレガント -Luxury & Elegant-
大人フェミニン Adult Feminine
ロマンティッククラシカル Romantic Classical
セクシー Sexy
プチリッチ Petit Rich
シック Chic

Section4 不思議ファンタジー -Miracle & Fantasy-
魔王 Demon
おとぎの国 Fairyland
お城 Castle
勇者 Brave
航海 Sailing
お宝 Treasure

Section5 ヘルシー&リラックス -Healthy & Rslaxation-
エコ Ecology
オーガニック Organic
ナチュラル Natural
リゾート Resort
大人アースカラー Adult Earth Color

Section6 世界の国々 -It’s a Small World-
和 Japan
西海岸 West Coast
北欧 Scandinavia
パリジェンヌ Parisienne
ロンドンガール London Girl
ボヘミアン Bohemian
アジアンリゾート Asian Resort
ラテン Latin

Section 7 感情 -Emotion-
愛 Love
憤慨 Anger
喜び Joy
落胆 Discouraged
感謝 Thanks
安堵 Relief

Sections 8 -Four Seasons-
春 Spring
夏 summer
秋 Autumn
冬 Winter
ハロウィン Halloween
クリスマス Christmas
ニューイヤー New Year

Section9 わくわくハピネス -Cheerful & Happiness-
ショッピング Shopping
ピクニック Picnic
応援 Cheer
パーティー Party
ドライブ Drive
ギャラクシー Galaxy

Power Design Inc. (著)
出版社 : ソシム (2019/11/14)、出典:出版社HP

How to use -本書の使い方-

本書は大きく9つのセクションに分かれています。各セクションはさらにいくつかのテーマで構成されていて、1テーマにつき4ページの解説と作例を掲載しています。写真やイラスト、キーワードなど、さまざまな角度から配色にアプローチしていますので、ぜひお気に入りを見つけてあなたの仕事や趣味に役立ててください。

紙面の読み方

Sample Design

Power Design Inc. (著)
出版社 : ソシム (2019/11/14)、出典:出版社HP

イメージ・国・季節・行事からすぐにみつかる パーフェクト配色ブック

テーマごとに色をイメージする

パラパラと見ているだけでもわくわくできる一冊です。ストーリー性のあるテーマに紐付けられた配色が、2〜4色までのパターンで8種展開されています。テーマを言葉で表現し、実際の写真もあるので、よりイメージしやすくなっています。CMYKとRGBの参考値もあるのですぐに実践できます。

武川 カオリ (著)
出版社 : パイインターナショナル (2019/2/18)、出典:出版社HP

はじめに

色は最も力強いデザイン要素です。周囲のムードを一瞬に変化させ、様々な反応を呼び起こす力を持っているものは、色以外にありません、マーケティング心理学者によれば、「色の印象は短時間で形成され、それが長く保持されるため、あらゆるデザイン分野で成功を収めるには、色の選択が重要なポイントとなる」といわれています。デザインの色は、的確な情報を与えて、人の心を動かすことが大切です。

色彩は雄弁で、表現力に富んだ世界です。色はコミュニケーションの重要な手段であり、人々に豊かな感性をもたらし、たくさんのメッセージを届けてくれています。本書は、色の持つコミュニケーションのパワーを最大限に引き出した配色の本です。バリエーション豊かなテーマからイメージされる多彩な配色パレットは、様々な分野のデザインの色彩計画だけでなく、日常生活のカラーコミュニケーションに役立つことでしょう。

各種デザインや企画開発に関わるデザイナーの方だけでなく、色彩センスを磨きたい一般の方のインスピレーションとアイデアソースとして幅広く活用していただけると思います。これまでの制限された色のマンネリ化から卒業して、個性的で自由な新しい色の世界にチャレンジしていただくことに、本書が一助となればとても嬉しいです。

武川カオリ

この本のポイント
・新しい感覚のユニークな色の世界を紹介します。
・多彩な色と触れることで、色彩センスを磨きます。
・色を言葉のように使い、色の表現力を高めます。
・クリエイティブな色使いのためのアイデアが満載です。
・表現したい目的の色が得られます。
・色の選択や配色に迷った時に役立ちます。
・色指定の際に説得できる根拠となります。
・色使いやカラーコーディネートが上手になります。

Contents 目次

本書の見方
各色の役割
上手に配色をするコツ

第1章 世界の国の配色

イギリス
英国王室の格式
スコットランドのタータンチェック
イングリッシュガーデンのそよ風

フランス
プロヴァンスの贈り物
オートクチュールのドレス
パリのエスプリ

スペイン
グエル公園のモザイクアート
激情のフラメンコ

イタリア
ルネサンスの名画
イタリアブランドの逸品

ドイツ
グリム童話の街道
クラシック音楽のシンフォニー
ミュンヘンのオクトーバーフェス

スイス
アルプス地方の民族衣装
アルプスの花便り

北欧
ノルディック雑貨のある暮らし
森と湖とフィヨルドの景観
アンデルセンの愛した港町

ギリシャ
女神たちの美の世界
エーゲ海の夢の島

東欧
ミュシャと芸術の古都
幸せな香りのバラ祭り
花模様の小さな村

ロシア
ロマノフ王朝の遺産
聖ワシリー大聖堂のクーポル
福を招くマトリョーシカ人形

中近東
アラビアンナイトの夢
モスクのアラベスク文様
アラビアンバザールのキリム

モロッコ
リヤドのモロッコ風インテリア

エジプト
古代エジプトの壁画

アフリカ
サバンナの大自然
アフリカのテキスタイル
アフロビートのリズム

カナダ
赤毛のアンの島

アメリカ
ニューヨークのナイトライフ
ラスベガスのエンターテインメント
ハリウッドのユニバーサルシティ
マイアミのアール・デコ建築

カリブ諸島
陽気なカリブ海ストリート

メキシコ
グアナファトの多彩な街並み

南米
リオのカーニバル
哀愁のアルゼンチンタンゴ
アンデスの民族織物

オーストラリア
癒しのワイルドフラワー

タヒチ
ゴーギャンが描いた南国の楽園

ハワイ
アロハシャツのボタニカルプリント

インド
インド刺繍とサリーの手仕事

ベトナム
ホイアンのコロニアルハウス

タイ
エメラルド寺院の装飾

インドネシア
バリ島のアジアンリゾート

中国
京劇のパフォーマンス
春節フェスティバルの飾り

シンガポール
夜遊びスポットのクラーク・キー

韓国
伝統衣装のチマチョゴリ

日本
平安王朝の雅
歌舞伎の豪
浮世絵の枠
枯山水の侘・寂

第2章 季節と行事の配色

季節
草花の春
スタートの春
太陽の夏
バカンスの夏
収穫の秋
アートの秋
白銀の冬
キャンドルの冬

行事
ハレの日のお正月
恋人たちのバレンタインデー
スイーツを贈るホワイトデー
女の子の幸せを祈るひな祭り
男の子の成長を祈る端午の節句
感謝を伝える母の日
信頼を表わす父の日
幸せになるジューンブライド
夜を彩る夏祭り
和菓子で祝う敬老の日
和風情緒のお月見
華やぎの紅葉狩り
魔女のハロウィーンナイト
ミラクルが起きるクリスマス

第3章 イメージを伝える配色

フレッシュ/爽やかな
初夏の浜辺
フルーツポンチのデザート

クール/涼しい
はじけるスパークリングウォーター
高原の朝

ヘルシー/健康的な
デリカテッセンのビーンズサラダ
ベジタブルスムージーの朝食

リラックス/心地よい
オルゴールのメロディー
リゾートのスパタイム

マイルド/温和な
アヒルの日向ぼっこ
ハンドメードのジャム

フレンドリー/親しみやすい
子猫の毛糸玉遊び
小鳥たちの戯れ

ロマンティック/夢想的な
恋心の少女たち
メリーゴーラウンドの木馬

ピュア/純粋な
天使のウイング
湧泉の透明感

プリティ/可愛い
カップケーキのデコレーション
フラワーモチーフのかごバッグ

コケティッシュ/小悪魔的な
ポルカドットのハイヒール
大人ガールのフレグランス

セクシー/官能的な
銀幕のセックスシンボル
レースのランジェリー

ブリリアント/華麗な
ジュエリーの輝き
アール・デコのファッション

エレガント/優雅な
アール・ヌーヴォーのガラス工芸品
ロココスタイルの貴婦人たち

リッチ/豊かな
宮殿のタペストリー
休日のシャンパンブランチ

トラディショナル/伝統的な
老舗ホテルのラウンジ
オリエント急行の旅

ノスタルジック/懐古的な
ベル・エポックのポスター
ブリキのおもちゃ

クラシック/模範的な
ヴィクトリア朝のウォールペーパー
ニュートラルカラーの古代遺跡

ナチュラル/自然の
天然素材のバスグッズ
草木染めのストール

カントリー/田舎の
イーハトーブの風景
ログハウスのスローライフ

アロマティック/香りのよい
メディカルハーブのオイル
ドライフラワーのポプリ

コスメティック/美的な
乙女のフェイスパウダー
目元美人のアイメーク

ジョイフル/楽しい
ロリポップキャンディーのプレゼン
キッズのプレイグラウンド

ポップ/気ままな
1960年代のファブリック
ダンスポップのスタイル

トロピカル/常夏の
コーラルリーフの熱帯魚
南国気分のカクテル

アクティブ/活動的な
真夏のビーチハウス
真冬のアクティビティー

パワフル/力強い
サーキットのインパクト
ヒップホップなグラフィティー

モダン/現代的な
ミッドセンチュリーの家具
バウハウスの抽象画

インテリジェント/知的な
エクゼクティブのスーツ
ビジネスジェットのキャビン

スピリチュアル/精神的な
教会の祈り
パワースポットのエネルギー

ミステリアス/神秘的な
魔法使いの古城
オーロラの天体ショー

ファンタジック/幻想的な
夜明けのフェアリーランド
ミルキーウェイの星空

第4章 基本色の配色

Red
お祝いの赤
生命力のある赤
刺激的な赤
アグレッシブな赤

Pink
優しいピンク
ファンシーなピンク
甘美なピンク
遊び心のピンク

Orange
おいしそうなオレンジ
家庭的なオレンジ
カジュアルなオレンジ
スパイシーなオレンジ

Yellow
愉快な黄
賑やかな黄
輝かしい黄
エスニックな黄

Green
リフレッシュな緑
エコロジカルな緑
豊潤な緑
華美な緑

Blue
ピースフルな青
誠実な青
優雅な青
内観的な青

Purple
高貴な紫
ヒーリングの紫
アーティスティックな紫
陶酔的な紫

Brown
プリミティブな茶色
保守的な茶色

Gray
控えめなグレイ
シックなグレイ

White
初々しい白
クリアな白

Black
高尚な黒
ファッショナブルな黒

よりよい配色のための基礎知識
イメージワード索引

武川 カオリ (著)
出版社 : パイインターナショナル (2019/2/18)、出典:出版社HP

本書の見方

テーマごとの配色全体を「パレット」と呼びます。

各色の役割

上手に配色をするコツ

配色をする際、「色を使って何を伝えたいのか」「何を表現したいのか」が重要なポイントになります。配色次第でTPOやいろいろなシーンに相応しいイメージが演出でき、様々なメッセージを発することが可能です。

配色はまず、伝えたいメッセージを明確にして、それを表現する適切なイメージと色を決めることが大切です。トラディショナルで格調のあるイメージを表現したい時に活発でカジュアルな配色になってしまっては、イメージが混乱してメッセージが伝わってきません。表現したいイメージと配色のイメージが一致していないと、どんなに美しい配色であっても効果がありません。相互のイメージのギャップを常に確認しましょう。

使用する色数など配色に関しては、絶対的なルールはありません。最終的な選択は、自分自身のセンスにかかってきます。

配色のプロセス
①伝えたいメッセージを明確にする
②メッセージを表現するイメージを決める
③イメージを最も伝えるベースカラーを選ぶ
④ベースカラーに組み合わせて、イメージを決定づけるアソートカラーを選ぶ
⑤配色を引き立たせるアクセントカラーを選ぶ
⑥配色全体が目的に合い、色彩美に優れているかチェックする

武川 カオリ (著)
出版社 : パイインターナショナル (2019/2/18)、出典:出版社HP

配色の教科書-歴史上の学者・アーティストに学ぶ「美しい配色」のしくみ-

色彩の歴史を学ぶ

この本は色の歴史から芸術家、科学者の生涯まで多岐にわたって紹介されている色彩大全といえる一冊です。歴史上の学者やクリエイターたちが、それぞれに導き出した「美しい配色」のしくみを学ぶことができます。この本を読むことで、モチーフやテーマや、自分が伝えたいことに色を明確に使うことが楽しくなります。

色彩文化研究会 (著), 城 一夫 (監修)
出版社 : パイインターナショナル (2018/9/20) 、出典:出版社HP

目次

まえがき

i. 調和論の萌芽
i-1. アリストテレスの色彩調和論
i-2. ダ・ヴィンチの色彩調和論

ii. 色彩調和論の歴史
ii-1. 色彩調和論誕生――その時代背景
ii-2. ニュートンの色彩調和論
ii-3. ゲーテの色彩調和論
ii-4. シュヴルールの色彩調和論
ii-5. フィールドの色彩調和論
ii-6. ルードの色彩調和論
ii-7. マンセルの色彩調和論
ii-8. オストワルトの色彩調和論
ii-9. ムーン&スペンサーの色彩調和論
ii-10. イッテンの色彩調和論
ii-11. ビレンの色彩調和論
ii-12. ジャッドの色彩調和論
ii-13. NCS(Natural Color System)
ii-14. 色彩調和論の日本への伝播

iii. 絵画と色彩調和
iii-1. ドラクロワの色彩
iii-2. ターナーの色彩
iii-3. モネの色彩
iii-4. スーラの色彩
iii-5. ゴッホの色彩
iii-6. セザンヌの色彩
iii-7. ルドンの色彩
iii-8. マティスの色彩
iii-9. ドローネーの色彩
iii-10. カンディンスキーの色彩
iii-11. モンドリアンの色彩
iii-12. クレーの色彩
iii-13. アルバースの色彩

iv. PCCS (日本色研配色体系)と慣用的配色技法
iv-1. PCCSの概要
iv-2. 配色の基本的な考え方
iv-3. 慣用的に用いられる配色用語と技法

V. 歴史を刻んだカラー・デザイン
v-1. 景観の色彩調和
v-2. 建築の色彩調和
v-3, インテリアの色彩調和
v-4. インダストリアル・デザインの色彩調和
v-5. ファッションの色彩調和

Topics 1 対立する調和論1 ニュートン vs ゲーテ
Topics 2 画家たちの愛読書
Topics 3 対立する調和論2 オストワルトvsクレー
Topics 4 社会を助ける色彩
Topics5 西洋の調和観と日本の調和観
Topics 6 ドラクロワ礼賛
Topics 7 「太陽は神である」ターナーの愛した色
Topics 8 闇に魅せられた色彩観
Topics 9 バウハウスの色彩教育
Topics 10 ビコロールとトリコロール国旗における慣用的配色

索引

まえがき

ルネサンスの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチは手記のなかで「色彩はただ美という驚異をつくり出すばかりである。それは画家の力ではない。その美を生む色彩がそれである」と述べ、色同士が互いに引き立てあう「色彩調和」について論じている。古代ギリシア以来、「色彩調和」は「美」を創造する人々にとって、大きな課題であり、命題でもあった。
「調和」とは英語のハーモニー(Harmony)の訳語であるが、ハーモニーは西洋で古くから音楽との関係で捉えられてきた。ギリシア哲学のピュタゴラス学派では宇宙は協和音(調和)によって構成されている「天球の和音(2つ以上の高さの異なる音が同時に鳴るときの合成音の調べがよく合っていること)」であるとして、「調和」を宇宙の構成要素の1つと考えていた。一方、東洋でも漢語の「調和」は、やはり音楽に関連した用語であるとともに、さらに宇宙的な意味をもっていた。中国の戦国時代の哲学者荘子の思想をまとめた『荘子』「天運篇」には、黄帝が至高の音楽は「一清一濁、陰陽調和」、つまり、天界の音楽は「あるいは清く、あるいは濁り、陰にも陽にも調和したものである」と述べたとの記述がある。以上のように「調和」とは、洋の東西を問わず、宇宙を構成する音楽の和音(響き)から来ていることがわかる。

英語の「Harmony」はギリシア語のハルモニア(Harmonia)に由来する。ハルモニアはギリシア神話では「調和の女神」である。ハルモニア(ローマ神話ではコンコルディア)の母は、鍛冶の神ヘーパイストス(ローマ神話のウルカヌス)の妻で、美の女神アフロデイテ(ローマ神話のウェヌス、英語読みではヴィーナス)である。父は戦争・殺戮の神アレス(ローマ神話のマルス)である。アフロディテは人妻だから、アレスとの関係は許されない不義の関係であった。この話は有名で、後にボッティチェリ、ティツィアーノ、ブーシェなどの著名画家によって描かれ、数々の名作が生み出されている。アフロデイテは美の女神であり、アレスは血にまみれた殺戮の神だから、お互い相容れない性質の神である。その不義の子が調和の女神ハルモニアである。つまり美と殺戮という2つの対立的な概念のなかから生まれたものが調和であるという。ここに西洋独自の考え方がある。しかも成長したハルモニアはテーバイの創建者である地上の王カドモスと結婚するから、ここでも天上界と地上界という異なる世界を結びつける役割を果たすのである。この神話は異質な相容れない者同士の結合から調和が生まれるということを暗示している。

この話を色彩に関した象徴性で解けば、海の泡から生まれたアフロディテは緑の眼をしているから、緑によって象徴され、殺戮の神アレスは赤い血によって象徴されている(『イメージ・シンボル事典』アト・ド・フリース著〈大修館書店〉1984年による)。緑と赤が互いに求めあうという考え方(補色色相配色)は、やがてゲーテの『色彩論』につながっていく。対立した異質な概念を釣り合わせること、結びつけることがハーモニーを生み出すというのである。

本書は、西洋の代表的な研究者や学者の色彩調和論を検証しながら、色彩調和がどのように創造され、また絵画や建築・デザインにどのようにあらわされてきたかを検証したものである。

本書は次の構成をとっている。
第1章 調和論の萌芽
第2章 色彩調和論の歴史
第3章 絵画と色彩調和
第4章 PCCS(日本色研配色体系)と慣用的配色技法
第5章 歴史を刻んだカラー・デザイン
第1章では、古代ギリシアから中世までの色彩調和に関する考え方を概説する。第2章は本書の中核ともいうべき内容で、ニュートン、ゲーテ、シュヴルールからジャッド、NCSまで12に及ぶ代表的色彩調和論を紹介し、その概要を考察したものである。第3章はそれらの色彩調和論に影響を受けた色彩画家として有名な13人の絵画論を紹介している。第4章はわが国の代表的な表色体系である日本色研配色体系に基づいて配色技法の解説を行った。そして第5章は、建築からファッションに至る歴史を刻んだ代表的カラー・デザインの紹介をしている。

以上の西洋の代表的な色彩調和論を概括してみると、最終的にはアメリカの色彩学者ディーン・ブルースター・ジャッドがまとめた「秩序」「なじみ」「類似性」「明瞭性」の4つの原理(P.131-134)に集約される。だが、その調和論を導き出すアプローチの手法はさまざまであり、本書をこのアプローチの視点から解析し、読み解くこともできるだろう。それが「色彩調和論」を紐解く道標ともなるからである。以下にその要点を列挙する。

1 音楽と色彩との共振による調和論
音楽が「調和」を生み出す主な要素であるという視点の調和論。古代ギリシアのピュタゴラス、アリストテレスに始まり、ニュートン、ゲーテによって提言され、フィールド、イッテンと継続していく考え方である。やがてそれらはスーラをはじめ、マティスやドローネー、モンドリアン、カンディンスキー、クレーなどの色彩絵画で表現されていく。

2 視覚的均衡の原理
ダ・ヴィンチに端を発し、ゲーテの「色の求め合い」の補色配色論として確立し、ルード、シュヴルール、マンセル、そしてムーン&スペンサーにつながる補色色相対比を重視する色彩調和論の基本となった手法である。シュヴルールの影響を受けたドラクロワやモネ、ピサロ、シスレーなどの印象派、スーラ、シニャックなどの新印象派の画家たちの基本理念になっていく。現代アートではジェームズ・タレル、オラファー・エリアソンによって表現されている。

3 色彩の自然連鎖の法則
ルードによって提唱された技法で、色相の明度対比を重視した配色。オストワルトの等価値色系列ともほぼ一致し、ヘリングの「自然の色の体系」を経て、スウェーデンのNCSやわが国のPCCSに取り入れられている。絵画ではターナー作品などに見ることができる。

4 色相とトーンの2属性によるアプローチ
色の3属性によるのではなく、色相とトーン(等色相面)の2属性を基点とした配色へのアプローチである。シュヴルール・トーンを基点としてオストワルト、ビレンの等色相面を経て、NCS、PCCSによる手法として提言されている。現在、最も普及している配色手法の1つである。

5 物理補色の灰色を基準にした色彩調和
視覚的均衡の1つであるが、補色の混色によって得られる灰色を調和の基点とする考え方である。ニュートンからフィールドに引き継がれ、シュヴルール、マンセル、オストワルト、ビレンへと継続する配色法であり、画家のドラクロワ、ルドンなどが試みている。

6 調和の定量化の試み
フィールドの三原色調和の数値化に始まり、マンセルの面積比、イッテンの面積対比などを経て、ムーン&スペンサーによる調和・不調和の定量化につながっていく流れである。すべてを論理的、数比的に思考する西洋らしい調和論である。

本書は文化学園大学名誉教授の北畠先生が主宰する「色彩文化研究会」に属する研究者たちの共同執筆である。前作『色で巡る日本と世界』(青幻舎)に続く第2作目であるが、今回も北畠先生にはご専門の立場から多大なご指導をいただいた。またPCCSに関しては、日本色彩研究所の名取和幸理事、文化学園大学の大関徹教授からも貴重なご示唆を賜った。さらにNCSについては定講師の桜井輝子さんからも有益なご助言を数多くいただいた。このNCSについてはNCS認定講師の桜井輝子さんからも有益なご助言を数多くいただいた。この場を借りて厚くお礼申し上げる次第である。
本書は「色彩調和論」に対する研究者たちの想いの詰まった書籍である。まだまだ不勉強で、未熟なところも多々あると自戒しているが、最後に読者の皆さまからの温かいご指導、ご鞭撻をいただければ幸いである。

城一夫
平成30年9月吉日

色彩文化研究会 (著), 城 一夫 (監修)
出版社 : パイインターナショナル (2018/9/20) 、出典:出版社HP

【Amazon.co.jp 限定】配色アイデア手帖 めくって見つける新しいデザインの本[完全保存版] (DL特典: 厳選! ポケット配色アイデア手帖)

デザインの実用的パートナー

とても実用的な本で、二色配色、三色配色がかなり参考になり、そのまま活用できます。配色がテーマに合わせて見開きで、絵柄を変えて掲載されています。パラパラとめくるだけでも楽しいです。デザインをする時、資料を作る時、いろんなデザインのシチュエーションで常にそばに置いておきたい一冊です。

Introduction

本書を手に取ってくださったすべての方々に
「こんなにイメージがふくらむ配色見本集は見たことない!!」
と感じていただけるものを目指して作ったのがこの本です。
全127項目のテーマそれぞれには、写真に関連する色の話題や
イメージの世界を広げるエッセイをつけて
9色のカラーパレットを作っています。
それらの色を実用的な2・3色の配色、
応用的なデザイン・パターン・イラストの配色と
合計3175選の配色サンプルへと展開することで
基本から応用まで、さまざまな利用シーンで役立つ本になっています。
創作イメージを膨らませる手助けに、デザインやアイデアのひき出しとして
欲しいイメージを見つけ、活用してください。
お気に入りの雑誌を眺めるような感覚で楽しんでいただくなど、
本書が皆様の良きパートナーになってくれれば
制作チーム一同、こんなに嬉しいことはありません。

桜井輝子

CONTENTS
本書の目次

Casual Active Pop/Romantic/Natural/Fresh Clear/Elegant/ Gorgeous Luxury / Dynamic Ethnic/Classic Chic/Mysterious/Sharp Modern/Colorful World/Colorful History/Rainbow Color Palette

Part 01 カジュアル・ アクティブ・ポップ
(陽気な・楽しい・活動的なイメージの配色)
Part 02 ロマンティック
(かわいい・優しいイメージの配色)
Part 03 ナチュラル
(安らぎの・リラックスした・自然なイメージの配色)
Part 04 フレッシュ・クリア
(新鮮な・透明感のある・清々しいイメージの配色)
Part 05 エレガント
(洗練された・気品のある・上品なイメージの配色)
Part 06 ゴージャス・ラグジュアリー
(豊かな・華やかなイメージの配色)
Part 07 ダイナミック・エスニック
(大胆な・民族的なイメージの配色)
Part 08 クラシック・シック
(伝統的な・信頼のおける・渋いイメージの配色)
Part 09 ミステリアス
(神秘的な・空想的なイメージの配色)
Part 10 シャープ・モダン
(カッコいい・近未来的なイメージの配色)
Part 11 カラフルワールド
(日本の色・世界の色)
Part 12 カラフルヒストリー
(歴史と流行色、絵画の色)
Part 13 レインボー・カラーパレット
(色相別の配色)

【色名について】
本書の色名はアイデアやイメージが膨らむように著者が独自に名付けたものの他、日本工業規格(JIS Z 8102-2001)「物体色の色名」に定められた色を使用しています。
色名に(JIS)と記載があるもの、およびPart13レインボー・カラーパレット色は日本工業規格(JIS Z 8102-2001)「物体色の色名」に定められた色です。
【CMYK、RGB数値について】
色は印刷する素材や印刷方式、モニター画面の色の表示方式などによって異なって見えることがあります。CMYKとRGBの数値はあくまでも参考値としてお取り扱いください。

本書の使い方

本書の本文は大きく4つのStepに分かれています。Step01は配色のアイデアを膨らませる文章と写真の「配色テーマとイメージ」。Step02はデザインにもすぐに活用できる「配色パレットと色の数値」。Step03は使い勝手がいい「シンプルな配色例」。Step04は実例まで作り込んだ「デザインやイラストの配色例」です。

Part01
カジュアル・アクティブ・ポップ
Casual・Active ・Pop

パーティーやお祭りのワンシーンをイメージした配色や虹のモチーフ、トロピカルフルーツなど鮮やかな色だけで作った配色を集めました。弾むように楽しいカラーパレットです。
陽気な・楽しい・活動的なイメージの配色

001
気球フェスティバル
Hot air balloon festival

熱気球に乗って空の旅! 誰もが一度は体験してみたい事のひとつ。世界最大級の気球フェスティバルは、アメリカのニューメキシコ州アルバカーキで毎年10月に開催される。この地はロッキー山脈の盆地で一年を通して晴天の日が多く、澄み渡った青い空が印象的。空や雲、太陽の色をベースカラーにした配色。
イメージ 元気な、大胆な、爽やかな
配色の仕方 カラフルな色を多色配色で組み合わせる
ポイント 暖色系をメインにするとより一層目立つ

002
ガールズパーティー
Girl’s Party

かわいいスイーツを持ち寄って、いつもの場所に集合。今日だけは時間を忘れて、思いきりガールズトーク♪毎日いろいろあるけれど、大好きな友達との楽しい時間が私を元気にしてくれる。ショッキングピンクをメインにしたカラフルな色は、明るく元気で前向きな女性のイメージ、色からパワーをもらおう!

イメージ 華やかな、目立つ、刺激的な
配色の仕方 ピンク系を中心に彩度の高い色を使う
ポイント 3色以上の色を一度に使うと効果的